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スパークプラグ

スパークプラグはその一部分ではあっても燃焼室の様子を窺い知ることが出来るパーツなので、これが燃焼状態の目安にはなると思う。それにこの種類の違いによってどの様な変化があるのかも興味深いところ。

R1100Sはプラグホールからピストン頭頂部を簡単に観察出来るので、カーボンの付着状況もわかる。ちなみに今のところ左右のピストン共、見える範囲で怪しげなカーボンの付着や異常燃焼の気配は無い(2001/08/31)。

99/11/22 18118 プラグ交換  プラグをデンソーイリジュウム(IQ24)に交換。標準のプラグは側方2極、又は3極なので、イリジュウムとはいえ、コンベンショナルタイプなので、吉と出るか凶と出るか、結果が楽しみ。
00/04/04 18331 今年初乗り やはりデンソーのイリジュウムは良い。燃焼状態が良くなったと言うか、角が取れたようなマイルドな回り方になった。具体的には今まで6速2000rpm以下からの加速は殆ど出来なかったのに、ノンスナッチでナント1600rpmから加速する。したがって60Km/h前後で流れている場合、6速をキープ出きるようになった。燃費も少しは改善するだろう。
00/05/26 22303 点検
スロットル調整前のプラグIQ24の状態。右は側方電極が焼け、中心電極の碍子と共にデポジットが付着している。












右側のスロットルが早く開き、アイドリングから僅かスロットルを開けたときに振動が増えた為、同調が取れていないと判断し、右側のアジャスターを遊びが増える方向に調整した。結果振動が減少(同調が取れたと思う)バキュームゲージが無くても音や振動だけで十分調子は解る。

 インジェクターのガソリン吐出量が必ずしも左右均等ではないかもしれない(少量の時)ので、100%バキュームゲージに頼っても良い結果が得られるとは限らないような気がする。

調整後、新品のIQ22に交換して約300Km走った状態。まだ右が薄め(早く開き過ぎる?)ではあるが、デポジットの付着は改善した。
00/07/16 25201 プラグコードにシールドを施してみた  ノロジーホットワイヤーを真似してシールドを施してみた。
プラグはイリジュームからNGK BCPR7ETに変更。感想は排気音がマイルドになった感じで、アクセルレスポンスもカッタルイ。点火時期が遅くなった印象で、燃費も少し悪化。
本物はきっと優れているのかもしれないが、今回の実験は失敗のような気がする。
 シールドを外し、再びイリジュームIQ22に交換したら、明らかにアクセルレスポンスが良くなった。
写真はシールドを施して約1500Km程走行後のプラグの状態。イマイチの感じ。
01/07/08 35800 プラグ交換 プラグを デンソーIQ01−24に交換

 エアフィルターが目詰りしており、イリジュームIQ22はかなりくすぶり気味だった。約15000Km使い、側方電極が斜めに減っているような気がしたので、デンソーのイリジュームレーシングに交換した。
このプラグの熱価はNGKの8番程度、中心電極は0.4mm、側方電極には0.8mm角のプラチナチップが付いている。

通常のプラグと異なるのは一見すると側方電極の形状だけだが、それより3200円でここまでやる?と云うくらい造りが良い。金属のボディー部分は総削り出しに見えるし、普通ネジ部は転造がほとんどだと思うが、これはネジを切削加工している?
デンソー製のプラグには従来から他社製品に較べサビの発生が少ないメッキの質や造りの良さを感じていたが、このレーシングはスペシャルメイドと云える位美しいしカッコイイ。勿論カッコ良さが性能に直結するとは限らないが、大体カッコ良いものは性能も良いような気がする。

レーシングと銘打っているだけに、熱価はこれ以上のホットタイプが無いのは仕方ないとしても、R1100Sの指定プラグはボッシュのFR6LDC。これは中心電極が燃焼室にかなり突き出た側方2極タイプで熱価はデンソーでいえば22番。スパークする位置と方向が全く異なるこのIQ01−24とSとのマッチングが興味深いところ。

タイヤが新品になり、フィルターを掃除したのとプラグが新しくなったのでSは生き生きと走るようになったが、まだ色々なシチュエーションを走っていないので今のところこのプラグの実力は不明。
01/07/14 36972 プラグについて 高性能といわれているプラグはなぜ高性能なのか・・・・ん? (^^;

18000Km走行以降継続してデンソーのイリジュームプラグを使用しているのだが、普及品のプラグとの違いは一体どこにあるのかちょっと真面目に考えてみた。
高性能プラグは着火性能が良いというのが一般的な評価だが、燃焼室内の混合気に着火さえ出来れば例えスパークが強かろうと弱かろうと関係ないと思うし、高性能プラグだからといってそれ自体が燃焼状態を改善するとは思えないからだ。

燃焼のメカニズムは私のような素人には知る由もないが、別の愛車CBR250RRは充分なパワーを伴なって19000rpmまで回る。この時気筒あたり一秒間に約158回の燃焼が行われている訳で、一行程ナント0.0063秒という驚きの短時間。しかも実燃焼時間はもっと短くなる計算。
ごく普通のタイプのプラグでもこの高回転域で100%着火に成功しているとすれば、着火させるという役割からすれば全く問題無いといえる。

R1100Sを仮に7500rpmまで回すと燃焼は気筒あたり約62回/秒となり、一行程0.016秒。多用する4000rpmなら0.033秒。CBRの高回転域に較べ約5倍の燃焼時間の余裕があるから、例えボアが倍でも燃焼が間に合わなくなるとはとても思えない。ということはプラグの能力はそのスパークが混合気に着火させられるか失敗するかの二つに一つで、常に燃焼全体に関わる訳ではなく、種火を点けることさえ出来れば、どのようなプラグであっても以降の燃焼の進行具合には無縁と思われる。

そこで実際高性能プラグを使用したときに感じられる滑らかさが増した回り方は一体何故なのかと考えた時、これは普通のプラグが空燃比の変化等によって時々燃焼をサボっているのに対し、高性能プラグはサボル回数が少ないのではないかと思えてきた。
例えばサボル回数が5%から2%に減ったとしたら、Sの場合レブリミットで秒間3回、CBRなら8回失火するところを、それぞれ1回と3回に減る。となれば6速100Km/h(3300rpm)付近での振動がかなり減少したのもうなずける。

でも実際はこんな仮説が成り立つほど単純な世界ではないだろう(^^;

ちなみにレーシングプラグのスパーク位置が奥まっているのは高圧縮化によるピストンとの干渉を避ける為だと思われる。
01/08/10 37000 プラグ交換 デンソーIQ01−24レーシングは熱価が高過ぎ、やはりかなり燻り気味だった。高回転域(5000rpm以上)を常用するとスロットルレスポンスも多少「良いかな〜」という感じだが、5000rpm以下を常用しているペースでは、コーナー進入時にスロットルをアオってシフトダウンを繰り返す時など、明らかに失火の回数が増えているのがわかる。ひどい時はストールしそうになったり、アイドリングでもイキツキが起きるので、これはやはりサーキット専用のプラグということになりそうだ。
但し燃費の悪化は無かったので、もう一つ熱価の低い#22があれば又違っただろうと思われる。

再度IQ22に換えたところ、スロットル全閉から開け始めの所での失火も無くなり、アイドルも安定した。
01/09/25 40978 プラグ交換 約3000Km走行後IQー22をチェックしたところ、焼け型にもかかわらず燻っていたので変だと思い、念の為にエアクリーナーをK&Nから純正に戻した。
プラグも僅かしか使わずに勿体無いと思っていたIQ01−24に取り替えて300Km走行後再びチェックしてみた。
熱価が高過ぎて使えないと思っていたIQ01−24はナント「こんがりキツネ色!」
燻りの原因は熱価やプラグの形状ではなく、クリーナーの容量不足だったと思う。
峠を回し気味で走ったり、高速道路を6速6000rpmあたりまで回してみても燃費の悪化は少なかったので、おとなしく常識的なツーリングペースでは燃費も向上すると思われる。

これについては記録/その他にも書いてあります。
01/10/18 41542 プラグ比較

左がK&Nエアーフィルターを付けていた時のIQ−22、右が純正フィルター(15000Km使用済)を付けてから約900Km走行したIQ01−24レーシングの様子(両方左シリンダー)。
このIQ01−24はK&Nを使っていた時に一度装着して、写真左のIQ−22と同様の状態になったものを再装着。

純正フィルターの時はIQ−22も24も中心電極の碍子は白っぽく焼けていたのに、S用K&Nではこうなる。

但しすべてのK&Nフィルターが容量不足かどうかは解らないし、良い結果を得られる車種もあるだろう。
純正に較べいかにもヘビーデューティーな作りと、繰り返し使えるのはランニングコスト削減という面からも大いに魅力なので、改善を望みたいものです。
03/05/30 55188 プラグ点検 52524Km時点でNGKのイリトップ7に交換済み。中心電極が若干燻り気味なのでエアーフィルターも掃除した。デンソーIQ01−24は約1万キロの間好調を保っていたので、又デンソーでも良かったのだが、たまたま立ち寄ったショップにNGKが置いてあり購入した次第。

交換しても調子は変わらず、マシンは相変わらず好調。

上が左、下が右

ちなみに14000Km使ったエアーフィルターは砂や小さな虫のテンコ盛り。購入当初から気になっていたインテークダクトの位置のせいか、吸入口に網をつけてもやはり砂は進入する。
ダクトの入り口が格子状になっているにもかかわらず以前はトンボ等のけっこう大型の虫が侵入したので、それらが入らなくなっただけでもヨシとしなければ。
手持ちの新品フィルターが無かったのでエアーを吹いて再使用。
04/04/13 63895 プラグ交換 NGKのイリトップ7は焼け具合からしても全く好調だったが、1万1千キロを走行して側方電極が斜めに減ってきていたこともあり、デンソーのVK22に交換した。

碍子が若干短かったりギャップも多少広めの様な気がするから、オリジナルのボッシュ製側方2極とははなっから仕様が異なる。
中心電極がイリトップ7より細く、側方電極にはプラチナチップが埋め込まれていたりして耐久性が良さそうなので買ってしまった。
熱価も合っているし始動性は良好なのでよしとするか(^^)
07/04/12 91924 プラグ交換 久々にプラグを新品にした。

左NGKBKR6EIX、右イリトップ7
63895Km時点で交換したVK22は、何故か調子イマイチな感じだった(イマイチなのは他に原因があったかもしれない)ので、多分1万キロ程度使ったところで再び使い古しのイリトップ7に交換。

結局写真のイリトップ7は延べ2万5千Km使った勘定。
これを見る限りあまり良好な燃焼状態とは言えないので、普段は3000rpmも回さないから熱価を1番落としてみた。
07/05/17 94413 チェック
約2500Km走行後。左(左シリンダ) 右(右シリンダ)
9万キロ以上走っても右シリンダの燻ったような様子は新車当時と変わらない。左は良好。
ガスが濃い訳ではなくオイル上がりか下がりのどちらかか?。

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