ハトシェプスト女王葬祭殿
訪問日 :2009年11月14日 11:50-12:55
入場券 :30LE(540円)
建造年 :BC1466−BC1451年 15年かけて造営
所在地 :ルクソール西岸のデイル・エル=バハリ地区
祀神    :主神殿 − アムン神 / ハトシェプスト 
          :礼拝堂 − ハトホル神 / アヌビス神 / ハトシェプストの両親
 
  ハトシェプスト女王に仕えた官吏の墓碑銘によると、「金と銀で細工された神の宮殿、その輝きで人々の顔を照らした」と言われた、
テラス式の岩窟葬祭神殿。直線を主にした3階建の葬祭殿は、迫りくる岸壁に直に接して建てられた。ここルクソール(古名テーベ)
のデイル・エル=バハリには、神殿が3ヶ所ある。向かって右(北)から順に、ハトシェプスト神殿、トトメス3世神殿、そしてネブ
ヘペトラー・メンチュホテプ神殿であるが、ハトシェプスト神殿以外は未だ廃墟となっており復元されていない。 このハトシェプス
ト女王葬祭殿も発掘当初は廃墟であったが、1961年以降徐々に復元され、今日見るように、古代の輝かしい姿を取り戻した。

 ハトシェプスト女王は、古代エジプト唯一の女王で、第18王朝(在位BC1473-1458)のファラオであったが、夫のトトメス2世との
間に息子がいなかった。トトメス2世は、妾腹の子トトメス3世を次のファラオにせよと遺言したが、トトメス3世が6歳と幼かったた
め、ハトシェプスト女王が、その後見役として共同統治し、絶対的な権力を握ってファラオになった。
  が、しかし、その後、トトメス3世によって、ハトシェプスト女王葬祭殿の女王の名が破壊され、像が横取りされた経緯から、女王
とトトメス3世との間の確執等色々な説が伝えられている。

  葬祭殿は、その後も、アメンヘテプ4世(アクエンアテン)時代に、その宗教観の相違からアモン神像が破壊され、また、第19王朝、
特にラムセス2世の治世にも、第三柱廊のオシリスの像が打ち壊された。そして破壊の総仕上げとして、コプト教徒がこの場所に修道
院を建設すると、残っていた異教徒の神々の顔を削り取った。
  ちなみに、デイル・エル=バハリとは、アラビア語で、「北部地方の修道院」という意味で、コプト教の修道院が有ったことからそ
う呼ばれていたが、現在その修道院は壊されて存在していない。

  葬祭殿とは、その名が示す通り、王の死に際しその葬儀等を行う場所と解釈されていたが、その後の調査で「王の礼拝神殿」もしく
は「記念の神殿」であることが明らとなっている。それ故「葬祭殿」と呼ぶよりは、単に「神殿」と言った方がより正確と思える。

崖の下。凄いロケーション。

葬祭殿までは、シャトルバス
(と言うよりはタイヤで走る路面電車)で行きます。
「タフタフ」と言う名前ですって!


帰りは、歩いてみました。5分位でしょうか。

左のピーク、ピラミッドの様に見える所が、エル・クルン山(テーベ峰)
見晴らし最高のようです。登ってみたいなー!

峠道と言うのでしょうか。あの道を登っていくと、「王家の谷」に出ます。
ハイキングに最適!(暑さを除けば)
歩いて行って見たかった!
ガイドさんに、ロバで行くツワーが有ると聞きましたが
私は、歩きたい。 今回のエジプト旅行で、最も未練が残った所です。
岩窟はお墓ですね。いっぱいあります。
 

タフタフからパチリ!
これに乗ると、元気で「タフ」に見学出来るから
タフタフと言うのですか?


三階建ての葬祭殿。
バックの岸壁がすごいですね。

は〜い! 着きましたよ。皆さん降りて下さ〜い。
ここからは、タフな人もそうでない人も、み〜んな、歩きで〜すヨ。

幾何学的な、直線で出来た葬祭殿。設計図面で書くときは、易しいそうですネ!
下から、第一柱廊 ・ 第二柱廊 ・ 第三柱廊
一番上の、のっぺらぼうの壁が至聖堂のある所になります。
ちなみに、撮影場所は、第一テラスです。

それにしても、バックが!
何故か、USAのサウスダコタ州ラシュモア山の
歴代大統領の顔を思い出しました。行ったことも無いのに。

第三柱廊
高い所が好きなので、第二中庭をパスして、最上階迄一直線。

オシリス神のポーズをとる、ハトシェプスト女王
(復元のレプリカ?)
 

左側側から見ると・・・

右側から見ると・・・

一番右端にあった、頭部のみの女王

左端の女王。その先は、第11王朝
ネブヘペトラー・メンチュホテプ(メンチュホテプ2世 在位BC2055-2004)神殿。

第三テラス(中庭)
最上部の列柱郎をくぐると、最上部の第三テラス(中庭)に出る。
色の変わっている所が、
岩窟の至聖所出入口。
至聖所出入口
第三テラス(中庭)の左
顔のない像が・・・
左から2番目の岩窟絵が奇麗!
(右の写真です)
   

第三テラス(中庭)の右側には、
後ろの岩肌が迫って来ます。
左が至聖所出入口、右が第三柱廊への出入口
空が青い!

第二テラスへの傾斜路と第二テラス
その先もう一つの傾斜路を下ると、第一テラスです。
ルクソール西岸の風景が広がります。

第二テラスへの傾斜路を下ると

その先端には、ホルス神が!
愚かな人間(私のことです)に、
神のきびしい眼光が!

第二テラスのハトホル礼拝堂
第二テラスの列柱廊の向かって左端にあります。
さすがハトホル神殿。ハトホル柱がいっぱい。
頭の飾りがスゴイ!見たことない。
太陽を戴いたコブラが2匹。

こちらは、第二テラス右側の「北の柱廊」
 

第二テラスよりの
ネブヘペトラー・メンチュホテプ(メンチュホテプ2世)神殿。
この手前奥で、二つの神殿で挟まれるように、トトメス3世(在位BC1479-B425)の神殿が有ります。
ここの、第二柱廊には、興味あるレリーフが満載ですが、またもや時間と、私の事前勉強不足が・・・
 

第一テラスの傾斜路
帰り道は、タフタフに乗らずに歩いてみました。

第一柱廊と巨像
デカイ! 人と比べてみて下さい。(右は拡大写真)
   

あちらキョロキョロ、こちらキョロキョロと!
岩にお墓がいっぱい。

この門は、トトメス3世の神殿?
それともメンチュホテプ2世の神殿?

そして、デイル・エル=バハリよ、サヨウナラ!