薬師寺

斑鳩旅日記から12年。
年数だけを聞くと一昔以上前の話ですが、印象としてはあっと言う間の12年。
今回の薬師寺は、お目当ての平成大修理後の唐招提寺訪問のついでではあったが、
その12年前に瓦を寄進した大講堂の完成した姿を観るのも、また楽しみではあった。

前回(1999(H11)年4月4日5)訪問の時は、薬師寺から唐招提寺でしたが
今回(2011(H23)年4月10日)は、逆に、唐招提寺から薬師寺です。


天武天皇が、皇后の病気平癒を祈り、飛鳥に建立。
その後平城遷都 に伴い、718年(養老2年)に今の場所に移され、
金堂と東西の塔を回廊が囲む大伽藍を並べて栄えた。
当時の建物で、現在残っているものは、東塔のみですが、伽藍の再建が着々と進んでいます。

(99/4/4)

前回から12年後の薬師寺は、見事に再建が進み、素晴らしい伽藍が建立されていました。
このまま、500年、1000年と、時だけが進む平和な世の中が永遠に続くことを願ってやみません。
(11/4/10)

東回廊・中門と西塔



東回廊・中門と東塔
730年建立の塔と1991年再建の中門
ですが意外と違和感がありませんね

1999年に訪ねたときは、偶然にも大法蔵殿特別公開日(3月22日〜4月 5日)で普段見られない
大宝蔵殿が「白鳳再現」と言うサブタ イトルを付けて公開されていました。吉祥天画像(奈良時代)
や慈恩大師坐像(平安時代)のおなじみ国宝のほかに、薬師寺で発掘された陶磁器や瓦等が展示
されていて鑑賞出来たのは、ラッキーでした。


金堂

(99/4/4)

(11/4/10)

灯篭と金堂(11/4/10)

中門と逆側から見た金堂(11/4/10)

大講堂建築のため、屋根瓦の奉納を 受け付けていました。約5kgの重厚な瓦に、般若心経からの一文字と、
自分の名前を記し、講堂の屋根瓦となって末代までも功徳が続きます。名前の「薬師寺」に惹かれ奉納。
家族や親類、知人皆が病気にならずに 「明るく」過ごせます様に奉納してき ました。(奉納金 3,000円)

12年前に屋根瓦を寄進した大講堂が、8年前(2003年)に完成していました。
あの屋根瓦は、何処に使われていりのでしょうかね?



西塔
始めてみるその姿は、朱、金、緑色が派手で、東塔とは趣を
異にする印象でした。東塔の各層は白壁なのに、こちらは
連子窓
(れんじまど)など、良く見るとその違いが判ります。

東塔
薬師寺は初めて見た時からは想像もつかないくらい
変わってしまった。昔訪ねた時は西塔も無けれ
ば、金堂も無く、ただ裳階
(もこし)を付けた東塔のみ
が迎えてくれた。確か、金堂は再建中で、薬師三尊像
を仮屋でお参りした記憶があるが。
 
(99/4/4) 
 
(11/4/10)

玄奘三蔵院伽藍
西遊記でお馴染みの中国唐時代の歴史上の僧侶の分骨が祀られています。
彼方に東塔を望む、三蔵伽藍の礼門。

亀さんが、道案内に頑張っています。

玄奘塔
玄奘三蔵坐像が祀られています。
この裏手には平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」
が、圧倒的迫力で迎えてくれます。

薄墨桜
玄奘三蔵院伽藍へ行く途中に咲いています。
1976年(S51)岐阜県梶尾村から送られた
桜ですが、大きく育ちました。

初めての薬師寺は1965年(昭和40年)の春でした。
宗 派 法相宗 大本山。南都七大寺の一つ 別 名 西京寺  瑠璃宮
開 基 天武天皇が、皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願して
薬師如来像をつくり、一寺を建立しようと発願されたのが起源。
天武天皇崩御の後、持統天皇がその意志を継いで藤原京に
創建したのが始まり。これが本薬師寺と呼ばれた。
創建年代 天武天皇発願が680年。持統天皇による本尊開眼が696年
藤原京からの平城遷都に伴い718年(養老2年)今の場所に
移されたが、当時の建物で現存しているには、東塔だけ。
現在は伽藍の再建が着々と進み、金堂(1976年 S51)、西塔
(1981年S56)、中門、回廊に続いて大講堂が2002年に完成。
本尊 薬師三尊 訪問日 @1965(S40)年3月24日  A1999(H11)年4月4日
B2011(H23)年4月10日
拝観時間 8:30 〜 17:00 休 日 なし
拝観料 玄奘三蔵伽藍公開時 :800円
玄奘三蔵伽藍公開時 :800円
大宝蔵殿                 :500円
所在地 奈良県奈良市西ノ京町457
その他 世界文化遺産
東塔調査解体修理中  2019年(H31)春完成予定
問合せ先 TEL :0742-33-6001   FAX :0742-33-6004
公式ホームページ

建築物
名称 形式 制作年 サイズ メモ 指定
東塔 - 奈良 730年頃 高さ 約 34.1m 各階裳階付の三重塔 国宝
東院堂 - 鎌倉 1285年 桁行七間 梁間四間 優美な和様建築 国宝
金堂 再建 昭和 1976年(S51年)   - -
西塔 再建 昭和 1981年(S56年) 高さ 約 35.5m 500年後に東塔と同じ高さになる予定 -
大講堂 再建 平成 2003年(H15年) 正面41m、奥行20m、高さ約17m 屋根瓦を寄進しました -
文化財
名称 場所 作者 制 作 年 代 素材 サイズ メモ 指定
薬師如来及び
両脇侍像
金堂 奈良 718年頃 銅像・鍍金 日光 311.8cm
中尊 254.8cm
月光 309.4cm
仏教美術を代表する名作。 国宝
聖観音菩薩立像 東院堂 奈良 8c初 銅像・鍍金 188.5cm すっきりした明快な造形。 国宝
僧形八幡宮坐像
神宮皇后坐像
仲津姫命坐像
奈良国立
博物館に
寄託
平安 889-98 檜一木造・彩色 38.8cm
33.9cm
36.8cm
武人・航海業者の守り本尊。
豊かなで長い髪が特徴。
神宮皇后と同形。
国宝
吉祥天像 奈良 8c後期 麻布着色 縦 53.0cm × 横31.7cm 現存最古の仏画遺品のひとつ 国宝
慈恩大師坐像 平安 11c 絹本着色 縦161.2cm × 横129.2cm 11/13月13日の大師忌日の
慈恩会の本尊
国宝
仏足石 奈良 753年 石製 高さ75.7cm × 幅 約109cm 自然石の上面に
仏足図を線彫で表現
国宝
仏足石歌碑 奈良 8世紀 石造 高さ193.9cm × 幅約48.5cm 石の表面に和歌を記す。 国宝