1. 虚血性心疾患
簡単に言えば、急性心筋梗塞とは、冠動脈が血栓によりつまってしまうことです。狭心症とは、動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなったり、冠れん縮(スパスム)で冠動脈内径が、一過性に狭くなった病態です。先ほどの冠動脈造影で、冠動脈内径の状態を見ることにより、明らかとなります。あくまでも、血管内腔の変化から、血管壁の状況を間接的に観ています(投影像一所謂影絵です)ので、壁の状態を直接観るためには、血管内超音波検査等を併用しなければなりません。冠動脈造影はしばしば左室造影と対になって行われます。
2. 弁膜症
体表からの超音波検査で大凡のことは、わかりますので、その補強や手術するにあたって、より正確な情報を得るために行うと言うことになります。障害された弁前後の圧較差を調べたり、造影剤を注入して、逆流の程度を調べます。
3. 心筋症
筋肉が厚くなる肥大型心筋症と左室内腔が拡大し左室収縮力が低下する拡張型心筋症に大別されます。冠動脈に狭い所がないことを確認し、心筋生検を行い、心筋を顕微鏡で調べ病気を診断します。
4. 先天性心疾患
各部位での圧力(心内圧)や酸素濃度を測定したり、造影検査を必要な部位で行います。
5. 大動脈疾患
CTやMRIの発達した現在、造影検査の役割は少なくなりましたが、目的の大動脈造影にて調べます。
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