アザミ岳
のぞきやま

左奥が小日影山
その手前が除山
さらに手前が1650ピーク
標高 ────────── 2041m
三角点 ───────── 三等
山頂の展望 ─────── なし
国土地理院2万5千分の1 ─ 信濃大河原(南東)
登山道の状況 ────── 踏みあと程度
山行メモ:大鹿村の民話集によると,南北朝の時代に大鹿村に隠れ住んでいた宗良親王が,釜沢集落の視界と空をさえぎる山を見上げながら,「もしこの目の前の山が除かれたなら,もう少し都が近くなる気がするのに・・・」と話したことから,村人たちが除山と呼んだと書いてあった。

確かにこの山は,山好きでない人にとってはじゃまかもしれない。それぐらい里に近くて高い。だからこそこの民話には信憑性があり,人間の情がからんだ深い歴史のある山だといえる。登高意欲はそんな民話からもわくものである。

浅太郎さんを前の晩にさそって二人で出かけた。車は荒川荘を通過して湯オレ沢の手前の路肩に停めた。登り始めはけもの道だらけの急斜面を適当に登る。左にアカマツや落葉樹,右にカラマツを見ながら,二回の平坦地を越えて主尾根のコルまで1時間40分だった。岩がちなところは左にちゃんとけもの道がある。下草もなく登りやすい。

取り付き

支尾根

主尾根

ここまでは順調だったが,主尾根は石灰岩の崖が行く手をはばみ,危険な巻き道が最低2箇所はある。登る人がいるのか,赤テープをたどれば迷わないが,その赤テープがまばらで見つけにくい。巻き道がわからず,途中で引き返すことが何度かあった。このコースの下りは特に危険だと思う。平坦地はきれいなシラビソ林なのだが。

巻き道から岩壁を見上げる

シラビソ林

山頂はシラビソの静かな森だった。奥を見ると,幅5mほどの古い伐採跡がずっと向こうに続いていてなんとも不思議な気がした。
尾根を進んで1度下って登り返すとそこが最高地点。さらに進むともっと大きく下って鞍部となり,厳しい登りを我慢すると2128ピークだ。

三角点

古い伐採跡

最高地点

2128のピーク直下の南斜面はきれいな草地になっていて,向こうには奥茶臼山や前茶臼山が見えた。少し下るとダケカンバの林から小日影山手前のとがったピークも見えていた。

草地

奥,前茶臼山

開けた林

いずれ小日影山にも登ろうと,この尾根を下ったが,最後まで危険はなく,草も潅木もなく,この道は平易な安全道といえる。小日影山などという超マニアックな山も,このルートなら簡単日帰り山になってしまうだろう。

森林浴の下り

石灰岩地帯

トンネル横に出た

今回の除山に登るにしても,少しでも安全に登るためにはこのルートが断然いい。小日影山は2128ピークからさらに奥に若干の絶壁があり,巻くようなことがネットにも出ている。地形図上の最後の崖マークは実際にはないそうだ。機会があれば私も登ってみたい。

撮影日:2005,4,28
撮影地:夕立神パノラマ公園
撮影者:管理人
ルートマップ
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものである。(承認番号:平16総複、第286号)
なお、地図の彩色等はカシミール3Dを使用しています。
投稿写真(撮影者:記載なしは管理人)


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