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第四話「魔槍! 紫電一閃!!」へ

 

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  最終話 「決戦! 香港激震!!」

シーン1

ウォーロン:「…ここは、いったん退きましょう」
チェスター:ああ、ロボが…。
天藍:「…痛っ!
 くはっ、はっ、はぁっ…」
 あー。ヘルメットが半分割れてて、髪がばさっと出てたりすると萌えるでしょうか(マテ)
RL:しかも「萌える」かい(笑)
天藍:火偏と草かんむりの間には深くて遠くて薄っぺらい溝が(笑)。
オスカー:「クックックッ、さすがだなまだ生きているとは…」
リンチュン:「…まだ、手はあります…最後の手が…」
ヒューイ:「だからみなさん、ここは!」
チェスター:「香港が…燃えてしまう」
ヒューイ:「今は…今、少しだけは…耐えて下さい…っ!」
天藍:「……」(こくん、と頷く)
チェスター:(無言で体を震わせている)
リンチュン:「先程もお話ししましたが、手はあるんです! そのためには、いったん戻らないと…!」
チェスター:「…退こう。今は、今の俺たちにはなにもできない」
オスカー:「逃げるがいい、見逃してやる…(ニヤリ)
 次はもっと楽しませてくれよ…」
天藍:「その余裕が、貴方の……けほっ、けほけほッ」
ピアス:「ふふふ…心配しなくていい、オスカー君。
 もっと、楽しいことになりそうだからね…」
RL:では、お三方撤退でよろしいか? 何かここで言っておくことなどあったらどうぞ。
颯天:捨て台詞を言ってもかっこ悪くなるだけだし、無言で撤退。
天藍:もう喋れません(笑)。
チェスター:喋ることがない
RL:了解。では、クーロンレンジャー諸君は龍脈の力でひみつきちへ。
 オスカーの方は…、ピアスの言うとおり、奴らと入れ替わりに何かが接近してくる。
オスカー:「フッ…、確かにな…」
RL:上空から接近してくるそれは、轟音と振動とともに、君の前に降り立った。
ワーズワース:「…よもやこんなことになろうとはな…。
 いかに力があろうとも、やはり、貴様などを味方と思うのではなかった」
オスカー:「我々はこれを望んでたんだよ…」
ワーズワース:「…この香港は、我々真英帝国の領土となる地。貴様などに滅ぼさせるわけにはいかんのだ。
 それに…裏切りの罪は償ってもらう」
オスカー:「破壊こそ我が楽しみ、力こそ我が存在。始めようかワーズワース卿…」
ワーズワース:「覚悟は…できているようだな!」
オスカー:「クックッ、楽しもうじゃないか」

シーン2

RL:では、オスカーには状況説明。
 君の前にはワーズワースの愛機「ウィンダミア」。全長20m。こいつと1対1ね。
 ルール的解説しておきます。ワーズワースの「ウィンダミア」は、ワーズワースの〈分心〉の装備です。エニグマそのものはアラシで、ワーズワースと一緒にファ○ィマっぽくコクピットにいると思って下さい(笑)
 ではオスカー、始めようか。
天藍:うーん、真摯な機体ですねー。どう思いますか、解説のチェスターさん^^;
チェスター:ハイ、解説のチェスターです。両者の外見から大きな能力差は感じられません。オスカーの持つ武器の性能が勝負をわけるでしょう。
RL:ちょっと見でわかるウィンダミアの装備は、右腕にキャノン砲、左腕にガトリングバルカン、頭にツノ。

 先に動いたのはオスカーだった。巨大なライトニングピアスを、まるで無造作に、目にも留まらぬ疾さで振るう。

オスカー:〈メレー〉+〈斬裁剣〉+〈無風剣〉+〈居合い〉+〈修羅〉で、達成値29です。
RL:ぐ、さすがはライトニングピアス…。〈回避〉+〈ドッジ〉で、21と。差分値8。
で…〈曲芸走行〉。

 直撃は避けたはずだった。が、かすっただけで、ウィンダミアの装甲板があっけなく弾け飛ぶ。

ワーズワース:「バケモノとは思っていたがこれほどまでとは…ッ!」

 怯むワーズワース。だが、装甲を剥がされたとはいえ、ウィンダミアの攻撃系は健在だ。

RL:ではこちらの番な。〈ファイアアーム〉で、19。武器は左腕のアームバルカン、フルオート。
オスカー:制御値でよけます、17です。で、〈見切り〉。
RL:バックファイアになるね?
オスカー:だね。

 避けようともしないオスカーの体を、砲弾のいくつかが穿った。が、オスカーは余裕の笑みを崩さない。

オスカー:「面白いじゃないか…」

 遊び半分なのだろう、オスカーは、携えたライトニングピアスをそのままに、空いた左手を振るった。

オスカー:〈メレー〉+〈無風剣〉+〈居合い〉+〈修羅〉で、15。
RL:あ、それ制御値で避けられる(笑)

 衝撃波が走るが、ウィンダミアはその直撃をうけても身じろぎ一つしなかった。

ワーズワース:「侮るな…!」

 ワーズワースの静かな怒声とともに、ウィンダミアの角から破壊光線が放たれた。
  しかしそれを受けたオスカーもまた、身じろぎ一つしない。

オスカー:「侮っているのはどっちだ…」

チェスター:予想に反して長期戦の模様となってきました。はたしてこの頂上決戦を制する制するのはどちらなのでしょうか!!

オスカー:「もう貴様と遊ぶのも飽きた…本気でいく!」

 初めて、オスカーが構えらしい構えを取った。

オスカー:〈メレー〉+〈無風剣〉+〈居合い〉+〈無明剣〉+〈修羅〉。

 回避した…つもりのワーズワースだったが、実際にはコクピット直撃を避けるのがやっとだった。
 ウィンダミアの腹部が一瞬で刺し貫かれる。機体のショートによるものなのか、ライトニングピアスの雷撃によるものなのか。ウィンダミアの全身を駆け抜ける火花。

ワーズワース:「ぐはッ!?」

 激しく揺さぶられるコクピット。弾け飛ぶコンソールパネル。打ち付けられ、破片に切り裂かれ、ワーズワースの全身から鮮血があふれた。

シーン3

 ウィンダミアは全身から火花が散り、今にも爆発しようとしている。

ワーズワース:「力及ばなかったか…。申し訳ございません、エレオノーラ閣下…」
オスカー:「なかなか楽しめたよ…、ワーズワース卿…」
ワーズワース:「しかし、タダでは死にはせん!」
オスカー:「なにっ!」
ワーズワース:「もう反動を考えなくてよくなった以上…全てをぶつけるのみ!」
天藍:む、漢だなワーちゃん。
ワーズワース:「胸部ランチャー、脚部レーザーキャノン展開! 受けるがいいッ!!」

 ワーズワースがコンソールパネルの中央にあったガラス板を握り拳でたたき割った瞬間、ウィンダミアの全身にある全ての砲塔が一斉に火を噴いた。すさまじい炎と爆発と爆風が、オスカーとライトニングピアスを襲う。

オスカー:「ぐっ、うおわーーー!」
ピアス:「ぐ…くっ。なかなかのものだね…」

天藍:あっ、あれは伝説の「ブレス●ファイアー」ッ?!
RL:ええ。熱管理しなくてよくなりましたので(えー)

ピアス:「けれど、結局は人の手によるもの…。
 オスカー君に傷を付けるには…至らないよ…!!」

 しかしその弾のほとんどはライトニングピアスに受け止められ、オスカーの所にはほんのわずかしか届かなかった。

オスカー:「くっ、流石だな。…だが、たりなかったな…」
ワーズワース:「…無念…」
RL:エニグマ、ダメージにより消滅。よってその装備品であるウィンダミア消滅。
 オスカー、君の前に息も絶え絶えのワーズワースが転がっているが。
オスカー:「フッ、もうお前に興味はない…」
チェスター:…スプラッタシーン?
オスカー:「メアリー! どうせ聞いているんだろう、どこへなりとこいつを連れて行け!」とどめさす気もないから。
メアリ:「…ワーズワース…さま…」
天藍:む、修羅場?(をひ)
メアリ:「わかっています…ワーズワースさまに伺っていましたとおり…もう、手段は選びません…。
 わたし…この身に代えても…閣下だけはお守りして見せますから!」
RL:そう言い残して、メアリはオスカーをキッ、とにらむと、ワーズワースとともに、姿を消した。
天藍:む、逃げた?
RL:で、シーン終了です。

シーン4

RL:ではお待たせしました。クーロンレンジャーひみつきち。一部始終は見てました。
颯天:ちっとも希望が見えてこない気もするのだけどー(笑) 「で、最後の手段ってのは何なんだ?」
天藍:「…あ、圧倒的じゃない」
リンチュン:「では…皆さん、聞いて下さい。
 今現在、奴らのエネルギーは強大すぎます。
 先程の戦いでおわかりかと思いますが、今のままでは、私たちの力は封じられ、戦いにもなりません。
 ですが…実は、私たちも、全ての力で戦っていたわけでは、ないんです。
 今までの九龍大帝は、本来の力の半分も出せていませんでした」

 そこでリンチュンは、続きを言いにくそうに少し、口を閉じた。

天藍:「つまり、全力でかかれば勝ち目はある。でも、それができなかった理由がある。というわけね?」
リンチュン:「ええ。
 …今までは…私達…三体、欠けていましたから…」

 辛そうに、コレットを見るリンチュン。

コレット:「・・・・・!」
リンチュン:「九龍がすべてそろったとき、力には相乗効果が生じます。
 ただ単に6が9になるだけではなく。いままでよりはるかに大きな力となることができるんです。
 ただ…2つ、問題があります。
 一つは、その力を行使する皆さん自身が、それに耐えられるかと言うこと。
 もう一つは…コレットさんの延命に回す力がなくなりますから…、
 場合によっては、コレットさんが命を落とすと言うこと…です」
チェスター:「つまり一発勝負の速攻に限る、ということか」
リンチュン:「はい」
颯天:「時間の余裕はどれくらいある? それによっては却下だ」
リンチュン:「わかりません。コレットさんの頑張り次第です」
ウォーロン:「それに、あぶないのはコレットちゃんだけじゃないわ。
 さっきリンチュンが言ったとおり、貴方達にもかなりの負担がかかるの。
 戦いより前に、私達の力自体で、貴方達が壊れることだってある」
ヒューイ:「…他に手段はありません。けれど、わたしたちには、無理強いはできません。
 だから、伺います。
 やって…くれますか…?」
天藍:「……わたしは、大丈夫。これでも風水師の端くれなんだから。
 貴女たちの力くらい、制御してみせるわ」(微笑)
颯天:「他に方法がないのならやるしかないだろ。時間もなさそうだしな」
チェスター:「同感だ」
コレット:「はい…わたしだって、覚悟はいつでもできてます。
 使って下さい…わたしの、命を…!」
颯天:「自己犠牲という名の自己満足で死に急ぐな。終わるまで絶対生きてる、くらい言ってみせろよ、な?」
コレット:「あら。皆さんなら使っても返してくれるって、信じてるだけですよ?」

 少し無理は見えるが…コレットは、軽い口調でそう言って見せた。

颯天:「……よし、悲劇に酔って言ってるわけでもなさそうだな。遠慮なく使わせてもらおう」
天藍:「利子つけて、返さなくちゃね?」
チェスター:「そうだな」

 その時、基地の奥から、何者かの声が響いた。

???:「…こんなこともあろうかと…調べはつけておいた…」

 ひみつきちの隅から姿を現したのは…

ワーズワース:「最期に…貴様らに、伝えておくことがある…クーロンレンジャー!」
天藍:わ、ワーちゃん?!
チェスター:ワーズワース!!

 吐き出すように言った声とともに喀血するワーズワース。彼に肩を貸しているメアリは、辛そうに、だが目を逸らさずに、そんな彼を見ていた。

ワーズワース:「…奴は…オスカーは…放っておけば、この香港を…そしてすべてを…破壊し尽くすつもりだ…。
 私と貴様らは、もとより敵同士…だがしかし…香港を失うわけにはいかない…その点では、一致しているはずだ…。
 だから…貴様らに、これを渡そう…」

 ワーズワースが差し出したのは、禍々しい模様の刻まれた一つの指輪だった。

ワーズワース:「本当なら…貴様らに、この呪いをかけるつもりでいたのだがな…」
天藍:「……」
ワーズワース:「先程、私がオスカーに放った最後の攻撃のとき…通常の砲弾に紛れ込ませ、この指輪と対になる『針』をライトニングピアスに撃ち込んでおいた…。
 その指輪を持つ者に対しては、『針』が撃ち込まれた者の持つ力は激減する。九龍の力とて、例外ではなかったはずなのだがな…。
 試す機会は、もうなさそうだ」
颯天:「呪いなんていうのは、正直気に入らないが……今はそんなことも言ってられないか」指輪は一つだけですよね?
RL:そう。でも、誰が持つかは考えなくていいよ。
颯天:あ、そうなの。
天藍:FFのラスボス対策パーティアイテムのようなものね。
チェスター:ぶっちゃけた説明だ(笑)
RL:わかりやすいなあ(笑)
天藍:「そうね……分かった、わ」(指輪を受け取ろう)
ワーズワース:「・・・・・・」
天藍:「目的や存在価値がどうあれ、貴方は“紳士”だったから。……1回だけ、信じてあげる」軽く目礼。

 もう、ワーズワースには話す余力もないようだった。
 真意のつかめない笑みを残し…彼は、がくり、とうなだれた。

メアリ:「ワーズワースさまっ…!」
天藍:「諸行無常、因果流転。いずれ彼も自然の風と水に溶けて、また戻って来ることもある」
颯天:「……ちゃんと、正面からやりあいたい敵ではあったがな……残念だ」
チェスター:「負けられない理由がまた一つ増えた、な」
メアリ:「・・・・・・」

 メアリはあふれる涙をぬぐおうともせず、君たちを見る。

メアリ:「もう一つ…わたしから、渡したいものがあります」

 メアリが差し出したのは、一発の弾丸。

メアリ:「この中には、私のブレンドから作った、特殊な薬品を入れてあります。
 わたしのいつものブレンドは、巨大化とともに、ジェントリの力を増しますが、これは、ただ単に大きさだけを大きくします。
 場合によっては、被害が広がる恐れはありますけれど…、あなた方が巨大ロボで戦うおつもりでしたら、的を当たりやすいものにすることになるでしょう」
颯天:いきなり撃ち込んで、巨大化が効くのかという問題があるな。《耐久》発動状態に持ち込まないと効かないとか。
メアリ:「効きます。ええ、それはもう問答無用で。
 ですが、先程も言ったとおり巨大どうしの戦いは被害を広げます。使うかどうかはお任せします。
 わたしも、何かお手伝いがしたかっただけですから」
颯天:常識で言うと、巨大化は被害広げるだけで論外なんだけど……うーむ(悩)。生身で歯が立たなかったら使う?(笑)
RL:そうだね。それでもいい。
チェスター:いや、きっと歯が立たない。でも試すのはありかな。
RL:そのとき使えば、巨大化伴うパワーアップがなくなる。ロボ呼べば、相対的に弱くなるな。
天藍:じゃあ、展開次第ね。
颯天:とりあえず、生身で行こう。
RL:じゃ、まず生身で戦う?
颯天:そういうことで。

シーン5

RL:オスカー君、君たちの前に三人が出てくるよ。
 クーロンレンジャー諸君、どうやって登場する?
颯天:別に小細工する必要もないだろ。
チェスター:正面から堂々と。
オスカー:「早かったな、少しは強くなってきたのか?」
天藍:「……」(くす、と小さく微笑)
チェスター:「それはすぐにでも分かるさ」
颯天:「その身で確かめてみろ」
ピアス:「…オスカー君…面白いことになりそうだ…」
オスカー:「自信ありげだな、楽しみだな…」
ピアス:「キミも心した方がいい…私の力が、まるで働かないよ…」
オスカー:「なにっ! フン、ならば本気でいくか!」
RL:では、カット進行にいこうか。

チェスター:「オスカー、犠牲となった多くの人に代わって貴様を討つ。クーロンチェンジ!!」
オスカー:「来るなら来い!」

 チェスターの刺突がオスカーを狙う。他愛もなくさばける、と思ったオスカーだったが、予測をはるかに超えた一撃が、次の瞬間オスカーを捉えていた。

天藍:やた、当たった!
ピアス:「…なんだ、これは…。
 私の力が封じられているのは…先程のワーズワースの呪いのせいだろうが…なぜ、オスカー君までが…?
 …これは…奴らの力が増しているのか…先程とは比べものにならないほどに…?」
天藍:行け行けちぇすたーっ!

 刹那の見切り。致命傷だけは避けたものの、チェスターの刃はオスカーの片腕を貫き通していた。
 オスカーは怯まず、片手で巨大なライトニングピアスを軽々と振るうと、チェスターに逆襲の一撃を見舞う。
 余波の衝撃だけで、周囲のガレキが粉々に吹き飛ぶほどの一撃だった。しかし、チェスターはそれを正面から受け止めて退ける。

天藍:チェスターすごーい(感嘆)
颯天:さすがはカブトだ。
チェスター:「どうした、その程度かオスカー」
オスカー:まぁ、回避は悪くなったから…っってなんできかないの!
チェスター:それは、カブトだから(笑)
天藍:わっ、わたし狙われると1撃で死んじゃいます……(笑)。

 そして、その隙に氣を練り上げていた颯天の拳が、片手でそんな威力のある一撃を放ち態勢を崩したオスカーを襲う。

颯天:「《絶・黄龍輝煌閃》ッッ!!!!」
オスカー:神業発動! 《難攻不落》

 必殺の隙を捉えた…はずだった。だが、オスカーはライトニングピアスの巨体を有り得べからざる速度で引き戻し、それを受け止めた。

天藍:防がれたッ!

 二度。倒されていて不思議のない一撃を凌いだオスカーだったが、それだけに三度目の隙は致命的だった。

天藍:「青龍疾牙! お願い……当たって!」(セイラさん風味)
オスカー:うぐー、カードが駄目駄目だー!…
天藍:やりっ☆

 颯天の痛烈な一撃を防ぐため、地に突き立てたライトニングピアス。天藍の矢は、オスカーがそれを引き抜くよりもはるかに疾かった。

天藍:「この街は……私たちが護るッ!!」

 オスカーの胸を貫く矢。それとともに、大きな衝撃が全身に襲いかかっていた。ライトニングピアスを握りしめ、弾き飛ばされこそしなかったものの、衝撃で全身が大きく跳ねる。
 …そう、大きく跳ねただけだった。バラバラになるのが当然の威力であったにもかかわらず、オスカーはダメージこそ受けてはいたものの、持ちこたえてクーロンレンジャー達の方を向き、ニヤリと笑うと叫んだ。

オスカー:「クーロンレンジャー!まだ負けたわけではない! 真の姿をみせてやるっっ!
 ぐうぉぉぉぉぉ!!!!」

 オスカーの姿が異形に変ずる。

天藍:「……いけない。禍々しいちからが、彼に集まって、いくわ?!」

 全身が黒く巨大な人影、無数の黒き突起がうごめく…。そのなかにただ一つだけ血の色をした瞳がクーロンレンジャーを睨みつけていたっ!

天藍:こ、これはあの弾丸の出番かしら?^^;
RL:撃つんだったら異形化にインタラプトで撃っていいよ(笑)。
天藍:「お願い……力を貸して!」

 天藍は素早く、メアリに渡された銃弾を装填し、不気味な姿に変ずるオスカーに向け放った。
 外れようのない大きさとなっていたオスカーだったが、それだけにそんなちっぽけな弾丸などものの数ではないはずだった。現に、それを受けても痛くもかゆくもなかった。
 だが、異常にはすぐに気づいた。
 巨大化はした。異形化もした。だが、それに伴うはずの力の増大が、まるで感じられない。

オスカー:「ぐぉっ! なんだ、これは…、くっ、メアリの力かっ!!!」
リンチュン:「今です、皆さん!」

 声と共に、三人の周囲に出現する九つの龍の姿。

リンチュン:「真龍神合体と、叫んで下さい!」
チェスター:「真龍神合体!!」
天藍:「真龍神合体!!」
颯天:「真龍神合体!!」

 叫びと共に、まず九龍大帝が完成する。そして残りの三体が、鎧と巨大兵器となって九龍大帝を覆う。

リンチュン:「これが、私達の真の力」
九龍:「九龍真帝!!」
オスカー:「おのれ、おのれ、おのれ!!!!」

 自分が思うように力を振るえないのに対し、九龍達は今初めて全員が揃い、その力は頂点に達していることが、オスカーには見て取れた。
 純粋な力であるが故に、オスカーには、彼我の力の差がはっきりとわかってしまった。
 闇雲に振るうライトニングピアスは、九龍真帝を捉えはした。しかしそれが九龍真帝に、何らかのダメージを与えた様子はなかった。
 そして、反撃。九龍の、真の力は圧倒的だった。
 一撃。それで、すべてが事足りた。
 巨大な姿となったオスカーはそのまま形を失い、ぐずぐずと崩壊していった。

天藍:うしっ。

 その後に、一本の槍が残る。

ピアス:「ふふふ…楽しかったよ、クーロンレンジャー諸君…。
 そうさ、これで終わりだ…すべては、壊れていくんだよ…私達もね…。
 そして、最後にはなにもかもが崩れ去る…」

 槍の姿のままであるにもかかわらず、ピアスがそこで、黒いわだかまりでしかなくなったオスカーの方を見たのがわかった。

ピアス:「ああ…なんて素敵なんだろうね、オスカー君…。
 キミと一緒に壊れられて…私は…幸せだよ…」

 そう言い残して、残った一本の槍も、がらがらと崩れ落ちた。

チェスター:「終わった、のか」
天藍:「……そうね」
コレット:「みなさーんっ!」

 そして、遠くから手を振るコレットの姿。
 激しかった戦いも…終わったのだ。

シーン6

 ライトニングピアスが滅び、オスカーは倒れた。
 しかし、その爪痕までもが消えるわけではない。
 オスカーによって廃墟と化した香港の街並みを見、言葉もなくたたずむ少女。

メアリ:「…エレオノーラ閣下…」
エリー:「・・・・・・」

 心配そうに声をかけてきたメアリに答え、ようやく口を開くエレオノーラ。

エリー:「わたしたち…なんてことしちゃったんだろう…」
メアリ:「閣下…」
エリー:「『閣下』はやめてメアリ。わたしは、『真英帝国の名の下に世界に秩序をもたらす』っていう目的を達成することも、その逆に皆を止めることも、どっちもできなかったんだから…。
 クラウ=ソナス総司令官なんて言ったって…わたしには、何もできなかった…」
メアリ:「閣下…いえ、エリーさま」

 メアリは一旦言葉を切りそして、厳しい顔で口を開いた。

メアリ:「はい。率直に言って、エリーさまは…良くも悪くも、何の役にも立ちませんでしたね」
エリー:「・・・・・!」
メアリ:「だからこそ、エリーさまにはまだまだしなければならないことがいくらでもあるはずですよ」
エリー:「メアリ…?」
メアリ:「ワーズワースさまは最後にわたしに、どんな手段を使っても…クーロンレンジャーを頼ってでも、エリーさまだけは守り通せとお命じになりました。
 ワーズワースさまはわかっていたんです。エリーさま、貴女が旧王家の血を引いていたばかりに、クラウ=ソナス結束の象徴として利用されただけだということが」
エリー:「…そうよ、わたしはただの…」
メアリ:「けれど」

 自嘲気味な表情で何か言いかけるエリーを、しかしメアリは遮る。

メアリ:「ワーズワースさまは、貴女が、強い意志と、それを成し遂げるだけの力を、いずれ身につけるであろうことも、わかっていました。
 旧王家の血を引く貴女が、その意志と力で、この今の世界で何かを成し遂げることができたなら…ワーズワースさまの志も、全てが間違っていたことにはならないと、そう思ったからこそ、ワーズワースさまは貴女を案じられたのです。ただのお飾りを後生大事にする方でないことは、貴女も御存知でしょう?」
エリー:「でも…」
メアリ:「すぐに振り切れとは申しません。立ち止まってうつむいて悔やんで泣いて苦しむのも仕方ありませんし当然だと思います。
 けれど、いつか。いつかは前へ進んで下さい、エリーさま。それがワーズワースさまのご遺志です。
 そして、エリーさま。もしもお邪魔でないのなら、わたしも、それにお供致します」

 メアリの言葉通り、エリーは、すぐには歩き出すこともできなかった。
 だが、メアリの言葉には、かすかに頷いて見せた。
 そんなエリーに、メアリはほほえみかける。

メアリ:「さあ、お茶にしませんか?」

シーン7

 真英帝国国土奪回軍香港方面隊クラウ=ソナスの、そして、「邪悪な存在」の化身であったライトニングピアスとオスカーの、脅威は去った。
 その後…、

 颯天は。

颯天:九龍の力を借りなくても、変身後くらいの技を身につけるのを目標として、修行の日々に戻る。
 ……そういや、ペドロは生き残ってる?
RL:何とかね(笑)
 何度か大宇宙の大いなる意志の世話にはなったろうが(笑)
天藍:踏まれて、潰されて、らーらーーらーららー(笑)
颯天:じゃあ相変わらずペドロとは日雇い労働者仲間として仲良くやってこう(笑)。
RL:では最後に、一言どうぞ。
颯天:じゃ、修行中にふと手を止めて、「……これも確かに破壊の力だが……それ以外の使い道を、きっと見つけてみせる」と。

 天藍は。

天藍:えーと、やっぱりHEAVENで占い師を続けます。
 コレットは助かってますよね? これからもお友達〜。元気になったら、女人街をショッピングしたおすのだ(笑)。
RL:うん。あの一件以来、彼女はかなり元気になっていて、念願だったショッピングも果たすことができました。
RL:では、天藍からも一言お願いします。
天藍:「いろいろあったけど、HEVENの風水も元に戻ったみたいだし。
 あとは……んー。素敵な彼氏が欲しいなぁ。自分のことだけは占えないし」(くすくす)
 そう呟いて太極図をひっくり返し、街に出かけます。

 チェスターは。

チェスター:んー、ヴィル・ヌーヴに戻って組織の再編ですね。本当に全滅してるかどうかも確認してないし。
「結社を復興させなければ、またこのような事態がおこりかねない」
 そうつぶやきながら香港を後にする、ってところでしょうか。

 そして、そんなみんなの脳裏に響く声。

 みなさん、本当にありがとう。
 名残は惜しいのですけれど、私達も、本来であれば、皆さん達人間には過ぎた『力』。
 このままとどまることはできません。
 けれど、あなたたちのことを、私達は決して忘れません。
 できれば、皆さんも忘れないで下さい。
 この香港の地に、私達がいること。
 そして、私達は同じ世界にいること。
 いつも、私達は一緒だと言うことを。

「香港戦隊クーロンレンジャー」終劇   

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