せっちん     まないた
鬼の雪隠・鬼の俎



曲がりくねった細い道を自転車に乗って行くと、それは 突然現れた。
予定時間をやや過ぎ、飛鳥を去って今日の宿、 信貴山へ行かねば
ならない時間だ。

「もう少し行ってみて、 それでも出なかったら引き返そう」と思っ
て右カーブした その先の、道路左の斜面をほんの少し下がった所に
あった。それじゃ、「鬼の俎は」と見廻すと、すでに通りすぎた
200m ぐらい手前の、今度はほんの少し坂を登ったところに発見。

飛鳥は歴史の村。至るところに古人の息吹やその跡が窺がわれ、興
味つきない。が、残念ながら時間は過ぎていく。飛鳥に別れを告げ
る時間だけは確実に迫ってくる。


訪問日     1999年4月3日(土)
見学時間  随意
見学料     なし
場所        亀石から自転車で5分

鬼の雪隠
鬼の俎
 
雪隠(トイレ)に俎とはまた奇妙な名をつけたものだ。 確かに廻りの石が、
きんかくしに見えたり、平坦な石の 表面が俎に見えなくはないが・・・。

鬼が通行人を捕らえて俎で料理して食べ、雪隠で用を 足したという伝説か
らついた名だそうですが、実はこれ、 古墳の石槨(横穴式石室)で、底板
(俎)にのっていた 蓋石(雪隠)が転げ落ちたものとか。

元の姿に復元され た合成写真が飛鳥資料館にあると後で聞いたが、気がつ
かなかった。