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トーキョーN◎VA 2nd Edition

N◎VA補正計画

N◎VAセニット最高評議会第一次中間報告「日出ずる国(前編)」


 

RLでは、トーキョーN◎VAのプレイを始めよう。キャスト同士は全然知り合いじゃないから、取り合えず、自己紹介をして欲しい。
データ:名前はル・ド・データ。カゼです。エンタープライズ−Dと言う暴走族に属してます。 実を言うと、トップの人より頭が回るかな〜という自負を持ってるんだけど、表には出していないという事で。
澪:鈴奈 澪と言います。カタナやってます。
篠懸:僕のことは篠懸と呼んで下さい。ルテチアの真面目な社員です、はい。
RL:う〜ん、クグツだねえ。
トレアドール:わたしはトレアドールといって、ブラック・ハウンド猟奇課の刑事だ。X−ファイルみたいな事件を主に扱っている。
篠懸:X−ファイル……。
トレアドール:とは言っても、実は不良警官で、犯罪者の精神エネルギーを吸い取ることをこよなく愛する、グルメなヴァンパイアだ(笑)。
RL:話の都合上、君は今回ブラック・ハウンドに配属されたばかり、という事にしてくれ。
トレアドール:了解。
教授:えーと、GCIの松戸教授だ。人間の業(カルマ)と、ナノロボットの研究をしている。
篠懸:しっかし、見事にばらばらだな。こんなんで話になるのかねえ?
RL:まあ、何とかなるでしょ。

   シーン1 《BASARA》 

RL:まず、データ君。君から始めよう。君は、属している暴走族……エンタープライズ−Dと、N◎VA中心部の最西端付近を走っている。
データ:ふむふむ。
RL:そのうち、仲間内で「ジャパンレース」という、世にも恐ろしい度胸試しのレースをしよう、という話になる。
データ:「ジャパンレース?」
篠懸:チキンレースの過激な奴か?
RL:そう。「ジャパンレース」とは、N◎VAと「日本」との国境に、どれだけ突っ込めるかを競う。一歩間違えば、銃弾が雨あられ。命の保証もない恐ろしいレースだ(笑)。
澪:それは、怖いですね。
RL:で、話は進んで、君と、リーダー格のホワイトという男とで、勝負する事になった。
データ:リーダー格、ですか。
RL:そう。では、勝負しようか。勝敗の判定はヴィークル技能を使うんだけど、その目標値は競りにかけられる。
データ:競り?
RL:目標値を、高く競り落とした方が勝つ。但し、高く上げすぎて判定に失敗すれば、死が待っている。まあ、ブラックジャックみたいなものだね。
 二人ともある程度の技術はあるから、まずは10から始めようか。
データ:……12!
RL:なら、14。
データ:う〜ん、16。
RL:17……いや、21にしよう。
データ:もうダメだ。
RL:なら、〈ヴィークル:2輪〉の判定を、目標値16で。もちろん、ホワイトが先に突っ込んで行くんだけど。
データ:16は出ます。
RL:OK。君は日本国境の手前ギリギリで、キキッとバイクを止めた。けど、ホワイトは構わず国境に突っ込み、バキバキに撃たれる。
 だが、彼は全ての弾をかわして帰ってきた!
篠懸:なるほど、カゼの神業だね。
RL:そう。カゼの神業《脱出》を使えば、どんな状況下からでも生還できるからね。
データ:はあ……。
RL:「お前もまだまだだな、データ」なんて、ホワイトは言っている。と、そんな所に、ボロボロになったバイクに乗った、男が来る。彼は真っ赤なバイクに、真っ赤なドライバースーツを着ているけど、派手に撃たれて出血も相当なものだ。君は彼に見覚えがある。
データ:誰かな?
RL:かつて、このエンタープライズ−Dのアタマだった、レッドという男だ。ちなみに、彼は半年前から行方不明になっていた。
 で、仲間たちが「どうしたんだ!?」と集まっていくよ。
データ:とりあえず、近くには寄らないけど、どうしたのかな、とのぞき込んで見る。
RL:仲間が二、三人声をかけているけども、反応はない。で、急いで病院に運ぼうという事になった。
データ:じゃあ、ついて行きましょう。
RL:では、君たちはレッドを新星帝都大学付属病院に担ぎこんだ、と

RL:次は、篠懸君。君は今、ビジネス中だ。そこに、君のIANUSに最優先チャンネルで電話がかかってくる。
篠懸:出ます。
RL:「やあ、篠懸丸君」と渋い声のおじさんが、「ちょっと来たまえ」だそうだ。
篠懸:では、行きます。
RL:では、君の本当の上司、ルテチアの裏の仕事を仕切っている某氏が、君に仕事を命令してくる。
 彼は一枚の写真を君に見せた。それには、二十代後半くらいの、キャリアウーマンらしい女性が写っている。彼女のスーツには、ルテチアのバッジがついているね。
「この女性は綾瀬睦美というのだが、彼女を消してきてくれ」
篠懸:「はい」
RL:彼女が今、N◎VAにいる事は分かっているのだが、具体的にどこにいるかは不明だ。ちなみに、同様の仕事で千早が既に動き出しているらしいので、後れを取らないように。以上」
篠懸:「かしこまりました」
RL:じゃ、次いこうか。
篠懸:感情のないキャラって、すごくやりやすい(笑)。

RL:では、松戸教授。君は今、木更タタラ街という様々な電子部品やサイバーウェア、非合法薬品なんかが手に入る、ブラックマーケットな技術者の街をうろついている所だ。ちなみに、君の研究所もこの地区にあると思ってくれ。
教授:ふむ。
RL:で、ジャンクパーツなんかを漁っていると、雨が降ってくる。
教授:適当な店の軒先で、雨宿りしよう。
RL:すると、その辺の路地から、一人の男が出てくる。
教授:そりゃあ、街だしねえ。
RL:うん。でも、その男はタタラ街のような少々スレた所には似合わない、上物のモスグリーンのスーツとミラーシェイドを身に着け、手に日本刀を持っている。
トレアドール:まさか?
RL:彼は君に一瞥をくれると、そのままどこかへ行ってしまう。
教授:「むむ、何やら怪しげな……」追いかけよう(笑)。
RL:じゃあ、知覚系の技能で判定を。
教授:カードがないので、能力判定で。
RL:OK。教授は、後を追おうとした所で、路地の方から血の臭いが漂ってくるのに気づいた。どうする?
教授:う〜ん、やっぱり血の臭いだろう。
RL:裏路地に入ると、一人の女が斬り殺されている。髪を派手に染めてて、身体のラインもあらわな、タイトなスーツを着てるけど。
教授:ほう。完全に死んでますかな? 脳だけでも生きてるとか。
RL:ばっさり。
教授:つまらんなあ。これでは、研究材料にもならんではないか。
RL:そうだねえ。教授がそんな風に悩んでる間に、パトカーのサイレンの音が近づいてくるよ。多分、さっきの男を見た誰かが通報したんだろう。
教授:そりゃまずい。ドロンだ(笑)。
RL:ま、ずらかる、と。

RL:次は、澪ちゃん。君の家のDAKに、電子メールが入っている。
「依頼したいことがあるので、至急ブラック・ハウンド本部まで来られたし。オメガ」
澪:なるほど。早速行ってみましょう。
RL:じゃあ、ちょっと待ってて。

RL:では、トレアドール。君は研修を終えて、ちょうど今日付けでブラック・ハウンドに配属された所だ。で、いきなり呼び出しがかかる。
 オペレーターのミドリちゃんの声で、
「トレアドール巡査、トレアドール巡査、至急オメガ隊長の所まで出頭して下さい」
トレアドール:かったるいけど、行ってやるか。
篠懸:配属そうそう態度でかいね(笑)。
RL:オメガの所に行くと、ちょうど隊長室の前で澪ちゃんが来る。
澪:はい、来ました。
トレアドール:ほう、なかなか美味そうな精神エネルギーを持った女だな。ふふっ。
澪:うっ、何か悪寒が。
RL:部屋に入ると、壁だの床だのに頭からのコードを接続させた男がいる。この男がブラック・ハウンドのボス、オメガだ。
トレアドール:それで?
RL:オメガは、「よく来てくれた。まずはこれを見てくれ」と言って、壁のモニターにデータを映し出す。データは二十人くらいの人物に関するものだが、彼らに関連性は特に見受けられない。
 データには身長体重、国籍など様々な項目があるんだけど、唯一の共通点として、備考の欄に「日本国不法侵入未遂罪により、無期懲役」とある。
トレアドール:なるほど、バカな事をした奴らだな。
澪:そんな刑罰もあったんですか……。みんな死刑かと思ってました。
RL:いや、未遂だからね。計画中に捕まった奴らなんだよ。
トレアドール:「で、こいつらがどうかしたんですか?」
RL/オメガ:「行方不明になった。もちろん、署内からだが。つまり、明らかに内部の者の反抗という事だ。見事にしてやられたよ」
トレアドール:確かにね。
RL/オメガ:「しかも、この件に関係しうる署内の記録は、残業のものに至るまで全て消去されてしまっていてな。極端な話、これによって容疑者は儂を含めたブラック・ハウンド要員全てになってしまったのだ」
澪:「これは、厄介そうですね」
RL/オメガ:「事件の発生は一昨日だが、君がここに配属されたのは今日だ。そこで、この件に関して、君に捜査の全権を委ねたい」
トレアドール:犯人の精神エネルギー吸い放題という事だね。くくくっ。
RL/オメガ:「但し、事件の性質上、我々の援助は期待しないでくれ」
トレアドール:「はあ」
RL/オメガ:「ちなみに、そちらの彼女は儂の知り合いだ。お前一人では荷が重かろうから、護衛として連れていくといい」
澪:「よろしくお願いします」
RL:「肉体労働は苦手らしいからな」と、オメガは報告書に目を落としつつ言うよ。
トレアドール:ありがたいお話で。ふふっ。
澪:……(冷汗)。
トレアドール:まあ、取り合えず、その20人のデータをコピーしてもらっておこうか。
RL:じゃあ、ミドリちゃんがプリントアウトしてくれる。

表1<逃亡者リスト>

NAME 年齢 性別 職業 国籍
エドワード=ギャバ

ジェニー=村崎

ティエン=イールン

チハヤ=ミヅキ

ニーニャ=村川

ボブ=マクスウェル

ミカ=エレイル

ミド=ゴルスキー

ラヒトー=ナーティス

リジェ=リーシア

リョーコ=宮崎

 《空牙》

 《死王》

 《ブレードクイーン》

 《レッド》

綾瀬 睦美

管崎 有人

如月 小夜

真田 幸隆

慈覚

31

24

13

29

33

16

44

45

22

21

24

27

25

34

35

27

37

49

 女

 女

 女

 女

 女

 女

 女

 女

 女

 女

トーキー(報道関係者)

ミストレス(上流階級の女性)

マヤカシ(幻術/魔法使い)

ハイランダー(軌道生活者)

エグゼク(企業幹部)

カブト(ボディガード)

マネキン(娼婦)

カブトワリ(銃器のプロ)

カリスマ(政治家/扇動家)

ニューロ(電能ハッカー)

カブキ(歌手/芸術家)

チャクラ(格闘家)

カゲ(スパイ)

カタナ(武器のプロ)

カゼ(走り屋/暴走族)

タタラ(技術者)

クグツ(企業のエージェント)

イヌ(警察官/警備員)

フェイト(探偵)

バサラ(超能力/精霊使い)

N◎VA

N◎VA

旧中国

N◎VA

旧ヨーロッパ

N◎VA

ミトラス(南極)

旧ヨーロッパ

旧アメリカ

N◎VA

旧日本

N◎VA

ミトラス(南極)

N◎VA

旧日本

旧日本

旧日本

旧日本

旧日本


澪:しかし、見事にばらばらですね。どこから行きます?
トレアドール:ちとカンに引っかかるんだが、この「レッド」と言うのが怪しいな(笑)。
澪:私も、そう思います(笑)。
トレアドール:じゃあ、詳しいデータを出してみよう。捕まった経緯とか。
RL:え〜と、「エンタープライズ−Dに所属。アタマを務めていた。半年前『ジャパンレース』で負傷、逃亡中に逮捕される」
 で、エンタープライズ−Dが云々とデータが続く。溜り場とかが分かるけど?
澪:「行ってみましょうか?」
トレアドール:「そうだな。護衛は任せる」
RL:じゃあ、行きがけに一つ、殺人事件の報告が入る。殺されたのはミカ・エレイル。死体発見現場はタタラ街の裏路地。刀でばっさりと斬り殺されている。マネキンで、パトロンは千早の重役らしい。
澪:「ミカ……、リストにありますね」
トレアドール:「ふ〜む?」
教授:むむ、その犯人の特徴に「白衣を着た」とかは、ないよね?
RL:まあ、犯人の目星はついてないけど、君は何故か目撃者として事情聴取されている。
教授:ガガーン!(笑)
トレアドール:まあ、まずはエンタープライズ−Dに当たってみよう。

   シーン2 《KAZE》

RL:では、データ君。君たちの前に2人が現れる。1人は君らの大敵ブラック・ハウンドの警官で、もう一人は女剣士だね。
データ:はあ……。
RL:(トレアドールに)「何の用だあ?」と絡んでくる奴もいるけど?
トレアドール:「おっと。ブラック・ハウンドに逆らってもいい目は見ないよ」
RL:「うげっ」とか言って、後ろに下がる。
トレアドール:ははははははは(高笑い)。
データ:とりあえず、「何の御用でしょうか」
トレアドール:「ああ、今回は君たちを検挙しに来たんじゃないから、安心してくれ。ただ、聞きたい事があってね」
データ:「お答えできる事なら、極力」
トレアドール:「昔、君らのアタマだったレッドっていう男について聞きたいんだが。彼が、今どこにいるか知らないかな?」
データ:知ってることは知ってるけど……。
RL:他の奴がぼそっと、「言うなよ」
トレアドール:う〜ん、言ってくれないかな。
RL:《荒事》でも使えば?
澪:《荒事》ならありますから、刀の鯉口を切る、ということで。《スラッシュ》との組合せで、達成値15です。
RL:では、データ君。《アイデンティティ》で抵抗してみて。
データ:え〜と、山からカードを引いて……、失敗です。
RL:それじゃあ、君の隣にいた奴が、びびってボロッと言ってしまう(笑)。
「実は、新星帝都大の病院に……」とか。
データ:あらら。
トレアドール:じゃあ、行ってみるか。レッドの事情聴取を助けてもらいたいんだけど、誰かついて来てくれないかな。
RL:OK。ホワイトがデータに、「あいつらについて行って、何とかレッドの兄貴を助けてくれるよう説得してくれ」だってさ。
データ:分かりました。行きましょう。

   シーン3 《TATARA》

RL:さて、篠懸君。君はどうする?
篠懸:では、綾瀬のデータを調べます。
RL:「純血の日系3世。自作の潜水艇で日本上陸を計画するが、直前で発覚、逮捕される」
 で、元同僚の話としては、
「才女だったんだけど、何を考えているか分からないフシがあった」
 って感じかな。
篠懸:なるほど。では、FEIRに連絡して、交友関係を洗ってもらおう。
RL:「家族なし。とりたてて親友や恋人はいない。広く浅い人間関係だが、企業の技術者外の立場で、ヤクザとの接触あり」
篠懸:ヤクザねえ。どこの?
RL:河渡連合系、合川組。シマは房総方面だが、N◎VA中心部にも事務所はある」
篠懸:う〜ん、直接行ってみよう。
RL:門前払いされるよ。「てめえの様な奴が来る所じゃねえんだよ。帰れ帰れ!」だと。
澪:クグツの神業で偽IDを発行してもらったら? 「私は組員です」とか(笑)。
篠懸:やだよ、そんなの。
教授:なら、そこにキー効果を使って登場したいんですが(笑)。
RL:はあ?
教授:ここのヤクザと、サイバーウェアの取引があったとかで、やって来る。
RL:まあ、いいけど。
教授:では、「何かお探しですかな?」
篠懸:「えっ、えーと(笑)」
RL:では、そこで組員が、「あ、これは松戸教授、お久しぶりで」と言ってくる。
篠懸:知り合いだったのか(笑)。
RL:まあ、キー効果だから。では、教授は中に通してもらえるよ。お茶でも出そうか?
教授:「焼きプリンを出せ」
RL:や、焼きプリン? ……で、では、好物の焼きプリンも出してくれる。それで、「今度は、このサイバーウェアを調達してもらいたいのですがねえ」と言ってきたりして(笑)。
教授:「うむ、よろしいよろしい」
篠懸:う〜ん、他に情報源も思いつかないから、先刻の「教授」に当たってみようと思って、外で待ってる。
RL:じゃあ、帰りがけの教授を捕まえられた。
篠懸:『演神』起動。「さらりまん」ソフトで、平凡なサラリーマンを装う。
教授:「何か用かな?」
篠懸:「綾瀬睦美という女性を御存知ではありませんか?」
教授:知ってるんですか?
RL:君はGCIだったよなあ。まあ、そんな人がルテチアにいた事くらいは。
教授:「……という訳だが?」
篠懸:「会う機会はありませんかね」
教授:実は、彼女の名刺を持っていたとか。
RL:ああ、それはいいよ。
教授:「おお、そう言えばこんな所に彼女の名刺が(笑)」
RL:ちなみに、この話は路上でやってるね?
篠懸:はい。
RL:じゃあ、話をしていると、向こうから1人の男が近づいて来る。教授は見覚えがある。
教授:はっ、やばげ(笑)。
RL:モスグリーンのスーツに、ミラーシェイドをして、手に刀を持っている。誰だか知りたければ、《N◎VA社会》で判定してみて。
教授:山から引いて……、出た、10。
篠懸:カードがカスしかないので、6。
RL:では、残念ながら篠懸君は知らないが、教授はふと思い出す。メルトダウンと言って、“死の右腕”と呼ばれている。千早の裏の仕事を任されている凄腕のエージェントだ。
トレアドール:彼って、快楽殺人性の気があるらしいよ。
教授:げげっ(笑)。
RL/メルトダウン:「ちょっとお伺いしたい事があるのですが?」
教授:ガチガチ(笑)。「な、何ですかな?」
RL:「見ましたか?」と、一言。
教授:「いやいや、何の事かさっぱり(笑)。貴方はどちら様で?」
RL/メルトダウン:(無視して)「よろしければ、IANUSのデータを見せては頂けませんか」
篠懸:やばい(笑)。
教授:ぬうぅ……。神業《タイムリー》だ! 偽造データを作っていた事にする!
RL:じゃあ、メルトダウンは「どうやら、私の思い過ごしだった様ですね」と言う。
教授:ふうぅ(ため息)。
RL:「それでは、この男を知りませんか?」と言って、今度は写真を見せてくる。いかにも会社員風の男で、名前は管崎有人。
教授:「さあ、知りませんなあ」
RL:「そうですか。では、彼について何か分かれば千早に連絡して頂けると有難いのですが」と言って、メルトダウンは帰っていく。
教授:怖かった……(笑)。よし、帰って研究所を武装し始めよう!
一同:(笑)

   シーン4 《LEGGER》

 一方、病院に向かったトレアドールたちは、レッドに面会したものの、何も手がかりを得る事はできなかった。
 マシンガンでメッタ撃ちにされていたレッドは、回復の見込もない記憶喪失に陥っていたのである。
 手がかりを求めるトレアドールは、次に綾瀬睦美に目を向けた(笑)。彼女のデータから、やはり合川組との関係を見つけ出した彼らも、組の事務所に押しかける。
 なお、データも人手の乏しさを感じたトレアドールとの司法取引により、レッドの罪状不問と引換えに、捜査に協力する事になる。

トレアドール:「合川組についてのデータも欲しいな」
RL:「河渡連合系合川組。シマは主に房総方面。半年前、先代組長の合川権三が死亡、息子のジャック=合川が組を継いだ」
 権三は、大きな利益を生む房総一帯をシマに収めていたけど、息子はボンクラで、対立する組にシマを削られてあせっているらしい。その規模は、往年の半分ほどに落ちている。
 追記として、ここ数日で数千万単位で金を動かしているらしい、とある。
澪:危機に陥っている組で? 怪しいですね。
RL:そんな事を考えているうちに、合川組事務所の前に来た。サラリーマンと、白衣を着た男が何やら話しこんでるみたいだ。
澪:「何でしょう、あの人たちは?」
トレアドール:「あからさまに怪しいな」
RL:では、教授。メルトダウンが去ってびびっていた所に、今度はブラックハウンドがやって来た。
教授:うお、ピーンチ!(笑)
篠懸:「おや、何かやましい事でも?」
トレアドール:おもむろに警察手帳を取り出して、「すみません、こういう者ですが」
教授:「は、はあ。何か御用で?」
トレアドール:「ルテチアの技術者、綾瀬睦美という女性について、何か御存知ですか?」
教授:「は〜て、誰だったかなあ?」
トレアドール:「知ってるんでしょ」(笑)
教授:「む、むむっ!」
トレアドール:何か隠していないか、《カウンセリング》で聞き出そう。達成値は12。
RL:じゃあ、教授。《アイデンティティ》で抵抗して下さい。
教授:カードがないので、山から……(汗)。
篠懸:ファ、ファンブル〜(笑)。
RL:ファンブルかあ。どうしようかな……。
教授:「いや、私は別に……」名刺がポロッ。
一同:(大爆笑)
篠懸:ファンブルの結果という事か(笑)。
トレアドール:「おや、これは名刺ですね。なになに、『綾瀬睦美』。ほお」
教授:「むむ、何故こんな所に?」
トレアドール:「なるほど、お知り合いでしたか。(篠懸に)ところで、貴方は?」
教授:この隙に距離を取っておこう。
澪:逃がしません。回り込みます。
教授:はうっ(笑)。
篠懸:「僕ですか? ルテチアの者ですが」
トレアドール:「なるほど。ちょうど良かった。綾瀬睦美について調べているんですがね」
RL:ところで、皆さん。知覚系の技能で判定してくれないかな?
データ:10……、かな。
その他:失敗です。
RL:では、データ君だけわかるが、君の視界の隅に、キランと光る物が映る。
データ:アイ・オブ・ザ・タイガーの、拡大スコープ機能を使って見てみましょう。
RL:拡大してみると、ビルの隅に監視カメラがついていると分かる。君たちの方に向けられているようだ。
データ:ふーむ。まだ他の人には言わない。
澪:え〜、教えて下さいよ。
トレアドール:まあいいや、質問を続けよう。「貴方、この教授とはどういうご関係で?」
篠懸:「今、ここで会ったばかりです」
トレアドール:「ここに来たのはどういった訳ですかね?」
篠懸:「以前、うちの社員が個人的に取引をしておりまして。問題が起こったので、査察に参ったのです。アフターケアとご理解下さい」
トレアドール:なるほどねえ。ま、ここでこうしていても仕方ないな。乗り込むか。
教授:「わ、私は用事があるので……」
澪:いいえ。参考人を逃がしはしませんよ。
RL:では、教授は澪ちゃんに捕まった。
教授:わめいている(笑)。「私は無実だ〜」
澪:「誰も、貴方が犯人だなんて言ってないでしょう?」
教授:「人権はどこへ行った?」(笑)
RL:(人権なんぞ、N◎VAじゃあ企業の下にしかないんだけどね)
教授:「弁護士だ、弁護士を呼べ〜!」(笑)
RL:では、背広姿の好青年がやってきて……、「通りすがりの弁護士です。ぢゃっ」
一同:(爆笑)
トレアドール:ふう。さてと、行ってみるか。参考人2人も、ついて来てくれ。
「ブラック・ハウンドの者なんだが」
RL/組員:「何の御用ですか?」
トレアドール:「ジャック=合川氏に会わせてくれないか? ルテチアの綾瀬睦美って女性について少々聞きたいんだがね」
RL:しばらく待たされて、「では、お通り下さい」
篠懸:心の中で、こりゃあ便利だと思う(笑)。
RL:では、たまたま組長のいる応接室に通される。まず、ジャック=合川がいるね。どこからみても二十代のボンボンに見える。
トレアドール:「あんたがジャック=合川か」
RL:で、その隣には二十歳くらいの、ロシア系の美女がいる。彼女はクリスタル・ウォール・シールドを持っているね。
篠懸:カブトか。
RL:で、部屋の隅っこに、純白の髪で、刀を持った男がいる。後は組員がぞろぞろと。
トレアドール:「聞きたい事は、さっき言った通りだ」
RL/合川:「そんな女の事は、知りませんな」
トレアドール:本当に知らないかどうか、マヤカシの《伝心》で心を読む。達成値は21。
RL:う〜ん、君のマヤカシ能力は、何者かによって邪魔された。
トレアドール:誰だ?
RL:(白髪の剣士なんだが)分からないね。
トレアドール:仕方ないな。「だが、ルテチアの方から、彼女との関係を聞いているんだがね」
RL/合川:「確かに、彼女には《表》では手に入りにくい部品を卸した事があります。でも、それだけですよ」
トレアドール:ガードが固いな。いったん引き下がろう。
RL:じゃあ、事務所から出た。
澪:「これから、どうします?」
トレアドール:リストの他の人物にも当たっておこう。まずは、トーキーなんてどうかな。
データ:では、移動する時に、監視カメラの事を話しましょう。
澪:もっと早く言って欲しかったですね(笑)。

   シーン5 《MISTRESS》

 さっそく捜査に移るトレアドールたちだったが、何故か教授と篠懸も同行している。その理由は、

教授:ブラック・ハウンドに協力している限り、メルトダウンもよもや私を狙うまい。
篠懸:僕は情報収集に役立つ技能を持ってないからなあ。ブラック・ハウンドを利用した方が手っ取り早いだろうね。

 と、極めて個人的なものである(笑)。

トレアドール:まずは、エドワード=ギャバを当たってみよう。詳しいデータを。
RL:「日本の『真実』を報道しようと、密入国を企図したため逮捕」。逮捕されたのは一番新しくて、2週間ほど前だね。所属はフリーだけど、一応マリオネット。
澪:つまり、スクープを会社に売る人ですね。
RL:そう言う事。
トレアドール:じゃあ、マリオネットに行って、エドワードについて聞いてみよう。
RL:最近、レポーターの粕川うららと一緒に仕事をしていたらしいから、彼女に聞いてみてはどうか、と言われる。
トレアドール:では、コールしてみよう。
RL/うらら:「はい?」
トレアドール:「先日ブラック・ハウンドに逮捕された、エドワード=ギャバについて聞きたいんだがね」
RL/うらら:「貴方たちが一番詳しいんじゃないの? ろくな事実確認もなしに、強引にギャバを逮捕したくせに!」
トレアドール:「それは、初耳。どういう事ですかね?」
RL/うらら:「あの人は日本侵入なんか企てちゃいないわ! あるヤクザが、日本侵入未遂犯を使って、人身売買か何かを企んでるって、そのヤマを追いかけてただけよ!」
トレアドール:「ほ〜う。それも、初耳」
RL/うらら:「何度だって言ったわよ!」
篠懸:あるヤクザ、ねえ……。
データ:合川組、ですかね。
澪:でも、証拠がないと……。
トレアドール:ところで、ギャバが逮捕された時、彼の持っていたデータとかもブラック・ハウンドが押収したはずだから、調べてもらいたいんだけど?
RL:何者かに、全て消去されている。
トレアドール:陰謀の臭いがするなあ。これは、逮捕した本人にも当たった方がいいだろう。
RL:それについては、うららが、「調べてあるわ。捜査二課の和田正和という男よ。でも、これ以上はガードされてて……」だと。
トレアドール:それで、十分。ふふっ。
澪:和田って、どんな人なんです?
RL:「20年前、ブラック・ハウンドに入隊。至って真面目で、出世もそこそこ。普段は余り目立たないが、捜査能力には定評がある。
 3日前に、本人の希望によって除隊」
篠懸:それまで、どんなヤマを追ってたんです?
RL:特になし。
トレアドール:では、捜査二課の課長にも、詳しい事を。
RL:三日前に除隊して以来、完全に行方が掴めなくなってるそうだ。
データ:家に何か残ってなかったんですか?
RL:なかったらしいね。
トレアドール:ここは、神業の使いどころかな。《守護神》に、和田の行方を聞こう。
RL:(う〜ん、まだ彼に会わせる訳にはいかないしなあ)……和田の行方は分からないが、今回の脱走事件の、主犯は彼だと確信した。で、脱走させた連中は、お約束として、解体されて裏のマーケットに出回っていると思われる。
教授:その生体部品を、私が漁っていたとか。
篠懸:だから見当づいたのかも(笑)。
トレアドール:よし、ブラック・マーケットに行ってみよう。

   シーン6 《INU》

 トレアドールたちはブラック・マーケットの臓器屋を回り、脱走した人物のうち、何人かのパーツが売りに出されている事を突き止める。
 これ全て、教授の《ナノテク》技能による、鑑定のおかげである。

RL/臓器屋:「これは教授、お久しぶりで。今日はどんな部品がご入り用ですか?」)
教授:「おや、この男のボディなんか、随分と上物じゃないか」)
RL/臓器屋:「ええ、何でも優秀なカブトだったとかで。品質は保証しますぜ」)
教授:「よし、買った!」)

 ……ついでにトレアドールは、自慢のマヤカシ能力で、売人のおっちゃんを「説得」。臓器の出所が、アサクサを仕切るヤクザの女親分、音羽南海子だと教えてもらう。

トレアドール:音羽南海子、ねえ……。
RL:売人のおっちゃんが言うには、彼女がどこからか入手してきたブツを、卸してもらったんだそうだ。
澪:音羽組に行ってみます?
トレアドール:そうだな。
RL:では、着いた。アサクサにある、音羽組の本拠の前だ。若頭系の男が、「ブラック・ハウンドが何の用だ?」
トレアドール:「臓器の件なんだけど……」
RL:「ぞうきん?」
一同:(笑)
RL:「何かと思えば、ブラック・ハウンドは掃除用具の経費も出ないのか?」
トレアドール:「雑巾じゃなくて、臓器だ!」
RL:分かってるよ(笑)。「だが、この業界も、スジは通す事になってるからな」
トレアドール:「そこを何とか」
RL:まあ、ブラック・ハウンドの頼みだし、「相談くらいはしてみよう」と言ってくれる。で、その結果、出所の情報なら売ってもいいと、南海子さんから指示が降りたそうだ。
篠懸:情報料なら、領収書が出るかな(笑)。
トレアドール:ブラック・ハウンドから出してもらえるでしょ。
RL:それくらいは出るよ。で、臓器の件なんだけど、合川組から、半分押し売りといった形で引き取ったそうだ。相場より、少し安かったらしいけどね。
澪:なるほど。これで、証拠もそろったんじゃないですか?
トレアドール:そうだな。もう一度行ってみようか。……その前に、事件の経緯を本部に連絡しておく。
篠懸:僕も、会社の上司に報告しておこう。
RL:では、トレアドールの報告を受けて、裏からオメガが手回ししてくれる。南海子さんに頼んで、ジャック=合川と身の回り数人だけを、N◎VA中心部の事務所に呼び出してもらったそうだ。
 要するに、そいつらだけ制圧すればいい。
トレアドール:やりぃ(笑)。
RL:ルテチアからは特にない。「行方不明になったのなら、とことんまで追い詰めたまえ」
篠懸:「了解しました」
RL:「ちなみに、千早のエージェントは仕事をほぼ完遂したらしい。君も頑張りたまえ」
篠懸:「はあ」
澪:さすが、メルトダウンですね。(教授に)もう出てこないんじゃないですか?
RL:多分ね。
教授:でも、私はその事を知らない(笑)。
トレアドール:では、合川組に乗りこもう。
RL:合川組の事務所は、小さな雑居ビルの3階と4階にある。
教授:なら、1〜2階を吹き飛ばせば……。
RL:1、2階は、普通の商店だよ。
篠懸:「構わん!」とか言って(笑)。
澪:それは、まずいでしょう。
データ:ところで、乗りこんでどうするんです?
トレアドール:強制逮捕だ。君はレッドの敵討ちなんだから、しっかり協力してくれたまえ。
RL:で、3階と4階、どっちから行く?
トレアドール:3階からだ。「FREEZE! ブラック・ハウンドだ!」
RL:見るからに事務員と思われる、男女合わせて10人ほどが、びっくりしている。
トレアドール:組長はいないのか。「我々こういう者だから、大人しくしているように」
RL:まあ、この人たちは半分一般人ですし、抵抗しません。
トレアドール:では、3階は制圧だな。でも、こいつらどうしようか?
澪:閉じ込めておくのは、どうでしょう?
教授:なら、私がロックしておこう。
RL:では、4階だ。
トレアドール:「FREEZE! ブラック・ハウンドだ! ……またお会いしましたね」
RL:どうも、ジャック=合川は君たちの侵入に気づいていた様だ。余裕あり気に、「そうだね。ブラック・ハウンドの能なしイヌ君」とか言ってる。
篠懸:そう言えば、監視カメラがあったねえ。
RL:ちなみに、ここにいるのは、ジャック=合川と、女性のカブト、謎の剣士に、レッガーのトループが6人だ。
 では、戦闘に入ろうか。

 RL、アクセスカードを配る。

篠懸:一番は僕だ。《陽炎》、〈隠密〉、〈アクロバット〉、〈スラスト〉を組み合わせて、消えながら、いきなりボスに攻撃しましょう。達成値は16です。
RL:それは、女性のカブト……レミーっていうんだけど、彼女が〈ア−ムズ〉で受ける。達成値16で、受けに成功したから、ダメージはなしだね。
 『ジャック様に、手出しはさせない!』
澪:では、思考トリガーオーバードライヴのスイッチを入れつつ、謎の剣士に神業の《死の舞踏》を。
 『なら、これはどう?』
RL:君の必殺の一撃は、同じく《死の舞踏》によって受け止められてしまった。
 『ふ……、甘いな』
データ:次は俺か。トループに〈ガン〉で13。
 『うらああああっ!』
RL:防御できないぞ。代わりに〈アームズ〉と《威圧》で反撃しよう。達成値は12。
データ:それは、避けます。〈アクロバット〉で12。
RL:なら、データ君のライフルの掃射で、ザコは一掃されてしまった。
澪:私の2回目ですね、どうしましょう……。〈スラッシュ〉、《修羅》、《斬裁剣》、《雷帝》の組み合せで、刀に雷撃をまとわせた渾身の一撃を、謎の剣士に放ちます。エースなので、達成値は21です。
 『喰らいなさい。奥義、雷刃斬!』
RL:むうう……。なら、《幻影》、《還滅》、《無風剣》、〈スラッシュ〉の組み合わせだ。まず、自分の《幻影》を斬らせて回避。その上で、《幻影》で見えない上に、《無風剣》で気配すら読めない回避不能の攻撃だ。こっちも、エースで達成値は23。《還滅》も入ってるから、当たれば死ぬよ(笑)。
 『愚かな。己の甘さが分からぬか……』
澪:ひどい〜。それは、能力値が12って言ってますね。カードもないし、能力値も足りないから、避けられません……。皆さん、さようなら(泣)
RL:(ちょっとひどすぎたかな?)……バサラの神業《天変地異》で、瞬間移動したって事なら、避けていいよ。
澪:じゃあ、そうします。よかったぁ。でも、必殺技を避けられた、心の傷は消えません。
 『うそ……。これが、当たらないなんて』
トレアドール:ようやく出番か。《幻覚》に、〈知覚:追憶〉、〈カウンセリング〉を組み合わせて、レミーに少女時代の幻影を見せましょう(笑)。達成値は14。
 『ほら、思い出すんだ。あの頃をな……』
篠懸:何の意味があるんだ(笑)。
RL:さあ? でも、〈アイデンティティ〉で達成値15。抵抗したから関係ない(笑)。
トレアドール:とほほ。
RL:次は、ジャックか。カードが無いじゃないか。ジャック何もできない(笑)。仕方ない、〈荒事〉と、《とんずら》を組み合わせて、逃げを打とう。達成値はたったの8だ(笑)。
 『お前たち、後は任せたぞ?』
篠懸:では1番の特権で、もう一度動きます。逃げる隙をついて、〈スラスト〉で17。
 『逃がすわけには参りませんよ』
RL:レミーは動けないし。ジャックの回避も、失敗だ。
 『しまった、ジャック様!?』
篠懸:ダメージは、刺しで、6点。
RL:ちくっと通った。次は、教授か。
教授:ナノロボットをばらまいて、IANUSを破壊します。
澪:できていいんですか、そんな事?
RL:まあ、神業なら。
教授:では、《タイムリー》を、謎の剣士に。 『行け! 火星大王よ!』
RL:仕方ないな、このままだと死にかねないし。神業を使って、消えさせてもらいます。
教授:何っ?
澪:悲しいですね(笑)。

 これで、1カットがようやく終わる。RL、アクセスカードを配り直す。

篠懸:また僕からだ。三度ジャックに、〈スラスト〉で16。
RL:レミーが、〈アームズ〉の受け、17。 『ジャック様を……守るのよ!』
教授:次は私か。でも、する事がない。仕方ないので、待機。
 『こんな事なら、戦闘用
ドロイドを研究所に置いてくるのではなかったな』
澪:では、〈スラッシュ〉、《カマイタチ》、《斬裁剣》、《雷帝》で。カブトに刀から雷撃を飛ばしましょう。達成値は15です。
 『後は、貴女一人よ!』
RL:むう、これはあまり使いたくなかったんだけど、《誘惑》と、〈色事〉の組み合わせで、たぶらかしちゃる。達成値は17。
澪:何です、それ(笑)?
トレアドール:同性に使って、効果有るのか?
RL:だって、マネキンの特殊能力だもん。
澪:私に、そう言う趣味はありません!
RL:なら……、君は彼女の大人の魅力に、ふと劣等感を感じて、外れ(笑)。
 『ふん、がさつな娘ね』
澪:うっ(笑)。なら、オーバードライヴ分でもう一度、〈スラッシュ〉、《カマイタチ》、《斬裁剣》、《雷帝》です。達成値は18。
 『よ、余計なお世話よっ!』
RL:カードもないし、避けられない。ダメージは?
澪:斬りの8点に、《雷帝》が差分値の1点です。《雷帝》に防具は効きませんよ。
RL:でも、防護マトリクスは効くんでしょ? 全部、止めたよ。
澪:ううっ、情けない(泣)。
トレアドール:私の番か。神業の《守護神》を、カブトの女に。蠅の群れをわらわらと(笑)。
 『地獄の公爵、ベルゼブブの蠅に飲まれるがいい!』
篠懸:また、何てモノを呼ぶかな(笑)。
データ:うう、やだなあ(笑)。
RL:ふん、カブトの神業、《難攻不落》で無効化してやる。
 『こんなモノに、惑わされたりはしない!』
データ:では、女に〈ガン〉で撃ちます。達成値は17。
RL:ちっ、アクションランク切れで、避けられない。ダメージは?
データ:9mm弾ですから、殴りで7点です。
RL:カブトをなめちゃいけない。それだと、通らないな。
データ:とほほ(泣)。
RL:では、こちらの番だ。ジャックがマシンガンをフルオートで撃ちまくるぞ。〈ガン〉、〈荒事〉、《威圧》の組み合わせで、感情にダメージだ。フルオート射撃は90゜の射界があるから、トレアドールと澪とデータが狙えるかな。達成値は、15。
 『うらぁっ、死ね、死ね、死ねえ〜っ!』
澪:ダメージは幾つです?
RL:これも9mm弾だから、個々の弾丸は、殴りで7点。防具は有効でいいよ。
澪:なら、当たっても通りません。
RL:何だ、つまらないな。他の2人は?
トレアドール:回避に、失敗。
データ:こっちもダメです。
RL:では、フルオートの弾丸が17発出てるから、6発、6発、5発に分けて、と。
トレアドール:二人とも、弾丸1発につき4点通るから、20〜24点ダメージ!?
RL:それが、感情の制御値に全部ぶちこまれるから……。二人とも、マイナス15は行ってるなあ(笑)。では、感情の制御判定をどうぞ。
トレアドール:感情の、現在の制御値を基準に、感情の、元の能力値を目標値にする……って、成功しょうがないじゃないか(笑)。
RL:なら、2人ともスタン判定だね。スートはジャックの出したハートでいいや。昏睡してなさい(笑)。
篠懸:うっ、一撃で2人も倒されてしまった!
 しかし、RLの抵抗もここまで。アクションランクを使い果たし、何もできないジャック=合川を篠懸と澪が斬り倒し、戦闘終了である。

   シーン7 《KUROMAKU》

トレアドール:カブトはどうしたんだ?
RL:ジャックも倒れたし、これ以上戦う意味はないからね。降伏するよ。でも、いいの? 倒れた3人とも昏睡だから、放っとくと死亡するけど。
篠懸:誰か、治療系の技能は持ってないのか?
澪:もしかして……(汗)。
RL:いや、教授の〈ナノテク〉技能なら、治療技能の〈メディック〉の代わりに使える。今すぐ意識の回復は無理だけど、応急処置くらいなら大丈夫だ。
教授:では、やっておきましょう。
データ:た、助かったあ(喜)。
篠懸:そう言えば、僕の目的は全然達成されてないぞ(笑)。
RL:そうだね。でも、実はこの話、続きがあるんだな。トレアドールは……昏睡中か。なら、澪ちゃん。
澪:はい?
RL:君に、オメガからコールだ。
「ご苦労だったな。ところで、一連の事件の犯人として、和田正和が自首してきたのだが……」
一同:ええ−っ!?

〈次回に続く〉


<INTER−MISSION>

「……と言うわけで、自首してきた和田正和を連行してきたんスよ」
 モニターの向こうで、誇らしげに報告する若者。そのさらに向こうに、ブラック・ハウンドのメインコンピュータに登録されている通りのデータを持った、和田がうなだれている。
 だが、果たしてこの「和田」、は本物の「和田」なのだろうか?
「とは言っても、自首させるまでにはなみなみならぬ苦労が……って、聞いてるんですかあ、隊長〜?」
「ん、ああ。すまんな、シンマイ」
「だから、そのシンマイはよして下さいって」
 もう一度、じっくりと和田を観察する。元々目立たない隊員ではあったが、それでも自分は隊員一人一人を把握していた自信がある。
 それと、もう一つ。ブラック・ハウンドのメインコンピュータをも凌駕する程の、情報処理能カも。
 それら全てを動員して、もう一度、和田を、さらには自らの組織全てをも、観察してみる。
「……なるほどな」
「え、どうしたんスか?」
「何、貴様はまだまだシンマイと言うことだ」
「そ、そりゃあ、ゼロさんやレンズさんに比べれば……。でも、今度配属された新人よりかはマシなつもりですよ!」
 モニターの向こうのシンマイの言葉を聞き流しながら、情報を一つ一つ、確実に整理する。
 和田が自身で捕らえ、脱走させた連中のリスト。そこから分析と推理とを繰り返して、一つの結論が導き出された。
「事件が終わったわけではない。むしろ、始まったのかも知れんな」
 シンマイに聞こえぬように呟いてから、回線を切り替え、メッセージを入力する。
「ごくろうだったな、ところで……」


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