麦(ムギ)を播き食べ暮す

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日本では麦の収穫期5〜7月が高温多湿な為、
パンなど(高グルテン)に向く強力粉用小麦の収穫は
北海道などを除いて難しく、
中力粉〜薄力粉に向く小麦の栽培が一般的です。

「農園さくら」では15年ほど前から、小麦の栽培を始め、
現在は、薄力粉・準強力粉用小麦(強力小麦に近い)
を栽培し、自家用と少ないですが販売もしています。

麦の物語はなぜうまれたの?

以前お米が不作の時に、こんな思いが浮かびました。

昔の農家は秋の収穫後には、2年分の米の在庫を持っていましたが、
今の農家は自家用のお米、予備在庫は多くても3〜5月分しか持っていません、
もし温暖化や冷害で不作の年が来たら、一般の国民は愚か農家でさえ
半年も生きることはできないのです。

多くの消費者は「いざとなれば農家は食糧を作っているから強い」と考えていますが、
現実はこんなものです、工業製品と違い米も麦も12ヶ月待たなければ収穫は無いのです。

もちろん、翌年も不作が訪れることもありますし、ましてや他国が十分な食糧を日本に
売ってくれるとは限りません、地球は同一の環境を共有しているのですから。

このことを考えるにつけ、米の在庫を大量に持つ経済的な負担よりも、
春に実る『麦』があることに気が付きました。
米を半年食いつなげれば麦の収穫が始まる、麦は粉に挽けば利用価値が高いこと。

昭和30年代までは地元で麦を作っていたこともあり、栽培は出来る自信はありましたが、
種の調達、栽培管理作業の手順を調べるのには苦労しましたが、
実際に作ってみると土と自然が麦を作り上げてくれ、私は見ているだけでした。

収穫後、製粉機で粉に挽きパンを焼いてみると、市販の小麦粉と大違い、
色はやや小麦色で、香ばしく土の匂いで味もしっかり有り、
全てが今までの小麦粉を超えていました。

 
 麦の一生・・・『農園さくら』(小麦)編 
麦の中では小麦が遅くに実ります、大麦・ライ麦・などは半月〜1ヶ月ほど早く収穫を迎えます
種まきは
10〜11月
お米は一粒の種子が1,000倍以上に
増えますが、
麦は50〜150倍にしか増えません、
しかしほとんどの作物が育たない冬の寒さ乾燥に耐え、農地を有効に利用できます。
やせ地・高地でも土をさほど選ばず、
ヨーロッパや高原の民族の命を支え文化も育んできた穀物が麦です。
     
冬の間は寒さに強い麦は、
春をじっと待ちます
「麦踏み」とは・・・・・1〜2月頃冬の寒さで地面から浮き上がってしまった麦の根を足で踏むことにより落ち着かせる作業です。
麦の株の上から踏む荒っぽい作業ですが、
後の成長に良い効果があります、
私はしません、当地では土が重たいので根上がりをしないこと、手間が無いことからです。

注意を一つ・・・下の写真のように茎が見え立ち始めてから麦踏みしないでください、
すでに茎や花芽ができ始めているので、
麦の茎・穂を痛めてしまいます。

     
3月に入ると葉が伸び始め 初春の麦畑は回りの草木よりも一足速く若草色のじゅうたんに覆われます。
殺風景な農地の中でそこだけがいきいきと活動しています、6月の収穫が楽しみです。
     
5月は茎が上に向って成長を開始 一週間ほどの間に風景は一変し、
地面が見えないほどに緑に覆われます、
所々から麦の穂がのぞきます。
     
6/上旬は緑の穂が春風にそよぎます 穂が出揃うと麦畑は明るくエメラルドグリーン、
風が来ると海のように麦が波打ちます。

お米は実るほど穂が垂れますが、
麦は穂が空に向います、麦は主張の文化、
米は内向の文化でしょうか。

     
6/下旬には小麦色に変り収穫期   日本で麦作りが定着しないひとつに、
6〜7月が高温多雨なことがあります。
雨間を見て収穫ししっかりと乾燥してから貯蔵することがポイントです。
 

麦を作り始めて気がついた事・・・変ったこと

始めて作った時は、穂が出てからアブラムシが沢山穂に付いていて、
消毒してしまおうか悩みましたが、麦の力を信じて見てみぬ振りでいると、
数日してアブラムシがいません、不思議でしたが畑の中をよく見ると、
てんとう虫の成虫と幼虫が麦の穂のあちこちに付いていました。
一週間ほどで彼らが虫を食べてしまったようです、
自然の力は偉大です、その後も消毒はしていません。

もう一つの問題は草です、
もちろん除草剤使用が一般的な麦作りの常識でしょうが、
除草剤はお金も手間もかかり、何より農薬は使いたくなかったので
何年か考え試してみるとあることが判りました。

冬に成長する麦の畑には、冬草は発芽しないか成長は遅いのです、
これを利用すれば、麦の播き時はできるだけ秋遅くにして畑を起こしたら
早く播きます、「農園さくら」の南信州では11月上旬がベストです。
この方法の欠点は、播種標準よりも遅いので結果として麦が減収になります。

私は農薬使用よりも無農薬を選びました。
小面積での栽培では、手作業で除草できるので10月の播種を勧めます。

   ・・・・・・続く・・・・・・

 
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