シーン1
クレイジェントリを見事打ち破ったクーロンレンジャーたちだったが、状況は未だ理解できないままだった。 そこで、ウォーロンの「詳しい事情を説明するわ」という言葉のまま、彼女たちについて、ブレスレットを渡されたあの場所まで戻ることになった。 落ち着いて見てみると、その場所は、神秘的な雰囲気に満ちてはいたが、明らかに人口建造物だった。 もう一つ気づいたことがある。それは、その場所には自分たちと龍脈の化身の娘たちの他にも、別の誰かがいるということだった。
鳳大人:「お初にお目にかかる、クーロンレンジャー諸君」
鳳大人、誰からともなくそう呼ぶ声が出た。そしてその名前は、HEAVENに来たばかりのチェスターでも聞いたことだけはあるくらいのものであった。本名はウィリアム鳳。表裏問わず、HEAVENの社会の相当な有力者である。
鳳大人:「大雑把な話はウォーロンくんから聞いているだろうが、まだ充分に状況がわかってはおらぬだろう。 状況を説明しておくとしよう」
そう前置きして、鳳大人は静かに語り始めた。
鳳大人:「先程の怪しい連中は、『真英帝国国土奪回軍香港方面隊クラウ=ソナス』と名乗っている。どうやら元を正せばグレートエールの急進的テロ集団だったらしい。 奴らの目的はまず第一に旧大英帝国領の回復、そして世界征服。英国の名の下に、『災厄』後の世界に確固たる秩序をもたらす、というのが言い分のようだな。 そんなことをほざいて騒ぐだけならただの取るに足らぬ馬鹿者どもなのだが、ウォーロンくんからも聞いたとおり、奴らは『邪悪な存在』と手を結び、人知を超えた力を身につけおった。 ただ強いだけではないぞ。お主らも気づいたとは思うが、普通の人間では奴らを見ることもできん。つまり普通の軍隊では奴らに備えることすらできんというわけだ。 それをいいことに奴らはとうとう、本格的にHEAVENの支配に乗り出しおった。諸君の活躍であの怪人は倒したが、他のメンバーたちのテロ行動でHEAVENの有力者たちはことごとく負傷しておる。まあ、死ななかっただけ連中もさすがではあるがな。いずれにしてもある意味、奴らの第一の作戦は成功してしまったわけだ。 (RL注:グラXの「パーソナリティズ」に載っているHEAVENの人々は、このように負傷しているか、危険な状況に対応するためいったんHEAVENを出ているかであるため、このキャンペーンが終了する頃まで皆行動できない) 実は、奴らの最初の侵攻で、私の孫娘のコレットも大怪我を負い、龍脈の娘たちの力を借りねば生きてもいられない有様になっている。 この街にちょっかいを出そうというだけで腹が立つというのに、大切な孫娘まで傷つけられては儂も黙っておれん。が、悔しいことに儂には直接戦う力はもうないし、儂の私兵たちでは奴らにはまったく対抗できん。 そこでだ、諸君。儂からもお願いする。彼らを叩き潰してはくれまいか。儂にできることであればどんな支援もするし、報酬も出そう。どうかね?」
そこまで、鳳大人が話したときだった。
コレット:「私からもお願いします」
奥の方の部屋から声がした。見ると1人の女性が立っている。しかしどことなくその足取りは頼りなく、体調もどうみてもよくは見えなかった。彼女が「大怪我を負った」という、鳳大人の孫娘、コレットだろう。
コレット:「奴らは人間の侵略者とは違います。彼らに征服されれば、私たちは人間として存在し続けられるかどうかも不確かになります。 そんな奴らと戦えるのは、あなたたちだけなんです」
RL:では、鳳大人とコレットの話を聞き終えた三人。龍脈の娘たちも全員いるが、何か聞いておきたいことは? 颯天:「『邪悪な存在』ってのはいったい何なんだ?」 天藍:「そうね。私も、それは聞きたいわ」 リンチュン:「私たちも、奴らも、基本的にエネルギー体だということでは変わりません。ただ、私たちは基本的に『守る』方向にエネルギーが向いているのに対して、彼らは『壊す』方向に、それが向いています。本来的には、『邪悪』という言葉を冠せられるものでもないんですが…」 天藍:「破壊と創生……。それは表裏一体のもの。どちらが善で、どちらが悪か、は確かに言えない……」 リンチュン:「…その方向性ゆえに、人々のそういった衝動と、とても結びつきやすいんです」 天藍:「ええ」 リンチュン:「結果、彼らはそのエネルギーをもって、人間の邪悪な衝動を極端に増幅させる。だから、『邪悪』という言葉を、冠せられるようになったんです」 チェスター:まあどんな奴らであれ、大英帝国の復活を唱えるような時代錯誤者だ。放ってはおけん。 天藍:「夏帝国だって、随分時代がかってると思うけど……」(くす) 颯天:「小難しいことはよくわからんが、放っておいていい相手ではなさそうなのはわかった」 天藍:「貴方が分かり易い人というのも、よく分かったわ」(微笑) 颯天:敵の規模とか、何体もいっぺんに出てこられたらどうするのかとか、お約束として聞いてはいけないんだろうか?(笑) 天藍:聞いちゃダメ!(笑) RL:別にいいよ。 天藍:あら(笑) 鳳大人:「奴らの狙いは、香港だけではない。旧英領すべての回復が奴らの目的だからな。 香港と同時に、確認しているだけで、北米、オーストラリア、インドが攻撃を受けている。グレートエール本国でも、『君側の奸を除く』とかで攻撃しているようだ」 天藍:「……」 チェスター:「太陽の沈まぬ帝国の再現、か」 天藍:「……南アフリカは?」 颯天:インドも大半は氷の下みたいだけどなぁ。 鳳大人:「南アフリカは順番的に後、のようだが、今のインドを制圧するのは造作もあるまい。すぐに、インドを攻めていた連中が向かうだろう。 ともあれ、そんなわけで連中の勢力はかなり分散している。当然だな、諸君のような者はほかにそういるものではない。この間のような怪人が一体いるだけで、普通ならかなりの戦果があげられる」 颯天:「まさか、世界中を飛び回れって言うんじゃないだろうな?」 天藍:「……あはは」(額に冷や汗マーク(笑)) 鳳大人:「しかし逆に、そのせいで、奴らは1都市にはわずかな勢力しか投入しておらんはずだ。何体も同時に出てくることもないだろう。 天藍:「各個撃破ね。分かったわ」 鳳大人:「なお、他の国だが、今のところ、北米は闇雲な反撃でももともとの軍事力が大きいせいで何とかなっているようだ。 インドは、もうダメだろうな。考えないことにしよう。 オーストラリアとグレートエールは、君たち同様資質のある者が現れたようだ。 君たちは、香港のことだけ考えていてくれれば大丈夫だろう」 チェスター:「よかった。タイトル変更かと思った」 天藍:「……何だか、いつか全員集合とかあるのかしら……」(ぼそ) 颯天:そーゆーのは劇場版とか(笑) 天藍:(笑)<劇場版 RL:ちなみにキャンベラAXYZは軌道刑事某なのだが、それはまあ別の話(笑) 天藍:わー(笑)<軌道刑事何某 天藍:グレートエールはマスクレーサーとかかしら(ほわほわ) 颯天:「で、今後どうするのか、何か考えがあるのか?」 コレット:「私は、皆さんとは別の形でですが、龍脈の力を得ています」 天藍:「そうね。……というより、それが無ければ生きているのも、まだ難しいみたいだわ」 コレット:「戦うことはできませんが、奴らの居場所や行動を感知することができるんです。ただ、今は奴らも居場所を隠していて、本拠を見つけ出すにはもう少し時間がかかりそうです。 けれど、奴らが動き出せば、それは必ず察知できます。私が本拠地を見つけ出すまでは…対処療法になってしまいますけれど…」 颯天:「つまりは、『待ち』ってことか……」 天藍:「こういう状況、何かで見たことがある……」(ぼそ) 颯天:待ちくーろんれんじゃー(笑)。みんなでしゃがもう(爆) 天藍:てゆうか、基本的にヒーローものって、待ちですよね(笑)。 コレット:「すいません、龍脈の力が私の生命維持に向いていなければ、もっと鋭敏な力も使えるはずなのに…」 チェスター:「現状で出来る限りのことをやっているんだ。気にすることはない」 天藍:「ま、そこは仕方が無いわね」(にっこり) 鳳大人:「普段は諸君は自分の生活を送っていてもらってかまわない。有事の時には、そのブレスレットで連絡しよう」 颯天:「通信機能までついているのか、これは……」 天藍:「便利ね。分かったわ」 RL:まあお約束ってことで(笑) チェスター:「わかった」 RL:では次のシーン行きましょう。 |