「Oregon Divisional ChainsawSculpting Championships」

広く青い空、どこまでも続く森林、草原を歩く鹿の群れ。オレゴンの大自然に心奪われてしまった〜。

6月16日(水) 長野の自宅を出発して約20時間、オレゴン州ポートランドに到着した。経由地サンフランシスコ空港では
靴まで脱がされ、ますます厳しくなるセキュリティーチェックに閉口し、飛行機に乗り遅れそうになりつつの旅立ちである。
それでも飛行機から見下ろすポートランドの景色はとても美しかった。


空港について事件発生、預け荷物の受け渡し所でアナウンスで呼び出される。
どうやら2個預けた荷物の一つを飛行機に乗せ忘れたというのだ。
以前アメリカをバスで旅していたとき、荷物の行方不明は散々経験したので
特に動揺はしなかったが、内心「めんどくせーなー」とは思った。
荷物の到着があまり遅くなるようであれば、リーズポートに送ってもらおうと思ったが2時間で来るというので
待つことにした。やっと荷物を受け取りレンタカーを借りてポートランドの町へ出る。
チェンソーショップ、ホームセンター、アウトドアショップ、アンティークショップ、時間のある限りまわった。
オレゴン州はSalesTaxがフリーなので買い物するにはありがたい!ちなみにワシントン州、ペンシルバニア州は8%も取られる。
更に驚いたことにこっちは夜9時過ぎても明るい、10時頃やっと暗くなるので得した気分である。
フリーウェイのレストエリアで少し仮眠を取り一気に大会開催地のリーズポートまで移動する。夜中の1時到着、車中泊。

6月17日(木) 朝7時、チェンソーの音で目が覚める。そうだ、会場に到着していたのだ。
 歩いて会場に入ると2002年にウェストポートの大会でお世話になったナイル・トーマス氏、スティーブ・バッカス氏と再会。
オーストラリアから来ているアンジーや昨年の優勝者ブラッド・シャープ氏とも再会を喜び合う。
主催者ボブ・キング氏からカービングする場所と材木の選定を手伝ってもらい準備に取り掛かる、大会はもう始まっているのだ。

今回、幸運にもコマツゼノアUSAの協力をいただき、5台のNewチェンソーを手配することができた。
アメリカでは「REDMAX」というブランドになる。ブライアンが東栄の大会で着用していたかっこいい赤いチャップスも用意されていた。
当然、会場での注目度はNO.1 アメリカ人カーバーから「これはどこのチェンソーだ?」「排気量は?」「値段は?」と質問攻めにあう。
チェンソーを組み立て、場所のセッティングを行い準備を進めていく。自分が選んだ木は「ホワイトシーダー」日本の杉に
とてもよく似た木で末口で直径60センチあった。そのほかにもパイン、レッドシーダーなどが用意されていた。
クイックカービング用にパインとレッドシーダーも少しもらう。
そうこうしている間にクイックカービングの時間が来た、クイックは1時間15分で一つの作品を彫り上げる。
彫った作品はオークションにかけられ、売上げは主催者のものになる。
初日は慣れるためもあり、パイン材を使って無難にフクロウを彫る。が、甘かった、、、。
木がとにかく硬い。日本で彫っている赤松の比ではない。調子がつかめず時間ばかりが過ぎていく。
そしてもう一つ日本と違うことは大きな作品であればあるほど高値で売れる!ということ。
私は日本の感覚で「持ち運びがしやすいように」なんて考えて小さいものを彫った。結局$70しか付かなかった。
全体のクイックカービングのレベルはさほど高くない、東栄の大会のほうがレベルが高いかもと思うほどだ。
だがでっかい作品はいきなり$100からのオークションである、国民性を感じずにはいられなかった。
午後からようやくメインカービングに取り掛かった、今回自分が彫る作品はトンボである。
岩手の西間さんが東栄の大会で彫ったやつが印象深くて自分でも彫りたいと思っていたのだ。
しかし、一度も練習することなくバタバタと渡米したのでちゃんと彫れるか心配ではあった。
資料は岩手カーバーからいただいた2枚の写真だけである。

旅の疲れ、時差ぼけがブレンドされてなかなか調子が上がらない、今日は無理せずトンボの羽根を10枚作るのみで終わりにした。
夕方、チェンソーの目立て、メンテナンスを行いスティーブやボブ、アンジーらと共に会場横のバーに飲みに行く。
ココがまたいい雰囲気なんだな〜!おいしいオレゴン生ビールをおごってもらい、いい気分で少し離れたモーテルへ
ここで3日間ほどお世話になる。風呂に入りて〜!!

6月18日(金) 朝思い切り寝過ごした。モーテルはとても快適なのだが、カーテンを閉めてしまうと
真っ暗になってしまうので朝が来てもわからない、あわてて仕度をし出発する。行きしなの車の中で聞いていたFMラジオから
大会のコマーシャルが流れていていた、なんと日本人が初出場することも放送されていてビックリ!!
「遅れてごめんなさいっ!!」って感じです。会場で主催者側が用意してくれているドーナツとコーヒーを食べて
カービング開始!他のカーバー達はすでに始めている。今日はしっかり寝たので調子はいい、丸太を半割りに
するところから始めていく。朝は曇っていたがこのあたりからピ−カンに晴れた、日差しが強く暑いが湿度は少ない。
今日のクイックカービングはイーグルを彫る、木はレッドシーダーだったので彫るそばから木のいい香りがプンプンした、
なんて贅沢なんだろう!日本では考えられない。今日も新しいREDMAXのチェンソーの質問が堪えない、
私の英語は素晴らしくないので相手にきちんと伝わっているかどうか?心配である。


半割りにした丸太から2種類のトンボを彫り上げる予定の1体が本日完成し、なんとなくホッとした。
内心失敗したらどうしようと思っていたからである。それでもって驚いたのは作品の反響!
自分でもビックリするぐらい「作品を売って欲しい」と声を掛けられた。(さすがマーケットが出来ているアメリカである)
「まだ明日もう一体彫るし、審査が日曜日にあるので」と丁重にお断りすると「じゃあまた日曜日に来ます」と言って
くれる人もいた、うれしいかぎりです。
午後5時半、二日目の彫刻が終了しクイックカービングの作品オークションへ。全身に心地よい疲れを感じつつ
会場内でディナーをとる、ハンバーガーにマカロニサラダ、etcとてもおいしい!。
また町で唯一の日本人のおばさんが応援に来てくれました。

帰りに↓下のような四輪バギーを積んだトレーラーをたくさん見かける。明日のお休みでたくさんの
ライダーがオレゴンデューンを楽しみに来たようだ。



後編につづく


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