6.ホゾつめとミガキ 次のページへ
ホゾつめはかなりの熟練の技術を要求されます。
特に4PC機はつめにくい構造になっています。
しかし場合によってはかなり減りがひどい時などつめタガネ
でつめなくてはなりません。
つめた後はホゾを丸ヤスリの油目で補正します。

この項は特に職人としての技術を発揮できることです。
こぼれた歯車を補修する入ればや、広がりすぎたホゾを銀ロウ
などで埋めてしまった後再びホゾを作ってしまうなど一人一人自分
で工夫を重ねた熟練の技術があります。
4PCのような高性能機
でも減りは出ます、そのあたり是非参考にしてください。
続いてアンクル爪のへりの修正をします、あまりしすぎると
片おもりの原因になりますのでほどほどに。

歯車のカナなどミガキをかけます、また歯車芯にもミガキをかけます。

用意する工具など
穴締めタガネ3本セット 1500円 金床 2300円 金槌 ソージボウ など

@分解した 時計を洗浄する
歯車や基盤を丁寧に洗います、この作業が終わったらベンジン
はしっかりした容器に戻してください。
上下の基盤を洗ったら、歯車その他の部品最後に機械油の
たっぷりついたゼンマイを洗います。すべて洗い終わったら
1時間程度自然乾燥させる。

A専用の布で丁寧にミガキをかける。
ホゾなど汚れのひどい 所はなかなか布では汚れ がとれません。
割り箸や専用の落とし具 で落とします。アオコや アカコなど使うととても
仕上がりがよくなります。

Bホゾや歯車のカナをヨウジや割り箸の先をとがらせた物で
丁寧に磨く。ソージボウセットもあります 3000円

C油砥石などでアンクル爪のへりを修正する。
ガンギ車に当たる部分が多少摩耗しています。
なおこの程度では軽くミガキをかける程度でいいでしょう。

Dホゾをつめる。
特に運針用に減りが出ていました。これを修正しました。修正用のタガネは、ボウズが
3種類程度 半月型の物3種類程度なおこれらは 一連のセットになっていて、
腕時計や 置き時計などにも使います。 お値段はかなりします、もっとも使い
こなせるかどうかですが。 最近町の時計屋さんの廃業が目立っ ています。
知り合いがあったら分けた戴くなどし てはいかがでしょうか。 
あまり強くつめすぎないこと つめたあとしっかりとホゾを磨き上げて歯車
のアガキも十分にとっておきます。

  ホゾの減りはどの程度で修正したらいいのでしょうか、答えは簡単です減りが
出ていたら修正しなくてはなりません。しかし実際は2割程度の編芯はほとんど
問題になりません。しかしそれ以上になったらやはりホゾつめはしなくてはなりません。
ホゾつめをしっかりすると振り子の振り角も大きくなり時計が元気に動くようになります。