空木岳のコマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)
ある人から、木曽駒ケ岳のコマウスユキソウと空木岳のウスユキソウはちょっと違うんじゃないかと言われたので調べてみました。管理人は植物の専門家ではありませんが、万に一つ、今後の専門家の詳しい研究のとっかかりになればと思って写真と若干の感想を載せます。今回は空木岳(2005、7、9)の調査結果です。
@
・木曽駒周辺で見慣れている、いわゆるプロパーなコマウスユキソウが空木岳にも普通にあります。
・図鑑(保育社、山と渓谷社)を見てもこれだと思います。
・記載されている特徴は、
頭花は2〜3個
そう果は無毛
ですが、まだ果実にはなっていないので無毛かどうかは不明です。
A
・頭花が4つの個体がありました。それから、花びらのように見える白い毛だらけのものは葉っぱで、総苞葉(そうほうよう)というそうです。

・でもその総苞葉が@のものと少し雰囲気が違って見えます。
B
・上の個体は1本だけ頭花が4つですが、この個体は株全体が4つのように見えます。
AもBも中心の花は黄色になっており、成長の段階は@とほぼ同じだと思います。背丈も@と変らないです。
C
・この株もみな4つだと思って写真を撮ったら中心に写っている茎は5つめが左上にもありました。
・総苞葉はなんだかすごいことになってきて、@のかわいらしいイメージと離れてきた感じがします。
D
・上のCの株を横から撮りました。根元から測れませんが、背丈は8〜9cmあります。
・図鑑では花茎は4〜10cmと記載されているので、特に大きいとは言えません。
・しかし、横からみても@のプロパーとはなんか違う感じがします。
E
・ピンボケですが、完全に花は5つです。頭花は2〜3という記載から2個もはずれてきました。ということはコマウスユキソウじゃない?それとも2〜3だけど、時に4や5や6も・・・・ありますよ、ということでしょうか。そこは専門家の方にお願いします。
F
・花の数は3つですが、今度は総苞葉が長い個体。
・保育社の記載では、
総苞葉は5〜10個
長楕円形ないし線形
長さ5〜16o
となっています。
・線形もありです。でも16oよりは長いかな。
G
・この株も細葉です。頭花は3個がほとんどです。
H
・この株は頭花が4個の細葉タイプです。
I
・こんなウスユキソウ、初めて見ました。地球温暖化?それとも逆に寒冷化?
下の野帳は長さが16.5cmです。
J
・Iの拡大です。時期がまだ少し早いので、まわりの花が埋もれています。
K
・時期が早い花はこんな感じに見えます。これを見て、種類が違うというのは間違いです。若い個体は毛もまだ薄いようです。ヒトも同じですね。
L
・これも若い固体。頭花の色が全然違います。毛もまだ短く、すべすべしています。
感想:図鑑の記載からはずれる個体も少なからずありましたが、植物は変異が激しい生き物ですので、まあ許容範囲ではないかと今回は思いました。詳しくは今後の課題ということにします。
今後の予定:木曽駒ケ岳周辺のコマウスユキソウを調べること。そう果に毛があるかどうかを確かめること。

参考文献:原色新日本高山植物図鑑(T) 清水建美著 1982 保育社
       日本の高山植物 豊国秀夫編  1988  山と渓谷社


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