私たち日本は原料を輸入し工業製品を輸出する「輸出産業国」と教えられそう思っていましたが、現状は貿易赤字国なのです。その国の形を壊してしまったのは海外の需要と低賃金、そして国内労働環境合理化の魅力に大企業が惑わされ、日本国内経済は責任放棄し内需をおろそかにしてきたことによるのです。２０１３年の輸入金額は８１兆円
輸出は約７０兆円。輸入の数量は液化天然ガスでわずか０・２％増となっていますが、前年と比べ１ドル７９．５５円が９６．９１円と２０％以上の円安が過去最大の貿易赤字をつくりだしました。「原発を停止し火力発電燃料輸入が貿易赤字の原因だ」と宣伝する向きもありますが、鉱物性燃料の輸入数量は全体の１．８％しかなく、さらにその量の拡大は２０１１年から平均２．２％だそうです。前年から１５％も増えた主要因とは言えません。大企業の２０１３年海外投資は２５．９％増と国内設備投資が２．７％と対照的です。
　そして、円安でも輸出が増えていません。昔は家電、今は自動車と言われますが、その自動車も輸出が減少しているのです。各社海外生産で大儲けをつづけているからです。金銭的利益だけを追求する多国籍企業をこのまま野放しにしているだけでなく、大企業いいなりの政治を続けていては、勤労国民の生活が守れないだけでなく、日本の景気回復、経済成長は望めない状況です。