唐招提寺

南大門からみた金堂
薬師寺をそのまま北口へ抜けて歩くこと15分。唐招提寺の南大門に出る。
 中に入ると静かな落着いたいた雰囲気をたたえる金堂が迎える。
鑑真和上が新田部親王
(にいたべしんのう)の邸をもらいうけ、私立の学問所にしたのが始まりとか。
 唐の国から来た鑑真和上の 「招提---み仏のもとに修行する人達の場」を寺名としている。
建築物や仏像等天平美術が濃縮された寺。 鑑真和上を書いた井上靖著の「天平の甍」が有名です。


2回目訪問の1999年のあくる年、2000年から平成の大修理が始まりました。
金堂を完全に分解して再組立て。
同時に盧舎那仏、千手観音菩薩、薬師如来の保存修理も行なわれた、まさに大修理。
修理完了後また来ようと心に誓った唐招提寺。2009年の完成から2年遅れの訪問です。


 1999(H11)年4月4日
平成の大修理後(2000〜2009年)訪れた金堂。

2011(H23)年4月10日

 前後五回、十二年に及ぶ苦難の末、東大寺に着いた時は、その両の眼で日本の姿を見ることが
出来なかった鑑真和上の宗教心、意志の強さは何処から来るのであろうか。 今まで訪ねたお寺さん
との境内における違和感は、ただ単に、鑑真和上の苦労話の先入観だけでない、何かを感ずる。 
煩悩の塊である私には、それが何か分かるほどには修行を積んではいないが。
桜咲く金堂

最大の天平建築 (99/4/4)
講堂

地上に残る唯一の平城京 (11/4/10)

金堂の講堂の間を通って左側へ進むと、散歩に最適な静寂が。
(11/4/10)

そのさらに左に、3段の石段のみの戒壇が。
創建時代に築かれ、中世に廃されてその後再興されたが、火災により建物は失われました。
塔は、インドのサンチーの古塔を模し、1980年(S53)に築かれました。(11/4/10)

御影堂の壁は、今にも崩れそうでビックリです。

土壁の先には、開山御廟が。 その御廟への参道の苔が美しい。(11/4/10)

左が宝蔵、右が経蔵
校倉造り(11/4/10)

唐招提寺を左回りにぐるっと一回りして、元に戻りました。(11/4/10)
左が礼堂、中央が鼓楼、右は講堂です。
左、金堂、中央講堂、その右鼓楼門、右端が礼堂。
12年ぶりに訪れた、大修理後の唐招提寺。
その修理の模様はテレビで放映され、感動して見たことを思い出します。

最初に訪問した唐招提寺です。右は、金堂から見た南大門。(1965/3/24)

宗派 寺格 律宗  総本山 別名 建初律寺
開基 鑑真和上が、天武天皇の皇子新田部親王の旧廷地を賜り
私立学問所にしたのが始まり。御仏のもとに修行する
人達の場 − すなわち唐招を寺名とする。盛時には学僧
3000名を数えたが、中世に衰え鎌倉時代に覚盛(かくじょう)
によって中興される。
創建年代 鑑真和上創建の年が759年(天平宝字3年)和上はその
4年後の763年(天平宝字7年)5月6日、76歳にて入滅
する。
本尊 廬舎那仏 訪問日 @1965(S40)年3月24日(水) A1999(H11)年4月4日(日)
B2011(H23)年4月10日(日)
拝観時間 8:30 〜 17:00 休 日 なし
拝観料 通常展 :600円  御影堂 :500円  新宝蔵 :100円 所在地 〒630-8032   奈良市五条町13-46
その他 新宝蔵拝観 : 春 3月20日〜5月19日 秋 9月14日〜11月3
御影堂開扉 : 6月5日 〜 7日
問合せ先 0742-33-7900
公式ホームページ

建築物
名称 形式 制作年 素材 サイズ メモ 指定
金堂 寄棟造
本瓦葺
奈良 8c後期 木造 桁行七間
梁間四間
本格的金堂奈良期唯一の遺例。
天平の甍でおなじみ。
2010年11月 平成の大修理完了。
国宝
講堂 入母屋造
本瓦葺
奈良 760年
(天平宝字4)頃
木造 桁行九間
梁間四間
金堂の後方に建ち、平城宮の朝集殿を
移築した。
国宝
鼓楼 入母屋造
本瓦葺
鎌倉 1240年(仁治元年) 木造 桁行三間
梁間二間
鑑真将来の舎利が納められていた為、
舎利殿とも言う。
「うちわまき」のうちわはここから撒かれる。
国宝
経蔵
宝蔵
寄棟造
本瓦葺
奈良 8c 木造 桁行三間
梁間三間
経蔵は、わが国現存最古の高床式の
校倉造り。宝蔵は、経蔵よりやや大きい。
国宝
御影堂 江戸 1649年(慶安2) 木造 一乗院(興福寺子院で廃寺)の遺構を
1964年(昭和39)移築。
東山魁夷画伯の障壁画が圧巻。
重文
彫刻
名称 場所 制作年 素材 サイズ(cm) メモ 指定
盧舎那仏坐像 金堂 奈良 8c後半 脱活乾漆造・漆箔 339.4 光背に千仏光(釈迦仏)をつける。 国宝
千手観音立像 金堂 奈良 8c後半 木心乾漆造・漆箔 535.7 大手42本、小手911本の手が現存。 国宝
薬師如来立像 金堂 平安 796-815 木心乾漆造・漆箔 336.5 薬壷を持たない、古式の薬師如来。 国宝
四天王立像 金堂 奈良 8c後半 木造乾漆併用・彩色 185.0〜188.5 ゆったりとし、動きに乏しい。 国宝
梵天立像
帝釈天立像
金堂 奈良 8c後半 木造乾漆併用・彩色 186.2
188.8
天平期の宏大な気分あふれる像。
毘盧舎那仏の脇侍。
国宝
鑑真和上坐像 御影堂 奈良 763年 脱活乾漆造・彩色 81.8 肖像彫刻としては最古 国宝
弥勒如来坐像 講堂 鎌倉 1287年 寄木造・漆箔 283.3 講堂の本尊。鎌倉時代の典型仏。 重文
持国天・増長天 講堂 奈良 8世紀後半 榧一木造・素地 132.5/128.2 鑑真とともに日本へ来た工人作と推定。
壇像風。
重文