イギリス  ロンドン ストーンヘンジ  バース  カッスルク―ム

フランス   パリ   モンサンミッシェル                                  2014  .  3



今回旅行記は宮脇耕平氏に依頼した。

超格安ロンドン・パリの旅

はじめに

 矢澤利夫従兄に誘われて、超格安ロンドン・パリの旅8日間(国内を含めて10日間)に同行した。ツアーメンバーは、矢澤リーダーのもと、矢澤さんの隣人である松沢ご夫妻および筆者宮脇の4名である。矢澤従兄は海外旅行の超ベテランであるが、他の3名はそれほどの経験もなく、今回のロンドン・パリは全くの初めてであった。因みに筆者は、海外へは5回ほど出掛けてはいるが総て仕事関係での出張で、自費での海外旅行の経験は全くないのである。加えて、出発3日前に二女の結婚式があり、この準備やら当日の対応で、ロンドン・パリについてのガイドフックを読む暇もなく、このため予備知識を全く持たないまま出発の日を迎えるに至ってしまった。

 旅行記を書けとの利夫従兄の命令であるので、拙文で恐縮であるが行程に沿って思い出しながら記述してみたい。但し、有名な観光地見学が主でありガイドフックも数多く出されていることから、観光地の説明は極力省略し、そこでのエピソードを中心に記述することとする。

 

旅行日程

 旅行日程は概略次の通りである。

                  行      程                         宿泊地

 3/4   飯田 羽田空港

         羽田空港 ドバイ ロンドンヒースロー空港     ロンドン

         ストーンヘンジ・バース・カッスルクリムツアー        

         ロンドン市内観光                                      

         ロンドン パリ (ユーロスター)                    パ リ

         パリ市内観光                                          

   10    モンサンミッシェルツアー                              

   11    パリ市内観光、夜パリCDG空港発                    機 内

   12     ドバイ 羽田空港                              羽田(13)

   13    入国、 宿泊、 羽田 飯田

3月4日     

 午後1時19分伊賀良発の高速バスで新宿に向かう。伊賀良で初めてメンバー全員が顔を揃えた。いずれも60代の半ば、中年いや初老の団体である。新宿までのバスは極めて順調、定刻に到着した。飛行機は5日1時30分の予定であり、時間は十分あるのでリムジンバスは取り止め、山手線・モノレール経由で羽田空港に向かう。浜松町駅で一旦外に出て、駅近くの飲み屋2軒で結団式を行い旅行の無事とメンバーの相互理解を図る。2軒目の魚料理店では夕食も摂ることとしたが、飲み終えて最後に釜飯を注文したところ、米のまま出てきて固形燃料で炊きあがるまでに30分を要し、その間ひたすら待たされるはめとなった。

 羽田空港へは午後9時過ぎに到着。イギリスポンドへの両替を行う。羽田空港での両替は24時間対応可能とのこと。銀行が開いていない心配があったことから事前に飯田の八十二銀行でユーロに両替していったが、レートは羽田の方が有利でありほぞを噛む。

 エミレーツ航空のカウンターで搭乗手続きを行う。機内持ち込み手荷物は一人8kg以内1つのみとのこと。かなりうるさい。

3月5日     初めてビジネスクラスに乗る

 手荷物検査、出国手続きを終えて134番ゲートで出発まで待つ。ここで大変ラッキーな事態に恵まれた。我ら4名の名前が呼ばれ前のカウンターに行ってみると、エコノミーの座席が一杯であるのでビジネスクラスに変更するとのこと、チケットもビジネスクラスに取り替えられた。この変更は7〜8名が該当したが、長時間の搭乗を考えると極めてラッキーの一言である。

 0時40分搭乗開始。ビジネスクラスのシートに初めて座る。飛行機はB777-200、新しい感じの機体で、設備も良好。キャビンアテンダントは各国入り交じり美形が多い。シートはリクライニングするとほぼ水平となり、ゆっくりと睡眠が可能である。1時50分ドバイに向けて羽田を離陸した。直ちにシャンパンが配られ、エコノミーとの較差を実感する。眠ることとしたが3時間程で目が覚めてしまい、モニターで現在の飛行状況や日本の映画を見つつ、うつらうつらしながら時間を過ごす。飛行ルートは羽田−北京上空−ゴビ砂漠の北縁−ドバイであり、ドバイまでの所要時間は約11時間30分と大変長い。それでもビジネスクラスのため快適な空の旅であった。

 ドバイ時間8時25分ドバイ国際空港に着陸。乗り継ぎのため空港内に入り身体および手荷物検を受けてロンドン行きのゲートで待つ。羽田の出発ゲートでイギリスまで持参しようとお茶のペットボトルを3本購入したが、この手荷物検査で総て没収されてしまった。係官の女性にこのペッポトルOK?と聞いたら冷たくNoと答えられ、泣く泣く捨てるはめとなった。

 9時20分ロンドン行きのA380に搭乗、今回は奇跡は起こらずエコノミーであった。10時25分離陸、イラク−トルコ−東欧の上空を経由して、ロンドン時間13時20分ロンドンヒースロー空港に着陸した。所要時間7時間であり、羽田出発から約20時間の移動時間を要した。なお、日本時間との時差はドバイ−5時間、ロンドン−9時間である。

 入国審査は型どおりの質問であり無事通過した。地下鉄に向かい、窓口でオイスターカードを30£購入する。内5£はデポジット、チャージ金額は25£である。このカードはわが国のスイカと同様で総ての地下鉄とバスに乗ることができ、残高が減ればチャージしながら使用する。ピカデリーラインの地下鉄でホテルに向かう。地下鉄は車体の幅・高さとも小さく慣れないと圧迫感がある。途中2回の乗り換えを経て、郊外のルイスリップ駅に到着した。駅前で地図を広げていると老齢の婦人が声をかけてきて、何処へ行くのか訪ねるのでバーンホテルを告げると、案内してくれるとのこと。ご厚意に甘えてついてゆく。ほぼ一本道となったところで婦人と別れ、看板を探しながらホテルへ16時にたどり着いた。

 ホテルはかなり古めで木造二階造りの棟が何棟かある。食堂はフロントのある平屋内にあった。矢澤・宮脇が1階、松沢ご夫妻が2階の居室である。宿泊棟の庭に紅色の強い桜が五分咲きとなっていて、芝生は緑が鮮やかであった。

 荷物を置いて一服してから、明日の「ストーンヘンジ」ツアーの集合場所を確認にビクトリア駅に出掛ける。地下鉄の路線図を見ながらルートを決めメトロポリタン線、ジュビリー線、ビクトリア線と地下鉄を3本乗り継いで約1時間かけて到着。集合場所を確認した後、夕食のレストランを探す。駅周囲を歩き回ってケバブを焼いているトルコ料理店を見つけ、焼肉とライスのプレートおよびビールで腹を満たす。これにコーヒーが付いて15£(日本円で2,700)なり。かなり物価は高い。

3月6日  「ストーンヘンジ」ツアー、アフタヌーンティーの甘さに閉口 

 朝食は7時からであったので、直ぐ出掛けられる支度をして朝食を摂る。ハム、チーズ、果物、菓子パン等のバイキングにコーヒーで簡単に済ませ出発。昨夜の地下鉄ルートに従いビクトリア駅に向かう。通勤時間のためか混んでいる。ほとんどの乗客はコートを着ていたが、一様に黒が基調でカラフルさはない。予定どおり余裕を持ってビクトリア駅に到着。

 集合場所にトイレがあったが有料トイレで30ペンス必要。小銭がないため入口に設置されていた両替機に10£紙幣を入れ両替しようとしたが、busyの表示のみで一向にコインが出てこない。しかたなく近くにいた係員らしき人に事情を話したら駅の案内所に連れてゆかれ、ここで待つように指示される。暫くして、両替機から詰まっていた10£紙幣を取り出して持ってきてくれ、取り戻すことができたが、両替には失敗した。

 845分の集合時間になり、みゅうツアーの添乗員のもとに集合。この日のツアー客は全部で10名である。添乗員は北島さん、30代の女性でロンドンに10年前留学し、そのまま当地で就職したとのことである

 駅から少し離れたバス停まで歩き、13人乗りのマイクロバスに乗り込む。このバスは箱形ではなく、ボンネットがあるワゴン車タイプで2+1のシートが4列、最後列は4席、但し最前列3席は保険対象外で乗客は座ることができない。8時55分ロンドンを出発ストーンヘンジに向かう。市街地を抜けると、ほぼ平坦な緑の採草地が拡がっている。高速道は原則無料で料金所はなく、どこから高速道路か判然としない。運転席の速度計は60マイル(96km)でほぼ一定の速度で西に進む。途中羊の放牧風景はよく見られた。牛はアンガスらしき黒色牛が時々見られたが少なめのようである。豚が放牧されている牧場もあり、イギリスにおけるアニマルウェルフェアへの配慮が伺えた。

 11時にストーンヘンジ駐車場(ビジターセンター)に到着。ストーンヘンジから2~3km離れた場所にあり、ここからシャトルバスでストーンヘンジ向かう。以前はすぐ側までバスを着けられたが、遺跡保護の必要性から駐車場を遺跡から離れた場所に近年移設し、土産店、食堂、ミュージアムが併設されている。シャトルバスを降り、徒歩でストーンヘンジを一周する。ストーンヘンジは3000~2200BCに作られた古代神殿遺跡と考えられていて、周囲にも数多くの古墳群が点在する。風が強く寒い。わざわざ持参した毛糸の帽子と手袋が威力を発揮する。なだらかな丘陵に巨石が円形に立てられ、一部は屋根のように巨石の上を覆っている。一般観光客に加え子供の遠足も多い。周囲は環境保全のための工事が盛んに行われていた。駐車場のミュージアムを覗き、売店で土産物を購入しバスに戻る。

 13時30分バースに到着。風呂の語源となったバースは中世の町並みがそのまま残り、町全体が世界遺産である。斜面に沿って整然と町並みが作られ、教会や公園が配置されている。約1時間自由散策を楽しむ。バスタブとタイルの専門店があり中を覗く。大きさや図柄の異なるタイルが多数展示されていて、如何にも風呂に関係の深い町のようであった。町中道路の制限速度は20マイルの標識があり、観光客が多く歩き回っているのにやや甘い感がある。

 再び田舎道を走り、カッスルクリムに向かう。途中かなり細い道も交通量が多くても拡張することなくそのまま使っていて驚く。カッスルクリムのマナーハウスに1530分到着。ここでアフタヌーンティーを賞味する。サンドイッチ・ケーキ・マカロン等がタワー状に盛りつけられ、紅茶を飲みながら味わう。サンドイッチは美味しいが他の菓子類は極めて甘く、気持ち悪くなりそうで完食は困難であった。持ち帰り用の箱に入れて持ち帰ることとした

 カッスルクリムから約2時間30分をかけて再びロンドンへ戻る。ビクトリア駅構内のスーパーでビール、ワイン、つまみにハムを買ってホテルに戻り、矢澤さんの持参したチキンラーメンで飲みながらの夕食を摂る。

3月7日 天気:曇のち晴  テムズ川周辺の観光地をひたすら徒歩で巡る

 ゆっくりと朝食を済ませ、地下鉄でロンドン中心部に向かう。グリーンパークで地下鉄を降り、公園を抜けてバッキンガム宮殿に向かう。バッキンガム宮殿の衛兵の交代を期待したが時間が合わず残念。赤をイメージしていた衛兵の服装も冬服のため黒っぽく、ややがっかり。それでもちょうど馬車が出迎えに来て、宮殿から乗り込んで出て行くのが見られた。バッキンガムのショップに寄って簡単な土産品を買う。

 ウィストミンスター寺院に向かってセント・ジェームスパークに沿って東へ歩く。昨日みゅうツアーでもらった地図が頼りである。1km余でウェストミンスター寺院に着く。折角だから中を見学する。拝観料は18£と安くない。中に入ると案内の司教がチャイニーズかと聞いてくるので、ジャパニーズと答えたら、音声ガイドがあるので受け取るように促された。音声ガイドに従い、内部を見て回る。イギリス王室と深い関係のある寺院で、荘厳にして広大で歴史を感じさせる。進化論のダーウィン等著名な人物もここに葬られているとのことであるが、その墓の場所を見つけることはできなかった。

 ウェストミンスター寺院を出て、右手に国会議事堂の大時計を見つつ、テムズ川に架かるウェストミンスターブリッジを渡る。テムズ川の左岸を徒歩でセントポール寺院を目指す。途中大観覧車、船着き場、現代美術館等を横目で見る。歩行者専用橋で対岸に渡り、セントポール寺院に着く。外からの見学にとどめ、ロンドン塔およびタワーブリッジへと歩く。約2kmでロンドン塔に着く。石造りの元監獄で入場料は22£とかなり高く入場は取りやめとする。トイレを探して近くの食堂に入り、ビールとイギリス名物のfish & chipsを注文する。白身魚のフライでタルタルソースを付けて食す。味は良好。これに大量のポテトチップスが付いていて、ビールとともに10£なり。タワーブリッジに登ろうと近くまで行くと長蛇の列。登るのは諦めて徒歩で渡ることとした。

 本通りに戻り、二階建てバスに乗ってトラファルガー広場に向かう。オイスターカードが使え運賃支払いの心配がないのはありがたい。バスの二階でロンドンの町並みを見学しつつ進み、終点でバスを降りる。トラファルガー広場隣のナショナルギャラリーを見学する。入場料は無料。多くの展示室があり、各々の壁に大小の絵画が飾ってある。筆者は絵画に対する素養は欠如しているのでコメントは割愛する。ただ15~16世紀の作品にもかかわらず、極めて絵の表面がきれいであったことが印象に残った。

 次いで大英博物館を見学するため、再び徒歩で北上する。そろそろ足が限界に近づき、なかなか着かない。大英博物館に入るとその広さにびっくり。到底総てを見ることはできないとは思っていたが、全くのごくごく一部、エジプト関係の展示を見ることとした。ロゼッタストーン、石棺や石の壁画、ミイラと副葬品等を見学する。外に出るとかなり暗くなっていた。

 明日のユーロスターの乗車駅を確認するため、地下鉄でキングスクロスに向かう。ユーロスターの乗り場を確認し、駅外に出てマックのハンバーガーで夕食を摂り、ホテルに2030分帰着した。

3月8日 天気:曇のち晴  ロンドンからパリへ 地下鉄ストで一瞬頭が真っ白

 予約してある11時のユーロスターに乗るべく、8時20分ホテルをチェックアウトしてトランクを引きずりながらルイスリップ駅に着く。すると改札機の前に3人ほど黄色のベストを着た男が座っている。どうしたのかと聞くと地下鉄はクローズとのことである。地下鉄ストだ、さあ困った。ユーロスターの発車するキングスクロスへはどう行けばいいのか、たどたどしい英語のやり取りで聞き取った内容は、駅前のバスストップからE7の路線に乗り、終点のイーリングブロードウェイに行け。そこからの地下鉄シティーラインは動いているので途中乗り換えで、着くことができるとのことであった。また、オイスターカードの残額も確認してくれ、8£ほど残っていたがOKとのことである。

 言われたとおりバスストップのE7路線の前で待つと、イーリングブロードウェイ行きのバスが来たので乗り込む。バスは郊外の町並みの中を走ってゆくが、終点まであるから安心して乗っていられる。約40分ほどして終点に着いた。そこからシティーラインに乗り、ホルボーンでピカデリーラインに乗り換えて、やっとの事でキングスクロス(セント・バンクラス)駅に1010分到着した。

 出国手続き等があるため1時間前には到着したかったが、なんとかセーフで、ほっと一息といったところ。ユーロスター乗車券の二次元バーコードをかざして発着駅に入場した。このため、£の両替、オイスターカードの精算、土産品の購入等は全くできずじまいとなってしまった。手荷物と身体検査、パスポートを提出して出国手続きを済ませ、待合いロビーで待つこととする。ユーロスターは出発20分前でないとホームが表示されない。この間、駅の売店で若干の買い物をしたが、総てセルフレジであり、やり方が分からない。店番の兄ちゃんにお願いして会計を済ませた。

 1101分定刻でユーロスターはパリに向けて発車した。日本の新幹線より幅が狭く、車両も古く小汚い感じ。加えてシートの向きが後ろ向きで回転はできず、この体勢で2時間余の乗車となった。ロンドンを出て暫くは地上を走っていたが、そのうち地下に入りドーバー海峡の海底を通過して再度地上に出るとフランスであった。天気は快晴、イギリスより暖かい感じで、田園風景も明るい。1417分パリ北駅に到着した。なお、パリと日本との時差は8時間、ロンドンとは1時間である。

 パリでも地下鉄での移動が主となるためチケットの購入をまず最初に行う。自動販売機はあるがカードかコインしか使えず、矢澤リーダーに続いて駅員のいる窓口に並ぶ。チケットの10枚回数券「カルネ」を購入する。18ユーロほどである。ホテルがまたしても郊外であるため、地下鉄ホームへ向かおうとしたとき、若い女の子の2人組が紙を差し出し署名しろと迫ってきた。メンバー各々に当たり、最後に筆者のところに来たとき、一人が下敷きにしていた段ボールを前から腰に押し当て何か喚く。同時にもう一人も寄ってきて喚く。あわてて二人を振り払ったが、腰のウェストポーチのファスナーが開けられていた。中身は抜かれていなかったが、危ないところであった。暫くして騒ぎ声が起こったので見ると、二人組が警官に取り押さえられていた。一人の警官が近づき、盗られたものはないか確認された。パリの治安の悪さの洗礼をいきなり受けてしまった。以後、パリではウェストポーチはトランクに仕舞うこととした。

 ホテルはゾーン2であるため、国鉄に乗り換えて向かうこととする。イブリーセーヌ駅で降りる予定であったが、何時になっても止まらない。近くの親子連れがこの列車はそこでは止まらない、7つほど先の駅まで行くことになると教えてくれた。次に停まった駅で降り、仕方なく再度反対路線で戻るとイブリー駅を通り越して次のミッテラン駅に停まったのでここで降りる。さて、この1駅をどうしたものか、駅員を捜してもインフォメーションには誰もいない。通りがかりの婦人にイブリー駅に止まる列車を教えてもらいやっとイブリー駅にたどり着いた。因みに、列車には急行、快速、各駅停車等があるようであるが、表示の意味が全く分からなかった。

 ここからホテルまで地図を見ながらセーヌ川方面へ1km弱歩く。しかし、行けども行けども目印となるセーヌ川に出ない。後で分かったことだが見ていた地図が全く間違っていたのである。途中何回か聞きながら三角形の二辺を歩いて漸く1740分アポジカホテルにたどり着いた。

 部屋に入り荷物をほどいてから、モンサンミッシェルツアー集合場所の確認と夕食にパリ中心部オペラへ出かける。今度はセール川を渡った反対側の1.5kmほど離れたリベルテ駅から地下鉄8号線に乗る。30分ほどかけてオペラに到着した。この駅の案内所で地下鉄の路線図を手に入れる。これがその後大変役立った。夜のパリ中心部を散策し、みゅうツアーの集合場所を確認してから、ラーメン店に入りビールとチャーシューラーメンで夕食を摂る。麺がサクサクと切れて「ラーメンのような」食べ物であった。

 今日は朝からトラブル続きの一日でいささか疲れた。足も痛い。

3月9日 晴  パリ市内観光    ルーブル美術館はミロのビーナスとモナリザのみ

 今日はベルサイユ宮殿を見て、午後はパリ市内を観光することとする。国鉄イブリースールセーヌ駅でベルサイユ・リブゴーシュまでのチケットが買いたかったが駅員不在で、仕方なく自動販売機でパリ市内までのチケットを購入する。松沢さんは美術館巡りをするとのことで別行動。残り3人でジャベルまで行くこととする。ところが、乗った列車はジャベル手前でセーヌ川を渡り別の路線に入ってしまった。慌てて次の駅アベニュー・ケネディで降りる。反対列車で戻り再度乗り直すが再びセーヌ川を渡り先ほどのケネディ駅に着いてしまった。諦めて歩くこととし、セーヌ川に架かる橋を渡ると、中州に自由の女神像があり、橋から見えるエッフェル塔が素晴らしく絶好のビューポイントであった。約1km強でジャベルに着き、ベルサイユ・リブゴーシュまでのチケットを往復購入しベルサイユ宮殿に向かう。

 駅から歩いてベルサイユ宮殿の見えるところで矢澤リーダーと別れ、1130分から14時まで松沢夫人と二人でベルサイユ宮殿を見学する。日曜日のためか観光客が多く、世界中から集まってきていることを実感する。また富と権力の粋を集めた建築、絵画、調度品等にただただ圧倒されたが、詳細はガイドフックに譲る。建物内の見学の後、庭園を歩くがただただ広くて遠い。丁度幾つかの池の改修中で水が抜き取られ、土色が出ていて何とも味気ない景色であった。

 午後3時にエッフェル塔で矢澤リーダーと待ち合わせ、凱旋門、コンコルド広場を見学、ルーブル美術館に向かう。時間が遅く入館は明後日にしようと思ったが、明後日の火曜日は閉館日であることから、無理して入る。チケットを購入したら時間がないがいいかと確認された。閉館まで残り1時間を切っていた。ミロのビーナスとモナリザは見たいと思い、探すがなかなか見つからない。時間もないことから近くの監視員に場所を聞きながらたどり着く。ミロのビーナスはやはり人気が高く多くの観光客であふれていた。写真を撮ってモナリザに向かう。ここも監視員に聞いたら、階段を下りて左のリフトで上に昇れと教えてくれた。そのエレベーターを見つけてボタンを押すが全く来る気配がない。慌てて近くのエレベーターを探しボタンを押して待っていると、先ほどの女性監視員が走ってきて違うこっちだと先ほど動かなかったエレベーターの扉をこじ開けて乗せてくれた。エレベーターを降りモナリザの前にやっと立つことができた。意外と小さい絵である。絵の前にガラスがはめてあるため、写真を撮ってもオートフォーカスがガラスを捉えてしまいピントがうまく合わない。しっかりと目に焼き付けて、他の展示室を見たいと移動したら、閉館15分前にも拘わらず、監視員がもう終わりで外に出るように促す。徐々に監視員の数が多くなり一列となって観客を外へ外へと誘導(追い出し)して行く。この流れに乗ってルーブルから追い出されてしまった。それでも、ミロのビーナスとモナリザを見ることができたので、入館料12ユーロは安かったのか高かったのか。

 近くの中華料理店に入り夕食。チャーハンと牛肉と野菜の炒め物を食す。

3月10日 晴  モンサンミッシェル観光      干潟の上の修道院

 朝5時50分にホテルを出発し、ツアー集合場所のギャラリーラファィエット玄関前に向かう。既に多くの日本人観光客が集まっていた。そのほとんどが大学生と思われる若者で、春休みの卒業旅行なのであろうか。初老の4人組は場違いな感じであるが仕方なし。昼食付きと昼食なしのツアーバスが各々2台出るとのことで驚きである。指定されたバスに乗り込むと満席である。7時15分バスはモンサンミッシェルに向けて出発した。片道370kmとのことで運転手は2名体制である。添乗員はみゅうツアーの東さん、50代の男性であった。

 ひたすらバスは高速道を西へ走り、途中サービスエリアで一度トイレ休憩を取った後、中世の町並みの残る田舎町ポンドペックを見学した。細い通り沿いに古い町並みが続き、妻籠宿のフランス版といった風情である。そこの広場で毎週月曜日は朝市が立ち、この日も多くの屋台店が並んでいた。野菜、花、衣服、チーズ、焼き鳥、パエリア等が並べられている。チーズは色々な種類があったが、日本でもなじみの深いカマンベールを24ユーロで購入した。乳製品だけは日本より格段に安い。

 ノルマンディー地方は潮風が強く、葡萄の栽培には適さない土地とのことで、畜産が盛んのようである。乳牛、肉牛、緬羊の放牧風景が各地で見られる。肉牛はシャロレー、緬羊は肉用のサホークおよびこれより小型の品種が見られた。また、立木に寄生木の多いのも特徴的景観であった。

 12時30分モンサンミッシェルへのシャトルバス発着場近くのレストラン駐車場に到着。昼食なしのツアーであったがバスの中で申し込み、このレストランで昼食を摂る。メニューは当地名物のオムレツ、チキンのソテー、デザートであり、シードル(リンゴの発酵酒)を賞味する。2台のバスの乗客ほとんどがこのレストランで昼食を摂ることとなり、レストランの店員3人は走り回って料理を運んでいたが、出てくるまでに長いこと時間がかかった。味も料金(シードルを加えて15ユーロ)もまあまあ。

 シャトルバスに乗りモンサンミッシェル島に入る。周囲は干潮であるのか広大な干潟で海はかなり沖であった。近年、モンサンミッシェルの環境変化が激しく、このままではこの島が崩壊する危険があるとのことであるが、その第一の原因は島までの道を付けたことにより、潮の流れが変わってしまったことによるとのこと。現在、埋め立てた道の横に、桟橋状の橋を建設中で、これが完成すれば現在の道路は撤去するのであろう。ここ以外にも島内での補修工事も行われていて、大型クレーンや鉄骨の足場が写真を撮るのにかなり邪魔であった。修道院の内部に入り順路に沿って見学する。ロマネスク後期からゴシック初期の建築様式とのことであるが、よく分からないので専門書を参照されたい。いずれにしろ、このような海の中の岩山によくこれだけの僧院を何世紀にも亘って建てたものだと、ただただ感心。石材等の資材運搬はどうしたのであろうか。

 シャトルバスの帰りにスーパーマーケットの前で降り、買い物と夕食のパン・ビールを確保して、ツアーバスに乗り込む。17時にモンサンミッシェルを出発し、途中1回のトイレ休憩のみで2130分パリに帰着した。

3月11日 曇  パリ市内観光、そして帰路へ

 いよいよ最終日となった。今日はホテルをチェックアウトしてトランクをホテルに預け、飛行場に出発する時間を午後3時とし、それまで各自自由行動とした。筆者はまだ見ていないノートルダム寺院とオルセー美術館を見学することとし、地下鉄リベルテ駅に向かう。途中の歩道上に犬の糞が数多く残されていて、気をつけないと踏みつけそうになる。バスティーユで2号線に乗り換えシャトレで降りる。

 地上に出てコンパスで南の方角を確認して歩き出す。程なくセーヌ川に出たので川縁に沿って、ノートルダム寺院に向かう。橋を渡りシテ島に入ると、大勢の人が並んでいる教会があり地図からみるとサントシャペル教会のようである。ゴシックの尖塔が出入り口の扉越しに見える。これを通り越し暫く歩くとノートルダム寺院に到着した。入館は無料であったが、音声ガイドは5ユーロと表示されていたので借りることとする。5ユーロを出し日本語の機械をお願いすると窓口の魔女顔の太ったおばさんがパスポートを出せと言う。しかたなくパスポートを提示するとさっさと取り上げ、アルファベットのインデックスの付いたファィルのMの所に挟み込んでしまった。それから音声ガイドと案内書を渡してくれたが、何ともすっきりしない。どうもパスポートが機械の担保品のようだ。折角だから音声ガイドをじっくり聞きながら一周する。内部についてはゴシック建築の最高傑作と言われるだけはある。最後に音声ガイドを借りたところに返しに行くと名前を聞かれ、パスポートを保管ファイルから取り出し、しげしげと顔と写真を見比べてからようやく返却してくれた。やれやれ。近くの土産店を覗きながら、セーヌ川に向かう。

 再び川沿いに西に歩きオルセー美術館を目指す。欄干の至る所に錠前が無数に取り付けられたセーヌ川にかかる歩行者専用の橋があった。永遠の愛を誓って錠を取り付けたものであろうか。程なくオルセー美術館に着いたが、入り口は長蛇の列である。最後尾に並ぶと直前に「オルセー美術館攻略法」と書かれたガイドブックを読んでいる日本人の若い女の子2人組がいた。話しかけるとやはり卒業旅行の女学生であった。入場までに約40分を要したが、本日からゴッホ展が始まっていたため混雑したのかと思われた。内部に展示された絵画は、芸術には疎い筆者でも知っているものも多く、興味深く鑑賞した(つもり)

 一旦ホテルに戻って荷物を受け取り、全員がそろった1450分ホテルを後にしてパリシャルルドゴール空港に向かう。地下鉄でパリ北駅まで行き、ここで空港行きの国鉄に乗り換える。空港行きのホームはすぐに分かったが、チケット売り場が分からない。犯人を逮捕した直後の警官の一団がいたのでチケット売り場の場所を教えてもらう。メトロ駅側にあったようで、戻ってみるが窓口はなく、チケット自動販売機が置いてあるのみ。しかも、紙幣は使えずコインかカードのみの機械である。それでも英語表記があったので何とかカードでチケットを購入することができた。ただ全員カードは持っていたが使えたのは筆者のカードのみで、他のカードは拒否されてしまった。理由は不明である。

 1710分パリCDG空港2に到着。2Cターミナルのエミレーツ航空カウンターでチェックインをし、出発ゲートに向かう。手荷物検査・身体検査後、出国手続きを行って出発ゲートで待つこととした。多くの免税店がありウィンドショッピングを楽しむ。ここでの特筆はトイレである。ピンクを基調とした壁と便器がゆったりと配置され、フランスに来て最も清潔なトイレであった。また、両替所は何カ所もあったが、ブラジルやメキシコはあっても日本円のレートは全く表示されていなかった。フランスにおける日本の立ち位置なのか?そう言えば、オルセー美術館でも日本語の館内案内書の発行は暫く中止するとの表示があり、従軍慰安婦問題に対する韓国の教宣活動が影響しているのかも?

 2040A380に搭乗、2120分離陸。ほぼ往路と同じ航路でドバイに向かう。

3月12日  パリドバイ羽田    足がむくんでパンパン


 6時55分ドバイ空港に着陸。 乗り継ぎ待合室で待つ 9時B777−200に搭乗 日本人の学生らしき若者が多い 9時40分 ドバイ空港を離陸 帰路はインド横断 カルカッタ、ミャンマー、中国雲南、上海等の上空を経て羽田に向かう航路で、往路とは全く異なっていた上海から東シナ海に出たところで暫く揺れたが、23時45分羽田に無事着陸した。 復路では奇跡は二度と起こらず 約20時間エコノミー席で過ごしたため下肢がパンパンにむくんでいた。 エコノミー症候群に注意が必要な年齢であることを実感。

3月13日  羽田 → 飯田     日本の肴は美味い

 010分入国、荷物を受け取り通関。タクシーで羽田東横インに向かい、045分チェックイン。ホテル横の魚民で矢澤従兄と帰国祝い、鰹のさしみ、じゃこ天、小アジのから揚げ等、日本の肴についつい焼酎が進む。就寝は3時頃となってしまった。

 830分簡単なサービス朝食を済ませ、各自の予定で帰宅することとして、ここで解散となった。筆者は羽田空港で余った英ポンドとユーロを日本円に両替した後、新宿で長女と会って土産を渡し、1時の高速バスで帰飯した。

おわりに

 今回訪れたロンドンとパリの筆者の印象を簡単に記す。

@ 古い町並をそのまま残してあり、不自由でもそれを残そうとする意識が高いものと思われる。

A 物価は日本より高い。特に簡単な食事でも2,000~3,000円は最低必要。

B 公衆トイレが極めて少ない。世界的観光地としては問題がある。

C 歩行者は信号を守らない。自己責任の問題なのかも?

D パリはスリが多い。警官が目を光らせているが治安はあまり良くない。

 また、今回の矢澤流格安旅行に参加した雑感を並べてみる。

@ 地図とコンパス、地下鉄の路線図は必携。

A ひたすら歩きが基本で、靴は歩きやすいものがよい。筆者はカジュアルな革靴で出かけたが、マメができて閉口した。

B 言葉は話せるに超したことはないが、片言の英語でも何とかなる。

C 旅行先の情報や知識は、事前に把握しておくことが大切。

D ドバイ首長国のエミレーツ航空は運賃は安く機体は新しくサービスもよい。但しドバイ経由で時間がかかる。

 健康で天候にも恵まれ、予定通りの行程で10日間の海外旅行を楽しむことができたことに、矢澤利夫リーダーおよび松沢夫妻に心から感謝して、旅行記を閉じることとする。

                                    筆者:宮脇耕平(飯田市下久堅在住)






ストーンヘンジ



ロンドン ビクトリア駅                                 駅近くで串焼き定食とビール                         ビックコーヒーは大きなご飯茶碗で飲む感じ    

    



駅のスーパーで買出し                               郊外のホテルBARN                                1階右端の部屋へお世話になった
  



ストーンヘンジ                                                    じっちゃんばっちゃん やっと着いたやれやれ
 




この石が一番古いらしいな よく分からんが                なにやってるかな  羊が見ていた                       ぐるっと回ってみると なんとなく違う
  





このバスで行って少し歩く                           この角度が一番いいかな                    何の目的で造られたか分かっていない  何が書いてあるかも分からない 分かろうともしない これでいいんか
  




世界遺産バース                                               
  バースの町                                                 バースの古いバス(浴場)がこの中にある   昔からの湯治場だが 町並みはそのまま残る
 
  



町づくりもこだわりがあるねー




カッスルクーム
中世の村がそのまま残っている ここの元伯爵家の建物でアフタヌーンティーをいただく     伯爵夫人のお茶はちょっと甘すぎない                        建築は煉瓦の代わりに石を積み上げる
  



おもむきがあるねー
 




地下鉄 チューブに乗ってロンドン中心部へへ向かう                まづはバッキンガム宮殿
 




寒そう                                         馬車が出てきた        観光サービスかな                   ウェストミンスター寺院  
  



寺院内部
  



ビクトリア駅有料トイレ           小銭がないので     両替機使ったら 入れたお金も小銭も出てこない 取り戻すに一苦労         国会議事堂と ビックへ゛ン

  



セントポール大聖堂                                                  ロンドン塔
  



ロンドン塔                                            近くで便所を探すためレストランでフィッシュ&チップスとビール頼む        
 



タワーブリッジ                                           お化け屋敷                                            ナショナルギャラリー    絵は見たが写真は撮らなかったこ
  



大英博物館                                                 ロゼッタストーン  古代文字が書かれている
  



ミイラ                                        あとはよくわからん
  




パリ

ユーロースターでパリへ                               夜は地下鉄でオペラまで行ってパリ歩きの訓練               めしは久しぶりに日本食かつ丼と五目ラーメン タンメン チャーシュウメン
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朝は国鉄でベルサイユまで  国鉄はタイムテーブル持ってないと行き先と停車駅がよくわからない    ジャベル駅でベルサイユゴーシェ行きの電車に乗って       ここがベルサイユ宮殿
  



黄金の宮殿に人がいっぱい                                                 
  




 





エッフェル塔は高さよりも周りの建物と景色との調和だ          エッフェル塔近く アフリカ 南米から集めたQUAI BRANLY博物館
   

凱旋門 修理中                 この切符券売機が札の入らない古い機種ばかりでまことに不便   おまけに駅の窓口も人がいない  ルーブルの前で一時間一杯1500円のビール飲んで待っていたが                       

  



コンコルド広場
 


ルーブル美術館                                                        私がここの代表
   



私は愛の代表                                                               私は19歳で燃え尽きた
  



きれいかな
  
 



オルセー美術館      管内の絵は撮影禁止      教科書に載ってる絵が多いから教科書を見れはOK
  




ノートルダム寺院                   背むし男はいないが 大男は多い
  




ノルマンディーの田舎町    中世の町並みが残る          傾いているホテルの建物もそのまま使っている                                                               教会
  



形はキャベツ葉は白菜  ブロッコリー   白ネギ                ジャガイモも値段は同じぐらいかな                         フランスもイギリスも山は少なく耕地が多い
  



モンサンミッシェル
     これが名物のオムレツだが一枚から何切れもとってるから一人あたりはこの程度      メインは大味のチキン  美味そうには見えない 飲み物はリンゴのシードル             
 



見えてきたー                                                 遥々来たが工事中   周りに泥が溜まって写真の景色が無くなりつつある
 




モンサンミッシェル修道院は三層構造     ゴシック様式                                                        西のテラス
  



礼拝堂 ステンドグラス                      食堂                                        礼拝堂
  



                               パリから370K来た   有難う ! ! 
 




パリ

モンマルトル        サクレ・クール聖堂                  広くはないが画家の集まるテルトル広場                 松澤画伯の思いは 

  




アンバリッド                           軍事博物館                                  ドーム教会
 



泊まっていたパリ市郊外郊外のホテルアポジア
 地下鉄駅が近くにないととても不便だ 国鉄駅近くでは不便