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社会的背景−本格的なリサイクル社会への貢献

“地球の環境と資源”の問題は、今後益々クローズアップされることになります。身近な問題として『地球温暖化』があり、それへの対応が差し迫っています。
1997年秋の「地球サミット」京都会議では、“日本としてCO2の排出削減率6%”が義務付けられ、これを実現するには、今後の増加量を考慮すると“実質8%以上のエネルギー使用削減率”が必要となります。
また、その数値は2002年秋に南アフリカで開催されたヨハネスブルク会議でも確認されております。
地球資源において将来予測される『石油不足』は、単に石油価格の高騰にとどまらず、消費価格の高騰を誘発し、世界の経済をますます悪化させることに繋がります。
資源を大切にすることは、地球環境の保護だけでなく、物価や経済の安定化にも貢献する大変重要なことです。
廃プラスチックの油化還元装置の普及は21世紀における本格的なリサイクル社会への貢献を意味します。
プラスチックのリサイクル

家庭や産業廃棄物として排出されるプラスチックは、年間600万トンともいわれ、この多くは焼却されるか、埋め立てられています。また自然界に放置されているプラスチックも多くあります。プラスチックゴミは、バクテリアによって分解されないため、年々自然界に蓄積され、自然のサイクルを損なう危険性をはらんでいます。
人為的な自然破壊から地球環境を守ることは重要な課題であり、樹脂製造メーカーから、その使用者、消費者、ゴミ回収業者、地方公共団体まで、数多くの段階でリサイクル技術の開発が進められています。
リサイクルを継続的に成立させるためには、メーカーから消費者に至るまで、各々の過程でリサイクルを考慮したシステムを作り、経済的に成り立つ方式を見出すことが重要です。プラスチックのリサイクルで最も困難なのは、広く散らばった材料を回収する工程であり、家庭から出たゴミは、分別回収され始めているが、その分別回収率はいまだ低くコストも高い状態です。PETボトルは回収され分別、洗浄工程を経て繊維やガラス強化樹脂として再生され、再利用され始めています。
回収率が向上しリサイクル材の量が確保されてくれば、充分採算にのる事業であるといわれていますが、回収率がいまのところ低く、独立採算にのらないため、業界からの援助で支えられているのが現状です。
鉄やアルミニウム、ガラス、紙などの古くから使われている材料のリサイクルは社会としてシステムができ、大部分が回収使用されています。それに比較するとプラスチックは、まだ若い産業であり、これからリサイクルシステムを早急に確立し、社会に役立つ資源として再利用し、地球環境を守っていくことが強く望まれています。

「プラスチック活用ノート」(伊保内 賢 編 広田 愃,大井 秀三郎 著)

廃プラスチック油化還元装置「YUKAKI」の理念

廃プラスチック油化還元装置は、廃プラスチックをエネルギーの原料に変換し、「本格的なリサイクル社会」=「循環型経済社会」における廃棄物のリサイクルに貢献するシステムです。
1995年(平成7年)に容器包装リサイクル法、通称「容リ法」が成立し、2001年(平成13年)4月1日に完全施行され、紙箱、プラスチック等についても再商品化義務の対象となり、その対象が大企業だけでなく、中小企業も含まれることになりました。
こういった環境の中で、現在、焼却によるダイオキシンの発生や埋立・放置による水質悪化、それに伴う埋立地の減少等の社会問題を引き起こしている廃プラスチックを、焼却や埋立をすることなく油化還元し、新たにエネルギー化するものが「YUKAKI」です。
廃プラスチック油化還元装置は、『各企業、団体等が自らのゴミを自らで処理する』という理念の下に開発されたもので、従来の大型プラントでなく、コンパクトなシステムとして設計・製作されたものです。
例えば、廃プラスチック油化還元装置「YUKAKI」で、廃プラスチックをA重油相当の油に還元し、その油を利用し、内熱機関用の低公害燃料に再生することができます。その『再生新燃料を使用することで排気ガスの低公害化を実現し、環境改善に寄与し、また、その燃料で発電機を動かすことで電気を作り、エネルギーとして再活用するというリサイクルシステムの構築を可能にする』ものです。
「YUKAKI」には、もう一つ重要な目的があります。それは自社で製造した商品のリサイクルを自社で実施することで、いかに環境にやさしい材料を使用し、リサイクルしやすくしなければいけないかを感じることです。――こういったことを感じることが、本格的なリサイクル社会を実現していく早道だと考えます。