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心の中 穏やかで愉快なスキーが出来ることを望みます 2003/02/23(修正)
ワンポイントアドバイス 懐かしい響き 2003/02/17
2回目の達人検定 最悪だったなー。でも愉快だったなー 2003/02/16
滑りたーい・ノースフェイス よだれが出ました 2003/02/15
スキー雑誌 久々に笑わせていただきました 2003/02/14
スキー上達のこつその3 ネタバラシと言う程のことでもないんですが・・・・(^^) 2003/02/10
スキー上達のこつその2 やはりひたすら滑ることだと・・・・・。 2003/02/04
ガンバレ!!S○Jその2 本当にガンバッテ欲しい 2003/02/02
スキー上達のこつ 眉に唾をつけて読んでください・・・(^^) 2003/01/30
ガンバレ!!S○J S○Jをハゲマス訳 2003/01/28
小学校スキー教室 子供たちの素直さ 2003/01/26
達人検定 達人に逢えた! 2003/01/25
オフピステクルージン ピクニックに出かけよう 2003/01/21
八方スペシャルテスト 八方SS独自の検定が始まるそうです 2003/01/20
指導員 インチキラクターの憂鬱(^^; 2003/01/17
VOLKLP40チューンナップ ちょっとだけエッジの調律 2003/01/15
VOLKL P40インプレその2 昨日にひき続き「イヤ〜スキーってほんとにいいですねっ」 2003/01/09
VOLKL P40インプレ ようやく初すべりが出来ました 2003/01/08
お礼 アルピーヌは今年で20年になりました 2003/01/06
靴滑り スキーは靴の延長? 2003/01/06
スキーヤー”系”という考え方 人と道具の融合 2003/01/01
免停 詳しく知りたい方は足尾のバイパスをぬわわKm/hで走ると分ります(^^) 2002/12/29
VOLKL P40RC購入 2年落ちのP40買ってしまいました 2002/12/27
県知事選U もう古い話になりました 2002/12/24
物置小屋 2×4の材木で作りました 2002/12/22
カービングターンの総括 目覚めよと呼ぶ声が聴こえ・・・ってか? 2002/12/02(12/22修正)


心の中2003/02/21


1シーズンでパトロールの世話になるスキーヤーは凄い数になる。
その内の何件かには救急車が出動する。
深刻な事故はその殆どがゴキブリスタイルに依るものだ。

ブレーキの効かない、ブレーキを効かせられないスキーヤーが加害者であり、被害者になる。
調子に乗って飛ばすことは出来ても、自分のブレーキが何処にあるのかも、又それが簡単にフェードすることすら知らないのだ。

今日(19日)滑りに行って思わず「アブネッ!」と叫んでしまった。
板が走ってシリモチをつき、エッジがガッチリ雪を捉えてコントロールを失ったスキーヤーがリフトの支柱めがけて吸い込まれる様に突っ込んで行ったのだ。
それを見ていたリフト待ちの何人かは悲鳴をあげたし、直後に起きるだろう悲惨な光景を想像したに違いない。

幸い衝突する寸前座ったままのハイサイドで体が谷側に投げ出され事無きを得た。
場所はチャンスカの2号支柱。バキュームチューブの入り口。

帰りに通った名木山ゲレンデの大壁では技○選に出場するらしき人々(きっと殆どが指導員だろうな)が練習していた。
急斜面を相も変らぬゴキブリスタイルでカッ飛んでいた。
危険なシーンを見た直後だったので今回つくずくこの連中が急停止は出来なくても思考停止は簡単に出来るバ○に見えた。勿論そうした滑りをよしとする団体が元凶なのは云うまでも無い。

免許取立ての血迷った○○がどっちに行くか分らないヘラーリで2輪車に体当たりして来る光景を想像してしまったよ。

こうした馬鹿げた滑りをビギナーも混在するゲレンデで、いたいけなスキーヤーに真似をさせ、事故を大量生産していながらスキーは「安全で楽しい生涯スポーツ」 だなどとふざけたことをホザイているのだ。

事故に至らないまでも滑走中に危険を感じ、回避する回数が増えている。ゲレンデがアブナイ雰囲気になっている。
深夜峠道でドリフト走行しているグループに遭遇したのに似ているカモ。
路面にはブラックマークが無数に残され、その痕の何本かはドブに向かっていたりする。
斜面についた大股開きの深い疵は峠道のブラックマークのようだ。

平滑に整備されているのが常識になったゲレンデも、その内峠の波状路のようになるんだろうな。
快適な環境を自ら悪化させていくかもしれない愚行をこれからもS○Jやメディアは続けるんだろうな。

そう言えば先日見た○J誌03年3月号にも「速いはうまい、うまいは速い」なんて記事があったな。
そんなに上手けりゃワールドカップのダウンヒルレースに出てもいいとこにいけるんだろうな。
バルガルディナの三段ジャンプをまとめて飛べるようなら「速いはうまい」を認めてもいいけどね。
でもジッサイは○ョン○ンちびりながら横滑りかまし続けるのが関の山だろう。

目的のない速さは虚しい。
例えそれがどんなに派手なパフォーマンスであっても只の見世物にしか過ぎない。
技○選はどっかの埠頭でローリングしている車と、それを見学しているギャラリー達と本質はたいして変わらないのではないかと思う。
走る側も見る側もそれを楽しいと感じるのは勿論自由だが・・・・。

アルペンやクロスカントリー、あるいはモーターサイクルのレーサー達の滑りや走りが、結果的に「美しい凄い」と感じるのは、タイムを詰めるという明確な目的があるからだろう。

目的のないサルマネは虚しすぎる。

上達の為に努力するのは良いことだ。しかしそれが度を越すと今この時を楽しめなくなる。心は常にその先にシフトし、今を否定するから今を楽しめない。
上達はするかもしれないが、上を目指して辿りついた場所も今だから、決して心の渇きが癒えることは無いのだ。
上手いというのは今この時を楽しめる人のことをいうんじゃないのかな。

スキーもバイクも危険な乗り物という点で似ている。しかしそれを高い確率で安全に楽しむ術はある筈だ。一人一人の心の中にね。

ワンポイントアドバイス
2003/02/17

達人検定で久々に聞いた「ワンポイントアドバイス」
何となく効果がありそうで無さそうで、でも何か期待させる怪しくて懐かしい響きだな〜。

初心者の方にはこの「ワンポイントアドバイス」の「ワンポイント」を順序良く並べて(多少順番が違う方が良いこともある)伝えることで、スクールに入校した価値を実感して頂ける程の凄い効果があるのは事実。

3年前スノーボードを教えてもらった時などまさにこの典型だった。おかげ様でその後黒菱まで登ってリーゼンやスカイラインをそこそこ滑られるようになったものの、やはりスキーの方が性に合っているようで、今はボードからは遠ざかっている。

で・・・、初心の時は確かに効果があるが、達人検定を受けようとする程の領域に達している人が、ワンポイント程度で簡単にステップアップするとは思えないのだ。
もし上達したと感じたら、良く言えば明るい未来の可能性は無限だし、悪く言えば未熟(^^;ということになる。

仮に何かアドバイスされても、なかなか納得出来なかったり上手くいかない時は、それがどんなに”偉大なる指導者”からであっても、さっさと見切りをつけて別の方法を試した方がイイ。

これは例えば煮え切らない恋人にいつまでも未練を残しているみたいでみっともないし、第一時間の無駄だ。
ダメモトでどんどんアタックし、ふられてもなおめげずに恋人を探すのだ。
その内に素晴らしい人が現れるかもしれないし、あるいは「やっぱりあんたが一番」なーんて縁りが戻ることがあるかもしれないしね。
このあたりの経験の多さが達人じゃないのかな〜。

ってな事を書いていたら、54歳にもなって
ドキドキ
してきたゼッ。

勿論「悪雪をもっとアグレッシブに滑ろう」と言う意味です。誤解無きよう(^−^;

2回目の達人検定2003/02/16


今回も前回と同様の斜面と種目でした。
前日の雨から冷え込んで、グルーミングされたゲレンデは固く締まり、どちらかと言えばアイスバーンに近く滑りやすい良好な状態でしたが、それから外れた斜面は「凸凹&ガサガサ&クラスト&シュカブラ&落とし穴」で悪雪の見本市みたいな状態でした。

いくら検定の趣旨が「どんな状況でもこなせる技術を見る」とは言っても、受検者は勿論、私達の誰もが「滑りたくネーナー」というのが本音だったと思います。
やはり大部分の方は苦労していましたが、中には危なげなく「こなした」人もいました。整地では特別目立つ滑りではないものの、どんな状況でもチャレンジ自体が楽しそうな、悪雪でもあまり変わらない安定した滑りはこの検定の趣旨に良く合致していると感じました。

検定員(ちなみに全員達人はおろか名人の資格も無い)は前回とメンバーが2名変わっており、判定基準に関しては今回も特別打ち合わせをした訳ではなく、それぞれ独自に判断した結果を「判定会議」に持ち帰って検討しました。
にもかかわらず前回同様、”達人名人”についての認識が5人共見事に一致していたのは正直驚きでもありました。

特別に何かの”資格を持っている”という事とは無関係に、結局スキーが好きでそれがどういうものなのか、ある程度知っている人なら誰でも直感的に分るということです。

S○Jの検定では準備する斜面や状態についても細かい規定があるので、時々降雪等による斜面状況の悪化をかこつ人がいますが、どんなに悪くてもこのスペシャルテストに比べれば最良と言って差し支えは無いでしょう。

他のスポーツ、例えばボーリングやゴルフでは初心者でもまぐれでストライクやナイスショットが出ることがありますが、ことスキーに関してそういうことは100%無いのは周知の通り。
このことからS○Jの検定の場合、「何処に注意して滑ると合格しやすい」とか、「検定員の印象を良くする(こうした考え方自体本末転倒なのだが)には」といった検定の心得みたいなのを見聞きするし、又それを真に受けている人が多いみたいですが、眉唾に近いのでは?と個人的には考えます。

スペシャルテストの場合はそういうセコイ(^^)仕掛けは通用しない、というより、「ここを無事に滑り切ることができるんだろうか?」という不安の方が大きく、「上手く見せる」等と言う余裕は無い筈です。

2回目はタマタマ斜面状態が最悪になってしまいましたが、これ以上悪い状態は考えにくいので、次回はもっとマシになるのではないかと思います。

検定終了後参加者全員(検定員含む)でコーヒーを飲みながら今日一日の感想を語りあった中で、「ワンポイントアドバイスをして欲しい」とか、「フリー滑走と言ってもどうやって滑っていいか分らないので種目を指定して欲しい」といった意見が聞かれました。

”参加者”の一員として感想は述べさせて頂きましたが、この企画に限ってはいろんな場所でいろんな考え方でいろんな方法でスキーを極めようとして来たその滑りを 拝見させて頂だき、検定を”でっち上げた”立場上、直感で判断させて頂いただけのことで、同好の志としては滑り方に対してのアドバイス等と言うおこがましい姿勢は最初から皆無だったし、少なくとも教えを乞われるような立場で検定しているのでは無いということを理解して欲しいと思いました。

ともかく今回も滑走距離は勿論、全てにおいて”普通の検定や講習”よりハードで愉快だったことは確かでした。

滑りたーい・ノースフェイス2003/02/15


今どこのスキー場もオフピステはロープ等で規制されていますから多くのスキーヤーは所謂ピステ以外で滑られない訳です。

大陸のスキー場に比べ日本の高山はモンスーンにさらされる為、天候の急変等による危険度が高く、高所までスキー場を伸ばすことは困難なのでしょう。
標高がとても高く感じる八方の場合でもスキー場としての最高地点は1820mでしかありません。麓が750mですので、日本屈指の標高差は確保されてはいますが、大陸のスキー場に較べれば平凡な数値です。

しかし、低標高にもかかわらず八方尾根に高山の雰囲気があるのは、超塩基性岩(蛇紋岩)の崩壊地が標高の低い地帯まで覆っている関係で、森林限界も通常の山に比べかなり低くなっており、すぐ隣の五竜遠見スキー場や小日向周辺の尾根筋と比べると特徴的です。

これが何を意味するかと言えば「大きな樹木に邪魔されずに滑られる」ということになります。

先日小学校のスキー大会で岩岳スキー場に行きました。
八方尾根スキー場を岩岳スキー場側から見ると、だだっ広い扇形の雪原が広がっているように見え、実際その殆どが滑走可能なピステで、普通はこれだけ広ければ充分と考えるところですが、扇の右側、つまりオフピステとなるノースフェイスはもっと魅力的な表情を見せています。

急峻な斜面と所々に岩が露出しているので滑走にはハイリスクを伴う(斜面が固い時は雪崩の危険は少ないものの転倒は致命的)のは明らかですが、深雪で且つ雪崩の危険が低い時に「滑ることが出来たらなー」と眺めていたら、よだれがでてしまいました(^^)←ジョーダン

新雪が降った後ちょっと遅い時間に滑りに出掛けると、グルーミングされた斜面を除いて良さそうな深雪部分の殆どに無数のシュプールが刻まれていてガッカリする一方、深雪を楽しむ人がこんなに沢山いるんだなーと思うと、とても嬉しくなります。

この人達の中にもきっと「ノースフェイスを滑りたい」人が沢山居ることと思いますが、数年前にこの斜面のどこかで3名のスノーボーダーが雪崩に巻き込まれて亡くなっているので、今の所難しいとは思います(;;)

気象やコース、雪崩のメカニズムや冬山を熟知した信頼できるガイドに依るツアーが出来たらいいなーと思う今日この頃。
勿論リスクは自分持ち(^^)

スキー雑誌2003/02/14


何年かぶりに○J誌を見た(03年3月号)
笑えた

以下は”読者の声”ということでお許しを・・愛読している別冊MOTOR CYCLIST誌には「紙面にモノ申す」というページがありますので(^^)。

特に大笑いしたのは ショートターン云々の骨盤を立てるとか寝かすとかいうくだり。
立てるという意味も、又どっちにどの位立てるのかも分らない。分らないまでもコツバンらしき部分を動かそうとしてみた。

駅のホーム等で時々ゴルフのスイングや握り方を練習している人を見かけることがある。大抵は傍から見ていて「ゴルフ好きなんだな」と分るが、いくらスキー好きでもこの記事にあるショートターンのイメージトレーニングを人前ではやらないほうがいい。特に混んだ電車の中では。

「スキッドアンドカーブの場合は・・・エート」なんて真剣にやっていると鉄道警察のお世話になりかねない。つまり「ガキデカ」も真っ青の

しい腰つき

になるのだ(^^;

骨盤がドーシタとかなんて意識したことはこれまで一度もなかったし、でも記事の内容からは今風の滑りをしようとすると、どーも骨盤を立てないと具合が悪いらしく、昨日2回目のスペシャルテストに行った折に、リフトの上で[TOK]さんに「コツバン立てるとか寝かすとかってどーいうこと?」って聞いたのですが、「コツバンってどこ?」なんて軽くあしらわれてしまいました。

じつは○J誌で「かくかくしかじか」・・・「ふーん」で終わり。

”ショートターンでもカービング要素の強い滑りが求められる現在、一般スキーヤーの目指すべき滑りは?”←○J誌より引用

なーんて訊かれたら
「ズラシッ」って答える人は少ないだろう。

現在そんなものが求められているのか、又そうだとしたら何の為に誰が求めているのか、こればっかりは分らないにしても、少なくとも「目指すべき」なんて表現はどーかなと思う。

スキーヤーが皆怪しい腰つきになりだしたら、スキー場にはいかがわしい雰囲気が充満することだろう(・・;
昨日のスペシャルテストでも”目指し過ぎた結果”が良く現れていました(^^)。

「ドー教えればスキーは楽しくなるのか」というような記事も、マタマタ難しそうな言葉や何かの図が書いてあって、これはきっと「自分が指導者だと思っている人が読むぺージなんだろうな」ということは分りましたが、それ以外は何のことかサッパリ。とてもじゃないけどこれを読んでいて眠くなることはあっても”楽しくなる”とは思えなかった。

面白くなりかけた人が「もうちょっと」と前向きになった時、”偉大なる指導者”からこんなモンかまされた日にゃーいきなり萎えるね。
そうして教えるべき対象がドンドンいなくなるのだよ。

ここまでは「相変わらずやってますね〜○Jさん」でしたが、最新のマテリアルに疎かった私には板の紹介やワックシングの科学的考察は非常に参考になった。それに普通のスキーヤーの方々、特に自動車評論家のコラムは秀逸であり、スキーの楽しさというか愉快な感じが良く伝わってきた。

佐怒賀さんのマンガはマジで笑えた。
深層心理をついていると言う点では傑作だ。
たった14コマでスキーの楽しさ愉快さ又その影の部分さえ強烈に暗示する氏の力量は凄いとしか云い様が無い。
きっと今日まで幾多の辛酸を舐めたんだろうなー、でなければこんな作品を描ける訳はないのだ。
訳の分らない技術論にページを割く位なら
、氏のマンガをせめて

28コマ!

にして欲しい。
低迷するスキー界を今救えるのは佐怒賀さんのマンガしかないのではないかと思えてきた。

著名○モの”コツバン”の話より、こうした時々スキーに行き、ドーしたら上手く滑られるようになるのか悩み、又それをも楽しんでいる人々の話のほうが余程面白いし100倍為になる。

きっとこれからも毎回違う○モや、S○Jのエライ人々が登場し、持論を展開し、毎回違う

”客観風主観的表現”

で読者を惑わし続けるのだろうな。

スキー上達のこつその32003/02/10


上達のコツはとにかく滑ることですが、そーは言っても「何かあるんじゃねーか?」と思うのは誰しも考えることです。そこで一つだけ私が気を遣っていることを「バラシ」てしまいましょう(^^)。

「足の指でブーツのインソールを引っ掛けるように曲げ、且つ腰の下に板を引き寄せるツモリ」
というものです。特に親指で。

引っ掛けているのがわかりますか???(^^;

インソールは平ですから勿論指が引っ掛かる筈はないのですが、指先を引っ掛けるように曲げると、つま先部分の上下と踵の3点がブーツの中で固定され、これによって足とブーツの一体感が高まり(MCで言えばはニーグリップかな?)、それはとりもなおさず板と足とがダイレクトに結ばれるということになります。

こうすることで微妙な板への入力や斜面からのキックバックに対して敏感に反応出来、特に難しい条件下では板のコントロール性が向上する筈です。

ブーツの中の足がバックルに依るホールドだけだったり、単純に「拇指球を踏む」状態と比較すると、はるかに「シャン」としますし、結果的に足首の前方への角度も正しく保つ(以前は「足首のブロッキング」なんて言っていた)ことが出来ます。

常にこの状態を維持するのは大変なので、「引っ掛ける力」も含め臨機応変にターンの中で配分してみてください。

スキー上達のこつその22003/02/04


30年程前オーストリアのサンクリストフにあるブンデススポルツハイム(国立の体育学校みたいな所) に1月から4月にかけて入校していたことがあります。
何をしに行っていたのかというと勿論スキーです。

YENがまだ1ドル360円の頃だと思いますので渡航費用や滞在費は凄い額になり、持ち合わせなどあろう筈も無く、当然金融機関からの借り入れでした。

動機は「上手くなりたい」という単純なものでしたが、この理由や長期家を空けること、又辿り着く迄の諸問題を書き始めると大変なことになるので止めておきます(^−^;

通称「ブンデスハイム」ではクルッケン・ハウザー教授の愛弟子、Mr.エディー・ハウワイス(当時の校長はフランツ・ホピヒラー教授)に師事したのですが、準指導員のお墨付きを手にしたばかりの私は若かった事もあり、技術的な面でも「思い上がっていた節」が多いにありました。

エディーは40代半ばだったと思いますが、初対面の時「こんなジイさんで大丈夫なのか?」と”バカ気のいたり”で 不安に思ったものです。

ところが!!・・・・(・・;

手始めに軽く近所(スキー場)を案内してもらったとたん、自分が如何に「おそまつ君」だったかを思い知らされたのでした。

全く従いていけないばかりか、エディーの滑りはまるで妖術を操る仙人←{見たことはありません(^^)}の様で、オドロイタと言うより不思議な気分になってしまったからです。
彼にしたら軽く流す程度だったのかもしれませんが、この一件でゴミみたいなプライドは一気に失せたのは言うまでもありません。

無口な彼が時々発するドイツ語の意味は理解出来る筈も無く、ただひたすら遅れないように従いて行く日々が始まりました。
昼食の時間は休めたものの、文字通り朝から夕方迄滑りっぱなし。しかもリフトは高速のTバーなので、それで足を休めるという訳にはいきませんでした。

約100日間こんな毎日が続き、その内休養日が2日あっただけのハードなスキーでした。
エディーは時々休みましたが、代わりにMr.クルツ(正しい氏名は失念)というオーストリアの現役デモの若者が面倒を見てくれました。
クルツとは”小人”の意味だそうで、彼は180cmを超える大男なのに、当時練習のバリエーションで”クルツシュブング”というのがあり、それが得意でこのあだ名がついたようです。

この若者もエディーに”モアパワー”を注入したようなバケモノに見えました。

吹雪のブンデスハイムに辿り着いてからは何も考えずに(初めの頃は少し考えたけど)ただひたすら滑っている内に、麓のサンアントンでは牧草が芽吹き始め、季節はいつしか春になっていました。

最初はいわゆるゲレンデで、次第にオフピステの比重が多くなり、最後の頃は殆どオフピステになりました。
粉雪から湿雪、小規模の雪崩の中、コブ、シュカブラ、アイスバーン、怖くて笑いが出そうな急斜面、午前中(冷えている時)に滑った斜面が午後には全層雪崩になっていたり、マジで「ヤバイんでないかい?」と思わせる絶壁の棚のトラバース。それ等が複雑に組み合わされたありとあらゆる斜面を滑った(らされた)気がします。

当時はこのブンデスハイムに入校して「オーストリア国家検定スキー教師」のカタガキを取得し、「ハク」を付けて帰朝するというのが流行っていましたが、「あっしにゃーかかわりのねーことでござんす」の私は、最初エディーの仙人ぶりに驚いた斜面をなんとかこなすことが出来るようになった喜びの方が重要でした。

ちなみに新品だったスキーは逆ベンドの「ヘロヘロ」になってしまったのは言うまでもありませんが、ブンデスハイムでの”研修”が終わり、帰りに寄ったツェルマットでマーカーFDRのヒールピースダイキャスト部分もボッキリ折れてしまったのです。

多分金属疲労に依るものだと思いますが、これを見た時に「よく滑ったなー」そしてアドバイスらしきことは殆ど無かったのに、体の芯までスキーの楽しさを叩き込んでくれたMr.エディーとMr.クルツ、いつもニコニコ体を気遣ってくれたホピヒラー教授、そして何よりこの研修をアレンジし、便宜を図って下さった故福岡孝行法政大学教授に心から感謝したのでした。

ということで、やはりひたすら滑ることだと思います(^^)。

ガンバレ!!S○Jその22003/02/02


S〇Jの「目的と事業」
《この法人は、わが国におけるスキー界を統轄し、代表する団体として、スキーの普及及び振興 を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする》とあります。

この目的を達成する為の諸規定は10章43条130項。その他の規定に至っては20規定 213条からなっており(あまりにも膨大で細かなので多少違っているカモ)、細則その他まで含めると・・・・何かの法律の様ですごい内容です。

日本では北海道の「旭川バーサ」や「札幌国際スキーマラソン」に見られるようにクロスカントリーが盛んな地域もありますが、スキーと聞けば一般的には山の斜面を滑り降りるアルペンスキーをイメージしますし、実際そういう楽しみ方が大半をしめています。

S○Jの言う「スキーの普及及び振興」とは誤解を恐れずに言えばアルペンスキーやクロスカントリーのことを指しており、「生涯スポーツ」と位置ずけているスキーが、まさか”ジャンプ”だとはとても思えません。

荻原選手の活躍が無ければ、スキーのコンバインド(ノルディック複合競技)は殆どの日本国民は知らなかった競技であり、ましてやそれを趣味にしている人は皆無に近いのではないかと思います。
それがワールドカップで荻原選手が優勝したことでにわかに注目され、長野オリンピック でのメダル獲得の期待をマスコミをはじめ多くの国民が彼に託したのでした。

にわかファンや評論家が長野オリンピックでは4万5千人も押しかけ、続くワールドカップ でも2万人位は来ました。が、日本選手の成績が芳しくない今年のワールドカップ有料入場者数は 数百人といったところでした。
”にわか”というのはこの事実が物語っています。

荻原選手がこうした人々の期待に答えられなかった原因は、レギュレーションの変更というより既にピークを過ぎていたことと、いろんな意味で精神的環境の悪化ではないかと思います。
にもかかわらず、その期待に応えようとした彼の重圧は想像するに難くありません。

どんな隙間競技や種目(不適切な表現で申し訳けありません)であっても、日本人のメダルの可能性があるものなら節操無く大騒ぎするテレビや大部分のマスコミの態度にはいつも失望させられます。
彼らには競技や種目の内容よりメダルの数や、お決まりの ”選手のプライバシー” の方が重大関心事であって、スポーツの楽しさを発信する知恵は持ち合わせていないのかも知れません。

スポーツに関しては常に陳腐な価値観でしか捉えられない彼らには無理も無いとは思いますが、モターサイクル世界グランプリでの日本人選手の活躍でさえ「臭い物には蓋」式の「三ナイ運動」に迎合しているとしか思えない不当な扱いをするこうしたマスコミの態度を知っていながら(勉強不足で知らないカモ)、「スキーの普及及び振興を図る」千載一遇のチャンスを 「S○Jは競技団体だーっ」と豪語して憚らない関係各位が有効に活用出来なかったのはとても残念です。

本気で考え、取り組めばあるいは何とかなったとは思いますが、女子ダウンヒラーの件もそうであったように、きっと「ボヘー」 と過ごしてしまったのだと”傍目”には映ります。
スピード系の練習場所が日本で確保出来ないと言い訳するなら、どこかの国のナショナルチームに「まぜて」もらって練習することも出来たかもしれないし、開催場所のコースをシーズン中セパレートして、朝夕数本の練習の後開放し、F○Sのホモロゲを取得したナショナルレーシングコースを一般のスキーヤーにも楽しんで頂くという方法も取れないことは無かったと思います(このことは関係者に再三提言した)。
強化費はきっとタップリあった筈ですから。

殆ど見るだけのジャンプ系競技に4万5千人も押し掛けるのですから、自らも楽しめそうなアルペン種目で、もし日本人選手が好成績を収めていたらきっと事態は違う展開になっていたのではないかと・・・・・。

競技を開催する上で一般スキーヤーに迷惑を掛け、又不評のコースセパレートにしても、そういう人々に喜んで理解してもらえる為の雰囲気の整備を怠ってはいなかったか再考して頂きたいものです。

その意味でもう一度
「ガンバレ!!S○J」と言いたい。

スキー上達のこつ2003/01/30

滑ること。ただヒタスラに滑ること。これだけ。
口で(が)滑る私みたいなのとは違う。勿論スキーで滑るのだ。

我流だって何だっていいじゃないか。スキースクールの教師達を見てみればいい。皆上手だ。でもそれぞれ滑り方が違う。友達はどうか?。一人として同じ滑り方はしていない筈だ。
かつてスクールの仲間大勢で研修会をした時のこと、同じユニホームなのに遠目でも誰と解る。上手い下手じゃない、皆個性があるからだ。

全く初めての時は道具の装着方法や使い方、歩き方、ちょとした斜面の滑り方や止まり方、曲がり方位は一通り教わっておいた方がいいだろう。 でもその時上手くいくいかないは問題じゃない。言われたように出来る方がおかしいのだ。「ああスキーってこういうふうにするんだな」とイメージするだけでいい。

後はヒタスラ滑る(転ぶ)。兎に角滑っている内になんとかなるものだ。

リフトの元を取ろうとしよう。
取り合えず一回乗車当たりのコストを200円程度に設定しよう。最初はもっと高く設定してもいい。これだと八方だったら1日券では23回リフト(ゴンドラ)に乗らなければならない。長いのも短いのもあるから、長いのばかり乗っていると回数で元を取るのは難しい。だから始めのうちは短いリフトで元を取った気分になるのだ。
次第に長いリフトに移行して最後はリーゼンクワッドかゴンドラだ。これで元が取れたと思ったら今度は一回乗車当たりのコストを150円程度に設定し、最終的には100円程度とするのだ。

リーゼンクワッドやゴンドラの46回は相当きつい。15分で1サイクルとしても1時間で4回。昼飯抜きの8時間で32回しか滑れない。
ある品物が50円安いという理由でガソリンを100円余分に使ってまで別のスーパーに行く人がいるらしい世の中なので、リフトの元を取ろうとするくらいはセコイ行為じゃない。

ヒタスラ損得で滑るのだ。

買った道具の元を取ろうとしよう。
リフトの長さ×1.5〜2位が滑走距離になると思うが、単純に×2とすると、さしずめリーゼンスラロームコースを滑ると4Kmということになる。これを32回繰り返すと一日当たりの滑走距離は128Km。50日滑ったとして6400Km。これだけ滑ると滑り方にも変化は現れるというものだ。
道具に10万円掛けたとしたらキロ当たり15円になる。車で遊ぶことを考えたらこれで充分元は取れる。

しかしいくら地元の指導員でもこれだけ滑る人はそうは居ない。私だってスキーを始めてから今日までの平均滑走日数と言ったら精々20日/シーズン位なもので、正味の滑走時間は2時間位かも しれない。
3歳から始めて今日迄50年経っていますが、技術的に頭打ちになったと感じ始めたのは30歳位なので運動神経に難のある私でさえ上達に要した時間は27×20×2=たったの1080時間でしかない。

50日を正味4時間ずつ滑ったら1シーズンで200時間、始めてから2〜3年、掛かっても5年で何処でも自由自在に滑られるようになる筈です。

頭で色々策略を練るのはこのキツイ肉体労働を少しでも省いて早く上達しようという魂胆が見え見えなのだ・・・・モシモシ?(^^)。

ガンバレ!!S○J2003/01/28

S○Jをハゲマス訳 は二つあります。両方とも古い話です。

ある時技術書に使う写真の撮影があり数人の同僚と撮影現場に行きました。撮影に使う位ですから斜面状況もよい場所です。付近を滑っているスキーヤーの方には撮影の間暫く占有させて頂きたい(滑る間だけですからその都度せいぜい20秒位)旨お願いして撮影が始まったのですが、良い場所は誰でも滑りたい訳で、撮影とは気付かずに時々フレームに入ってしまうスキーヤーもいました。
その時プロデューサー兼デイレクター?であるS○○普及部(教育本部)の高名だった”カタガキ命”が発した言葉は耳を疑うものでした。具体的に書くのも憚れる 「邪魔だ!」という意味の内容だったと思いますが、今我々がしていることは何の為に、一体誰の為にしているのかは彼の頭の中には全く無かったように感じました。
驕り高ぶる人間とは「こういうヤ○のことを言うんだな」と、同じスキーヤーとして心底恥ずかしくなりました。

当時私はS○○の普及部(教育本部)関係が仕切っているデ○選に参加している一方、競技関係の○ルペンコミッティーの仕事もしており、計算委員会と呼ばれる部所で選手のポイント管理をしていました。

この仕事で北海道の富良野で行われていたワールドカップダウンヒルレースに行っていた時のことです。アルペンレースを見に来る観客の少なさについて話している時だったと思いますが、デ○選の観客の方が圧倒的に多かったことを知っていたのでしょう「デ○選なんかくだらない、○ルペンの方がエライ」というような趣旨の発言を延々としたカタガキ命がいました。

競技運営のコース整備を含む殆ど全てがスキー学校の教師達やクラブ員(この人達の講習料やバッジテスト検定料のピ○ハネ、登録料、研修会費、その他のモロモロ料によって競技関係が支えられている)の手によって行われているにもかかわらず、普及部やそれに属する教師達を見下す暴言の数々。
F○Sの人間にはペコペコ揉み手、現場の人間には・・・・(∇∇)
これには当事者である私はムカつきましたが、前述の様に当たらずとも遠からずといっところだけに妙に納得(^^;。

結局私も「目○そ鼻○そを笑う」連中と同じ穴の狢だった訳です。
この一件で○ルペンコミッティーからはすぐに足を洗ったのはいうまでもありません。

こうした立派な(^^)方達が地元で行われた長野オリンピック迄に、女子のダウンヒルレーサーをタダの一人も育てなかった偉業は後世に語り継がれるに違いありません。でも一人位はスタートリストに名前を載せて欲しかったな〜。
それだけで済めば良かったのに、彼らがどちらかと言えば蔑視していたモーグル競技において日本の女子選手が金メダルを獲得してしまったのだから笑える。
タップリあった選手強化の時間(8年位か?)と膨大な強化費の使い方を想像しただけでシビレルのだ。

一部の人間とはいえこういう輩が相変わらず目に付く今日この頃(^^)
”驕り高ぶるカタガキ命”及び”サインの練習に余念が無い予備軍”がどういう生態をしているか観察してみたい向きには、技○選あたりが一番テキトーかと思われます。

都道府県の各クラブでもこれと似たようなことはあると思われ、スキーに嫌気がさした人も多いのではないかと・・・・(;;)。

ガンバレ!!S○J

小学校スキー教室2003/01/26

過日小学校のスキー教室に講師として行って来た。講習はほんとに久し振りで、私の班はパラレル一歩手前で雪国の6年生としては「あまり慣れていないなー」というレベル。
ジュニアレーシングチームに所属している子供達はもうバリバリのレーサーで、普通の指導員レベルでは教えることは何も無い域に達している一方、多くの子供たちは所謂”子供らしいスキー”だった。

講習は咲花ゲレンデ、北尾根コース、スカイラインのグルーミングされた部分を使って行ったのだが、途中で深雪を横断しなければならない場面があった。殆どV字型で滑る子供達は不安そうだったし、無事通過出来るか少し心配だった。
やはり勝手が違うこともあり七転八倒悪戦苦闘の様子でなんとか脱出することは出来た。
ちょっと可哀そうな気がしていると、最後の子供が漸く抜け出した時に7人全員が「先生!面白〜いっ。深雪いこいこっ」と言い出すではないか。これには驚いた。

技術的に未熟でとても深雪が楽しいと思えるレベルでは無いのに・・・・だ。「もう少し練習してからにしよう」となだめても、それからは子供の方がキョロキョロと深雪部分を見つけては「先生!ここはいろっ」の連発。
最初は転んだ時のフカフカした感触が楽しいのだろうと思っていたが、子供たちは真剣に滑り切ろうとしている。再三のリクエストに根負けした私は「じゃーアセって速く回そうとしても雪が深いから回らないよ、スゴークゆっくり回すんだよ」というようなアドバイスをした。

深雪を滑りたい一心だから、見ていると忠告を守ろうとしているのがよく解る。勿論一二度上手くいっても三度目は転倒というパターンなのだが、次第にサマになってきている。

スキーに限らず、素直な気持ちの大切さを子供達から学んだ日でした。

達人検定2003/01/25


検定前日に下見と打ち合わせを行って本番に臨んだ。
個人的には長年八方尾根でスキーを楽しんできた私達といろんなところを ”一緒に滑って遊べる人” つまりスキーフリークの仲間選びということになる。フリーク度で「参りました」と言わせるオーラが感じられる人が達人なのかもしれない。
便宜上は ”達人検定” をでっちあげた(^^)検定する側の ”検定員” と、される側に分かれるが、”フリーク”を目指す同じスキーヤーとして対等にお付き合いさせて頂いたつもりです。

で、下見&試走した所はリーゼンフルコース、リーゼングラート、黒菱、スカイラインのウインドクラスト斜面、パノラマのタテッコ、セントラルコースで、 トライアルは友人(元デモ)がすることになり、その彼をして転倒連発で泣きがはいる程タフなクラスト斜面だった。
”スキーの性能を生かして” とか ”雪からの圧を感じながら” とか ”クロスオーバーがどうした” とかいうグルーミングされた斜面を具合の良いスキーに乗って、何となく安楽に滑っていたままの感覚ではとても太刀打ち出来ない斜面状況だった。

勿論そういった感覚を磨き、効率良く滑るのは大切なことかもしれないが、こういう状況を滑り切る為に最も大切なことは、真ん中に乗る ”つもり”ではなく、絶対に真ん中に乗る、あるいは常に荷重点がブーツセンターに来るように板をコントロールすること。
誤魔化しやいい加減さは通用しない基本的で正確なポジションと構えが要求される。今風のエッジに乗っていくだけの滑り方ではまず無理だろう。こういう斜面では残念ながら楽に滑るという訳にはいかない。やはりパワーが必要になる。言ってみれば全身をフルに使った問答無用の ”パワースキー” これに尽きる。でもこういう滑り方はせいぜい30秒位しか続けられないけれど・・・(。。;

私も転倒してしまったが、気持ちを引き締め、クラストをぶち破り、足元をすくわれる前に切り返す方法でなんとか滑ることが出来た。
昔さんざんやったスピンターン(プロペラターン?)の練習がおおいに役に立ったものの、大きいターンは危なくてとてもできないのでショートターンということになってしまった(;;)。

1月23日の本番も同じ場所で滑りを拝見させて頂いたのだが、当日は新雪が40cm程積もり、荒らされていたとはいえ難易度はかなり低下していた。でも滑り難いことには変わりはない。
予想より多かった9名の受検者は達人認定に参加するだけあって、条件の良いコースでは皆さん上手でリーゼンコースのノンストップ滑走で問題のある方はいなかった。

大雪の為に謀らずも深雪/悪雪滑走になってしまい、リーゼングラートの中回り、黒菱の急斜面小回り、スカイラインの中回り数本、兎平のフリー、パノラマタテッコの急斜面フリー、セントラルコース急斜面の長距離小回り(フォールラインを外さないよう指定)、名木山ジャンプ台跡深雪フリー等の、斜面状況も滑走距離も非常にタフな検定になってしまった。
検定終了後は受検者は勿論、検定する方も息が上がる程で、とにかく皆でいろんな斜面を滑り続けた気がする。

最初はそれなりに緊張していた受検者も私達も、一緒に面白そうな(難しそうな)斜面を滑って ”遊んでいる” 内に、同じスキー愛好者の仲間意識のようなものが生まれ、失敗しても転倒しても歓声が上がったり気遣かったりと、とても良い雰囲気で検定が進んだように感じられた。

結果は達人認定者2名、名人認定者2名。
達人に認定された方の滑りを言葉で表現するのは困難だが、一言で言えば悪雪斜面を最良の斜面ではないかと錯覚しそうになる程安定していて、且つ軽やかに蝶のように舞って降りて来たという感じ。

受検者の中にはクラウンプライズやリーゼンスラローム大会の黒バッジを持っている人もいたが、残念ながら悪条件下では精彩を欠いていたようだった。

この検定の趣旨は”悪雪の達人”を認定する訳では勿論ないし、ましてやハデなパフォーマンスを求めている訳でもない。様々な条件を気の向くまま自由自在に思い切り楽しんでいるのが伝わって来る、そして「ああゆうふうに滑りたい」と思わせる人こそが達人なんだと思う。
その意味で58歳と40代の初代 ”達人” のお二人には冒頭にも書いたように心から「参りました」と言いたい。

技術の奥深さ、幅の広さを感じさせるこのお二人の滑りを見ていると、昨今は道具の進歩?によって早く簡単に滑られるようになったものの、その分大切なことが省かれてしまったのではないかと思われて仕方なかった。

*********

余談ですが、レーザーカットされたステンレス製のエンブレムのカッコよさは抜群で、達人よりむしろ名人 の方を「欲しい」と真剣に思った位。
ちなみに1級の検定に合格し、バッジを手に入れるまでには検定料6、500円、訳の分らない認定料3、000円、バッジ代2000円、計11、500円も掛かります。

S○Jのバッジが2千円もするなら、この達人/名人のエンブレムは工芸品として単純比較しても、さしずめ2万円は下らないと思えるほどの出来栄えで、認定されれば、認定証と共に、このエンブレムとTシャツ、ステッカーをタダ(^^)で手に入れることが出来ます。

検定員の人件費や高コストの認定グッズを見ても、この企画が利益目的や冗談で始まった訳でないことは明白で、八方尾根スキースクールのホンネの部分が漸く形になって現れた気がしました。

今回はスキーフリークの達人に逢えた事が何より嬉しかったし、その人達の年齢を考えると逆にこちらが勇気付けられました。
あと2回の達人検定で多くの認定者が出ることを期待しています。


オフピステ クルージン(ピクニック)2003/01/21


スカイラインコースの尾根筋を滑った。風に曝された雪はシュカブラで滑り難いが、ゆっくり景色を観ながら降りていく分には問題無い、というより むしろそこに雪が付いていることが有り難い。
雪が無ければ容易には来れない所だし、勿論スキー無しで歩いて来れるような場所でもない。少しずつ場所を移動しながらその都度表情を変える雪山を堪能した。

変化する景色、その一瞬一瞬に感動する。この感じって何処かで味わったのに似ている。美術館に絵画を見に行った時のような、MCで天北を走っている時のような でもそれらとはちょっと違う。眼前の斜面はかつて何度も滑った。でも今は許されない。オフピステの滑走はマナー違反という認識が定着してしまったからだ。

何かあればすぐ他人のせいにする。この国では自己責任などという言葉は風化してしまったかのようだ。スキー場管理者も責任を問われたくはないから、いたる所柵を張り巡らす。でも完全に囲うことは不可能。だからここに来れた。
ゲレンデで培った技術をこういう所に来るのにも使ってほしい。

雪崩の事故については以前触れたが、そのメカニズムを知っているだけで危険度は大幅に低下する。無知や無謀が重大な結果を招き、スノーアスリートは勿論、多くの関係者に迷惑を掛ける。

このまま滑り降りたい衝動をなんとか抑えて ”ゲレンデ” に戻った。
いつの日か再び八方尾根をリスクは自分持ちで自由に楽しめる日が来ることを心から願った。

八方スペシャルテスト 2003/01/20

まだスキースクールで”元気”に働いていた頃、バッジテストの検定員をすることも多かった。
仕事とは云え他人様の楽しみ事に ”何点” 等と点数を付けることのおこがましさにその都度嫌悪感を覚えたものだ。でもS○Jのシステムがそうなっており、格付けを希望する人々も多かったので仕事と割り切ってはいた。

そんな仕事で実は理解に苦しむ不思議な現象が頻発していた。既に1級を持っていながら1級を受検する人がいるのだ。申し込み用紙の既得級の欄に ”1級” と書かれている。受検希望級の間違いではないか確認したり、1級は何処で取得しても同じだし、勿体無いからと諭しても、本人は「八方の1級が欲しい」と言って聞かない。中には無用な混乱を避ける為に 既得級の欄に ”2級” と書いて受検した人も居た。

100人以上もの受検者(検定料が6500円になった今は知らない)がいると種目別にローテーションが行われ、同じ検定員が全ての種目を見る訳では無いし、得点はリアルタイム掲示されるので、本人にも他の受検者や見学者にも評価は解るシステムになっている。
結果を後で発表するのとは違い、検定員の思惑が入り込む余地(密室)がないので、とてもフェアなシステムだと思っている。

誰が既得者かは解らない状態で検定が行われ、結果は大抵 ”1級は1級” ということになり、何らかのわだかまりがあった人の溜飲も下がるのだが、稀に不合格になったりすることもある。こうなると悲劇だ。
検定のタテマエである ”習熟度の確認” なんかは何処かに吹っ飛んで、もう ”八方の1級” の泥沼にはまり込むことになる。こういう人の合格への努力と執念は尋常なものではなかったに違いないし、そしてそれが結果的に技術の向上に貢献したとは思う。

そんな中で ”八方の1級” に拘る人が多いなら、冗談半分で「八方尾根スキースクール独自のバッジ創ろうか?」と提案したことがあったが、十数年を経てついにそれが現実になった。

”習熟度を確認したい” というタテマエから、 ”達人に認定されたい” というホンネの検定だ。
評価する側も ”何点” 等という一見客観的、実はとても曖昧で怪しげな基準ではなく、大いに主観が入り、達人の認定も判定会議で決定するということになった。

”達人” の域に達していない人は ”名人” の認定を受けるかもしれないし、それ以外は ”凡人” かもしれない。が、漸くホンネで自分の持てる技術を披露する場が出来た気がする。

”達人” に認定された人の氏名は永久に八方尾根スキースクールに掲示されるそうなので、非常に高価なステンレス製のエンブレム ”ゲット” と共に、これは一度挑戦してみるに相応しい 価値があるかもしれない。検定料5000円も7人の検定員/トライアル達と一日中 ”一緒に滑って遊べる” となると、気軽に受検出来ない6500円のバッジ検定よりかえってリーズナブルとも思える。←手前味噌(^−^;

ベラボーに高額な級別テストの検定料が、それを励みに切磋琢磨していたスキーヤーの気持ちに少なからず冷水を浴びせた事は確かだ。
S○○のただイバリテーだけの思考停止達が、マヌケな肩書きと○カズラをさらして今年も衰退を続けるスキー界でボヘーっとしている間に、現場は○○○に見切りをつけようとしているのだよ。

判定基準も ”完全主観” だし ”達人” と聞いただけで引いてしまう人が多いと思われるので、受検者は限りなくゼロに近いだろうし、これが成功するかしないかは解らないが、新しい試みとしては良いことだと思う。詳しくは八方尾根スキースクールのホームページをご覧になって頂きたい。

もう引退しているつもりなのに ”言いだしっぺ” の責任があるということで、1月23日の第一回検定には出勤の要請が来た。その前に使う斜面の下見や細部の打ち合わせを近々行う予定になっている。

”達人” 達に逢えるのを今から楽しみにしているし、結果と感想は又ここに書くつもりです。

指導員2003/01/17


スキーは楽しい上に筋肉を鍛え、しなやかにし、瞬発力や反応動作、集中力、状況処理の高速化・・・・等々を養い、且つ爽快な気分は心身をより健康な状態に保つとともに、適度なスリルは困難に立ち向かう凛とした精神を養う。だから老けない(^^;???。

スキーは易しい、特に最近は。その気になれば誰でも出来る。バランス良く2本の板に乗って行きたい方向に板を向けるだけ、スピードが出過ぎたと感じたら回り込めばいいし、速度が落ちるまでの時間を待てない短気な人は転べばいい。
という楽しくて易しくて効能豊富なスキーを教える指導員。

指導員は大抵スキーが上手い。が、上手い人は指導員が出来るかどうかは別の問題。S○Jのお墨付きが無くても優れた指導者はいる。教わる側はお墨付きより自分の技術を向上させてくれた方に対価を支払いたい。

大人になってから(18歳以上かな〜)スキーを始め、苦労して上達した人は転ばない方法も曲る方法も体験で知っている。転び、曲がれない人の気持ちも文字通り痛いほど解る。
何故転ぶのか、何故曲がれないのかも知っている。忘れ様が無いからだ。

ところが物心付いた時には既に”スキーを下駄の様に操れていた””体も気持ちもスキーをするように作られてしまっていた”上手い人は初心者の気持ちが解るだろうか?

今から30年前”指導員”としてのお墨付きをもらった時に、自分がどうしてスキーを操れるのか、操っているのかを自分にさえ説明できなくて愕然としたことがある。勿論たてまえ位は知っていた。たてまえを並べる位なら誰でも出来る。しかし本音の部分でとなるとさっぱりなのだ。

それから苦悩の日々が始まった。昨日までの記憶を失った人に似ていたかもしれない。転ばない理由、曲がる理由、今自分がしていることをそれこそ微に入り細にいり感じようとした。 解ったこともあったけど、何度やってもわからないことも多かった。転ぶ理由、曲がらない理由も一つだけじゃない。その意味で大人になってからスキーヤーになり、指導員になった人には”指導力”という点ではとてもかなわない。この負い目が屁理屈となって益々自分を憂鬱にさせる。

幅10cmのシュプールで半径20mのターンを長さ160cmの板で描く時、板はトップとテールの進む距離の差を(板の全長分では)約8mmに保ちながらということになる。例えばこの時のニュアンスなど伝えようが無いのだ(^−^;

大雑把で稚拙な説明を好意的に理解しようとし、上達してくれた多くの方に感謝したい。

VOLKLP40チューンナップ2003/01/15

マタマタ滑りに行って来ました。勿論P40と
今日は湿った降雪の中視界も悪く、前回と斜面コンディションも違っていました。

整備された斜面では絶好調のP40が悪コンディションではどんな態度を示すのか心配でもあったので、今日はその意味でうってつけの条件という訳です。
雪が湿って圧雪されていると大抵エッジの何処かに引っ掛かりを感じるものですが、P40もやはりその傾向がありました。但しトップとかテールとかの限定された部位ではなく、エッジの全長に亘っている良性、且つ許容範囲の物だったので問題は無いと思います。これが特定の部位が常に引っ掛かる感じだと厄介です。

急斜面(名木山の壁)のコブにも入ってみました。ここは去年24Xを曲げてしまった所です。コブの谷間を縫って行くモーグル競技の様な滑り方だと問題は少ないのですが、自分のリズムでターンを刻もうとするととても滑りにくい、というより板の短さゆえにコブのドテッパラにモロに突き当たってマトモには滑られません。気力と脚力が落ちていることを差し引いても、上手く行かないのは「長さのせいだあ〜っ」と自分の未熟さを棚に上げてしまいました。

サラサラの新雪や固めのバーンでは気付かなかった性格を確認出来たし、やはり短さは楽しめる範囲を限定してしまうものだと妙に納得した次第。もしかしたら一昨年あたりから整備された斜面ばかりノーテンキに飛ばしていたので、コブ斜面には対応出来ない体になってしまったのカモ・・・シクシク。

何年も板のチューンナップはしたことが無かったし、又それを必要とする程シビアに滑る(競技会)ことも無かったので、けっこうズボラなスキーヤーになっていたのは否めません。僅かな引っ掛かり感さえ無くなればどんな雪質でも「イケル」と、久しぶりにチューンナップする気にさせた板です

どんな板でも買ったまま(工場出荷状態)では大抵エッジのサイドが波打っており、これをファイルで滑らかに仕上げるのが最初にする手入れなのですが、大多数のスキーヤーは そのまま使っているのではないかと思います。
滑らかにしたところで大勢に影響はないものの、やはりエッジが”ウネウネ”していると滑りも”ウネウネ”しそうで精神衛生上も ビシッと滑らかなのが良いのは言うまでもありません。


で、ファイルで軽く当たった所やはりP40も期待通りの”ウネウネ”でした。写真では分りにくいですが、エッジの光具合が違っているのが”ウネウネ”の証拠です。これを見ると神経質な人は吐き気を催すかも知れませんし、楽天家はパン切りナイフみたいで雪も「良く切れるジャン」と思うかも知れませんね。

チューンナップの詳しく正しい方法は書物や他のサイトで入手出来ると思いますので書きませんが、私は今では多分ご法度の”ファイル勘握り”で仕上げました。慣れない人は軍手をはめ、古い板で良く練習してからにするか、名古屋のチューンナップショップ”スノウプラウ”か”EBO”、又は兵庫県の”インフィニティー”に依頼しないと”ウネウネ”が”ウ〜ネ・ウ〜ネ”になったりして収拾がつかなくなるかもしれません(^^;
サイドのみの作業だったので、この後オイルストーンと紙やすりで仕上げるまで1時間位でした。板が短いと作業時間も短くなるので助かります。
エッジの滑走面側の”肩落し”は又滑ってみて必要ならするつもりです。


P40インプレその22003/01/09


ということで今日はデジカメを持って一人で行って来ました。今日も昨日と同様快晴(^^)のガラガラ(;;)でした。
先ず山の景色を観たいのでリーゼングラート上部の第一ケルンに直行。それから黒菱ゲレンデを10本位、スカイラインを5本位滑ってパノラマ数本、セントラルコースを降りて帰りました。全てのコースが貸切状態で、正午だというのにグルーミングの痕が方々に残っているといった状況でした。

第一ケルンにて ”山とおじさん”

P40RCは今日も”絶好調”でスキーを楽しませてくれました。折角今風の板を買ったのですから、設計者の意図に添うようにも滑ってみました。

滑走中の写真です。テクや考え方が古いのと、スキーと斜面を全面的には信用出来ないので、殆ど外足荷重で滑っています。
グルーミングの痕跡からすると、これはターンのマキシマムを僅か過ぎたあたりと思われます。両スキーが交錯しそうに見えるのは外スキーが大きく加重されてたわんでいるからで、決して内スキーのテールを持ち上げているからではありません・・・念の為(^−^;。
正しくは内スキーにも乗って”2本のトラックが付く” らしいです。


で、これがシュプール。内スキーが殆ど浮いているので、まるでスノーボードのトラックみたいになってしまいました。内スキーの痕跡はターン開始付近と中半を過ぎた辺りにほんの僅か認められる程度で、しかもスタンスは狭いですねー。

ズレ有りからズレ無しへの移行はとてもスムーズですが、やはりズレが止まった時はコントロールを失うので、バランス保持意識は下肢から上体に移ることになり、感覚としては「板に乗っておとなしくしている」といった所でしょうか。これはズレ有り状態に較べ、危険回避の進路変更に若干のタイムラグを生じるので、従順なP40といえども速度が乗っているとなかなか危ない感じの良い雰囲気が醸し出されます(^^;。


今日一番のシチュエーション。
練習を積んで、絶景に囲まれたこういう極上の新雪と遊べる様になると「イヤ〜スキーってほんとにいいですねっ」となります。

今日は「言いたい放題」じゃなくて「やりたい放題」でしたっ(^^)


VOLKLP40のインプレ
2003/01/08

お正月の過ぎるのが待ち遠しく(^^;←不謹慎、今日漸く初すべりに行って来ました。例の友人と2人です。
快晴の空の下、ガラガラの八方尾根スキー場を滑りまくって来ました。冷えていてこれ以上は望めないほどの雪質とグルーミング。
「イヤー〜〜スキーってほんとにいいですねっ」と思わず映画評論家の水野はるおさん調になってしまいました。これもP40が予想以上の良さだったからです。


友人の丸山健吉君(右)と       Copyright by Mrs, Okada

他のスキーヤーやボーダーが混在するゲレンデで、安全マージンを充分取った上での常識的な速度レベルでは安定性に全く問題はありません。
板の短さを忘れるというか、もうスキーの存在を意識しないで魂が自由の翼を得たとでも言いましょうか、心のままに滑走を楽しめました。

ズラシ有りからズラシ無しへの過渡特性は「全域怒涛のリニアリティー!」といったところで、200cmのP20を凌ぐ扱い易さでした。
いわゆるヴェーデルンも違和感無くこなし、大きめのターンでは斜面に残ったシュプールがテクが古いせいで流行の2本トラックではなく、外スキーのみ深いトラックが一本と、内側はごく普通の幅のあるシュプールが軽くなぞったように付いていました。

今回デジカメを忘れたので次回その様子をここに載せる予定です。

リーゼンコースを数本、パノラマコースを数本滑り足慣らし終了。そしてお決まりのスカイラインを滑って気分良く最上部のリーゼングラートに向かいました。
第一ケルンから眺める北アルプスの絶景は、この地に生まれ育ったにもかかわらず、いつもここが何処かを忘れる程圧倒的です。この景色をスノースポーツをする人達だけでなく、一般の方々にも是非見て頂きたいと思いました。

グラート北側斜面に深雪が残っていたので私はそちらへ、友人はグルーミングされた斜面に向かいました。板が短いので2〜3ターンは用心深く回ったのですが、問題はなさそうなのでいよいよ本気のパウダー堪能モード。気持ち良く10ターン程した直後、いきなり「前方一回転半捻り降り」成功!。

深雪の中に頭から突っ込み、眼鏡と帽子が何処かに飛んで、スキーは2本揃って”綺麗なシュプール(^^)”の終りに並んでいました。
原因不明の転倒でした。

眼鏡を見つけ、漸く友人の所に行ったのですが、一部始終を見ていた彼の弁によると、丁度斜度が平になるクニックで前圧が掛かり、トップが潜ったことが 原因だと指摘してくれました。例えば滑って来た斜面を水平だとすると、急に前方が盛り上がっていてそれに突き刺さった状態とでも言いましょうか、「板があと数センチ長ければな〜」

私が転んだ瞬間一人で立っていた彼が突然大笑いしたので、周囲に居た人達から気味悪そうに見られて「恥ずかしかった」と言っていました。
そりゃそうでしょう。私だって一人で立っている人が突然笑い出したら引きますからね。
転んだ位では普通笑わないのですが、きっと転び方が相当面白かったのでしょう。

ということで VOLKL P40RC ENERGY 178cmは ”二重丸にしかも花びら付き”というとても良い板でした。 但しいかんせん短いので、もう少し荒れた深雪斜面では200cmのP20には数歩譲らざるを得ないでしょう。
久々に「明日も滑りたい」と思わせるスキーでした。

お礼2003/01/06

アルピーヌの前身は「岳明館」という民宿でした。
白馬登山の基地であった細野(現八方)には登山者に宿泊場所を提供する定員がせいぜい30名程度のこうした民家が100軒程あり、萱葺き屋根の民宿は多少の差こそあれ、その多くが家庭的でホスピタリティーに満ちたものでした。戦後スキーの普及に伴い、増大するスキーヤーに対応するために民宿は増改築を繰り返し、「岳明館」も例に漏れず建て替え直前には定員160名の規模になっていました。

1949年1月撮影  アルピーヌの前身 佳き時代の”岳明館”

客室ばかり増やした為に、相対的にパブリックスペースが狭くなり、食堂はテーブルをギッチリ並べても一度に座れる人数は40人程度でしたので、定員が宿泊している時など4回転ということも珍しくありませんでした。家族と数名のアルバイトだけで160名もの食事をコンディションの良い状態で提供出来たかどうかは今思い出しても甚だ疑問で申し訳ない気持ちになります。お風呂も同様でした。

当時はスキーさえ出来れば「多少の不便は我慢する(してくれる)」という暗黙の了解が双方にあったように思います。しかしこれは宿の甘えであったことは明白で、宿泊料を支払っているお客様に対して我慢を強いるということは、例え民宿であっても許されないことだと規模が大きくなるにつれ次第に強く思うようになりました。

こうした思いから、家庭的でホスピタリティーに満ちた古き佳き民宿の原点に立ち返る為、1983年アルピーヌとして再出発することになりました。 客室数30定員160名から、客室数12定員35名(現在は客室数10定員24名)へ規模を縮小した当時は同業者にさえ経営を危惧された程ですから、確かに冒険でもあり当事者としてはとても不安でした。

新築にあたっては昔の萱葺き屋根の民家を再現するのはコスト的に無理でしたので名称も構造も洋式になってしまいましたが、いつしかスケールメリットに走って家業としての節度を忘れかけていた「岳明館」の時代から、再び民宿の精神を取り戻せたのではないかと思っています。

しかし理想を現実のものにするということの大変さは開業当初から始まりました。ペンションとしては高めの料金設定ということもあったのでしょう、初年度は殆どお客様がいらっしゃいませんでした。そこで厨房設備を有効利用する為に修学旅行の宿泊施設から弁当の注文を受けて窮状を凌いだこともありました。
何百食という弁当を徹夜で作り、夜が白々と明ける頃配達にまわていました。いつかきっと分っていただけるお客様がいらっしゃることを信じて。

今年で20年目を迎え、今では弁当作りの内職をすることもなく生活していけるようになりました。これはすべてご利用頂いているお客様のおかげです。感謝の気持ちは片時も忘れたことはありませんし、変わることもありません。

「岳明館」の時代から、そしてアルピーヌになってからのお客様、本当にありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。

靴滑り2003/01/06

スキー大会のコース整備をする時、大勢の人が並んで歩いてコースを固める”つぼ足”というのがあります。それを何度も繰り返し、その後を機械やデラパージュで平に仕上げると固く締った良いコースになります。すると歩いても靴は潜らないので斜面や斜度の条件さえ整えばスキー靴で滑って降りることも出来ます。

靴のソールは大抵長方形で角も90°位なので具合良く滑ることが出来、勿論ターンも出来ます。このときストックがあれば なお面白く遊べます。方向を変える(ターンする)ことに関しては靴だけですからスキーを付けている時と同じという訳にはいきませんが、それでも滑る技術はスキーの時ととても良く似ています。当然板は無いのでその性能云々は語れませんよね。

真下に向かって行く時は上体も真下に向いているのですが、つま先を曲がりたい方向に向けた時も上体は殆どそのままに近い状態です。 もっと詳しく言うと、ターン?(^−^;の接線方向より外側を向いて、靴の不規則な滑落加速度の変化を吸収する為に少し低く構えるのがバランスが取り易く具合の良いポジションです。
靴がどちらに向きを変えようと、上体はずり落ちていく方向に近い辺りを常に向いているということです。 アレレッ・・・これって今では死語らしい「外傾外向じゃん」

勿論靴だけではずり落ちるのを調整するのは困難だし深雪は滑られませんから、こういう時にスキー板の有り難味を実感します。そういうことでスキー無しでもけっこう楽しめますが、流行のごきぶりスタイルでは
「ズレに乗っていく感覚」が培われにくいこともあり、難しいかもしれません。

スキーヤー”系”という考え方2002/12/31

最近の技術論は先ず”板ありき”ということから始まって、 その性能を上手く引き出すことに論点が集中しているように感じます。スキー板が”主”、人間が”従”のようです。
スキー板が足から靴の延長と考えれば、何気なく歩いていてちょっとした角を曲がる時など、その都度違和感を覚える靴では歩き難て仕方がないですよね。良い靴は”履いている”ことを意識させないもので、そうでない靴は常にその存在を主張してきます。

靴には街を歩く、山に登る、ランニングする、テニスをする、バスケをする等々・・・に応じて沢山の種類があり、そのどれもが靴を使うことが目的でないのは明白です。
スキーの場合も”やけに長い靴”と考えれば、雪山遊びを支えてくれる道具の一部に過ぎません。
足を持ち上げ、そして下ろしたときにその傾きによって向きが変わってしまう靴が歩き難いだろうことは容易に想像できますし、 スキーも又自分が曲がりたい以上に曲がってしまったり、あるいは曲がらなかったりではとても滑り難いものです。

ちょっと細かい話になりますが、・・・・(^−^;)
歩いていて方向を変える場合、足の向きがいつ変わるかというと大抵足を上げてから下ろすまでの間で、下ろした瞬間には既に必要な向き変えは済んでいる筈です。
下ろした後(体重が乗った時)で向きを変える歩き方は想像しただけでも可笑しいし、実際にやってみればマジで笑えます。
上げた足が向き変えを済ませ、下ろした瞬間にそれを支えていた足の荷重が減りその場で捻られ、今度はその足が又向きを変えながら踏み出されるという動作が繰り返されて体全体の進行方向が変わっていくというものです。

つまり道の曲率に添って歩いている時、滑らかな歩き方は足が空中にあるときも、あるいは地面から離れる直前にも常にその方向が変わり続けるということです。
ところが「スキーの性能を生かして」「トップから食い込ませる」とか「雪からの圧を求める」云々等々は確かに大事な要素ですが、そればかりに気を取られていると、スキーが雪面から離れている時はその性能もフィードバックも利用出来ないことになりますね。
その辺りを一体ドーするんだろう?という疑問が沸いてくると”ワカッテキタ (面白くなってきた)”スキーヤーの証拠でもあります。

静止して両足で立ち、両方の、あるいは片方の足をその場で捻って””極ゆっくり””向きを変えることは可能ですが、 片足立ちでそれそしようとしても絶対に出来ません。但し机や柱に触れ、いわゆる”外力”を得るとか、腰から上の質量を見かけ上の外力として利用(素早く捻る)すれば可能です。
実際スノーボードやハンディキャップスキーヤーの一部はこれを利用しているし、普通のスキーでも無意識に使っている筈です。

実際のスキーイングでは外力を得る為にストックの存在はとても重要なのに、何故かあまり語られていません。
”しっかり突く、長い間突く”。時には引きずる位の意識を持つだけで、困難なコブ斜面も案外上手く滑られるようになるかもしれません。

人体、スキー板、ストックをそれぞれ単独に考えるのではなく、有機的に結合した
”系”として捉えると、板の性能云々に腐心している場所から抜け出せて、きっと新しい世界が展開することと思います。

以前まとめてUPしていた5年前の古い写真で恐縮ですが、参考までに再度載せておきます。

場所は黒菱ゲレンデ第三ペアリフト北側斜面です。
下地が凸凹のアイスバーンで、その上に3月の少し湿った新雪が積もり、春の強い風で凹が埋まって表面がウインドクラストしています。
表面は殆ど平に見えますが下地の様子が分らない為、凸に突き上げられて新雪なのに板は浮いてしまっています。

コブ、新雪、シュカブラと三つを同時に楽しめる機会はそれ程多くはないので良い経験でした。
ターンの開始直後からスキー前側の半分以上が浮いており、板のサイドカーブを利用できる状況ではありません。
右手のストックが雪面に押し付けられ、しなっているのが分ると思いますが、これは殆どストックを支えにして出来た向き変えです。

安定した状態に戻るまでストックは引きずります。

曲がりくねった道を道なりに歩く時に、足の運びを意識することが無いのと同様、スキーもそうなればいいと思います。

免停2002/12/29


10月28日友人達4人との楽しい東北ツーリングの帰り、日光の近く足尾でレーダーの餌食になってしまった。
その日はとても寒く、友人と別れた後家に電話をしたら案の定「雪が降っている」とのこと、道路に積るようであれば帰るのが困難だろうと思い、ちょっと急いでいたことと、普段は超安全運転でMCを走らせているのに直前まで友人の走り屋達と快適な福島県の国道を時々ぬおわKm/hで走っていたこともあり、取り締まりに対する注意が散漫になっていた。

夕暮れの薄明かりの路肩でいきなり赤い光が点灯し、回っているように見え、1人の男がMCの前に立ちはだかると私を誘導した。
興奮した様子で手招きしている。平穏な走行中のいきなりの変化についていけず、一瞬???。
「はいこっち来て・・・随分急いでたみたいですね〜。じゃぁこの車に乗ってね」男は計測器の所から紙を持って来て 「あ〜かなり出てたね○7キロオーバーだよ。こりゃ赤だね、裁判所行ってね」というようなことをつぶやいていたので 「ちなみに罰金っていくら位ですか?」と訊ねると「わたしゃ裁判官じゃないから言えない。でも青切符より多いと思うよ」とアホらしい回答でした。

県外での違反だったので貴重な赤切符は渡されず免許も返してもらい、路面が凍っているんじゃないかと思う程寒い軽井沢を過ぎ、長野市からは小さな球状の雪が降る中をほうほうの体で自宅に辿り着いた。
霰みたいな雪がシールドに当たる「パチパチ」という音は初めての経験で、けっこううるさいものだと思った。幸い道路は薄っすらと雪が積り始めたばかりで、まだ黒い部分が露出していたが、 後30分遅ければ帰れなかったと思う。

呼び出しは郵便ではなく、検察官からの電話だった。
インギンな話し方で「明日検察庁に出頭出来ますか?」 と言われ、この日が来るのを1ヶ月も待っていた私は二つ返事で「出頭します!」

大町市の検察庁で事情聴取?を受け、「裁判しますか?」と訊ねられたので、「取り締まった方が ○7Km/h超過と言うのなら、その通りでけっこうです」と答えると、罰金の額が空欄になっている紙に 署名と捺印をさせられ「じゃー後で裁判官が罰金の金額を記入してからこれが送られます」というような やりとりで帰って来た。

金額が記入されたその紙と赤切符が届いた数日後に振込み用紙が届き、続いて免停の召集令状(行政処分呼出通知書)が届いた。予想通りの6点減点の30日停止。裏面には停止処分者講習とかで、13800円払って講習を受ければ期間が短くなる云々と書いてあり、ついこの間減点×約1万払ったばかりなのに・・・(;;)

それを片手に12月9日大雪の中を家内の運転で篠ノ井の交通安全センターに向かった。
中に入ると今日の”行事”を熟知しているらしきご婦人がホテルのコンセルジュよろしく 愛想良く”教室”の案内をしてくれた。警察官の人から点数とか免停期間とか諸々の説明等が行われ、で最後に「講習を受ける受けないはご自由です」ってなことを言われたが、勿論そのつもりで来ていたし、召集を受けた人達も皆同じ気持ちだったらしく、私を含めて36人全員が受講を選択したのだった。

自業自得とは言え犯罪者のレッテルを貼られ、恥ずかしくて穴があったら入りたい風のセレブな奥様おじ様や、いたいけな若者達と一緒に教室に向かった。
説明を受けた部屋から講習会場まではけっこう距離があったが、ご親切に緑色のテープに添って歩くと自動的に教室に到着できる仕掛けになっていた。これだけでもこの講習が既に天下り事業の一つとして見事に成立していることを実感した次第。

講師3名の自己紹介でも、「私達は○○を退職してこの仕事を云々」といった内容で、高い講習料を払ってくれた私たちに感謝の言葉さえあったのには驚き。 しかもお昼にはお茶まで用意してくれる心配り。
36×13800円=496800円ですか・・・・当然ですねッ。

講習を聞き、運転適性検査、ペーパーテストを受け、CRT検査(ゲームセンターのゲーム機みたいな物を使ったテスト)を受けた。
もう忘れかけているので正確かどうかはあやしいが、これは例えば画面に赤○が出たらアクセルを離し再びすぐ踏むとか、×が出たらブレーキを踏み再びアクセルを踏むとか、緑丸が出たらなにもしない。でも思わず離してしまうんだよねコレが・・・とか、 1桁の数字が昇順でサイクリックに表示されている時は何もせず、たまに飛んだり、同じ数字が続いた時に押していた右手のボタンを離し再び押すとか、ハンドルで画面上の線を動かして、たまに出てくる||の間に入れる(難しい!)、 とかで遊んだ結果は”反応動作の速さ”が5でお褒めのコメントだったけど、後の評価は4〜3といったところで、総合評価は”4”だった。
非常に良いが5で、良いが4かな?・・だったので、あまり当てにはならないけど、まだMCに乗っても大丈夫カモ、と思えたことはこの講習の収穫だった。
隣の真面目そうなお爺さんは最後まで要領が分らずパニクっており、これは 年配者に対する一種のイジメの様で可哀そうだった。

ペーパーテストの点数が悪ければ、免停期間が5日になったりするらしいが、よっぽどひねくれていない限り(講習料をドブに捨てるつもりでない限り) そうならないように先生はテストに出る所だけ話してくれる。

結果は36人全員”優”を取って1日限りの免停になった。 講習が終了し、再び警察官の人が免許を返しにわざわざ来てくれたので、皆うやうやしく受け取って全て終了。但し今日一日は運転出来ないので、又家内に迎えに来てもらった。

法を犯したことは深く反省しているし、だいいちとても危険だから今後は遵法運転に徹しようと心に誓う。 だって皆が交通のルールを守らなければ危なくて道路は走れませんからね。

天下りの人々が楽しく余生を過ごす様子が見れたし、講師陣の免許取得以来只の一度も交通法規を破ったことが無いらしい誇りと遵法精神に満ちたお話が聞けたりで充実の1日だった。
この人達の安定した生活を支える為に、日々善良な市民が適当にピックアップされ、毎週何回かは今日と同じ光景が永遠に繰り返され、そして悲惨な交通事故は一向に減ることがないかと思うと、とても悲しいのだ。

VOLKL P40RC購入2002/12/27


先日娘のスキーブーツを買いに大型スポーツショップに行った所、これが置いてありました。00〜01モデルですので2年落ちということになります。
2年も在庫に抱えて、しかも当初販売価格の15000円安で陳列しているお店の根性はたいしたものです。購入価格は39800円でした。もし他のお店にあったとしたら1万円位で買えたかもしれませんね(^−^;

先シーズン後半に名木山の”壁”のコブで思いっきり転倒してお気に入りのHEAD24Xを真ん中から曲げてしまったのと、もう一台のVOLKL P20SLがヘタリ気味なので何か手に入れなくてはと思っていた矢先、これに出くわしたという訳です。

タイプはRCで178cmです。サイドには”RACING”と印刷されているので、多分レーシングモデルなんでしょう。ラディアスについては記載がありませんでしたが、隣のXP100に較べるとサイドカーブは緩やかです。表面に余計な仕掛けは付いておらずシンプルで好感が持てます。特にトップベンド周辺の微妙なデザイン処理は秀逸だし、接雪面から先のオーバーハングが無駄に長くないこともあって、178cmでも有効長は公称180cmクラスに近いのでは?と思われます。

もっと長い板もあるとは思いますが、探す時間も無く今となっては無い物ねだりというものでXP100に比べて7cm長いだけでも良しとしなければ。

ビンディングは24Xに付いていたチロリアを外して付けました。ジグが無いので穴がとっちらかって空いてしまい取り付けに苦労しました。一応固定出来たので問題は無いでしょう。でも後で型紙を作ってからにすれば良かったと後悔しきり。

ビンディング装着状態でペアの重量は6Kg。HEAD XP100の7.2Kgに較べると2割も軽量で、持った感じは軽過ぎず程よい重さで好印象です。
穴をあけていて分ったのですが、材質はウッドコアにメタルをラミネートしたもののようで、メタルのキャップ構造かもしれません。もしそうだとしたら捻り剛性はかなり高く、短いことでエッジの面圧も高くなるので、これは手強いかも(・・;

ヤマハがチームを解散した後は、フォルクルのP10RS200cm(リーゼンスラローム)とP20SL200cm(スラローム)を使ってきたのですが、どちらもクセの無い従順な性格で、7年程前これもフォルクルのオールラウンドタイプで185cmに乗った時も、ほんの冗談のつもりで滑ったところ、”ショートスキー”にしてはなかなか「イイジャン」という印象がありましたので、それより7cm短いものの、このP40も”大ハズレ”ということはないでしょう。
オールラウンドモデルより扱いやすいという理由(変ですね(^−^))から現役の時もレーシングモデルを使っており、筋力の衰えた今でもズラシて(^^)使えば多分大丈夫だと思います。

レーシングモデルが従順なのは高速で滑走中に怪しい挙動が出たりしたら怖くて使えないということもあり、特にエッジングのリニアリティーに関してはオールラウンド系を凌いでいた(ヤマハパラマウント/プロト/プロトTT)ように思います。
この板に乗れるのは早くてお正月明け、今から楽しみです。

ところで HEAD XP100 どなたか欲しい方いませんか(^−^;



県知事選U2002/12/24


こういうちょっと政治的思想が絡む話題は危ない雰囲気があるし、又政治には疎いので避けたいところですが、以前知事選に触れてしまったので、”その後”を少々。

事選が終わって3ヶ月が過ぎた。白馬を見るかぎりこれといった変化はない。
知事選の結果は82万票を得票した田中氏の圧勝で幕を閉じた。前回を大幅に上回る得票に驚いたというのが正直なところ。
テレビの報道で見る限り選挙戦での田中氏の演説はライバル候補の長谷川氏を圧倒していたように感じた。
勿論落選したからといって長谷川氏の能力や人間性に問題があるとは思わない。きっと立派な方なのだろうと思う。でも県政会に担ぎ出された長谷川氏の「議会との対話」とか「女性の視点で」というような陳腐な内容の公約や 演説では、長野県が目指すべき未来の明確なイメージは伝わって来なかったこともあり、行政の長を任す訳にはいかないと感じた県民が多かったのだと思う。もっといえば議員選挙のレベル だったということ。

議会との対話も結構だが、これまでのY村知事と議会の親密な「対話」が続いた結果、1兆6千億円もの借金が 出来た訳で、長谷川氏は「以前の県政に戻します」と訴えたに等しい内容だったと受け取れた。ちなみにこの借金は県民一人当たり約73万円。

当初は市民団体のボランティアで選挙を戦うと言っていたのも束の間、県政会に応援してもらう作戦に変更したり、 それを当のご本人は知らないと言ったりで、これ一つとっただけで長谷川氏のリーダーシップやマネージメント能力の無さを露呈したと思うし、与党議員の「お飾り知事候補」として祭り上げられたことが窺えた。 こうした県民を欺くような手法にもかかわらず、40万もの票を獲得したのは驚異的でもある。
当の本人は嫌われ者?の県政会に表舞台で支援されるのは本意ではなく、それがなければもっと得票したのでは ないかと考えているのかもしれないが、もしそうだとしたらそれは思い上がりというものだろう。やはり組織選挙が功を奏して40万票も得票したのだと思う。

それに比べ田中氏はマスコミや識者に「パフォーマンスだ幼稚だ」と非難されつつも、愚直に、しかし明確にグランドデザインを語っていた様に感じた。田中氏の考え方や演説の内容は当面の長野県経済にとっては悲観的なものかもしれないが、実感がこもっているという点ではめずらしく説得力があった。
障害を持つ方が作られたという襟に付けたヤッシーのアップリケ?は田中氏の幼児性を示すものだと 批判する方も多いが、前回当選以来常に付けていることの真意を私なりに推測するとすれば、社会には健常者(こういう表現は差別ととられるかもしれませんがお許し下さい)だけではなく、障害を持つ方 もいることを田中氏自身忘れない為と、それを目にする人にその方々の存在を意識させたいのではないかと思う。

安っぽいヒューマニズムやパフォーマンスと見る向きもあるかもしれないが、 「もう外しても良いのでは?」という周囲の声にも全く動じない田中氏の信念(執念?)は別の意味で侮れない したたかさを感じる。このキャラクターと対峙する議会は田中知事に対して「幼稚」だの「大人になれ」だのと、それこそ低レベルの非難では太刀打ちは難しいだろう。
とにかく県民は長野県の未来を何処か(かなり)危うさを感じる田中氏に賭けた訳で、知事にも議会にもガンバッテ頂きたいもんです。


物置小屋2002/12/22


アルピーヌの隣家が取り壊され、今まで隠れていた北側がモロに見えるようになってしまいました。跡地が整地され綺麗になったのは喜ばしいのですが、今まであまり人目につかず、作業道具等の格好の置き場になっていたので、それらの収納場所と同時に目隠しの意味も含めて小屋を作りました。
どこの家でも必ず人目に付きにくい裏側があるのに、これでアルピーヌは4面共露出してしまったということになります(^^;

小屋の場所は20年来使っていなかった受水槽を取り除き、その基礎を利用して作りました。床面積は6フィート四方で約1坪、高さは約7フィートです。2×4の建材サイズがフィート表示になっており、この時1フィートと1尺が大体同じ長さなんだと知りました(^^)
そういえば昔スキーの標準的な長さは「6尺6寸(約200cm)」なんていっていたっけ。

基礎の大きさに合わせて小屋を作ることにしたので、床面積は最初から上記のように決まっていました。
アルピーヌの壁に面する部分、床、天井とドア面はコンパネで、残り2面に2×4を使う計画で必要な材料をホームセンターで購入してきました。

使用した材料
コンパネ9枚×¥850
2×4/12フィート8本×¥430
1×4/12フィート25本×¥320
4×4/10フィート2本×¥1700
ポリカーボネイト製波板3枚×¥950
コーススレッドスクリュー32mm/65mm/90mm、それぞれ¥300位
キシラデコール(塗料)3.4L ¥9000
丁番4個×¥300
その他¥2000

材料費合計(税込)¥40362

制作にあたって新たに購入したインパクトドライバー¥19800を含め、総工費は約6万円ということになります。



総工費の1/3を占めるリョウビのインパクトドライバー。
これ無くして小屋の制作は殆ど不可能と言えるほどの優れもの。

プロが使う他社製高級インパクトドライバーに較べると価格が半分程度のリーズナブルな製品ですが、性能は申し分なく、バッテリーも2個付きなので、交互に充電しながら使うことが出来て作業効率は抜群に良好でした。小さな物置ですが使ったネジは1000本を越えていると思われ、これをもし手で締めなければならないとなると、最初から作る気にはならなかったと思います。

設計図無し、行き当たりばったりで垂直のみ糸にボルトをぶらさげた”下げ振り”で確認した以外、12フィートの材料を半分に切って並べて重ねただけで小屋は完成しました。



柱のように見えるのは壁材を留める為のリブ(2×4)

床、そして壁から作り始めた柱無しのヨレヨレの小屋も、天井のコンパネを固定することでモノッコック構造が成立し、一気に剛性が出て一安心。
材料の端切れを使い、内側から要所と思われる部分の補強と塗装、最後にポリカの波板を屋根代わりに載せて完成!。制作日数は正味4日でした。

見栄えが悪かったFRPの受水槽に代わって、木製の物置小屋はなかなか良い出来栄えだと自画自賛していますが、口の悪い友人に言わせると「デッケー木箱」に見えるそうです(;;)。


完成した物置。ドアは後側

2×4材の安さに驚いてしまったのと、何かに使いたくなるようなインパクトドライバーと、多少のノウハウが蓄積できた(^−^)ことで、これからは椅子やテーブルの制作にハマってしまいそうです。

カービングターンの総括2002/12/02


カービングについては再三書いているので重複する内容か、今まで書いてきたものとニュアンスが異なるかもしれないが、新しいシーズンを迎えるにあたり、もう一度これが如何なるものか確認しておきたい。

カービングという用語を耳にし始めた時、又目にした時、直感的に「曲がり易いスキーのことを言うんだな」と思ったのだが、正しくはCARVE(切るとか、彫る)という意味だそうで、これで話はややこしくなってきた訳だ。

実際に自分でカービングスキーを使って解った事は、普通に(従来の技法で)滑る限りとても曲がり易い(向きを変え易い)ということで、短くサイドカーブのきつい形状から予想した通りだった。但し整備された平滑な斜面と言う条件付デス。

スキーには舵取り装置が付いていないから、MCや自動車のように行きたい方向にハンドルを切るだけで良いと言う訳にはいかない。(MCの場合通常の走行状態ではステアリングの舵角はリーンした後に自然につくから、ハンドルを操作する訳ではないが)

舵の無い、いってみれば只の板切れに乗って進み、向きを変えるにはドーしたら良いのか、そしてそれを自由自在に操る為にはドーしたらよいのかで、先人達が試行錯誤を繰り返し、マテリアルを含め様々な技法が考案され試されてきた。しかし曲がる原理は単純で、テールをずらす(ずれる)、且つトップよりテールのズレ幅が常に大きいことによって向きが変わるというもの。

原理が単純なだけにスキーは一朝一夕に上達する訳ではなく、時には挫けそうになる程長い間の練習が必要でもある。手っ取り早く上達する方法は無いし、上達の早さは誤解を恐れずに書けばスノーボードの5〜10倍遅いといったところだろう。だからといってあるレベルに達するまでは辛いだけかといえばそんなことは無く、その過程も又楽しいのは云うまでも無い。

ズラシてしか向きを変えようの無いスキーなのに、昨今カービングスキーのサイドカーブが、あたかも車のステアリング機構と同等の機能を持ったかのような、「エッジを立てただけで回りますよ」というような風潮はドー考えてもおかしい、というより所詮無理な話なのだ。おかしいと思いつつも、時代の流れに乗り遅れまいと40年以上ものキャリヤを持つエキスパートや現場の指導員でさえこの風潮に迎合しようとしている姿は、はっきりいってチャンチャラおかしいのだ。もっと自分の培ってきた技法に自信をもったら?と言いたい。無理な話の辻褄を合わせようとするのはスキーヤーを欺くことでもある。カービングスキーが「楽で曲がり易い」と感じるのは従来の技法を使っているからであって、本当にカービング状態になったらはたしてドーなのか?



S○J流に言えば、例えばバッジテストではスキッディング要素(ズラシ)よりカービング要素(大笑い)のほうがエライらしく、ズラシて滑るのは今時「ダッセー」らしい。MCだったらコーナー立ち上がりでテールスライドさせられる方がエライ?のにね。

サイドカーブとしなりが作る弧に添って曲がっていくのが純粋なカービングターンだとしたら、以前にも書いたように、それはスキーの制御が不能になった時なのだ。それでもなお、カービングに入ったと感じた時に「自分がコントロールしている」という実感があるのなら、それはズレを伴ったキレの良いターンであって、カービングとは言えないのだ。何が何でもカービングというのなら、板を履いた瞬間から終始サイドカーブとしなりだけで滑ることだ。万一ズラシを使って向きを変えることがあったりしたらそれこそ「ダッセーゼッ」。



最近の板にはラディアス○○メーターというように表示されていて、数値が小さいほど小径のターンが出来ると言うことらしい。が、それを鵜呑みにして買ったとしても、実際は自分が期待していたような手っ取り早い上達やカービングターンをするのは難しいだろう。ラディアスの大小はMCや車で言えば最小回転半径(据え切り)のデータのようなもので、ジムカーナみたいな競技に参加する場合は考慮することがあるかもしれないが、実際はUターンや車庫入れの際の参考程度のものだと思う。


最小回転半径が小さいMCや車は大抵ホイールベースも短いから、不正路面でのピッチングを少なくするのは難しいし、それが悪路での走破性低下にもつながると思う。スキーも同様で、短い板はピッチングに関してはドーしようも無いほど弱い。こういう板でちょっと荒らされた深雪に入ったりしたら自分がいきなり下手になったようで蒼ざめるね。


かつてスキーの長さは身長+30cm程度と言っていた時代があった。この”30cm”にはそれなりの理由があった訳で、滑走面の前後接雪面から重心位置を結ぶ線と板との成す角度が、ある数値以上にならないようにして、荒れた斜面でも前後方向のスタビリティーを確保するための知恵だったのかもしれない。身長によって重心の位置が変わるからだ。

整備された斜面が当然のようになってくると短い板でも問題が少なくなって、練習によって向上した技術を駆使して、より難しい斜面にチャレンジして楽しむより、回り方それ自体に関心が行って、何台もの板を取替えひっ替えして訳のわかんない怪しげな用語を弄ぶ時代になったと思う。何処に楽しみを見出すかは人それぞれなのでヨケーなお世話だが、技術も道具の一部と思っている私は道具の手入ればかりしていて実際には使わない(使えない)例えば包丁のようなものだと思ったりする。見事に砥がれ、いかにも切れ味良さそうなのに、鮭を切ろうとしたら一発で刃こぼれして使えなくなったりして。だから心配で結局何も切れないのカモ(^^)。



カービング状態で滑るのはMCならさしずめハンドル据え切りで回るのに似ていて、これが出来る人は駐車場あたりで一瞬注目をあびるだろうが、得意になって続けていると「いつまでもやってろや、○ーカ」ということになるカモ。勿論出来るにこしたことはないが(^^)。以前「カービングはF1と似ている」と書いたことがあるが、そんな上等なものでは無いような気がしてきた。


一旦「ズラシはダサイ」というカービングの妄想に掛かると覚醒するのは難しいだろう。有名デモの「○○のスーパーカービングテクニック」というような、カービング信者にとってはありがたい題名の本でさえ、その写真は盛大に雪煙を上げているのだ。なんのこっちゃパチパチ(^^)カービングターンという怪しげな病原菌を撒き散らし、無菌室(整地)以外では生きられない病弱なスキーヤーを大量生産したS○Jとメディアの罪は重いぞ。カービングの毒性が余りに強いので、ビビッてスキッディングとかカービングの後に””要素””なんて付けて誤魔化そうとしたけど、善良なスキーヤーの病気を益々こじらせてしまっているのだ。でもようやくワクチン(言い訳)の製造に取り掛かったみたい。



2mとは言わないが、サイドカーブも程々で従順な板が入手出来るようになるとイイデス。

余程のことが無いかぎり、以後の「言いたい放題」では巷で言う”カービングターン”については触れないことにしました。そういうターンは実用上も語るのもナンセンスなことが分ったからです。

カービングでは無く、キレの良いシュプールの幅が狭いターンはあらゆる斜面で頼りになりますよ。

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