国立長野病院循環器科
これからカテーテルアブレーションを受ける人のために
最終更新日:平成17年10月20日
 
国立長野病院
 
 
「バイキングのルーツを訪ねて」

2005年9 月3日からストックホルムで開催された欧州心臓病学会に出席した後、オスロにも足を延ばした。実際にその地域に行って、更にはその地域に関連する書物を読んでみて、改めてその地域の生活習慣、文化、風習がその地域の歴史(過去)のうえに成り立っている事を実感する。それら地域には、人々が、恐らく2000年以上前から、住み着き、生活し、時には、人類の性ともいうべき戦争を行った歴史の上に、現在の我々が成り立っている。以下、私見を記述するが、まず、地図を観ていただきたい。

バイキングで有名なスカンジナビア半島の北欧は、北海を介して英国とバルト海でバルト三国と向き合っている。カテガット海峡を挟んでデンマークとは数10Kmしか離れていない。更には、デンマークのあるユトランド半島を介してドイツとは、地続きである。バイキングであるデーン人の王カヌートのイングランドへの侵攻及び同国のデンマークへの併合の歴史、バイキングの末裔であるノルマン人が造ったノルマンディー公国のギヨームが英国に侵入し、現在まで続いている英国王室の始まりとなった事実(ノルマンコンクエスト)、スウェーデンバイキングがバルト海を越えてバルト3国に侵入、定着し、やがてそれが、バルト3国へと発展した事実は、この地図をみていると容易に想像がつき、納得できる。

ストックホルムは、ストック(丸太を意味する)とホルム(橋でつながれた島)を意味するのだそうであり、人口76万(郊外も含めると184万)人の水の都である。パリ、ロンドン、ウイーンの様な華やかさ、ゴミゴミした喧騒さはなく、悪く言えば中小地方都市、よく言えば北欧にふさわしい落ち着いた街である。水の都ストックホルムとバイキング船の写真を下図に掲載した。学会出席者が、数1000人に及んだため、ストックホルムのホテルは満杯であり、ボートホテルに宿泊した。これも、よい経験だったかもしれない。

今回の欧州心臓病学会の出席者にあまり日本人は見かけなかった。何時ものことながら、英語が不得意で、ポスタープレゼンテイションとしてしか内容が通じさせられず、所謂シンポジウム、パネルディスカッション等 英語ディベイトが必要な分野には、日本人はいなかった。演題数からの勢力分野は、ドイツが断トツで、これにフランス、オランダ、イタリアが次いでいる印象を受ける。英国は、発表数が少なかった。

学会後、ノルウェーの首都オスロに足を延ばした。世界各国には、伝説の妖精が各種いるが、北欧にもトロールという妖精が山奥に住んでおり、鼻が高く、4本指だそうである。そのトロールにバイキングハットを被せて、街中に飾ってあった。

話が、わき道にそれるが、オスロでワールドカップ予選―ノルウェー対スコットランドの試合に出くわした。スコットランドからは、大挙してあのスコティッシュスカート(恐らく正式名は違うかもしれない)を履いた人を街中で大勢見かけた。彼らは、冗談で、バイキングは、スッコトランドに進入、支配したから敵だと言った。事実、バイキングノルウェー王ハロルドは、スコットランドに侵入支配している。やはり、我々は、過去の歴史のうえに成り立っており、それを学ぶことは、教訓ともなる。試合は、予選2位のノルウェーがホームゲームであるにもかかわらず、敗北した。選手の能力は、小生の目からは、ノルウェーが勝っていたにもかかわらず。

長々と駄文を披露したが、来年は、ワールドカップドイツ大会を見に、3回目のドイツを旅したいと思っている。

 

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