閃夢



「よう、ナギ、こいつをやる」
 リュウガが目の前に差し出した、使い古しの羽毛の枕を、ナギは黙って見つめた。
「いや…別に……」
 いらないという意思を言おうとしたナギに、リュウガが言う。
「コイツはな、世界に一つしかない、まじっくぴろーだ」
「まじっくぴろー?」
「新しい曲作りに悩んでいた作曲家が、こいつで眠ると、夢の中で名作と呼ばれる作品を書き上げた、というたぐいの話が山のようにある」
 胡散臭げにリュウガの差し出す枕を眺めているナギの横で、シンが呟く。
「…そんな曲が山のようにあったら、それは既に名作ではないでしょう?」
 シンの呟きに、リュウガが苦笑した。
「たぐい、と言っただろ。他にも、新作に悩んでいた詩人が、夢の中で閃いて、起きてすぐに書きあげた作品が大人気になっただとか、新作に悩んでいた小説家が、こい つで眠ってる間に見た夢をそのまま書いたら傑作を書き上げただとか、そんな話ばかりなんだな」
「…つまり、新作を閃く夢が見れる枕…ですか?」
「おう。そういうこった。どう考えてもコイツは、ナギに渡しとくべきだろ?」
「……だ、そうだ」
 シンがナギの肩を叩いて促す。
「………」
 半信半疑でナギはリュウガからその枕を受け取った。
「しかし…そんな、便利な枕をどうして皆、手放している?」
 ふと、シンが独り言のように呟く。
「使ってみればわかるんじゃねーか? 俺は別に何か新作を作ろうと思うこともねぇからな。ナギなら、美味いもんが食えそうだろ? 悪い呪いがかかっている感じでも ねーから、ダメもとで使ってみるのもおもしれぇだろ?」
 つまりは、リュウガ自身も、魔法の枕がどの程度の力があるのかわからない、ということである。
「面白いって…俺に使ってみろと?」
 複雑そうな表情のナギ。
「おうっ。新作料理、期待しているぞ」
 リュウガの笑いに、はあぁぁぁっ、とナギが溜息をついた。


「おはようっ、ナギ。えへへ。私の方が先に起きるなんて、今日は雨かな?」
 嬉しそうなヒロインの声に目覚めたナギが、目に映った光景にぎょっとする。
 自分の腕の中で笑っているヒロイン。
「……ヒロイン?」
「何?」
「お前…いつから俺の部屋に……?」
 ヒロインが不思議そうにナギを見る。
「いつからって…昨日はナギと一緒に部屋に戻ったよ?」
「昨日?」
 昨日ヒロインはこの部屋にいただろうか。
「もしかしてナギ、寝ぼけてる?」
 ベッドの上で、起き上がったナギは、両手で額を押して考え込む。
 宴があったはずだが、あまり覚えていない。
 記憶が無くなるほど酒を飲んだだろうか?
「ナギ、大丈夫?」
「…ああ」
 心配そうなヒロインの声に、反射的に心配させまいという意識が働く。
 いろいろと考えることはやめ、起き上がって支度を始めた。
 ヒロインもナギの箪笥から自分の着替えを出して、身支度をし、一緒に厨房へ向かう。
 厨房に立てば、いつもの空気。
 違和感は…最初はなかったが、次第に生じてきた。
「ナギ、次、これ?」
 ヒロインが話しかけてくるたびに、何かがひっかかる。
 なんとなく、こそばゆいような、照れ臭いような…。
「あ、シンさん、おはようございます」
 食堂にやってきたシンに挨拶するヒロインの声に、ナギは手を止めた。
「今朝は何だ?」
 シンの質問に、ヒロインが笑顔で答える。
「トマトと七草のリゾットですよ」
「七草? ああ、ヤマトでは、七草の日か?」
「はい。相変わらず、シンさんは物知りですね。本当はヤマトでは七草がゆを食べるんですけどね。ナギが、おかゆじゃみんな物足りないだろうって」
「確かにな…」
 厨房で動きを止めているナギにチラリと不思議そうな視線を送ったシンが、テーブルに着く。
 そんなシンの態度にも、どこか違和感を感じながら、ナギはそれ以上に不思議に思った疑問を口にした。
「……ヒロイン」
「何?」
「リゾットなんて作ったか?」
 そんな料理は、ナギの記憶にない。
「だって、コレ……今、ナギが作ってたけど…」
 ヒロインがみんなの皿に盛り付けている料理は確かに、リゾットだ。
 覚えのないメニュー。
 ナギは、鍋に残っているものを味見してみる。
 七草のスープをベースにして、オリーブ油で甘味が出るまで炒めた玉ねぎと生米を加えてスープになじませ、ざく切りトマトと白ワインを加えて米が柔らかくなるまで 煮立てた後に、バターとパルメザンチーズをたっぷり加えたもの。
 ナギの舌が、調理法を伝えてくる。
「そうか…。トマトをこうやって加えるとさっぱりした風味が増すな…これなら、朝食でもいける…」
 初めて知った工夫。
「これを俺が作った?」
「どうしたの? ナギ? 朝から変だよ?」
 怪訝な表情で自分を見るヒロイン。
 咄嗟に、ナギはなんでもないと笑って取り繕う。
 ヤマトの七草がゆを、シリウスのみんなが喜んで食べられるようなものにアレンジしようと思っていたことは記憶にある。
 とりあえず、七草を使っておいしいスープを作るのは、試作して完成済みだったはず。
 しかし、おかゆというのはどうしても味気なく、中華風にしてみてもあっさりと物足りなく、特にハヤテなどはこれじゃ食べた気がしないと言いだしそうな感じがして いた。
 バターとチーズを加えれば、ぐっとボリューム感が増すものの、朝から食べるメニューとしては不向きになってしまうと思っていたはずだったが…。
 次々と食堂へやってくる仲間。
 明るく、朝の挨拶を交わすヒロイン。
 小さな違和感と疑問を抱えながら、ナギはできるだけ悟られないようにと周りに合わせた。


 医務室でナギの話を聞いたソウシは、目を丸くした。
「覚えてないの?」
「……」
 静かにナギが頷く。
「え? ちょっと待ってね。これって……。ナギ、奥さんも呼んでいい?」
「奥さん?」
 ナギが不思議な単語を聞いた感じがしてソウシを見返す。
「まさか、それも覚えてない? ナギ、ヒロインちゃんと半年も前に結婚したよね? さすがに最近は、みんな、からかうこともしなくなったけど…」
「けっ……けっこ…」
 予想もしない言葉に、ナギがみるみる赤くなり、口をぱくぱくとさせて動揺する。
「あちゃぁぁ…、覚えてないんだ。困ったなぁ…でもこういう重大なことは、奥さんにも伝えておいた方がいいと私は思うんだけれど…」
 ソウシが、苦笑しながらナギを見た。
「結婚したことまで忘れているとなったら、さすがにショック受けるよね…」
「………」
 ナギは、ヒロインが自分の妻になっているという事態を始めて知らされ、一気に流れる様々な感情に呆然としている。
「でもナギ、彼女を愛しているよね? まさか、そういった感情まで忘れているってことは…」
「…それは…ない」
 確認するソウシに、真っ赤になったナギが俯き加減で答えた。
 ヒロインを愛する気持ちは、ナギの中にある。
 自分でも無視できないほどに、大きく温かく育っている心。
「じゃあ、きっと大丈夫だね。奥さんにも聞いてもらうべきかな。ナギの記憶が、ところどころ欠落してしまうこと。一時的な部分記憶喪失だとそれほど心配ないんだけ どね…。ついさっきやっていたことを忘れてしまうというのは……実は嫌な病気で、そんな症状もあるんだよ。ちょっと待っていてくれる? 奥さん探して連れてくる ね?」
「アイツなら、きっと倉庫で野菜の確認しています」
「…うん。わかった」
 にっこり笑ったソウシが、医務室を出ていく。
 一人、残ったナギは、初めて知らされた現在の自分の状態に、あらためて思考を巡らせる。
 自分は半年も前に結婚したのだという。
 けれど、今の自分に、ヒロインに触れた記憶は一切ない。
 ただ、ヒロインを愛しく思う気持ちは、抱えきれないほどに、溢れ出すほどにある。
 結婚までした自分が、これほどに想う相手に何もしてないことはないだろう、と感じる。
 つまりは……おそらく今の自分は、愛し合った記憶まで失っている状態なのだ。
 ひどく切なく罪深い心地がした。
 きょとんとした顔でソウシと一緒に医務室へ来たヒロイン。
 ナギの横で、ソウシの話を聞くヒロインの表情が、次第に凍りついて蒼白になっていく。
「嘘…?」
 ソウシの話が一段落ついて、自分を見たヒロインは今にも泣きだしそうで。
「わりぃ……」
 こんな顔は見たくない、と感じた時には、思わずヒロインを強く抱きしめてしまっていた。
「お前を好きだ。愛してる。この気持ちは忘れてない。…頼むからそんな顔するな。思い出す。絶対に思い出すから…」
 自分の胸の中に、ヒロインを押し込めてしまいたい。
 ヒロインを抱きしめる腕に、力がこもる。
「…えっとぉ……」
 困ったようなソウシの声に、はっと我に返ったナギが、あわてて腕の力を抜いてソウシを見た。
 ここが、医務室の、ソウシの目の前だということを思い出した途端に、言葉にならない恥ずかしさと照れくささがナギの表情に広がる。
 そんなナギの反応に、くすくすと笑いながら、ソウシがヒロインに話しかけた。
「…事態は理解できたかな?」
 ヒロインも少し頬を染めて頷く。
「わかりました。記憶はなくなっているかもしれないけど、ナギは何も変わってない。いつものナギ…。だって、一番欲しい時に、ちゃんと一番欲しい言葉をくれるも の…」
 ヒロインが少しはにかみながら、ナギを見つめる。
「…私も…ナギを愛しているから。大丈夫。ナギが忘れちゃっても、ちゃんと私が覚えていて、ナギに教えてあげる。だって私、ナギの奥さんだもんね」
 ソウシが話した、一つの病気の可能性。
 若者が、まるで老人のように、最近の記憶から失っていってしまうという病気が存在するらしい。
 いずれ、家族のことも何もわからなくなってしまうという恐ろしい病気だという。
 まだ、その病気だという確定はできない、しばらく様子をみる必要がある、と言われた。
 もしも一時的なもので、しばらくして思い出したり、これ以上記憶が消えることが無いのなら、その病気の心配はないのだという。
 ナギが身体を駆けた衝動を抑えて、ヒロインを見る。
 ソウシがくすくすと、笑って立ち上がった。
「あ、ごめんね。席をはずすね」
「ドクター?」
 突然、医務室を出ていこうとするソウシをナギが怪訝そうに見ると、ソウシはにっこりと笑って言った。
「ナギ。今、奥さんを抱きしめてキスしたいって、顔に書いてある」
「っ!…」
「私の話はもう終わったからね。何か変化があったら教えてね。あ、お昼頃には戻る予定だけど」
 パタンと、扉が閉まり、医務室に二人だけになる。
「…ナギ?」
「キスだけで止まりそうにねぇから、我慢したんだけどな…ここじゃ落ちつかねぇし、俺達の部屋行くか?」
 ナギの言葉に、ちょっと困ったようにヒロインが頷いた。


 なんとか昼食の準備を間に合わせ、食事の片づけをしながら、ヒロインが微笑んだ。
「間に合ってよかったね」
「…ああ……。その…な、ヒロイン…」
 言いにくそうにナギが尋ねる。
「さっきのメニュー、俺が作ったんだよな?」
 ギクリ、とヒロインが身を固くしたのが伝わる。
「わりぃ…覚えてねぇ。その前のことは忘れてねぇから…」
 昼食のメニューは、いわしのドレッシング煮と特製クロスティーニの野菜スープかけ、牛肉とにんにくのキノコサンド焼き。
 そのどれもが、ナギの記憶にないメニューだった。
 自分が調理していたことすら、記憶にない。
 ただ、食べながら、どう調理したのかは、理解できた。
「ちょっとレシピノートに書くから、横で見ていて、間違っていたら教えてくれるか?」
「え? 少しは覚えてるの?」
「自分で食ったからな。料理法は理解したつもりだ。お前は、俺が作るのを見て手伝っていたんだろ?」
「…うん…」
 二人だけの食堂のテーブルで、ナギがレシピノートを広げる。
 七草スープのレシピは書かれているが、朝のリゾットのレシピも、そこには記録されていない。
 ある意味、ナギの記憶に忠実なレシピノートだった。
「今朝のトマトと七草のリゾットからだな…」
 ナギが自分の食べた味の記憶を頼りに、レシピを書き起こす。
 止まることなくすらすらと進んでいくレシピに、横で見ているヒロインがどこかほっとした表情を見せた。
「ねえナギ。自分で作った料理は、覚えてなくても覚えているんだね」
「……?」
「だって、隠し味のタイミングや分量まで、ばっちりだよ、これ」
「…そうか?」
 ヒロインに言われると、ナギの中の不安が消えていく。
「おまえがココに居てくれて良かった…」
 ヒロインの肩に手を回して抱き寄せ、髪にキスを落とす。
「ふふ…。私も、ナギの力になれて嬉しい」
 見上げてくるヒロインの瞳。
 ヒロインの瞳の中に映る自分。
 ナギは温かで満ち足りたものを強く感じながら、ゆっくり唇を重ねようと顔を近づける。
「……邪魔して悪いな。ナギ、船長が呼んでる…」
 不意にシンの声がして、ナギは戸口へ視線を移す。
 他人のラブシーンは一切関心がないとでも言いたげに、背を向けたシンが戸口に立って居た。
「船長が?」
「食事の片づけが終わっているようなら、呼んできてくれということだったのでな…」
「…わかった」
 ナギが立ち上がると、シンがチラリと肩越しにヒロインに視線を送る。
「ヒロイン、ナギを借りてくぞ」
「あ、はい」
 ヒロインがナギのものであるだけでなく、ナギはヒロインのものだという意識が根底にあるシンの言葉。
 そういえば、ハヤテがナギ兄と言ってまつわり付いてこないことも、違和感の一つにあったのだと、今更ながら気づく。
「………」
 黙って船長室へ向かうシン。
 ノックをして、ナギを連れて来たと告げ、船長室へ一緒に入る。
 船長室には海図を広げたリュウガとソウシが待っていた。
「おう、来たか。ソウシが薬の材料を取りにこの島へ行きてぇと言うんだが、シンの計算ではここから補給ナシで向かっても二週間かかるらしい。今から行けるか?」
「今から?」
「ああ、できるだけ急いだ方が良さそうだからな…」
 微妙な言い回しのリュウガに、ナギの症状をリュウガも聞いたのだと察する。
 おそらくは、シンも。
「二週間…魚などを随時調達していけば。ただ、水が…」
「あぁ、今回は急ぐからな。雨の中も航行する。雨水も確保しておけば、なんとかなるだろう?」
 シンが水の心配はいらないと付け加える。
「よし。じゃあ、さっさと向かうぞ」
 リュウガが立ち上がる。
 ふっと、ナギの視界が揺らぎ、突然周囲が暗くなった。


 自分の部屋の天井が見える。
 まだ薄暗いが、シンが部屋を出て甲板へ向かう気配がするから、日の出直前だろう。
「ヒロイン?」
 他の人間の気配がない。
 ナギは、身体を起こして、部屋にいるのが自分一人だと確認する。
 いや、一人なのが普通なのだ。
 この部屋に、ナギ以外の人間が生活している形跡は何もない。
 部屋の明かりをつけて立ち上がり、見慣れない枕に目を落とす。
 昨日、リュウガがナギに渡した、まじっくぴろー。
 新作の閃きを得られる枕ということだったが…。
「…夢、か?」
 夢にしては、あまりにも現実的で、まるで実際にあった出来事のような気がする。
 ただ、その唐突な記憶の途切れ方は、夢以外の何物でもない。
 レシピのノートを取り出して広げる。
 見覚えのある、七草スープの記述までしか書かれていない。
 ヒロインと一緒に書き込んだリゾットや、ドレッシング煮や、特製クロスティーニのレシピは、何一つ。
 記憶では、書き込んだ筈だったし、その作り方は今でも鮮明に覚えている。
 いや、作り方だけでなく、食べた時の感覚や、仲間の反応、何よりナギの横にいたヒロインの笑顔までこんなにはっきりと思い出せるのに、何一つ実際には残っていな い。
「くそっ…なんて悪夢だ…」
 ヒロインのナギを映す瞳や、ぬくもりの全てを幻としてしまうのが、切なく苦しい。
 何より、自分の身体が、夢だったとは信じられないほどに、現実だったのだ。
 腕の中のヒロインも、何もかも。
 あの喜びと幸せを、そう簡単に忘れられるわけがない。
 ナギは、一度書いた覚えのあるレシピを、もう一度ノートへ書き留め、厨房へ向かう。
 下ごしらえをしていると、眠そうに目をこすりながら、ヒロインがやってきた。
「おはようございます、ナギさん。あっ、七草だっ」
 ナギが下ごしらえをしている材料を見て、目を輝かせるヒロイン。
「ヤマトでは、今日が七草を食べる日だって話、私、ナギさんにしましたっけ?」
 曖昧な笑みを浮かべて、ナギは七草を刻むように告げ、玉ねぎの作業にとりかかる。
 こうして現実のヒロインに会えば、あれが夢だったのだと思い知らされる。 
 自分を『ナギ』と親しげに呼んでいたヒロイン。
 あるはずがない。
 現実のヒロインの瞳は、いつもシンしか見ていない。
 あの幸せそうな笑顔をヒロインが向けるのは、常にシンなのだ。
 出来上がったトマトと七草のリゾットを味見した現実のヒロインが、感嘆の声を上げる。
「すごい。さすがナギさんですね。七草が、こんなに美味しくなるなんてっ」
「一緒に作ったメニューだからな…」
 ナギは別の意味も込めての言葉だったが、何も知らないヒロインにそれは伝わらない。
「え? 私、言われたとおりに七草を刻んで、言われたとおりに木べらでかき混ぜていただけですよ?」
「……そうだな」
 少し淋しげなナギの表情を、ヒロインが不思議そうに見上げる。
「おおっ、早速、新作料理だな? まじっくぴろーの効果あったか?」
 珍しく朝早くから、リュウガが食堂に姿を見せた。
「……はい」
 無表情でリュウガに答えるナギ。
 よくわからない会話に、小首をかしげてますます不思議そうなヒロイン。
「でも船長、俺はもう、二度とアレを使う気にならねぇ…」
 やけに苦々しい表情で告げたナギに、リュウガが目を丸くする。
「問題でもあったか?」
「………」
「まあ、言いたくなけりゃ言わなくてもいいが。そうか…。悪夢でも見たか?」
「………」
 答えない肯定。
 やがて、シンも食堂に姿を見せる。
 シンの横で、笑顔をふりまきながら、美味しそうに朝食を食べるヒロイン。
 その様子をつい、眺めてしまったナギに、シンの鋭い視線が注がれる。
「こっちが現実だな…」
 ナギは苦笑して、夢の中と同じ味のする朝食を口へ運ぶのだった。




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18歳以上の大人です