菩薩 如来 明王 羅漢 垂迹神 その他 (索引)

菩薩
菩提薩捶(ぼだいさった)の略。悟りを開くため修行をする者。如来の一歩手前。自らの覚りを求めると同時に、仏の慈悲
の行いを実践することですべての生き物を救おうとする。なお、菩薩の修行は「六波羅蜜」と呼ばれる。

六波羅蜜とは
  1. 布施波羅蜜 (物質的、精神的施しを与える)   4. 精進波羅蜜 (常に、良い行いをする)
  2. 持戒波羅蜜 (戒を守り、正しい生活をする 5. 禅定波羅蜜 (静かに心を整え、精神を集中する)
  3. 忍辱波羅蜜 (何事にも、耐えしのぶ)   6. 般若波羅蜜 (智慧に心を開き、空を認識実践する)
お願い

  拝観の可否、日程につきましては可能
な限り調べましたが、念のため、事前に
確認するようお願い致します。変更や間
違い等がありましても責任を負いかねま
すので、ご了承ください。








黄色セルは、拝観した仏像です。
凡例

「形式」欄の赤字は国宝
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「備考」欄の記載について
  1.特に記載の無い像は重要文化財
  2.尊名の後ろの数字は像高(cm)
  3.【  】は開扉日、記載なしは常時開扉
  4.(  )の名称は下記の通り
       (奈良) : 奈良国立博物館寄託
       (京都) : 京都国立博物館寄託
       (東京) : 東京国立博物館寄託
       (鎌倉) : 鎌倉国宝館寄託
       (大阪) : 大阪市立美術館寄託

弥勒如来  /  弥勒菩薩
意味 県名 寺名 形式 材質・処理 年代 像高 cm 備考
釈迦入滅の五十六億七千万年後に出現し、この世を救う未来仏。
現在兜率天で修行中で、釈迦のあとをついで如来となるとされて
いる。

右足を組んで左足を下ろして椅子に座り、右手で頬杖をつくようなポ
ーズの、半跏思惟(はんかしゆい)像として知られる。

仏になることが約束されているため、弥勒如来とも呼ばれている。

脇侍
   法苑林菩薩像/大妙相菩薩像
如来像
奈良 當麻寺 金堂 坐像 塑造・漆箔 飛鳥 7c後半 219.7 日本最古の塑像
法隆寺 五重塔 倚像 塑造・漆箔彩色 奈良 711 81.0 南面 (塔本四面具)
薬師寺 大講堂 坐像 三尊 銅造・鍍金 奈良 8c 266.6 法苑林/大妙相 2003年尊名変更 旧尊名は
重文指定名称の 薬師三尊(日光/月光菩薩)
大野寺 立像 磨崖仏・線刻 鎌倉 1207 1150 無指定
興福寺 北円堂 坐像 三尊 寄木造・漆箔 鎌倉 1212 141.5 法苑林/大妙相 運慶作 【春秋年2回】
唐招提寺 講堂 坐像 寄木造・漆箔 鎌倉 1287 283.3 講堂本尊 鎌倉時代の典型仏
大阪 孝恩寺 坐像 木造・彩色 平安 9c 86.7 印相は阿弥陀如来 【要予約】
和歌山 慈尊院 坐像 檜一木造・彩色 平安 892 91.0 【21年毎 次回2015年】
大分 大楽寺 坐像 三尊 檜寄木造・漆箔 平安 後期 137.9 伝日光148.0/伝月光149.2
菩薩像
大阪 野中寺 半跏像 銅造・鍍金 飛鳥 666 18.5 弥勒明記の最古像 【毎月18日】
観心寺 霊宝館 坐像 木造・漆箔 平安 883以前 108.4 四方四仏の一尊 【12-2月は要予約】
京都 広隆寺 霊宝殿 半跏像 赤松木造・漆箔 飛鳥 7c前半 84.2 宝冠弥勒
半跏像 楠一木造・漆箔 飛鳥 7c後半 66.4 宝髻弥勒 泣き弥勒
坐像 塑像・彩色 平安 9c 83.7 広隆寺唯一の塑造像
醍醐寺 三宝院 坐像 木造・金泥截金玉眼 鎌倉 1192 112.0 現存最古の金泥塗 快慶作
萬福寺 天王殿 布袋 坐像 木造・彩色 江戸 1663 110.3 弥勒菩薩像として安置 范道生作 無指定
奈良 中宮寺 本堂 半跏像 樟寄木造・彩色 飛鳥 7c後半 87.0 国宝指定名菩薩半跏像・寺伝如意輪観音
室生寺 弥勒堂 立像 榧一木造・素地 平安 8c-9c 95.4 壇像風彫刻の代表
法輪寺 講堂 立像 檜一木造・彩色 平安 10c 157.3 重文指定名は観音菩薩
薬師寺 坐像 木造・漆箔 鎌倉 13c 87.5 (奈良)
滝坂道 立像 三尊 磨崖仏 鎌倉 1265頃 233.0 朝日観音 脇侍:地蔵菩薩
立像 磨崖仏 鎌倉 - 152.0 夕日観音 無指定
滋賀 百済寺 半跏像 銅造 鎌倉 - 23.4 飛鳥時代の像の模像か 無指定
神奈川 称名寺 金堂 立像 木造・金泥截金玉眼 鎌倉 1276 194.0 復元像が金沢文庫に 幸有作 【特別公開時】
文殊菩薩 (もんじゅ)
知恵の菩薩として信仰されている。「三人寄れば文殊の知恵」はここ
から出ている。釈迦入滅後、インドに生まれた実在の人物を仏格化し
たものといわれ、普賢菩薩と共に、釈迦如来の脇持勤める他、維摩
居士と一対として造られることもある。獅子に乗った姿で造られるの
が普通。


五髻文殊(ごけい)
  密教で、御利益を得ようとして陀羅尼を唱えるとき、その文字数と
  髻(もとどり)数とが同じ文殊菩薩を本尊とする。例えば、五文字の陀
  羅尼を唱えるときは、髻が五つの五髻文殊を本尊とする。
  一髻(増益)・五髻(敬愛)・六髻(調伏)・八髻(息災)がある。
   (五髻文殊 : 京都広隆寺)(八髻文殊 : 奈良般若寺)

渡海文殊(五台山文殊)
  獅子に乗る文殊菩薩が、海を渡り砂漠をこえて万里の彼方インドか
  ら五台山(文殊菩薩の聖地)に遊行する姿を描いた像。善財童子
  先頭に、優填王(うでんおう)が獅子の手綱をとり、最勝老人と仏陀波
  利を従えるのが普通。鎌倉時代に流行した。尚、京都智恩寺の文
  殊菩薩は、善財童子と優填王との三尊像。
    (安倍文殊院・西大寺)

僧形文殊
  文殊は、お寺の生活の戒律と智慧の師であるとの考えから、僧侶の
  姿をした文殊菩薩が造像された。聖僧文殊とも呼ばれる。
    (京都 : 東寺)

稚児文殊
  文殊菩薩の知恵と清純さから、童子の姿に現した文殊菩薩。
奈良 法隆寺 大宝蔵院 立像 楠一木造・漆箔 飛鳥 7c後 85.7 通称六観音の内
五重塔 坐像 塑造・漆箔彩色 奈良 711 52.4 東面 (塔本四面具)
上御堂 坐像 左脇侍 木造・漆箔 平安 10c前 155.7 中尊:釈迦如来 【11/1-3】
薬師寺 大宝蔵殿 坐像 木造・漆箔 平安 - 62.5 -
室生寺 金堂 立像 木造・彩色 平安 10c 205.3 -
白毫寺 伝 坐像 檜一木造・漆箔 平安 藤原 101.5 元多宝塔本尊
額安寺 騎獅坐像 木造・彩色 平安 藤原 45.4 -
圓證寺 騎獅坐像 木造・漆箔 平安 藤原 56.5 【要事前許可】
興福寺 東金堂 坐像 檜寄木造・金泥彩色玉眼 鎌倉 1196 93.9 維摩居士と対で安置 定慶作
安倍文殊院 渡海 騎獅半跏像 木造・金泥彩色截金 鎌倉 1203 198.0 脇侍:玉眼 最勝は後補 快慶作 日本三文殊
中宮寺 立像 五髻 紙張貫・彩色玉眼 鎌倉 1269 53.9 紙製は他に例がない (東京)
円成寺 護摩堂 僧形文殊 坐像 木造・ 鎌倉 1270 80.1 尭慶作 無指定
海龍王寺 本堂 立像 寄木造・彩色截金玉眼 鎌倉 13c 116.6 靴が特異 伝運慶作
西大寺 本堂 渡海 騎獅坐像 木造・彩色截金玉眼 鎌倉 1302 82.2 文殊のみ金泥 侍者86.5-119.5
般若寺 騎獅坐像 木造・素地截金 鎌倉 1324 45.5 八髻文殊 康俊・康成等作
京都 広隆寺 坐像 木造・素地 平安 初期 99.4 五髻文殊
東寺 宝物館 僧形 坐像 木造・古色 平安 初期 70.9 -
清涼寺 霊宝館 騎獅坐像 木造乾漆併用・彩色 平安 10c 110.0 【4-5・10-11月】
禅定寺 騎獅半跏像 一木造・古色 平安 藤原 57.3 -
法金剛院 僧形 坐像 木造・古色 平安 藤原 78.0 -
仁和寺 霊宝館 坐像 木造・彩色 鎌倉 13c 63.6 【4/1・10/1から各50日間】
大智寺 半跏像 木造・彩色玉眼 鎌倉 - 66.9 -
智恩寺 文殊堂 騎獅坐像 三尊 木造・彩色 鎌倉 - 49.1 善財60.6/優填62.1 日本三文殊 【7/24】
金戒光明寺 騎獅像 木造・ 鎌倉 - 108.5 伝運慶作 (京都) 府指定
滋賀 善水寺 本堂 僧形 坐像 榧一木造・彩色 平安 993頃 78.8 -
大阪 考恩寺 宝物殿 立像 木造・彩色截金 平安 藤原 169.0 【要事前許可】
高知 竹林寺 本堂 渡海 騎獅坐像 樟一木造・彩色 平安 藤原 60.4 本尊 伝行基作 【50年毎 次回2014年】
宝物館 四侍者のみ 75.4-77.3 上記本尊とで日本最古の渡海文殊
大分 臼杵磨崖仏 坐像 石造・彩色 平安 11-12c 170 古園石仏
岩手 中尊寺 讃衡蔵 渡海 騎獅坐像 木造・彩色 平安 - 70.6 -
宮崎 大光寺 渡海 騎獅坐像 寄木造・彩色玉眼 南北 1348 52.1 侍者(50.0-66.7) 康俊等作 【要事前許可】
普賢菩薩 (ふげん)
普賢とは「普遍の教え」の意。仏の理性を示す菩薩。「法華経」「観
普賢菩薩行法経」「華厳経」等に出てくる。
文殊菩薩と共に、釈迦如来の脇持を勤め、文殊の「智慧の菩薩」
に対し「行の菩薩」と言われる。像に乗った姿で造られるのが普通。
手には、五鈷杵(ごこしょ)や五鈷鈴(ごこれい)などを持っている。

普賢延命菩薩
  密教では、普賢菩薩には長寿や延命をのご利益があると願って
  行  う延命法の本尊を特に普賢延命菩薩と呼び、祈願するように
  なった。二臂像と、二十臂像がある。

金剛薩埵菩薩(こんごうさったぼさつ)
  密教では、金剛薩埵菩薩は普賢菩薩と同体異名とされ、大日如
  来  の教えを人々に伝授する。

十羅刹女(じゅうらせつにょ)
  「法華経」 駄羅尼(だらに)によると、十人の羅刹女と鬼子母神が、
  二菩薩、  二天(毘沙門天・持国天)と共に、「法華経」を護持する
  人々を守る  ことから、普賢菩薩に十羅刹女を伴った像が作られ
  た。羅刹とは鬼のことだが、仏教に帰依し善神となった。
   (東京 : 寿量寺)
奈良 法隆寺 大宝蔵院 伝 立像 木造・漆箔 奈良 白鳳 83.9 通称六観音の内
上御堂 坐像 右脇侍 木造・漆箔 平安 10c前 153.9 中尊:釈迦如来 【11/1-3】
圓證寺 騎象坐像 木造・古色 平安 藤原 57.9 【要事前許可】
常覚寺 坐像 延命 木造・漆箔 平安 藤原 98.8 20臂
三重 普賢寺 坐像 一木造・古色 平安 初期 93.2 【要予約】
京都 岩船寺 本堂 騎象坐像 木造・彩色截金 平安 藤原 38.9 厨子入り
妙法院 普賢堂 騎象像 木造・漆箔彩色 鎌倉 13c 140.0 【不定期 要事前確認】
大阪 考恩寺 宝物殿 立像 木造・彩色截金 平安 藤原 167.5 【要事前許可】
大分 臼杵磨崖仏 坐像 石造・彩色 平安 11-12c 181.0 古園石仏
大山寺 坐像 延命 榧一木造・彩色 平安 12c 87.7 20臂(現存18臂)
東京 大倉集古館 騎象坐像 木造・彩色截金 平安 12c前半 55.2 -
佐賀 龍田寺 騎象坐像 延命 檜寄木造・漆箔玉眼 鎌倉 1326 78.2 20臂 康俊作 【要確認】
金剛薩埵菩薩
京都 東寺 講堂 坐像 一木造乾漆併用・漆箔 平安 839 96.4 五大菩薩の一尊
隋心院 坐像 寄木造・漆箔 鎌倉 - 101.8 快慶作
兵庫 圓教寺 宝物館 坐像 木造・ 室町 1359 36.5 康俊作 県指定
和歌山 根来寺 大伝法堂 坐像 左脇侍 木造・漆箔古色玉眼 室町 1405 343.0 中尊:大日如来
勢至菩薩 (せいしぼさつ)
知恵の光で一切をあまねく照らし、人々の迷いを救う。

単独でまつられことは無く、観音菩薩像と共に、阿弥陀三尊像の右脇
持をつとめ、合掌する形をとる。

観音菩薩とほぼ同じ形だが、宝冠の正面に水瓶があるので区別でき
る。ちなみに、観音菩薩は、宝冠に化仏を配す。
奈良 法隆寺 大宝蔵院 立像 木造・漆箔 飛鳥 7c後半 86.0 通称六観音の内
璉珹寺 立像 寄木造・古色 江戸 1755 105.0 -
京都 仁和寺 霊宝館 立像 左脇侍 檜一木造・漆箔 平安 888 124.2 中尊:阿弥陀如来 【4/1・10/1から各50日間】
清涼寺 霊宝館 坐像 右脇侍 木造乾漆併用・漆箔 平安 896 168.2 中尊:阿弥陀如来 【4-5・10-11月】
三千院 往生極楽院 跪坐像 右脇侍 檜寄木造・漆箔 平安 1148 130.9 中尊:阿弥陀如来
清水寺 立像 木造・漆箔玉眼 鎌倉 - 103.1 伝観音菩薩105.1と対 (京都)
愛知 七寺 坐像 木造・漆箔玉眼 平安 1168 137.8 観音菩薩と対。1945年戦災で中尊消失
高知 竹林寺 宝物館 立像 檜寄木造・古色 平安 末期 106.8 -
兵庫 浄土寺 浄土堂 立像 右脇侍 木造・漆箔 鎌倉 1195 371.0 中尊:阿弥陀如来 快慶作
東京 大悲願寺 坐像 右脇侍 木造・漆箔 鎌倉 - 60.6 中尊:阿弥陀如来 【4/21】
日光菩薩 / 月光菩薩
日光菩薩は、日の光で煩悩を照らし、無知を破って英知を表す。
月光菩薩は、月の光のように優しい慈しみの心で慈悲を表す。

それぞれを単独でまつる信仰はなく、主に薬師如来の脇持を勤める。

古い時代の像は持物を持ちませんが、平安時代以降は、日光菩薩
は日輪をもって左に、月光菩薩は月輪を持って右に安置される。
奈良 法隆寺 大宝蔵院 伝 立像 銅造・鍍金 飛鳥 7c末 54.1/54.5 重文指定は観音菩薩
月光は珍らしい二重瞼像
大講堂 坐像 脇侍 檜寄木造・漆箔 平安 10c末 172.1/172.1 中尊:薬師如来
薬師寺 金堂 立像 脇侍 銅造・鍍金 奈良 718頃 311.8/309.4 中尊:薬師如来
興福寺 東金堂 立像 脇侍 銅造・鍍金 奈良 白鳳 300.3/298.0 中尊:薬師如来
東大寺 法華堂 伝 立像 塑造・彩色截金 奈良 8c中頃 206.3/206.8 天平彫刻の代表作
秋篠寺 本堂 立像 脇侍 樟一木造・彩色 平安 11c前 156.7/155.1 中尊:薬師如来
霊山寺 立像 脇侍 木造・漆箔彩色 平安 1066 86.9/87.7 中尊:薬師如来 【10/23-11月第2日曜】
和歌山 道成寺 宝佛殿 伝 立像 脇侍 檜一木造・漆箔 平安 前期 241.5/242.4 中尊:千手観音は極めて稀
京都 醍醐寺 霊宝館 立像 脇侍 一木造・漆箔 平安 913 120.1/120.9 中尊:薬師如来 【春秋年2回】
広隆寺 霊宝殿 立像 木造・漆箔彩色 平安 1064 175.0/174.0 中尊は亡失 長勢作
神護寺 金堂 立像 脇侍 木造・古色 平安 8c末 151.0/150.0 中尊:薬師如来 一部鎌倉時代
禅定寺 立像 脇侍 一木造・彩色 平安 藤原 203.0/207.9 中尊:十一面観音 伝元光明山寺
神童寺 立像 木造・彩色 平安 9c 162.4/171.5 -
東寺 金堂 立像 脇侍 木造・彩色 桃山 1603・4 290.0/289.0 中尊:薬師如来 康正作
福島 勝常寺 収蔵庫 立像 脇侍 欅一木造・漆箔 平安 8c末 169.4/173.9 中尊:薬師如来 【4/1-11/15 要予約】
滋賀 観道寺 立像 木造・彩色 鎌倉 - 179.0/179.3 -
聖衆来迎寺 客殿 立像 檜木・金泥彩色截金玉眼 室町 - 108.4/108.1 【8/16以外要予約】
兵庫 斑鳩寺 立像 木造・漆箔 鎌倉 後期 122.8/121.6 日光:玉眼 伝行基作
神奈川 覚園寺 薬師堂 坐像 脇侍 木造・古色玉眼 室町 1422 149.4/150.0 朝祐作 中尊 【8月・12/20-1/8と雨天不可】
薬王菩薩 / 薬上菩薩
「薬師本願経」によると、文殊菩薩、観音菩薩、勢至菩薩、宝檀菩薩
無尽意菩薩、弥勒菩薩とともに、薬師八大菩薩に加えられているが、
実際には、釈迦如来の脇持として造られた。薬を持って人々を救う。
兄が薬王菩薩、弟が薬上菩薩。その前生は、自ら香油を飲み、その
身を燃やして仏を供養した、憙見菩薩(きけんぼさつ)であると言われて
いる。二十五菩薩の一尊にも加えられている。
奈良 法隆寺 金堂 伝 立像 脇侍 銅造・鍍金 飛鳥 623 90.7/92.4 中尊:釈迦如来 鞍作止利作
興福寺 仮金堂 立像 脇侍 木造・漆箔 鎌倉 1202 362.0/360.0 中尊:釈迦如来か(旧西金堂本尊)
仏頭・仏手のみ残る
地蔵菩薩
釈迦の入滅から弥勒菩薩が出現するまでの間、この世で六道の衆
生を救う菩薩。
六道とは、生前の業因によって生死を繰り返す六つの迷いの世界。
すなわち、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天上のこと。
特に浄土教が流行し、地獄思想が定着した平安時代以降は、地獄
に堕ちることを恐れた多くの民衆に、篤く信仰された。
菩薩としては、例外的に髪を剃り、袈裟をつけた僧形形しているが、
老人の姿で造られることは少ない。
多くは、左手に宝珠を持ち、右手は与願印か錫杖を持つ。錫杖を持
つ地蔵は、六道を巡り衆生を救う行脚の姿で、平安中期以降の一般
的な姿である。
江戸時代に入ってからは、道祖神や庚申信仰と習合し、身代わり地
蔵、延命地蔵、子安地蔵等、将軍地蔵など、日本独特の様々な地蔵
が生み出された。又地蔵は地獄の救い主であり、閻魔王の本地仏は
地蔵菩薩とのことから、十王と結びつけ地蔵十王像が作られた。
尚、妙幢菩薩(みょうどうぼさつ)は、地蔵菩薩の異名。

六地蔵
  輪廻転生する六道にて、衆生を救う地蔵。
  個々の名称は典籍により異なり、一定していない。
六道 六地蔵
天道 けんごい
堅固意菩薩
だいけんご
大堅固地蔵
にっこう
日光地蔵
よてんが
預天賀地蔵
人道 じち
持地菩薩
だいしょうじょう
大清浄地蔵
じょがいしょう
除蓋障地蔵
ほうこう
放光王地蔵
修羅道 ほういんしゅ
宝印手菩薩
しょうじょうむく
清浄無垢地蔵
じち
持地地蔵
こんごうとう
金剛幢地蔵
畜生道 ほうしょ
宝処菩薩
だいこうみょう
大光明地蔵
ほういん
宝院地蔵
こんごうひ
金剛悲地蔵
餓鬼道 ほうしょう
宝掌菩薩
だいとくしょうじょう
大徳清浄地蔵
ほうじゅ
宝珠地蔵
こんごうほう
金剛宝地蔵
地獄道 じぞう
地蔵菩薩
だいじょうちひ
大定智悲地蔵
だんだ
壇陀地蔵
こんごうがん
金剛願地蔵

六地蔵巡り

  六体を別の場所に置き、六地蔵巡礼により家内安全、無病息災を
  祈願する。各街道の入り口に祀ってある。
京都六地蔵 江戸六地蔵
寺名 名称 街道名 寺名 街道名
大善寺 伏見六地蔵 奈良海道 品川寺 東海道
淨禅寺 鳥羽地蔵 大阪海道 東禅寺 奥州街道
地蔵寺 桂地蔵 丹波・山陰地蔵 太宗寺 甲州街道
源光寺 常盤地蔵 周山街道 真性寺 中仙道
上善寺 鞍馬口地蔵 鞍馬街道 霊巖寺 水戸海道
徳林庵 山科地蔵 東海道 永代寺 千葉街道
奈良 法隆寺 大宝蔵院 立像 木造・彩色 平安 9c 172.7 平安初期の代表作
興福寺 国宝館 立像 木造・彩色 平安 初期 140.9 -
半跏像 延命 寄木造・彩色 鎌倉 中期 50.8 無指定
安産寺 (室生村) 立像 榧一木造・彩色 平安 9c末 177.5 中村区 子安地蔵  【1/24・8月第4日曜・
毎月9日9:00-12:00 以外は要予約】
金剛山寺(矢田寺) 立像 延命 木造・彩色 平安 9-10c 163.6 現本尊
法輪寺 講堂 立像 檜一木造・彩色 平安 10c頃 149.8 -
室生寺 金堂 立像 木造・彩色 平安 10c後 160.6 錫杖を持たない。 光背は安産寺像の物
橘寺 聖倉殿 立像 木造・彩色 平安 藤原 152.4 【春秋年2回】
當麻寺 講堂 立像 木造・彩色 平安 藤原 259.0 -
長谷寺 宗宝蔵 立像 木造・彩色 平安 後期 181.0 衣の端を指にかける 【春秋年2回】
本堂 立像 木造・彩色 江戸 - 271.0 曽我地蔵 無指定
薬師寺 講堂 立像 木造・彩色 平安 - 95.7 -
帯解寺 半跏像 木造・漆箔彩色 鎌倉 12c 138.7 安産祈願像
東大寺 法華堂 坐像 木造・彩色玉眼 鎌倉 13c前 84.3 -
念仏堂 坐像 木造・彩色 鎌倉 1237 221.2 康清作 【要事前許可】
伝香寺 立像 木造・彩色玉眼袈裟衣 鎌倉 1228 97.3 裸形に着衣の像 【着換7/23・椿公開時】
薬師寺 立像 木造・彩色玉眼 鎌倉 1240 97.2 善円作 (東京)
福智院 坐像 檜寄木造・彩色 鎌倉 1254 272.7 光背に千体地蔵(560体)  阿円/幸祐等作
新薬師寺 香薬師堂 立像 裸形 寄木造 鎌倉 13c 188.1 おたま地蔵 頭部複製 無指定 【要予約】
立像 着衣像 木造 鎌倉 13c 187.5 影清地蔵尊 体部複製 無指定 【要予約】
白毫寺 立像 木造・彩色截金玉眼 鎌倉 13c 158.7 元地蔵堂本尊
大野寺 立像 木造・彩色截金玉眼 鎌倉 - 80.1 -
十輪院 本堂 立像 石造 鎌倉 以後 148.0 石仏龕は珍しい
京都 広隆寺 講堂 坐像 脇侍 木造・彩色 平安 862以前 182.4 中尊:阿弥陀如来 伝道昌作
平等院 鳳翔館 立像 木造・彩色 平安 10c 156.3 元観音堂 無指定
法金剛院 立像 一木造・彩色 平安 10c後 127.2 内刳りがない
東寺 宝物館 立像 檜木造・彩色漆箔 平安 10c後 162.4 元西寺
六波羅蜜寺 宝物館 立像 木造・彩色截金 平安 11c前半 151.8 鬘掛地蔵 (かつらかけ)
坐像 一木造・彩色截金玉眼 鎌倉 12c後半 89.7 夢見地蔵 伝運慶作
浄瑠璃寺 本堂 立像 寄木造・彩色 平安 11-12c 157.6 子安地蔵
善願寺 坐像 木造・漆箔漆塗 平安 藤原 268.2 腹帯地蔵 安産祈願
橋寺放生院 立像 木造・金泥彩色玉眼 鎌倉 - 193.0 【要予約】
寂光院 立像 檜寄木造・彩色 平成 2005 256.4 火災に遭った旧像に摸して再建 無指定
旧像は損傷で像内納入品と共に重文
福島 勝常寺 収蔵庫 立像 欅一木造・素地 平安 前期 174.2 雨降り地蔵 【要事前許可】
延命 立像 欅一木造・漆箔素地 平安 前期 184.2 延命地蔵の名は後世【要事前許可】
長福寺 坐像 寄木造・彩色 鎌倉 1324 69.0 院誉作
大阪 観心寺 霊宝館 立像 木造・彩色 平安 10c頃 165.7 【12-2月は要予約】
考恩寺 宝物殿 立像 木造・漆箔彩色 平安 藤原 136.4 【要事前許可】
福岡 観世音寺 宝蔵 立像 木造・古色 平安 藤原 136.3 他1躯 立像123.6
半跏像 樟一木造・ 平安 123.6
静岡 瑞林寺 坐像 延命 木造・彩色玉眼 平安 1177 84.8 康慶作
神奈川 満願寺 立像 木造・古色玉眼 鎌倉 初期 203.7 伝運慶作
覚園寺 無尽堂 立像 寄木造・彩色截金玉眼 鎌倉 - 170.4 黒地蔵 【8月・12/20-1/8と雨天不可】
建長寺 仏殿 坐像 木造・彩色 室町 - 239.5 無指定
愛知 法蔵寺 立像 鉄造 鎌倉 1230 158.9 【要予約】
長光寺 立像 鉄造 鎌倉 1235 160.5 別称:六角堂
妙厳寺 寺宝館 延命 立像 檜寄木造・彩色古色玉眼 鎌倉 - 76.4 別称豊川稲荷
和歌山 金剛峯寺 常喜院 坐像 木造・彩色截金玉眼 鎌倉 1294 37.1 宿坊 院修等作
地蔵峰寺 坐像 石造 鎌倉 1323 153.0 薩摩権守行経作 【要予約】
勝楽寺 坐像 木造・彩色 鎌倉 - 269.1 【要予約】
滋賀 聖衆来迎寺 本堂 立像 木造・彩色玉眼 鎌倉 1330 65.4 院藝作 【要予約】
大分 臼杵磨崖仏 半跏像 十一尊 石造・彩色 鎌倉 - 94.0 ホキ石仏第1群第四龕 十王が左右に各五尊
新潟 茂林寺 半跏像 檜寄木造・ 南北 - 130 【5/7-8】
妙幢菩薩
奈良 當麻寺 講堂 伝 立像 欅一木造・彩色 平安 820頃 147.2 -
六地蔵より
愛知 妙厳寺 寺宝館 金剛宝 立像 檜寄木造・彩色截金玉眼 鎌倉 - 77.4 別称豊川稲荷
虚空蔵菩薩 (こくぞうぼさつ)
空間(虚空)のように蔵する知恵と福徳で願いを叶えてくれる菩薩。頭
に五仏のついた宝冠、右手に剣、左手に宝珠を持つ姿が普通。宝珠と
は、願望成就の徳がある珠。職人や芸術家の守り本尊ともなっている。

五大虚空蔵菩薩
密教で金剛界の五智如来が変化したものとも、虚空蔵菩薩が具えて
いる五智を開いた相ともとかれ、増益、 息災、富貴を祈る修法である
五大虚空蔵法の本尊とされた。法界虚空蔵菩薩を中心に、下記の様
に四方に配するのが、本来の安置となる。
位置 彩色 尊名 乗物 神護寺  東寺
中心 法界虚空蔵菩薩 獅子 99.1 73.5
東方 金剛虚空蔵菩薩 96.4 75.4
南方 宝光虚空蔵菩薩 97.6 75.0
西方 蓮華虚空蔵菩薩 孔雀 94.2 70.6
北方 ごうゆう
業用虚空蔵菩薩
こんじちょう
金翅鳥
96.4 70.1
奈良 法輪寺 講堂 伝 立像 樟一木造・彩色 飛鳥 7c 175.4 観音菩薩か 百済観音とよく似た姿
法起寺 伝 立像 銅造 飛鳥 7c 20.1 観音菩薩か (奈良)
額安寺 半跏像 木心乾漆造・彩色 奈良 8-9c 51.5 日本最古の虚空蔵菩薩
東大寺 大仏殿 坐像 右脇侍 木造・漆箔 江戸 1726-55 710.0 中尊:毘盧舎那仏 順慶/賢慶等作
福島 能満寺 坐像 木心乾漆造・漆箔 奈良 - 62.1 元奈良東大寺 【要確認】
勝常寺 収蔵庫 伝 立像 春楡一木造・素地 平安 前期 147.6 天部像か
京都 広隆寺 講堂 坐像 脇侍 木造・彩色截金 平安 862以前 233.3 中尊:阿弥陀如来 伝道昌作
笠置寺 寺伝坐像 磨崖仏 花崗岩 平安 11-12 1200 弥勒菩薩か如意輪観音とも  無指定
滋賀 金勝寺 半跏像 檜一木造・彩色 平安 11c 194.0 【要事前許可】
大阪 考恩寺 宝物殿 立像 木造・彩色 平安 藤原 169.0 【要事前許可】
岐阜 石徹白大師講 坐像 銅造・鍍金 鎌倉 12c末 87.8 保管庫に収蔵 【要確認】
愛知 亀翁寺 坐像 木造・金泥彩色 鎌倉 - 60.9 【25年毎 次回2019年】
五大虚空蔵菩薩
京都 神護寺 多宝塔 坐像 木造乾漆併用・彩色 平安 845以前 左表 最古の作例 【5/10-10/20 要事前許可】
東寺 観智院 坐像 木造・古色練物盛上 847前 左表 観智院の本尊 【春秋年2回】
観音菩薩
仏像の中で最も親しまれかつ最も作例が多い。インドでは、1世紀頃にはすでに存在していたという。その観音菩薩の功徳は、現世利益であることから、多くの信仰を集めた。観音菩薩の代表的経典としては、「無量寿
経」「華厳経」「法華経」等がある。

「法華経」
  観音菩薩に関する経典のうちもっとも有名で、その中の「普門品」(観音経)に、 「衆生の苦悩に応じ三十三の姿に身を変え人々を救うと言う。三十三とは、無数・無辺の意。その菩薩を念ずることで福徳を得ることが
  できる」 と説く。西国や坂東などに三十三所観音霊場が定められているのは、これに由来する。

「無量寿経」
  阿弥陀如来の極楽の数多くの菩薩のなかで、勢至菩薩とともに最高の菩薩として説かれ、如来の脇侍をつとめる。

「華厳経」
  観音菩薩は、補陀洛山にすむと言う。和歌山県勝浦町にある補陀洛山寺の寺名は、これに由来する。

観音菩薩とされる最も古い例は、辛亥年銘(651年)(東京国立博物館蔵)の菩薩像だが、有名な法隆寺の「百済観音」や「救世観音」は、名前も後世に付けられたもので、菩薩ではあるが観音かどうかは不明である。

観音菩薩像が最も多く造られたのは、8世紀に入ってからで、如来や菩薩の位置づけが明確になり、聖観音のほかに、密教との関連で多くの変化観音が造られ信仰された。代表的な変化観音としては、
  ・十一面観音  ・千手観音  ・不空羂索観音  ・如意輪観音  ・馬頭観音   ・准胝観音 等ある。

10世紀になると、観音信仰は浄土信仰的性格を加え、現世利益の他に、輪廻転生する六道の地獄道・餓鬼道・畜生道から衆生を救ってくれる、と説かれ、最も身近な菩薩としてさらに多くの人々から信仰を集めた。

観音菩薩全般の特徴としては、一部を除き宝冠の正面に化仏(阿弥陀如来)があることで識別できる。これは、「観無量寿経」に、「頭上に髪を束ねた肉髻(にくけい)があり、宝冠には如来の化身である化仏がある」
と説かれていることに由来する。ただし、初期の像には、化仏を取らない観音菩薩(白衣観音)も存在する。又、馬頭観音の忿怒相を除き殆どが慈悲相をとる。

尚、蛇足ながら、観音様は基本的には男性であるが、中世以降には女性の姿に現した像もある。これは、観音菩薩は優しい心を持ち、性別や身分を超え、あらゆるものに変化する事から、その特性を容姿に反映し
たものといえる。女性の代表的観音は、准胝観音菩薩で、准胝仏母とも呼ばれる。
観音菩薩
「聖」は「正」の宗教的敬称語で同じ意味。すなわち、数多い観音さま
の中で基本・中心の意味での「正観音」の意。

観音菩薩、観世音菩薩、又は観自在菩薩とも呼ばれる。

本来の観音菩薩だが、変化観音菩薩の出現とともに、聖観音と呼ば
れるようになった。

単独尊としても祀られるが、勢至菩薩と共に阿弥陀如来の脇侍を務
める。



変化観音
  インドでは、初期の観音様は全て聖観音菩薩であったが、6~7世
  紀頃から、色々な変化観音が生まれて行った。そして、その変化観
  音は、仏教が密教化していく過程において、インド古来の多面多臂
  の神々と結びつき、観音菩薩の性格をより端的に表現する形として、
  発展していった。

  これら変化観音は、中国大陸や朝鮮半島をへて日本に伝わったが、
  7世紀後半にはすでに日本でも造像されるようになった。

  また、平安時代の初めに、空海(真言宗)、最澄(天台宗)がもたらし
  た密教により、観音信仰が非常に盛んになり、各宗派の寺院では、
  その変化観音を本尊にする所が多い。



長野 観松院 半跏像 銅造・鍍金 飛鳥 6c後半 16.4 弥勒菩薩か 新羅渡来仏 【要予約】
清水寺 (松代) 立像 桧寄木造・漆箔 平安 - 159.1 【要事前予約】
清水寺 (保科) 立像 桧寄木造・彩色 平安 - 169.1 【要事前予約】
新潟 関山神社 立像 銅造 飛鳥 6c後半 20.3 新羅渡来仏 県指定  【特別公開】
奈良 法隆寺 夢殿 立像 樟木造・箔押 飛鳥 7c前半 178.8 救世観音 【4/11-5/18・10/22-11/22】
大宝蔵院 立像 樟一木造・彩色 飛鳥 7c中頃 209.4 百済観音
立像 銅造・鍍金 飛鳥 7末-8c初 87.0 夢違観音
薬師寺 東院堂 立像 銅造・鍍金 飛鳥 8c初 188.5 唐風観音像
大安寺 伝 立像 榧一木造・彩色 奈良 8c 173.0 平安前期彫刻の先駆け
西南院 立像 欅木造・素地 平安 11c 177.0 當麻寺塔頭
不退寺 立像 桂一木造・彩色 平安 藤原 191.0 業平観音
東京 東京国立博物館 立像 銅像・鍍金 飛鳥 591か651 23.5 観音菩薩とされ年代銘があるる最古の像
大阪 観心寺 霊宝館 立像 銅造・鍍金 飛鳥 658 33.3 【4/17-18】
金剛寺 宝物館 立像 銅造 飛鳥 白鳳 29.1 (奈良)
四天王寺 宝物館 半跏像 銅像・鍍金 飛鳥 7c末 13.0 弥勒菩薩か 【9/9-10】
兵庫 一乗寺 金堂 立像 銅造 飛鳥 7c後半 58.0 【秘仏 要確認】
鶴林寺 宝物館 立像 銅造・鍍金 飛鳥 7c後半 82.4 -
浄土寺 浄土堂 立像 左脇侍 木造・漆箔 鎌倉 1195 371.0 中尊:阿弥陀如来 快慶作
島根 鰐淵寺 宝蔵殿 立像 銅造 奈良 692 79.8 他1躯 鍍金43.0 【曝涼(秋)時】
京都 醍醐寺 霊宝館 立像 木造・素地 平安 9c前半 51.5 醍醐寺創建以前の像
広隆寺 立像 榧一木造・彩色 平安 873以前 147.9 檀像風
仁和寺 霊宝館 立像 右脇侍 桂一木造・彩色 平安 888 122.7 中尊:阿弥陀如来 【4/1・10/1から各50日間】
清涼寺 霊宝館 立像 左脇侍 木造乾漆併用・漆箔 平安 896 165.7 中尊:阿弥陀如来 【4-5・10-11月】
三千院 往生極楽院 跪坐像 左脇侍 檜寄木造・漆箔 平安 1148 131.8 中尊:阿弥陀如来
円融蔵 半跏像 寄木造・漆箔玉眼 鎌倉 1246 38.8 救世観音 飛鳥像の模写
東寺 宝物館 立像 三尊 白檀一木造・素地截金 鎌倉 前期 24.9 梵天21.7/帝釈天21.7
鞍馬寺 霊宝殿 立像 木造・金泥彩色截金玉眼 鎌倉 1226 176.7 肥後定慶作 【月曜・冬休館】
泉涌寺 坐像 白檀寄木造・彩色截金 南宋 13c 114.8 楊貴妃観音 渡来仏
佐賀 東妙寺 立像 檜一木造・古色 平安 9c末頃 108.5 元妙法寺本尊
滋賀 赤後寺 立像 檜一木造・彩色 平安 10c 182.8 手先・化仏は焼失 コロリ観音
西教寺 収蔵庫 立像 一木造・漆箔 平安 10c 171.2 宝冠の形が珍しい
延暦寺 横川中堂 立像 木造・素地截金 平安 12c 170.6 横川中堂本尊
櫟野寺 大悲閣 立像 檜一木造・素地 平安 後期 170.3 【1/1-3・2/17-19・春・8/9・秋 年5回】
岩手 天台寺 立像 桂一木造・素地鉈彫 平安 10-11c 118.2 桂泉観音 鉈彫り仏の傑作
福岡 観世音寺 宝殿 坐像 樟寄木造・漆箔 平安 1066 321.3 元講堂の本尊
愛知 七寺 坐像 寄木造・漆箔玉眼 平安 1168 137.8 勢至菩薩と一対 1945年戦災で中尊消失
滝山寺 宝物館 立像 三尊 寄木造・彩色 鎌倉 1201 174.4 梵天106.5/帝釈天104.9 運慶・湛慶作
徳島 丈六寺 坐像 檜木造・漆箔 平安 末期 310.6 右手説法印・左手蓮蕾を持つ 伝行基作
岐阜 飛騨国分寺 立像 木造・素地 平安 - 204.0 【12/31-1/1 旧館】
福島 勝常寺 収蔵庫 立像 欅一木造・素地 平安 - 167.1 【要事前許可】
富山 安居寺 立像 榧一木造・素地 平安 - 97 【10/18】
茨城 楽法寺 立像 八臂 木造・彩色 平安 - 156.0 寺伝延命 前立(鎌倉)140.0 【4月第1日曜】
中館観音寺 立像 六臂 木造・古色 鎌倉 1363修理 102.2 寺伝延命観音 【要確認】
神奈川 満願寺 立像 寄木造・古色玉眼 鎌倉 12c末-13初 224.7 伝運慶作
東慶寺 立像 寄木造・土紋彩色玉眼 鎌倉 末期 133.9 -
東京 東京国立博物館 立像 木造・金泥彩色截金玉眼 鎌倉 13c 103.4 玉唇 (唇に彩色の上、薄い水晶板をあてる)
大観音寺 頭部のみ 鎌倉 - 170 【毎月17日】
香川 正覚院 坐像 三尊 木造・古色 鎌倉 - 99.3 不動98.7/毘沙門106.4【33年毎 次回2035年】
十一面観音菩薩
頭上に十一の顔(十面もある)を持ち、ほとんどは腕が二本の像だが
四臂、六臂もある。
(四臂 :京都法金剛院    六臂 :三重観菩提寺)
変化観音の内最も早く考え出され、又最も多く造られた。


東・西・南・北・東南・東北・西南・西北・天・地(上・下)と本面を合わせ
て、十一面。
十一面は、四方ならず十方を見つめ、すべての人を救う意味。
この他に、本面を加えて十一面(滋賀向源寺)や、頭上八面の九面
観音(法隆寺大宝蔵院)もある。

表現 意味
前三面 菩薩面 慈悲の心 十面で
十種勝利を表現
左三面 忿怒面 衆生を本道に導く
右三面 くげじょうしゅつめん
狗牙上出面
微笑みで善行を見る
後頭部 暴悪大笑面 悪を暴きさげすみ笑う
頂上面 如来面 - 四種果報の象徴



日本では、7世紀後半に造り始められ、8世紀には、特に疫病平癒を
祈願し、十一面観音の前で懺悔する、十一面悔過(けか)が盛んにな
る。
東大寺二月堂の「お水とり」も、二月堂本尊の十一面観音像に祈る、
十一面悔過の行事である。(751年より今日まで続いている)



また、祈念することで、「十種勝利」と「四種果報」を得られるという。
十種勝利
1 病気にならない 6 虫の害や熱病にならない
2 常に諸仏に信念される 7 刀杖におかされない
3 財産、衣服、飲食に欠乏しない 8 火難にあわない
4 全ての怨敵をやぶる 9 水難にあわない
5 衆生の慈悲の心を起す 10 横死しない
四種果報
1 臨終に諸仏が見える 3 禽獣に害されない
2 地獄に堕ちない 4 無量寿国に生まれられる

上表からも、観音の功徳が現世利益にあることがわかる。


長谷寺式十一面観音
  地蔵菩薩のように錫杖を持ち、蓮華座の代わりに岩座に立つ菩薩。
    (奈良 :長谷寺)

清水型十一面観音
  左右の最上の2臂が、頭上高く伸び、その手に化仏を戴く独特な形。
    (京都 :清水寺)
奈良 法隆寺 大宝蔵院 立像 壇像 白檀一木造・素地 7c 37.6 九面観音(頭上八面) 渡来壇像仏
金剛山寺(矢田寺) 立像 桐木造・漆箔 奈良 8c 215.1 -
聖林寺 大悲殿 立像 木心乾漆造・漆箔 奈良 8c後半 209.1 天平彫刻の代表作
大安寺 立像 榧一木造・彩色 奈良 天平 190.5 癌封じ本尊 【10/1-11/30】
薬師寺 講堂 立像 木造・素地 奈良 天平 191.5 -
立像 木造・彩色 平安 藤原 180.3 他1躯 165.5
霊山寺 立像 榧一木造・彩色 平安 8c末-9初 82.4 【10/23-11月第2日曜迄】
秋篠寺 立像 木造・彩色 平安 9c初 166.7 (東京)
法華寺 立像 榧一木造・素地 平安 9c前半 100.0 檀像風 光明皇后をモデル
【3/20-4/7・6/5-9・10/23-11/10 要確認】
唐招提寺 新宝蔵 立像 榧一木造・素地 平安 9c 166.3 法花院から委託保管
立像 木造・彩色 平安 藤原 179.6 -
室生寺 金堂 立像 榧一木造・彩色 平安 9c末 195.1 彩色は後補
法起寺 収蔵庫 立像 杉一木造・漆箔彩色 平安 10c後半 350.2 立木仏
西南院 立像 桜木造・彩色 平安 11c 173.3 當麻寺塔頭
新薬師寺 立像 木造・彩色 平安 12c 197.0 寺伝日光菩薩 (奈良)
長弓寺 本堂 立像 檜一木造・彩色截金 平安 藤原 116.4 【要予約】
西大寺 四王堂 立像 木造・漆箔 平安 1145 484.8 長谷寺式(錫杖を持つ) 円信作
法輪寺 講堂 立像 杉一木造・彩色 平安 10c 360.0 -
當麻寺 立像 木造・彩色 平安 - 172.0 (東京) 注:本堂の通称織殿観音とは別像
伝香寺 立像 木造・ 鎌倉 1228 12.2 地蔵菩薩胎内仏 【7/23】
海龍王寺 本堂 立像 檜寄木・金泥彩色截金玉眼 鎌倉 13c 92.7 慶派仏師
長谷寺 宗宝蔵 立像 銅造・鍍金 鎌倉 - 70.9 -
本堂 立像 三尊 木造・漆箔 室町 1538 1018.0 難陀/雨宝 日本最大木像仏 運宗等作
 立象 木造・漆箔 江戸 - 172.2 裏観音 本尊と背中合わせ 無指定
大福寺 (広陵町) 立像 三尊 檜木造・素地玉眼 室町 1560 185.3 長谷式 龍王/雨宝 源次等作 県指定
東京 国立博物館 立像 檀像・素地 7c 42.4 無指定 【常設展示未定】
京都 観音寺 本堂 立像 木心乾漆造・漆箔 奈良 8c後半 172.7 聖林寺の像と近似
海住山寺 立像 榧一木造・素地 平安 9c後半 167.9 国宝五重塔開扉は10月最終土曜から10日間
月輪寺 立像 木造・彩色 平安 初期 168.8 -
遍照寺 立像 一木造・漆箔 平安 989頃 123.6 -
禅定寺 立像 三尊 寄木造・漆箔 平安 991-5頃 286.3 日光/月光 本来三尊ではない
平等院 鳳翔館 立像 一木造・彩色截金 平安 11c 167.6 頭上10面 観音堂本尊
六波羅蜜寺 本堂 立像 木造・漆箔 平安 951 258.0 【12年毎辰年 次回2012年】
宝積寺 本堂 立像 檜寄木造・漆箔 鎌倉 1233 182.2 院範・院雲作
勝龍寺 立像 桜木造・素地 鎌倉 中期 36.0 檀像風
法金剛院 坐像 四臂 木造・金泥截金玉眼 鎌倉 1316 70.0 四臂は珍しい 院吉等作
清水寺 本堂内々陣 立像 清水型 木造・彩色 江戸 - 138.0 お前立像 【本像33年毎 次2033年 無指定】
岐阜 美江寺 立像 脱活乾漆造・漆箔 奈良 8c後半 176.6 岐阜県最古の仏像 【4/18】
大阪 道明寺 本堂 立像 檜一木造・素地 平安 9c初 99.4 壇像 伝道真作 【毎月10・25日・1/1-3・4/17】
大師堂 立像 木造・素地 平安 8c後半 50.1 檀像風 試みの観音
観心寺 霊宝殿 立像 木造・彩色 平安 藤原 169.0 【12-2月は要予約】
孝恩寺 宝物殿 立像 左脇侍 木造・漆箔古色 平安 藤原 179.3 伝観音菩薩  中尊:阿弥陀如来
立像 右脇侍 167.5 伝勢至菩薩  中尊:阿弥陀如来
広島 摩訶衍寺 立像 檜一木造・素地 平安 初期 181.2 伝行基作 【17年・33年毎 次回2035年】
今高野山龍華寺 立像 桜一木造・彩色 平安 907以降 190.6 他の1躯は欅材 172.1 【8/20】
福岡 長谷寺 観音堂 立像 樟一木造・彩色 平安 初期 183.6 【毎月17-18日】
観世音寺 宝蔵 立像 檜寄木造・漆箔 平安 1069 498.0 暹明作
立像 一木造・漆箔古色 鎌倉 1242 303.0 -
三重 観菩提寺 本堂 立像 六臂 木造・彩色 平安 9c推定 205.1 【33年毎 次回2015年】
近長谷寺 立像 木造・古色 平安 後期 657.5 【日曜・祝日・毎月18日】
山形 宝積院 立像 榧一木造・素地 平安 9c中頃 52.0 壇像風 【8/10】
滋賀 向源寺 立像 檜一木造・彩色 平安 9c中頃 177.3 頭上十面で頂上面が菩薩面
充満寺 立像 木造・漆箔古色 平安 前期 166.7 別名西野薬師観音堂 【要予約】
石馬寺 立像 木造・素地 平安 前期 167.8 他に1躯179.7 (平安後期)
盛安寺 立像 四臂 木造・漆箔 平安 藤原 179.1 【1/1-3・4/29-5/5・5月6月10月の毎土曜】
聖衆来迎寺 客殿 立像 檜一木造・漆箔 平安 藤原 170.2 【8/16以外要予約】
櫟野寺 大悲閣 坐像 木造・漆箔彩色 平安 藤原 312.0 日本最大坐像【1/1-3・4/18・8/9・10/18・11/3】
金剛輪寺 本堂 立像 檜一木造・素地 平安 藤原 172.2 壇像様
正福寺(湖南市) 立像 木造・彩色 平安 藤原 215.0 他に3躯 175.7/177.5/173.4 【要事前許可】
石道寺 立像 木造・彩色 平安 後期 173.2 【要予約】
善隆寺 (和蔵堂) 立像 木造・古色 平安 後期 101.5 【要予約】
鶏足寺 己高閣 立像 檜一木造・彩色 平安 - 172.1 鶏足寺本尊
医王寺 立像 檜一木造・漆箔 平安 - 145.4 清純な乙女の観音(井上靖) 【要予約】
伊勢廻寺 立像 三尊 木造・中素地 脇彩色 南北 - 147.5 不動163.5/毘沙門185.0
福島 勝常寺 収蔵庫 立像 桂一木造・彩色 平安 9c 225.7 -
弘安寺 立像 三尊 銅造・鍍金 鎌倉 1274 197.0 不動94.5/地蔵94.5
長谷寺 立像 三尊 榧寄木造・彩色 鎌倉 1318 270.0 長谷寺式 難陀龍王/雨宝童子 県指定
恵隆寺 立像 欅立木造・漆箔 鎌倉 - 850.0 一木造で日本最大 立木観音 ころり観音 
福井 羽賀寺 立像 檜一木造・彩色 平安 9c中頃 146.0 初期彩色を保つ 本来は聖観音か
徳島 井戸寺 六角堂 立像 榧一木造・彩色 平安 前期 181.2 長谷式
神奈川 弘明寺 本堂 立像 春楡一木造・鉈彫 平安 11c中頃 180.7 鉈彫の代表作
杉本寺 立像 木造・古色 鎌倉 - 168.8 伝僧円仁作 【1日/18日】
立像 木造・古色 鎌倉 - 138.8 伝僧源信作 【1日/18日】
称名寺 立像 木造・彩色玉眼 鎌倉 1276以後 193.0 元海岸尼寺本尊 金沢文庫へ寄託
長谷寺 観音堂 立像 木造・金箔 江戸 - 918.0 長谷寺式 無指定
兵庫 達身寺 坐像 寄木造・漆箔 平安 藤原 158.3 -
温泉寺 立像 檜一木造・素地鉈彫 平安 213.5 長谷寺式
相応峰寺(大峰寺) 立像 木造・古色 平安 - 206.3 【4/18】
長野 牛伏寺 立像 三尊 木造・彩色 平安 藤原 151.2 不動(98.5)/毘沙門(107.0)【33年毎 次2017年】
智識寺 立像 欅一木造・素地 平安 藤原 301.5 長野唯一の立木仏 【4/17以外は要予約】
新潟 長谷寺 観音堂 立像 榧一木造・鉈彫彩色 平安 藤原 114.8 長谷寺式 他2躯 【33年毎 次2035年】
香川 志度寺 立像 三尊 榧一木造・彩色 平安 藤原 147.0 不動明78.2/毘沙門79.4 【旧暦 6/16】
和歌山 慈光円福院 立像 三尊 檜一木造・素地 平安 - 137.9 不動明/毘沙門 脇侍は無指定
補陀洛山寺 立像 木造・彩色 平安 - 190.0 頭上10面【1/27・5/17・7/10】
千葉 荘厳寺 立像 欅一木造・漆箔 平安 - 324.8 元香鳥神宮の本地仏 関東最古の一つ
小松寺 坐像 銅造 鎌倉 - 60.5 銅造で四臂は珍しい (東京)
岐阜 新長谷寺 立像 四臂 木造・彩色・漆箔 室町 - 87.2 美濃の法隆寺 吉田観音 【3/18】
宮城 牡鹿町 立像 木造・素地 室町 - 288.0 【要予約 雨天不可】
岡山 長福寺 立像 木造・素地 室町 - 251.5 -
千手観音菩薩
十一面観音菩薩に次いで早くから造られた変化観音菩薩。
日本では、奈良時代末から、平安、鎌倉時代へと盛んに信仰され、
数多く造像された。

千手千眼(せんげん)観世音菩薩。又は千手千眼観自在菩薩が正式名。
千の手にそれぞれ目を備える。

無限(千)の慈悲ですべてのものを救うことを象徴し、大悲観音とも呼
ばれる。延命、滅罪、男女和合の功徳が有ると言う。

本当に千の手を持った像も有る(唐招提寺、葛井寺)が、ほとんどは
四十二本に省略し、それぞれの手に持物(じもつ)をとる。

胸前で合唱する二臂を除き、四十臂が各々二十五の衆生を救い、
合わせて千(無限)となる。

また、いずれも十一面観音の様に、頭上に十一の顔を持つが、本面
の眉の間に、第三の眼があることが異なる。(頭上二十七面もある)

密教の曼荼羅では観音像は「蓮華部」に分類され、千手観音は蓮華
部の王で、「蓮華王」とも称する。京都の蓮華王院(三十三間堂の正
式名称)の名はこれに由来する。


脇侍
  不動明王 / 毘沙門天 (天台宗特有)

眷属
  二十八部衆

清水型千手観音
  左右の最上の2臂が、頭上高く伸び、その手に化仏を戴く独特な形。
    (京都 :清水寺)
大阪 葛井寺 本堂 坐像 千手 脱活乾漆造・漆箔 奈良 8c中頃 131.3 1042手を持つ 【毎月18日】
勝尾寺 立像 木造・素地 平安 - 140 【毎月18日】
千手寺 立像 榧寄木造 南北 1357 190.0 康成作 県指定
奈良 唐招提寺 金堂 立像 千手 木心乾漆造・漆箔 奈良 8c後半 535.7 現存953手 最大最古
東大寺 四月堂 立像 木造・彩色 平安 前期 266.5 四月堂本尊
興福寺 国宝館 立像 檜寄木造・漆箔玉眼 鎌倉 1220頃 520.5 元食道本尊 慶派仏師作
達磨寺 坐像 千手 寄木造 室町 1448頃 76.8 本手四臂 中十六臂小左177右179本 無指定
香川 屋島寺 坐像 榧一木造 平安 811 93.0 -
国分寺 立像 欅一木造・彩色 室町 - 524.0 【60年毎】
京都 広隆寺 霊宝殿 立像 檜一木造・古色 平安 873以前 266.0 不空羂索観音と対
坐像 榧一木造・漆箔 平安 1012 256.0 元42臂 現在13臂
月輪寺 立像 木造・彩色 平安 9c 154.0 【要予約 積雪期不可】
雨宝院 立像 木造・漆箔 平安 9c後 211.5 10臂を残す 【要予約】
金戒光明寺 立像 木造・漆箔 平安 9c後 268.2 吉備観音 洛陽七観音の一つ
東寺 宝物館 立像 木造・漆箔 平安 899-909 584.6 会理作 【春秋年2回】
法性寺 立像 木造・古色 平安 934頃 109.7 27面(本面別) 伝春日作 【要予約】
醍醐寺 霊宝館 立像 木造 平安 957-61 191.0 【春秋年2回】
峰定寺 坐像 桜木造・素地截金 平安 1154 31.5 【4-11月 悪天候不可】
光明寺 立像 木造・古色 平安 10c頃 161.8 伝恵心作 (京都)
大報恩寺 立像 木造・彩色 平安 藤原 165.9 法性寺の像に似る
壽寶寺 立像 千手 榧木造・素地 平安 12c 169.1 千手を持つ 【要予約】
仲源寺 坐像 木造・漆箔 平安 - 251.5 -
蓮華王院 本堂
(三十三間堂)
坐像 檜寄木造・漆箔玉眼 鎌倉 1254 334.8 蓮華王院本尊 湛慶作
立像 木造・漆箔
5躯のみ玉眼
平安 1164 165.0-
168.5
124躯(長寛仏)
鎌倉 1251-
1266
焼失再興像 鎌倉時代876躯
                室町時代   1躯
清水寺 奥の院 坐像 27面 檜一木割矧造 鎌倉 初期 64.0 【特別公開のみ】
本堂 立像 三尊 檜寄木造・素地玉眼 鎌倉 中期 173.0 清水型 無指定 【33年毎 次回2033年】
滋賀 赤後寺 立像 檜一木造・ 平安 初期 173.6 【要予約】
延暦寺 国宝殿 立像 犬榧造・彩色 平安 9c中頃 51.2 元山王院
立像 三尊 木造・漆箔 平安 12c 99.5 脇侍:彩色截金
不動93.3/毘沙天103.0 元葛川明王院
栃木 中禅寺 立像 桂の立木造・古色 平安 初期 540.0 立木観音 伝勝道上人作
大谷寺 立像 磨崖仏 塑土盛上
大谷石・彩色
平安 12c以後 389.0 他釈迦三尊2躯354.0/115.2・阿弥陀三尊266.0
境内に大谷石の平和観音(高さ27m)がある
和歌山 道成寺 宝佛殿 立像 三尊 榧一木造・漆箔 平安 9c後半 294.2 伝日光/伝月光 44臂は珍しい
本堂 立像 鞘仏 木造 南北 - 299.8 通称:北向観音 内部に下記菩薩像を保管
立像 木心乾漆造 奈良 - 243.5 上記北向観音の胎内仏
補陀洛山寺 立像 木造・素地 平安 後期 172.0 【1/27・5/17・7/10】
願成寺 坐像 寄木造・素地玉眼 鎌倉 - 182.7 【1/1・4/18・雨天中止】
福島 大蔵寺 収蔵庫 立像 一木造・漆箔 平安 前期 398.4 小倉寺観音 伝行基作
恵隆寺 立像 欅立木造・漆箔 鎌倉 - 742.0 -
静岡 摩訶耶寺 立像 木造・彩色 平安 11c頃 185.7 -
智満寺 (島田) 立像 木造・古色 平安 藤原 184.5 【60年毎 次回2054年】
福井 羽賀寺 立像 檜一木造・彩色 平安 1165 135.4 勝厳作
妙楽寺 立像 千手 檜一木造・漆箔 平安 10後-11c 176.3 二十四面千手観音
頭上21面 本面両脇2面で非常に珍しい
谷田寺 坐像 三尊 木造・素地 鎌倉 - 169.0 脇侍:彩色 不動133.4/毘沙門134.5 【要確認】
長野 覚音寺 立像 木造・古色 平安 1179 167.9 【要事前予約】
清水寺 (松代) 立像 木造・漆箔 平安 - 178.8 【要事前予約】
清水寺 (保科) 坐像 木造・彩色 平安 - 138.5 -
岩手 中尊寺 讃衡蔵 立像 32臂 檜一木造・漆箔 平安 12c 174.2 清水型 元中尊寺観音院
兵庫 温泉寺 立像 木造・古色 平安 - 144.7 834臂現存
福岡 大悲王院寺 立像 榧寄木造・古色 鎌倉 初期 463.6 光背が千手 伝清賀作
岡山 三尾寺 坐像 三尊 檜寄木造・漆箔 鎌倉 13c後 129.2 脇侍:彩色玉眼 不動128.6/毘沙138.4【不定】
千葉 那古寺 立像 銅造・鍍金 鎌倉 - 104.5 那古観音
三重 大江寺 坐像 木造・素地 鎌倉 - 150.3 【1/18・5/5・8/18・毎月18日小開帳】
不空羂索観音菩薩 (ふくうけんさく)
「ふくうけんじゃく」とも読む。不空とは、全ての人の願いが空しくなく、
羂索とは環のいた縄のことで、この縄ですべての人々を救ってくれる、
と言う意味。目が額にも有り腕は八本の、一面三眼八臂の像が普通。
十一面観音と異なり、頭上に面をつけないことで、見分けがつく。
  (例外 :福岡観世音寺)
十一面観音の現世利益をさらに強調し、また反乱など国土の乱れも
救済する、鎮護国家の功徳も備えると言う。変化観音としては初期の
観音だが、他の観音菩薩ほど一般化せず、作例も少ない。
奈良 大安寺 讃仰殿 伝 立像 榧一木造・彩色 奈良 8c 189.9 古密教(雑密)系像 八臂の手は後補
東大寺 法華堂 立像 脱活乾漆造・漆箔 奈良 8c中頃 362.1 日本最古 宝冠、光背も見事
興福寺 南円堂 坐像 寄木造・漆箔 鎌倉 1189 341.5 康慶作 【10/17】
不空院 坐像 木造・漆箔玉眼 鎌倉 13c初 103.9 興福寺南円堂本尊像を模す
香川 法蓮寺 坐像 榧一木造・古色 平安 初期 89.1 【要確認】
京都 広隆寺 霊宝殿 立像 檜一木造・古色 平安 818以前 313.6 一面八臂 千手観音菩薩と対
福岡 観世音寺 宝蔵 立像 木造・漆箔 鎌倉 1222 517.0 十一面をつける 琳厳・長尊作
馬頭観音菩薩
頭上に馬の頭を持ち、怖い顔の忿怒相が特徴。忿怒相のため、明王
の一つとする説もある。
人々の災難や苦悩等、諸悪を粉砕する観音。家畜や荷物運びの馬の
守り神として、街道の石仏としても作られた。
三眼が普通で、八臂像が最も多いが、一面二臂、三面二臂、三面四
臂、三面六臂、三面八臂、四面二臂、四面八臂など多彩な姿がある。
他の変化観音と同じく、早くから信仰されていたが、独立して祀られる
ことはなかった。が、近世になって六道の畜生道の菩薩として信仰さ
れるようになり、また馬などの家畜の守護神として崇められ、石仏とし
て多く造られるようになった。
奈良 大安寺 嘶堂 伝 立像 榧一木造・彩色 奈良 8c 173.5 文化財指定は千手観音 【3/1-31】
石川 豊財院 立像 檜一木造・素地 平安 11c後 173.6 現存最古 【要事前許可】
福井 馬居寺 坐像 三面八臂 檜一木造・彩色漆箔 平安 11c 100.3 如意輪の様に右足を立てる像で馬頭観音で
は本像のみ 【24年毎と午年10/17-19】
中山寺 坐像 三面八臂 檜寄木造・彩色截金玉眼 鎌倉 13c中 79.3 最高傑作【33年毎 中開帳17年毎 次回2010年】
福岡 観世音寺 宝蔵 立像 四面八臂 寄木造・漆箔古色 平安 1126 503.0 四面八臂は珍しい 真快等作
京都 大報恩寺 立像 三面六臂 木造・素地玉眼 鎌倉 1224 173.3 六観音より 肥後別当定慶作
浄瑠璃寺 立像 四面八臂 木造・彩色截金 鎌倉 1241 106.3 良賢等作 (奈良)
高知 竹林寺 宝物館 立像 三面二臂 檜寄木造・古色玉眼 室町 - 99.9 -
如意輪観音菩薩 (にょいりん)
観音さまの思いのままに人々を苦悩から救い、願いをかなえてくれる
菩薩。

如意は「如意宝珠」、輪は「輪宝」で、如意宝珠をもって、意の如く宝物
を施し、輪宝をもって六道の苦しみを打破する。又、右手を頬にあてる
思惟のポーズをとっている。

変化観音のうち、最も遅く成立したと言われているが、日本へはいち早
伝えられ、奈良時代(八世紀頃)にはすでに造られている。

一面六臂が普通だが、一面二臂、一面四臂、一面十臂、一面十二臂
もある。奈良時代は二臂だったが、平安時代になって密教の影響から
六臂像になった。

尚、中宮寺の弥勒菩薩は、如意輪観音との説がある。
奈良 法隆寺 大宝蔵院 坐像 一木造・素地截金 7-9c 17.9 台座6手含め一木造 中国渡来仏
岡寺 本堂 坐像 二臂 塑造・彩色 奈良 8c末 458.1 日本最大塑像
半跏像 銅造 奈良 - 16.5 塑像本尊の体内仏 弥勒菩薩か?(京都)
室生寺 灌頂堂 坐像 檜一木造・漆箔 平安 11c 78.7 日本三如意輪
橘寺 観音堂 坐像 木造・漆箔 平安 11c 170.0 密教系観音像
法隆寺 聖霊院 半跏像 二臂 木造・漆箔 平安 - 126.3 【3/22-24】
東大寺 大仏殿 坐像 左脇侍 木造・漆箔 江戸 1726-55 722.5 中尊:毘盧舎那仏 順慶/賢慶等作
和歌山 青岸渡寺 坐像 椿木造・ 飛鳥 7c 300 無指定 【2/3節分・4/第2日曜・8/17御盆】
福井 正林庵 半跏像 銅像 飛鳥 8c 17.6 弥勒菩薩か  甚兵衛観音 【要予約】
京都 宝菩提院願徳寺 伝 半跏像 榧一木造・素地 平安 8c末-9初 88.2 【2月は要予約】
醍醐寺 霊宝館 坐像 六臂 木造・漆箔 平安 8-12c 49.6 元上醍醐清滝宮 【春秋年2回】
大阪 観心寺 金堂 坐像 榧一木乾漆併用・彩色 平安 840頃 108.8 日本三如意輪 【4/17・18】
滋賀 石山寺 本堂 半跏像 二臂 榧寄木造・漆箔 平安 1096 293.9 【33年毎 次回2016年 2009年特別】 他1躯40.3
兵庫 神咒寺 坐像 木造・彩色 平安 藤原 98.7 日本三如意輪 【5/18】
斑鳩寺 講堂 坐像 木造・彩色 室町 - 247.2 【2/22-23】
高知 最御崎寺 半跏像 二臂 石造(大理石) 平安 後期 82.4 大理石は珍しい
神奈川 来迎寺 坐像 木造・彩色 室町 南北朝 97.3 土文装飾 県指定 【お盆・年末不可】
新潟 小栗山木喰観音堂 立像 木造 江戸 1803 240.0 木喰作 他計三十三観音
無指定 【毎月17日 要予約】
准胝観音菩薩 (じゅんてい)
他の変化観音のほとんどがインド在来神の仏教化により成立したが、
准胝観音のみ、仏教思想な中で生み出された変化観音で、平安時代
になってから信仰された。
母性を象徴する観音で子供を授けてくれるという、女性の観音様。
真言宗広沢派や天台宗では、観音ではなく仏母とする。単独でまつら
れることは少ない。
一面三眼十八臂像だが、手が多いので、千手観音と間違い易い。
神奈川 菅原氏蔵 立像 木造・彩色 平安 970 111.5 元新薬師寺 (奈良) 【非公開】
滋賀 観音寺 (木之本町) 立像 木造・古色 平安 - 200.0 重文名は千手観音 【要予約】
京都 上醍醐寺 准胝堂 坐像 木造 - - - 伝理源大師作 無指定 【5/17-19】
長楽寺   木造 - - 50.0 重要美術品 【天皇即位時】
六観音
六世紀に中国の天台大師智顗(ちぎ)が著わした「摩訶止観」を重要視
する天台宗から信仰が始まった。
聖観音に代表的な五種の変化観音を加えて六観音とする。六道にあ
るすべての者を救うために応じた六つの姿の観音。天台系と真言系
では若干違う。(右表参照)
その智顗が説く六観音は、特に形の記載はなかったが、真言宗で変
化観音として六観音が制定されると、これに対抗して、天台宗でも六
観音を制定したが、あまりはやらずこの系統の六観音はほとんど残
っていない。

七観音
  平安時代末期には、天台系と真言系の六観音が混合し七観音とな
  り、更にその尊名と関係なく、観音菩薩を本尊とする京都の七つの
  寺院が選ばれ(洛陽七観音)七観音詣でが盛んとなった。やがて、
  それは西国三十三所巡りへとつながっていった。
注)法隆寺六観音(通称六観音)
  法隆寺の大宝蔵院の六観音は、菩薩が六体の通称で、「観音菩
  薩」「勢至菩薩」「文殊菩薩」「普賢菩薩」「日光菩薩」「月光菩薩」
  を総称して言う。
六道 天台系(台密) 真言系(東密) 大報恩寺像(真言宗)
天道 如意輪観音 如意輪観音 坐像 96.1
人間道 不空羂索観音 准胝観音 立像 175.7
修羅道 十一面観音 十一面観音 立像 180.6
畜生道 馬頭観音 馬頭観音 立像 173.3
餓鬼道 千手観音 千手観音 立像 180.0
地獄道 聖観音 聖観音 立像 177.9
京都 大報恩寺 上表 木造・素地玉眼 鎌倉 1224 上表 肥後定慶一派作
三十三観音
法華経や観音経に、観世音菩薩は全ての衆生を救うため、相手に応
じて、三十三の姿に変身すると説かれている。
この法華経を基に、日本において信仰されるようになった。
成立は近世になってからで、インドや中国に起源をもつ古い観音も含
まれているが、民間信仰や法華経から考え出されたものが多い。
(インド :楊柳観音/白衣観音    中国 :水月観音/魚濫観音)

白衣観音
  禅宗に多く伝わる。白衣を被り清流にの岩上に座す。柳の枝と浄水
  で悪病を治す呪文を伝授。
楊柳観音
  別名薬王観音。柳の枝を持つか、水瓶にさした柳とともに描かれる。
水月観音
  浄水を表現した観音。水中の月を見る姿。
魚濫観音
  手にびく(魚濫)を持つ観音。美女に描かれた観音。

1 楊柳観音 (ようりゅう) 7 蓮臥観音 (れんが) 13 一葉観音 (いちよう) 19 能静観音 (のうじょう) 25 蛤蜊観音 (こうり) 31 不二観音 (ふに)
2 龍頭観音 (りゅうず) 8 瀧見観音 (たきみ) 14 青頸観音 (しょうきょう) 20 阿耨観音 (あのく) 26 六時観音 (ろくじ) 32 持蓮観音 (じれん)
3 持経観音 (じきょう) 9 施薬観音 (せやく) 15 威徳観音 (いとく) 21 阿麼題観音 (あまだい) 27 普悲観音 (ふひ) 33 灑水観音 (しゃすい)
4 円光観音 (えんこう) 10 魚濫観音 (ぎょらん) 16 延命観音 (えんめい) 22 葉衣観音 (ようえ) 28 馬郎婦観音(めろうふ) - -
5 遊戯観音 (ゆげ) 11 徳王観音 (とくおう) 17 衆宝観音 (しゅうほう) 23 瑠璃観音 (るり) 29 合掌観音 (がっしょう) - -
6 白衣観音 (びゃくえ) 12 水月観音(すいげつ) 18 岩戸観音(いわと) 24 多羅尊観音(たらそん) 30 一如観音(いちにょ) - -
滋賀 鶏足寺 世代閣 魚濫観音 立像 一木造・漆箔 平安 前期 159.0 県指定
東京 金剛寺 (高幡不動) 立像 木造 江戸 - 約100 無指定
奈良 大安寺 讃仰殿 伝楊柳観音 立像 榧一木造・彩色 奈良 8c後半 168.2 空海以前の初期密教(雑密)像
神奈川 東慶寺 水月殿 水月観音 半跏像 寄木造・彩色 鎌倉 - 41.7 県指定 【要予約】
高知 竹林寺 宝物館 白衣観音 立像 檜寄木造・彩色玉眼 室町 - 100.8 -
群馬 高崎市 (慈眼院) 立像 鉄筋コンクリート 昭和 1936 4180 高崎観音 登録有形文化財
神奈川 大船観音寺 胸像 鉄筋コンクリート 昭和 1960 約25m 無指定
その他の菩薩
音声菩薩(おんじょうぼさつ)
  如来の徳を讃え、音楽を司る菩薩。飛天との区別が付けにくい。
雲中供養菩薩
  極楽浄土で阿弥陀如来の徳をたたえ謡っている菩薩達のこと。
般若菩薩
  あらゆるものを瞬時に悟る偉大なる智慧をもち、この智慧を得ること
  で悟りを開くことが出来るろする菩薩。造像はされていない。
法苑林菩薩・大妙相菩薩
  弥勒三尊の脇侍として祀られる。単独では造像されなかったようだ。
救脱菩薩
  詳細は不明。
音声菩薩
奈良 東大寺 大仏殿前 立像 銅造・鍍金 奈良 8c後半 総高464.4 八角灯籠の四面
雲中供養菩薩
京都 平等院 鳳凰堂 菩薩像 52躯 木造・浮彫漆箔彩色
一部截金
平安 1053 40.0-87.0 菩薩像47躯 僧形像5躯
52躯中26躯は鳳翔館へ
法苑林菩薩・大妙相菩薩
奈良 薬師寺 大講堂 立像 銅造・鍍金 奈良 8c 297.3/298.4 旧名称は日光/月光  中尊:弥勒如来
興福寺 北円堂 半跏像 木造 室町 - - 中尊:弥勒如来 無指定
救脱菩薩
奈良 秋篠寺 伝 立像 脱活乾漆造 奈良 780頃 243.9 体部:木造・彩色 鎌倉時代 (奈良)
五大力菩薩
護国の経典である、「仁王般若経(にんのうはんにゃきょう)」に説かれている
菩薩。仁王会の本尊として祀られた。旧訳仁王経の菩薩が、後に密教
の影響を受け、新訳仁王経では菩薩が変わり、さらに五大明王と結び
ついて、忿怒の形相で現される。
旧訳五尊 金剛吼菩薩(こんごうく) 竜王吼菩薩(りゅうおうく) 無畏十力吼菩薩(むいじゅうりきく) 雷電吼菩薩(らいでんく) 無量力吼菩薩(むりょうりきく)
新訳五尊 金剛波羅蜜菩薩 金剛手菩薩(こんごうしゅ) 金剛宝菩薩(こんごうほう) 金剛利菩薩(こんごうり) 金剛夜叉菩薩(こんごうやしゃ)
奈良 秋篠寺 本堂 中尊 :坐像
四尊 :立像
寄木造・彩色 平安 推定末期 - 旧訳五尊 無指定
五大菩薩
菩薩の組合せのひとつで、教王護国寺(東寺)の講堂の配置以外他に
例を見ず、空海が独自に考案したものと思われる。
金剛波羅密多菩薩を中心に四方に配置されている。

立体曼陀羅。
中央 金剛波羅蜜多菩薩(こんごうはらみつた) 197.2
金剛薩埵菩薩(こんごうさった) 96.4 西 金剛法菩薩(こんごうほう) 95.8
金剛宝菩薩(こんごうほう) 93.4 金剛業菩薩(こんごうごう) 94.6
京都 東寺 坐像 一木造乾漆併用・漆箔 平安 839 上表 金剛波羅蜜多は江戸の後補で無指定
二十五菩薩
二十五菩薩は、臨終の際に極楽浄土から阿弥陀如来とともに迎えに
来る菩薩の集団。

最前列に、観音・大勢至が配置され、その後ろから阿弥陀如来が続く。
1 観世音菩薩(かんぜおん) 6 法自在王菩薩(ほうじざい) 11 宝蔵菩薩(ほうぞう) 16 華厳菩薩(けごん) 21 定自在王菩薩(じょうじざい)
2 大勢至菩薩(だいせいし) 7 獅子吼菩薩(ししく) 12 金剛蔵菩薩(こんごうぞう) 17 衆宝王菩薩(しゅうほうおう) 22 大自在王菩薩(だいじざい)
3 薬王菩薩(やくおう) 8 陀羅尼菩薩(だらに) 13 金蔵菩薩(こんぞう) 18 月光王菩薩(がっこう) 23 白象王菩薩(びゃくぞう)
4 薬上菩薩(やくじょう) 9 虚空蔵菩薩(こくぞう) 14 光明王菩薩(こうみょう) 19 日照王菩薩(にっしょう) 24 大威徳菩薩(だいとく)
5 普賢菩薩(ふげん) 10 徳蔵菩薩(とくぞう) 15 山海恵菩薩(さんかいえ) 20 三昧菩薩(ざんまい) 25 無辺身菩薩(むへんしん)
京都 泉湧寺 即成院 坐像 木造・漆箔彩色截金等 平安 1094頃 79.1-96.7 15躯は江戸時代の後補 中尊:阿弥陀如来
奈良 當麻寺 奥院 立像 来迎像 木造・金泥漆箔 室町 - 35-40 無指定
崇徳寺 本堂 立像 木造・ 江戸 1825 - 無指定 【要確認】
個別尊
奈良 唐招提寺 新宝蔵 伝獅子吼 立像 榧木造・素地 奈良 8c後半 171.8 元不空羂索観音
唐招提寺 新宝蔵 伝衆宝王 立像 榧木造・素地 奈良 8c後半 173.2 元不空羂索観音
唐招提寺 新宝蔵 伝大自在王 立像 榧一木造・素地 奈良 後期 169.3 両手欠損