ホーム業務内容実例集雑記帳問合せブログ


安曇野の平屋の家


.
安曇野に建つ50代の夫妻のための平屋の住まいです。
東側に配置した玄関を入ると、全長12間(22m)の空間が西に広がります。そこに、ダイニングキッチン〜リビングルーム〜和室〜ベッドルーム〜バスルーム〜と、暮らしの高さが低くなる順番に部屋を並べて、ワンルームのように一体に構成しました。
南側には大きなガラス窓のサンルームを配置しました。サンルームは、内と外を穏やかにつなぐ、空間の緩衝地帯です。
冬はいっぱいに採り込んだ陽差しを土間の床に蓄え、夏は深い軒が日射を完全に遮断して北の低い窓から導いた卓越風を南の高窓に抜きます。
次世代省エネ基準を余裕で満たす断熱仕様であると同時に、自然を享受して快適に暮らす、環境と共生する住まいです。
猛暑の続いた2010年の夏もエアコンを使わずに乗り切ることができ、迎えた冬も天気の良い日中は暖房無しでも暖かく過ごすことができました。



. 建物の軸線は、安曇野のシンボルの常念岳に一直線に向かいます。
二方向の道路に面する敷地を生かし、通り抜けできるビルトインガレージをつくり、建物本体と一体の屋根を架け、おおらかで伸びやかな外観をつくりました。

. 西には建物と一体の高い塀をめぐらし、西側に配置した水廻りのプライバシーを保っています。

. 車椅子の身内のために、徹底したバリアフリーの仕様にしました。
前面道路からの1.8mの高低差を、引きのあるスロープで吸収します。
道路からガレージ、玄関、室内にかけて、全く段差のないフラットな床が続きます。

. 段差の無い玄関は、床の仕上げを切り換えて上下足を区切り、段差の代わりに、靴を履くときなどに腰掛けられるベンチを設えました。

. 玄関とガレージは土間収納で結ばれます。
土間収納は、勝手口収納としてキッチンともつながります。

玄関から室内まで、家の全ての出入口が引戸です。

. サンルーム

オープンに暮らすための内と外の緩衝空間です。
掃き出しの開口部から、外のデッキにフラットな床でつながります。

外に広がる安曇野の田園風景の先には、遠く松本の市街地まで見渡すことが出来ます。

. ブラインドなどの目隠しを取り付けていないので、外の風景がいつでも見渡せます。
外からの視線は、サンルームが緩衝地帯になり、ほとんど気になりません。

. フラットな床と同じく、天井もフラットに継ぎ目が無くつながります。
内部仕上げは、床はカエデのフローリング、壁と天井は珪藻土入りの左官仕上げです。

チェリーの造付家具はオリジナル設計。
制作はフレームの甲高さん。

薪ストーブはドブレ。
設置は暖炉館の金森さん。

. リビングからの見返し。

和室は落ち着いた雰囲気に仕上げました。

和室の先は、両側から使える本棚で緩やかに区切ったワークスペースです。

暖房は薪ストーブの他にPSパネルヒーターを完備しました。

. 四方の窓から視線が外に抜けます。

. ワークスペースは、夫婦それぞれのスペースを平等に並べて設置しました。
机は造り付け、中央には手持ちの収納を納めました。

. ワークスペースを区切る本棚のマスは、透明度の違う3種類の板を使い分けることで、さまざまな使い方を発想させてくれます。

. 玄関方向の見返し。
突き当たりの左手が玄関です。

. ワークスペースの反対側が寝室。
手持ちの本棚を利用して転倒防止用を兼ねた接続板で自立させ、夫婦のスペースを仕切りました。

. 南に面した明るいトイレ。

. 西の突き当たりの洗面所。
正面の窓からは真正面に常念岳が望めます。
窓ガラスは壁に引き込まれて全開になります。

毎日を気持ちよく暮らすために、明るくて気持ちのいい場所につくりたい水廻りです。

. 浴室は桧板張り、水掛かりの多い腰壁はタイルです。
大判のタイルは目地割りが大切です。
例によって、板壁の目地とタイルの目地を通していますが、誰も気が付いてくれません…

窓の外は高い塀で囲い、外からの視線を気にせずに入浴できます。


. 建築前の敷地の様子。

緩やかに傾斜する田園風景。
まわりは開けていてどこまでも視線がとどき、西には安曇野のシンボルの常念岳がそびえ、北は白馬連山、東から南にかけて美ヶ原の麓に広がる松本の市街地から南アルプス連山まで望める絶好のロケーションです。
.


ここに、まわりに広がる安曇野の田園地帯に調和する、ゆったり伸びやかでゆとりと開放感のある平屋建ての住まいをイメージしました。

.
□施工・建築工房時遊館
□竣工・2010年5月
□場所・安曇野市堀金
□掲載・KURA2011.2・信州の建築家とつくる家7

□ブログ・安曇野建築日誌〜安曇野の平屋の家

obinarchitect

実例集に戻る