十題



01: あなたしか見えない
 港の酒場。
 船長が酒を注文して座れば、黙っていても女と呼ばれる生き物が、蜜にたかる蟻のように言い寄ってくる。
 高い酒を遠慮なく注文する船長。海賊王のような、稼いでいる海賊は、ここの女たちにとっても、格好の宝。カネヅル。
 女たちは、自分の持つ情報と身体をちらつかせて、より多くの金を得ようと必死だ。
 海賊にとって、一番有益な女が、勝利する。
 なんて分かりやすい争いか。
「ねえ、どうして片目になったの? 軍との戦い? その眼帯の下の傷、ベッドの中でゆっくり教えてよ」
 媚を売って誘いをかけて来る女の向こうで、店を出ていく後姿が見えた。
 どんな喧噪や人ごみの向こうだろうが、ただ一人。唯一の人。決して見逃さない。
 思わず煩わしい指や手を除けて、席を立ち、早足で店を出る。
「お、おい、シンっ……ったく。……ほら、お前らもこっち来い、俺がまとめて可愛がってやるぞ」
 席を去った背後で、船長が苦笑混じりに言うのが聞こえた。
 大きな港の夜街は、人々が欲望をむき出しにして行き交う。
 うす暗い人ごみのなかを一巡すれば、探す姿は一瞬で見つかる。
 まるで、モノトーンの世界でそこだけ彩りが添えられているように。
 夜街の中で、明らかに色の違うアイツは、格好の餌食なのだという自覚がないから困る。
「俺の連れに何か用か?」
 後ろから腰に腕をまわして引き寄せ、一睨みすれば、大抵の奴らは俺のヒロインから手を引く。
「シンさん!」
 なぜ居るのかと、驚くことが腹立たしい。
 俺にとって、この世の女は1人しかいないのに。
 酒場で群がる者たちは、もう今の俺には女に見えないことを、どうしたらコイツは理解するだろう。
「まったく…少しは懲りろっ」
 俺に無断で出ていく後姿は、俺を誘っているんだろう?
 腕を腰に回したまま、ヒロインを路地へ引き込む。
 こんな夜街の路地ならば…潜む男女など珍しくもない。
 この腕に閉じ込めて、俺はヒロインに口づけた。  


02: 秘密
 なんとなく、目覚めてしまって横で眠る恋人を見る。
 寝起きのよい恋人は、ちょっとしたことでもすぐ目を覚ますから、そっと、そっと見る。
 いつもは後ろで留めてある横髪が、眠る恋人の耳や頬を覆っている。
 髪を梳いた恋人は、顔の印象がいつもより可愛くなる、と思う。
「…なんだ? まだ寝てろ」
 不意に、閉じられていたはずの二つの目が見返してきて、ドキリとする。
 抱きしめられたまま、目を閉じると、接した逞しい胸から一定の音が聞こえる。
 トクン…トクン…トクン…
 温かい一定のリズムは、子守唄みたいで…。
 本当は、いろいろニブイ私でも、気づいていることはたくさんある。
 どんなときにシンさんが怒りだすか、とか。
 どんなときにシンさんが不機嫌な顔しているか、とか。
 どんなときにシンさんが意地悪をするのか、とか。
 どんなときにシンさんが泣きそうな顔しているか、とか。
 どんなときにシンさんが本当の言葉をくれているのか、とか。
 でも、私が気づいている、とシンさんに知られてしまったら、シンさんが変わってしまうかもしれない。そのあと自分はどうしたらいいか分からないから。
 私が気づいていることは秘密。
 確証がないから判らないことにして。
 そうかもしれない、程度にして。
 ただ、シンさんが大好き。
 それだけで自分をいっぱいにしておきたい。


03: ゆずれない
 ヒロインが船長と話している。
 船長命令には逆らわない。
 それはもう、ルールというよりは、航海士であることの立ち位置の一つ。
 自分が航海士としてこの船にいる限り、守るべき一線。
 港に到着してから、ずっと楽しそうに船長と話しているヒロイン。
「おい、シン。ちょっとヒロインに会わせてやりたい奴がこの港にいるんだが、連れていっていいか?」
「ダメです」
 船長が苦笑する。
「そう心配しなくても、あそこに見える建物にいる、俺の知り合いの女だ。いいよな?」
「ダメです」
「おい…少しくらい、いいじゃねーか。悪いようにはしねえから、ちょっとの間ヒロインを貸せ」
「それは、船長命令ですか?」
「お、…おう」
あ、違うな。これは、断れる船長命令だ、と脳裏で航海士が囁く。
「…ダメです。その命令は聞けません」
 船長が苦笑して、わかった、わかった、と言って残念そうにヒロインに何か囁く。
 結局、船長は1人で船を下りて、建物に入っていった。
 これから俺は、ヒロインが船長と二人で何の話をしていたのか、船長が誰に合わせようとしたのか、船長が何を囁いたのか、納得するまでヒロインに言わせなければならない。
 船長を見送って俺のところへやっと来るヒロインを見ながら、俺はなんて言って聞き出そうか考えた。   


04: 距離感
 月の障りが始まると、ちょっとだけシンさんが遠くなる。
 夜とか、いろいろできないから怒っているのかな、と思ったけど、そういうわけでは、ないみたいで。
 でも、まちがいなく、キスとか少なくなる。
 それに、夜は私より後に寝ているみたいなのに、毎朝毎朝、私より先に目覚めて甲板へ行ってしまう。
 なんとなく、シンさんに避けられている気がする。
 ご飯も、あまり一緒に食べなくなるような気がする。
 そういえば、シンさんが深夜に見張り台に行くのも、この時期が多い。
 別に病気とかじゃないんだから、そこまでしなくてもいいのに、と思うけど、…なんとなく言えない。
「ヒロインちゃん、どうしたの?」
「え? どうもしませんよ」
 いけない、いけない。
 今は、ソウシ先生のお手伝いに専念しなきゃ。
「頭痛や腹痛かな? 生理痛に効く薬、飲む?」
「いえ、薬までは……」
 あれ? ソウシ先生に言ったっけ?
「気を悪くしちゃったかな? ごめんね? これでも私は医者だから。ヒロインちゃんの体調変化も、毎日見ていれば、判るよ」
 あ、そうか。さすがお医者さんだな。
「ソウシ先生、すごいですね。あの、別にどこか痛いとかじゃないんです。ただ、その…こうなるといつも、シンさんが遠いなっていうか…」
「そうなんだ?」
「なんとなく…そんな気がするだけかもしれませんけど…」
「なるほどね。シンに素直に言ってみたら? 面白いことになるかもしれないよ?」
「え?」
 言われたことが、どういうことなのか、ぜんぜん判らなかったんだけど…。
 結局、ソウシ先生は、ただ静かに笑っていて説明してくれなかった。


05: 泣きたくなんかないけど
 時折、ヒロインが母親を彷彿とさせるような言葉を言う。
 なぜだろうか。
 出会った最初の時も、『職業』について、ヒロインは亡くなった母親と似たようなことを言って、俺を驚かせた。
 そういえば、俺の母親は手紙も途絶え、帰宅することもなかった父親に対して恨み事ひとつ言っていなかった。
 子供から見ても、理不尽だと思えるような状況の中にいて、なぜだろう。
「シンさん、どうかしましたか?」
 聞いてみたのは、なんとなく。
 ただ、ヒロインならどうするのだろう、と。
「お前、もしも俺が『行ってくる』と言って出掛けたきり、何年も音信不通で戻らなかったらどうする?」
「困りますね」
「…困るだけなのか?」
 あまりに簡潔な答えに、俺の方が面食らう。
「はい。すごくすごく困って、待っていると思います。もし、黙って居なくなったとかだったら、絶対に探しに行きますけど。『行ってくる』と言われたら、行ったあとそこへ戻ってくるってことですよね。シンさんが言ったことは、やっぱり信じますから、戻るまで頑張ってそこで待ちます。どこに居るのか知ってれば、待ちきれなくて行っちゃうかもしれませんが…でもでも、限界までは信じて待とうと、思います。」
「…バカが……」
 確か、こいつの父親は、出稼ぎに行ってそのまま消えたのではなかったか。
 そんな経験をしているはずなのに、なぜ俺が、それと同じことをするかもしれないと考えないのか。
 無性に何だかわからないモノがこみ上げてくる。 
 ならば、もしも子供の俺が居なかったら、母親は父親を追って行っただろうか。探しに行っただろうか。
 そしたら、音信不通の誤解だってすぐに解けて、母親は幸せになれたかもしれない。
「あ、でも、ナギさんとか、ソウシ先生とか、トワくんとか、ハヤテさんとか、船長とか、誰か一緒に待っててくれる仲間がいたら、どこに居るか判っても、ちゃんと待てるかも…」
「あいつらと一緒に待たせるくらいなら、俺はお前を連れてくぞ」
「はい。その方が嬉しいです」
 ヒロインが本当にうれしそうに笑う。
 今のやりとりで、気付かされたことがもう一つ…これは、らしくなく涙腺が緩みそうだから、あえて考えないことにする。
 ただ、俺はそっとヒロインを抱きしめた。


06: 視線
 ナギさんに言われてジャガイモの皮をむいていたら、何かを感じた。
 ふと、顔を上げると、ナギさんと目が合う。
「なんですか?」
「あ、いや。皮むきの手際が良くなったな…」
「えへへ。そうかな…」
 褒められると、やっぱり嬉しい。

 医務室の手伝いで薬草の瓶を整頓してたら、何かを感じた。
 ふと、机を見ると、ソウシ先生と目が合う。
「なんでしょう?」
「今日も、ヒロインちゃんは、可愛いね」
「あ、ありがとうございます」
 ソウシ先生の天然は相変わらずだな。

 甲板で洗濯をしてたら、何かを感じた。
 ふと横を見ると、船長と目が合う。
「何か…?」
「ん? 今日も楽しそうだな」
「はい」
 船長が笑って船首へ行った。

 トワくんと洗濯を干していたら、何かを感じた。
 ふと、ふりかえると、トワくんと目が合う。
「え? 何?」
「あ、すいません。ヒロインさん、干すの早くなりましたね」
「そうかな?」
「もう、残り一枚ですよ」
「あ、ホントだ…」
 なんだか嬉しい。

 洗濯物を干し終えて、桶を片付けて、ふと振り返ると、ハヤテさんと目が合う。
「ハヤテさん?」
「な、なんだよっ、なんか用かよ」
「いえ、何も……」
何か用があるのはハヤテさんの方だと思ったけど、違ったみたい。

 乾いたシーツを運んでいると、シンさんの感じがする。
「シンさん?」
 振り返ると、シンさんが立っていた。
「…それが終わったら、掃除に来い」
「はいっ」
 掃除に呼ばれただけなのに、なんだか嬉しくなってしまう。
 急いで運んで、お掃除に行こうっと。


07: 笑顔を見せて
 身を固くして、涙を流して、怯えたように自分を映す瞳……。
 そんなつもりはないのに、ヒロインを傷つけてしまって後悔する。
 大切にしようと思ったはずなのに。
 守ろうと思ったはずなのに。
 肝心の俺自身からヒロインを守れずに傷つけてしまった後の苦さ。
 矛盾。
 傷つけた自分が、その傷を量り癒やそうとする欺瞞。
 謝罪の言葉なんかどれを選んでも、自分の声にした時点で虚言にしかならない。
 触れることすら容認されるかどうか不確か。
 憎悪の言葉や蔑みのまなざしが向けられても文句は言えない。
 許されたいのか許したくないのか、判別できない世界で。
 戸惑いながら手を伸ばした。
「シンさん?」
 拒まれることなく指先が触れて安堵し。
「はい。大丈夫です」
 精一杯の言葉が届いて安堵する。
「…大丈夫ですよ?」
 それでも、あれこれ心配事は尽きずに。
 ようやく。
 ヒロインの笑顔を見て、想いがあふれだす……。
 きっと何度も、俺は繰り返していくのだろう。この過ちを。


08: 相談役
「おい、何悩んでる? 話してみろ」
 困り事や悩み事がある時に厨房で手伝いをしていると、ナギさんが聞いてくれる。
 なんでナギさんは、いつも、いつも、わかるんだろう?
「シンさんに調べておけって言われた言葉なんですけど、どの辞書を調べてもみつからなくて…」
 ナギさんが、苦笑している。
「つまり、辞書には載っていない言葉を、調べろと言われて、しかも今回は、誰かに相談するなとも言われなかったんだな」
「はい…」
「なら、嫌がらせの可能性も高い言葉だな」
「そうなんですか? 別に変な言葉じゃないと思うんですけど…」
「普通の言葉は、辞書に載ってる」
「そうですよね…」
 やっぱり、変な意味の言葉なのかな?
 なんとなく、ナギさんは私が調べろといわれた言葉を知りたくなさそう。
 ナギさんが溜息をついた。
「で、お前が調べてる言葉は何だ?」
「えっと…『松葉くずし』という言葉なんですけど…変な言葉ですか?」
「………」
 ナギさんが黙りこんでしまう。
 やっぱり、変な言葉だったんだ。
「…そりゃ辞書には載ってねぇな。お前、船長やドクターに相談するなよ」
「えーと…つまり、なんか、すごく変な言葉なんですね?」
 ナギさんに最初に相談して良かったかも。
「素直に判らなかったと言って、シンに教えてもらえ。船長やドクターになんか聞いたら、実践されるぞ」
「は? 実践ですか?」
 ナギさんが困ったように何か考えている。すごく考えている。
 うわー、やっぱり、ものすごく変な言葉だったんだ。
「あー。その、な。……子作りの技の名前、といえば分るか?」
 なっ……。
「ヒロイン?」
「す、すいません、ナギさん。すごい変なこと聞いちゃって…」
あわてて、謝った。
 今、思いっきり思考回路停止したんですけど…うわー、なんてことナギさんに聞いちゃったんだろ…。
「…シンの嫌がらせだろ」
「はい。本当にすいませんでした」
 顔が熱い……。
 恥ずかしくて、ナギさんを見れない……。
 シンさん、意地悪すぎます……。


09: 想いの行方
 ヒロインが楽しそうに笑ってトワと甲板掃除をしている。
 子供みたいに無邪気で…眺めていたら、俺には、あんな笑顔は見せないな、ということに今更ながら気づいてしまった。
 年下のトワのことを、あいつは唯一「くん」で呼ぶ。
 ナギもハヤテも俺も「さん」だから、そういった意味ではあいつは特別だ。
 眺めていると、ヒロインは、トワにはやたらと世話を焼こうとする。
 掃除を手伝うだけじゃなく、洗濯の汚れを落とすコツを伝授したり、何かとあれこれトワへ意識を向ける。
「お前は誰のモノだ」
「え? シンさんのモノですよ」
「ほう。トワのモノかと思ったがな」
 以前、腹立たしさにそんな会話をした時、ヒロインはトワといると弟といるみたいなのだと、必死に説明していた。
 ヒロインが、弟のことを大切にしているのは知っているが、そんな力説をされると、会ったこともない『弟』という男が気になる。
 そのうちに、ヒロインは弟に対する想いは、自分の子供に対するようなものだと説明した。
「子供?」
「はい。産まれたときから見ていて、たまにお母さんの手伝いで、オムツを替えたり、ミルクを飲ませたり。大きくなってきてからは、着替えを手伝ったり、食事を手伝ったり。毎日、あたりまえのようにしてたんです。育ての親みたいな感じ、と言ったら、解ってもらえるでしょうか?」
 つまりは、キスしたり抱き合ったりしたい相手ではない、決して恋人にはならない存在だ、ということで一応納得はしたのだが。
 それにしても、トワに向けるあの笑顔は…許し難い。
「怖い顔してるね、シン」
ドクターが隣に来て笑った。
「何か?」
「ははは。シンてば、トワがうらやましいの?」
「ドクター?」
 なぜ、俺がトワを羨ましがらなければならないのか。
「ヒロインちゃんは、もともと『お姉ちゃん』をやってきているから、男を甘えさせるの上手だよね」
「?」
 ヒロインが男を甘えさせるのが上手い??? なんだ、それは。
「私から見ると、シンも随分ヒロインちゃんに甘えてるけどね」
そんなはずは…。
「ヒロインちゃん、シンの我儘は、全部許して、きいてくれるでしょ?」
「……アイツは、俺のモノですから当然です」
「フフフ…、本当に、シンらしいよね」
 ドクターは居心地の悪い笑いを残して、トワのところへ行く。
 ヒロインとトワの二人が、ドクターに何か頼まれて医務室へ入っていくのを、俺は釈然としないまま見送った。


10: 告白
 厨房へ手伝いに来たヒロインの鎖骨に、シンが昨夜残したのだろう印を一つ見つける。
 まあ、一つなら…黙認だ。
 うっかり手出しする可能性がゼロとは言えない自分への、戒めになる。
「その人参の皮をむいたら、短冊切りにしてこっちの鍋に入れとけ」
「はいっ。今日はこの人参で何ができるんですか?」
「半分は人参と豚肉の豆板醤炒め。もう半分は中華風つみれ汁だ」
「じゃあ、人参のあとに葱を刻めばいいですね?」
「ああ…」
 毎日手伝っているヒロインは、詳しく説明しなくても伝わる機会が増えた、と思う。
 自分の言わんとしていることが、いちいち言葉にしなくても伝わるのは、心地いい。
 特に会話が無くて、お互い黙って隣に立っていても、その自然な空気が流れている時が、一番幸せな時間のような気がする。
「ナギ兄、腹減ったー。何か食いものー」
 せっかくの静かな時間に、ハヤテが割り込んできた。
「もう少しで飯になるから待ってろ」
「えー。もうダメ。ヒロイン、何かつまみ食いしていいモノそこにないの?」
「あっても、私の独断でハヤテさんに渡せませんよ」
「ちぇっー」
 身を乗り出してヒロインの手元を覗き込んだハヤテが、嫌なものに気づいたらしい。
「ヒロイン、おまえ、それってキ…」
 咄嗟に投げたゆで卵がハヤテの頭を直撃する。
「ってーな、ナギ兄っ」
「それやるから、あっちへ行け。料理の邪魔だ」
 去っていくハヤテを見て、ヒロインが聞いてくる。
「ハヤテさん、何を言おうとしたんでしょう?」
「…どうせ、切り方を変えろとか、くだらないことだ」
 食事中はシンもいるから、ハヤテもキスマークについては何も言えないだろう。
 どんなに心地よい時間が流れても、隣に立つこいつは、俺のものではない。
 ただ、自分のモノじゃないから諦めるようだったら、もとから賊なんかしてない。
「欲する心は、消えねえよな…」
「え? 何か言いました? ナギさん?」
「ハヤテがまた来たらうるさいから、さっさと仕上げるぞ」
 俺は、自分が切り終わった豚肉と、ヒロインが切った人参を炒め合わせる。
「おいしそうですね」
「…愛情詰まってるからな」
「そうですね」
 誰の誰に対する愛情か、なんて気付くはずのないヒロインは、俺を見て笑った。


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18歳以上の大人です