第1例目の心カテを1997年6月13日に行って、1998年10月28日に1000件に達した。まずは、我々医者の我がままを聞き流して心カテ遂行に協力援助して頂いた手術室の看護婦、レントゲン技師、検査技師諸子の方々に深謝申し上げると共に、術後看護を夜も寝ず行って頂いた4階西病棟の看護婦諸君、心筋梗塞のカテ後看護に精進して頂いた4階東病棟の看護婦諸女に御礼申し上げます。1000件と言う数字を分析してみると、1000件/16カ月=約60件/月=約15件/週の速度となります。心カテは週3回ですから、5件/1回であり、1.4時間/1件の速度で症例をこなさなければなりません。普通の冠動脈造影を含めた診断カテは、1時間以内に終わります。カテーテルによる治療では、PTCAは約2時間、カテーテルアブレーションは、約4時間かかります。1000件の内容を紹介しますと、カテーテルによる治療としては、PTCA{もうPTCAという呼称は古くなったので、POBA
(Plain old balloon angioplasty (直訳すれば、単純な古いバルーン血管形成術)) と言います}
即ち、POBA単独は、64件、ステント (金属の筒と思って下さい) 135件、カテーテルアブレーションと言って不整脈をカテーテルで焼き治療してしまう方法が、44件とカテーテルによる治療が全体で
245件(約2割を占めます)です。
思えば、心カテを立ち上げる時、1000件/年の願望をたてましたが、来年は、いやいやもう2年目に入っていますから、今年は、1000件/年を達成したいと思います。この1000と言う数字は、素晴しいものです。関係者の方々は、長野県第1番という自負を持って、心カテに臨んで頂きたいと思います。この間、患者さんと話して見ますと、20年前には、カテ後死んで帰ってきた、心臓に管をいれて大丈夫か、恐ろしいと言う声を聞く一方、こんなに楽なものとは思わなかった、胃カメラの方が苦しいとの声も聞きます。我々のように熟練したスタッフが行えば、決して危険なものではなく、むしろ、内視鏡検査より苦痛はありません。
最後に、これから益々、私自身日々研鑽努力し、医療の進歩に遅れないに精進していきたいと思います。終わりに、私の座右の銘(格言)を一言記し、文章を終わりたいと思います。
All work and no play make Jack a dull boy. 言い換えれば、
All catheterization and no communication and sports and
drinking makes me a stupid man.
今後とも、宜しく、お願い申し上げます(緑が丘たより1998年)。