野生カモ農法
(カルガモ・マガモ)

 

「農園さくら」 発

小鴨を気遣いながら、食事中

お金はかからない。手間はかからない。しかし『自然』の審査は厳しいかも。

自然と寄り添いながら暮らすうちに、生きもの達からから共生しようと提案がありました。

2003年の5月、見た事も無い鳥が水田に泳いでいる、よく見ると鴨らしい、動物園かテレビでしかお目にかからない水鳥、何の為に農人の田に舞い降りたのか・・・・・

翌月には理由が明らかに、子育て、営巣が目的だった。
10羽ほどの小鴨を引き連れ、稲の株間を草を食べながら、日の出から夕方まで泳ぎ回っている姿は、時間も忘れ楽しいもの。10枚ほどの水田を次々と移動しながら、草の多い田からローテーションを組んでいるみたい。

実は以前、全国で流行の「アイガモ農法」が可能か調べてみましたが、鴨を外敵から守るために、電気柵などで囲う必要や、毎年アイガモの子を購入して入水のトレーニング、稲の除草に適さない時期 (水田の除草に使えるのは100日程)のアイガモの餌の確保、そして何より困るのは、稲の穂が出て田から引き上げた後、成長したアイガモの利用 (肉にするのか?農人はハーフベジタリアンだから無理)をどうするのか。結局は「アイガモ農法」をあきらめました。

『マガモ』は、多くの点で、「アイガモ農法」よりラフで、経費も気にならない。(野生ですから当たり前)
実の所、人間は野生の動物を改良して、自分の都合良く使っているのですから、本当の意味では鴨には優しくない「アイガモ農法」なのかも。

2004年の野生カモ(マガモ)の様子をお伝えします。

5月頃から次々と彼らはやって来ました。懐かしい顔ぶればかり、もうすっかりと大人の飛行姿。
最終的には、9羽ほどを確認しましたが、幾つかの集団で行動してました。
雄は2羽かな、農人が確認できた営巣箇所は3箇所、残念なことに3箇所とも狐かイタチに荒らされたようでした。でも夏には小鴨の姿を見たので他の巣は繁殖できた様子です。

彼らが来るようになってから、農人もカモの勉強をしました。
雄の首に青色が有るカモは、青首(マガモ)と呼ばれていて、日本で暮らす鳥も少ないがいます、まれに水田の草むらで営巣することもあり、その場合は土手の草丈が50センチ以上必要とのこと。
夜間も活発な活動(採食)をして、水生の草だけでなく、昆虫も多く食す。(これが素晴らしい)
営巣は、雌の出身地で行います。(毎年来るから嬉しい)
雄は雌が出会って連れて来るみたい。

そんな訳で、農人「農園さくら」がすべきことは、むしろ、しないようにすることなのかも。
田の土手草は中央を刈らないようにしています、田には除草剤を現在1回だけ使用中ですが、今後も夏草が適当に生えているように。いずれか半数の水田には水が何時もあるように。
営巣の時期、外敵からの隠れ場所になるように、水田の中央に土を盛って草の生えた中洲を作ってみようと思っています。
一番大切なことなのですが、彼ら野生の領分を侵さないように、遠くからそれとなく見守ること。
だって、草取りの労力、「アイガモ農法」にかかる経費と手間が不要、カモの糞の肥料効果。
こんなに多くの効能が、自然環境を保つことで稲作りに活かせるなんて、自然界は有能で偉大。

肝心なことが一つあります。
『野生マガモ農法』で収穫したお米は、どれもナチュラルな味/色/香/で美味しい。

田を泳ぎ回る彼らの姿は楽しく頼もしい、いつまでも見飽きない自然そのもの。

 
 
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