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東北ツーリング兼オーリンズサスインプレV
2001/09/05−07


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一日目:4:15出発、到着17:30 
走行距離739Km ガス36.7L 燃 費20.1

R148白馬→糸魚川、北陸自動車道路→新潟西IC、R7→紫雲寺、R113→荒 川、R345→山北町、R7→遊佐町、鳥海ブルーライン→象潟、R7→本荘、R1 05→大曲、角館、田沢鷹巣、R285→大館、樹海ライン→小坂町、十和田湖、R103→奥入瀬(泊)。
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二日目:9:00出発、到着17:10 
走行距離499Km ガス26.2L 燃 費19.0

R103→八甲田、R394→六ヶ所村、R338→むつ市、R279→大間町(本 州最北端)、R338→佐井村、かもしかライン→川内町、R338→むつ市、R2 79→野辺地町、R4→七戸町、R394→八甲田(八甲田周囲の国道県道)、R103→奥入瀬(泊)。
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三日目:8:15出発、到着20:20 
走行距離801Km ガス42.2L 燃 費18.9

R103→十和田湖、樹海ライン→小坂町、東北自動車道路小阪IC→会津板下I C、R252→十日町、R117→長野、オリンピック道路→白馬。
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トータル走行距離 2039Km ガス105.1L 燃費19.4Km/L
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一日目

宿は奥入瀬渓流に予約済みなのでそんなに急いで出発することもなかったのだが、 ザッと計算しても700Km以上の行程になるのと、いくつになっても明日からツー リングだと思うと気分が昂揚して熟睡出来ず、4時過ぎには出発してしまった。

糸魚川から新潟までは高速を使い、プレオイリングシステムの共振との関係もあるので110Km/h程度で淡々と走り、新潟以降は海沿いの国道を北上する。
笹川流れ付近の道路は以前走った時とさほど変わってはおらず、 所々改良されていてとても走りやすい。R7に合流してからは一桁国道ということも あり車は多くなった。
退屈なR7に遊佐町で別れ、今回の一つの目的でもある鳥海ブルーラインに入る。 コーナーの速度レンジは60〜80Km/hといったところ。
コーナー間の間延び が少ないテンポ良く走れるとても気持ちの良い道で、道路のピーク付近から見る日本海も鳥海山の頂も絶景だった。R7でだらけた気分をワインディングでシャキッとさせて再びR7に戻る。

本荘からの国道は7年前とは比較にならないほど改良されており、途中にある道の駅もこれほどの設備が必要なのか?と思わせる規模の大きなものがあったりする。 角館から田沢湖の脇を通って大館までのR105は今回はじめてのルートだったのだが道幅も広くコーナーも適度にあって距離が長いだけに飽きずに走れた。それに何と言っても交通量が少ないのが良い。

いつもソロで走る時は昼食は抜き。特に日が短くなるこれからの季節は昼の一時間は貴重。
大館から十和田湖までの「十和田大舘樹海ライン」も交通量が少なく、路面状態の良い楽しめる道だ。発荷峠には16:00に着いた。宿までは後僅かなので十和田湖を眺めながらゆっくり休憩する。
色付き始めた葉っぱもちらほら見ることは出来るが、まだ紅葉の時期には早い。夏の名残の空の色と雲、湖面を渡って流れてくる冷たい風はこれからの寒い冬を予感させる秋とのクロスオーバーに似つかわしい。もう少しするとこのあたりは鮮やかな錦に彩られ、大勢の観光客の歓声に包まれることだろ。

発荷峠から湖畔までの下りは路面状態最悪。補修に補修を重ね、ついに諦めたといったところか?オーリンズをもってしてもサスストロークが限られているオンロードMCではお手上げ。観光道路ということもあり他に新ルートの予定があるのかもしれない。奥入瀬渓流では途中滝のある場所で見学。湖から流れ出る水量を調整しているのかどうかは知らないが、水位の変化が少ないから岩や倒木の苔も美しさを保てるのだろう。ここも紅葉の時期に遊歩道をゆっくり散策してみたいと思わせる。

梢のトンネルを抜けたところが今日の宿。17:30に無事到着。大型観光ホテルなのに迎えてくれたオバサンはとても愛想が良く気分も絶好調。思わず連泊することにした。
広くて気持ちの良い温泉に入っていよいよ昼飯抜きの腹に夕食をぶち込もうと気合を入れてレストランに行ったところ、団体ばかり相手にしているせいか、係のババアとネーチャンの態度には呆れてしまった。一人なんてのはゴミらしい。詳しい内容は書くのもはばかれるので止めておきますが、「やる気がねーんだったら辞めたら?」というくらいの、ただでさえ○○なのにそのふてぶてしさが○○に拍車をかけて見事な雰囲気を醸し出しているといったアンバイ。 食事もイマイチだったのは言うまでも無い。きっと客だけではなく、従業員仲間や管理職も手を妬いているのではと思ってしまった。
ホテルは設備も至れり尽せり、料金もシーズンオフなのでリーズナブル。殆どの従業員が気持ちの良い応対をしているのにほんの数人出来の悪いのがいるだけでイメージは最悪になってしまう。同業者としてはとても勉強になる。もう一泊はキャンセルしようかとも思ったが、面倒くさいのと明日の夕食は別のレストランでバイキングを食べることにして20:00には寝てしまった。

今日は「常識的+α」のペースで様々な状況をサスのセッティングを変えながら走ったのだが、ロングツーリングで快適(コーナー含む)と思われるセッティングは一応出来たと思う。

体重83Kg、荷物7Kg(リヤシート)という条件で
Fリバウンドダンパー13クリック戻し。
Rプリロード4回転締め。
Rリバウンドダンパー12クリック戻し。
Rコンプレッションダンパー11クリック戻し。

F、R共に数十クリックの調整幅があるのだが、1クリックあたりの変化がけっこう大きいので0.5クリックがあっても良いかなーと思わせる。


二日目

5時起床、ナント9時間も爆睡してしまった。MCのチェックを済ませた後付近を散策。渓流沿いの遊歩道は良く整備されていて気持ち良く歩ける。 朝食を摂って9:00に下北半島に向けて出発。

八甲田山の谷地温泉までのR103はタイトなワインディングの連続で、木の枝が覆い被さって路面が暗いこともあり、攻めるより見事なブナ林をゆっくり観賞しながら走った。 谷地温泉から七戸町までのR394はMCに乗る者にとって正に「シビレル」状態が28Kmも続く。特に「田代平高原」付近の景色とワインディングはここを走れただ けで800Km近くを移動してきた価値があると思わせるもの。下北半島は割愛して「ここで遊んじゃおうか」という誘惑を振り切って先を目指す。

七戸町からのR394は所々整備されてはいるもののやはり三桁国道のレベル。交通量が少ないのが救 い。 六ヶ所村が近づくと道幅も広くなり、風景や整備された道路は北海道を思わせる。ただし公共事業の真っ最中のせいか多くのダンプが行き交い、せっかくの道が泥にまみれている。ダンプが巻き上げる砂埃に閉口しながら北上すると、「核関連施設」と思 われる構築物が見えてきた。高いフェンスの上部に張り巡らされた電線には高圧電流 が流れているのでは?と想像させるが、その内側に林立する巨大なクレーンの下で行 われている作業の内容は知る由もない。

いずれにしてもここが「核関連施設」だと知らなくても得体の知れない雰囲気に包まれた一帯であることは確か。MCが切り裂く空気にはひょっとして放射性物質が浮遊しているのではないかと思うと、短時間の通過だけでも不安になる。この不安に晒されて生きる道を選んだ住民にはやはりそれなりの待遇は必要だろう。
そのせいか新築の公共施設はどれも大きくリッパ。こういったものが果たして住民の幸福感とリンクするのかどうかは解らない。
政治的な意図など全くないが、エネルギーを大量に消費し廃棄する都市にこそ、せめて1基くらい原発とそれに伴なう廃棄物の処理施設が必要なのではないかと思ってし まう。こうした施設を受け入れざるを得ない地方の事情や住民の気持ちは・・・・。 ちょっと考えさせられた「六ヶ所村」を通過し、むつ市に到着。

恐山にはとても一人で行く勇気がなく下北半島を反時計回りで本州最北端の大間町を目指す。 むつ市を抜けると道幅も広く快適な海沿いのワインディングが続く。空はあくまでも蒼く、潮風が心地よい。但し風が塩気も運んで来るのでヘルメットのシールドが白く変色して視界が悪化する。それにしても私はどうして最○端といわれる地を目指すのだろうか?。何の変哲もない岬にはお決まりの土産屋が数軒と、「本州最北端」 の碑が立っているだけなのに。

岬にMCは私を含めて6台だったが、お互いに写真を撮り合ってそこを後にした。
佐井村から「かもしかライン」に入るつもりが入り口がわからず、通りすぎてから十 数キロも走ったあたりでようやく変だと気付き、Uターンして再び佐井村に戻る。でもこの道はタイトコーナーの連続ではあるものの、道幅も広く高所から海を望める絶景の連続だったので間違えて正解だった。それに往復する間他の車には一台も逢わなかったのも国道としては驚き。

佐井村で「かもしかライン」への入り口を尋ねるが、「エッここが入り口?」と言うくらい狭くてわかりずらい。初めて訪れる人は例え「マップル」とにらめっこしていてもきっと一発ではわからないだろう。とにかく川内町に向けて「かもしかライン」を進 む。全長40Km程度と思われるこの道路も、気持ちの良いワインディングの連続で走りを満喫出来る。
山中のおいしい部分では追いついた車は皆無、すれ違った車は1台だけという贅沢な使い方。さすがに陸奥湾岸に出ると多少車は走っているが、峠を楽しんでいる内に三 角に吊り上がった目を元に戻すには丁度良いペースで流れている。とはいっても青森や秋田の人は北海道の人以上の勢いで飛ばしている。

むつ市から野辺地町、七戸は交通量が多く、ここは大人しく他の車の流れに合わせて我慢の走行。七戸からはいよいよ朝に確認済みの官能的ワインディングが八甲田まで続くR394だ。
今度は登りでもあり、アドレナリンも景気良く分泌されるので、ついついスロットルの開けっぷりも良くなる。 サスのプリロードを多めに掛けているので車高が高くなり、バンク角が増えた為に容易にスタンドが接地することはなくなった。
リヤタイヤが滑り出すあたりまで寝かせると今度はブーツが接地してしまうが、気分的にはセンタースタンドの接地よりはる かにマシ。回りこんだ中高速コーナーはMCが深く寝ている時間が長いので大好き。 ここは理想のコーナーのオンパレードだ。
コーナは寝かせる時間を短くしてアクセルを早く開けられるようにするのが良いと云われているが、そんな勿体無い走り方は出来ない。遅くてもなるべく長く深く寝かせて回っている時が一番楽しい。
谷地温泉にはそれこそ「アッ」というまに着いてしまい、後はR103を宿に向かうのみ。時間はまだ3時半だったので八甲田山を時計回りに1周することにした。

酸 ケ湯、R394との分岐を過ぎ、「雪中行軍遭難の地」方面に右折、県道#40「青森田代十和田線」に出る。丁度そのT字路の先に「雪中行軍遭難者銅像」があった。 見学した後県道#40を田代平高原方面に走り、R394との交差点を右折し谷地温泉、奥入瀬を目指す。この部分のR394を走るのは今日3回目。道の様子も判っているのでペースはさらに上がる。
八甲田山の北北西は快晴で紺碧の空の下を爽快感いっぱいで走り、南南東はガスに覆われていたものの走行に支障をきたすほどではなく、光と影のコントラストが低い分路面が一定の明るさで見えるので、むしろ走りやすかった。
「もう充分楽しんだ」という満足感でいっぱいになり、谷地温泉から奥入瀬の宿までは朝と同じくブナ林を観賞しながらゆっくりと走り、MCも体もクールダウンさせ る。

宿の前のGSでガスを給油しようと入った所、後ろから来たBMW R100RSに乗った人物に声を掛けられた。「この時期はMCも少なくましてやBMWに乗っているのは珍しいので後をついて来た」とのこと。妙に「人なつっこい感じ」が怪しくなくもないが、悪人では無さそうなので、「早く温泉に浸かりたい」という気持ちだったにもかかわらず、人の善い私は思わず「軽く御一緒しますか?」などと口走ってしまった。

彼はそれを待っていた様に嬉々として私を先導し、又同じ道を谷地温泉から田代平高原に向かった。GSでの会話から、彼が八戸在住でこのあたりの道を走り込んでいる ということは判っていたが、初対面の人間を先導するには「やけにペースが速いんでないかい?」という勢いでカッとんで行く。
十数年前に出来た2本サスのR100RSをこんなに速く走らせる彼を「凄いなー」と感心しながら従いて行った。
そのうち彼は地元の利を生かして私を引き離そうとしているらしく、コーナー進入時は時々尻を振り、シリンダーヘッドのバンパーが接地するほど攻めこんでいて、後ろからは彼がR100RSの持てる性能を全て使いきっているように見えた。
私はといえば道の様子も4回目ともなると殆どのコーナーは頭に入っていて、何よりサスペンションが最高の仕事をしているし、それにパワーは勿論コーナーリング速度が大分違う最新のR1100Sというアドバンテージがあるので余裕で従いていけた。しかし彼が確かな技量の持ち主であることは明白。

そうこうしている内に彼は田代平高原の休憩所にMCを停めた。缶コーヒーを飲みながらひとしきりの会話の中で、彼の職業は八戸の教会の牧師さまであることがわかった。ドーリで人あたりが良いわけだ。 時刻も5時を過ぎたので、彼の先導でもう一度同じ道を引き返す。「田代平高原」からのR394はナント今日5回も走ったことになる。古いMCなのに2本サスのR100RSは後ろから見るととてもスポーティーでカッコイイ。特に丸みをおびたテールカウルが一時期流行ったカフェレーサーを想わせる。R100RSは後ろから見ても前から見てもカッコイイのだが、横からの景色はいただけない。いつものことなのか回し過ぎたのかはわからないが、谷地温泉からの下り坂で牧師さまのRSは盛大に白煙を吐くようになった。深刻なトラブルでなければ良いのだが。
奥入瀬の「出逢い橋」で牧師さまと別れ宿に帰る。まる二日会話らしい会話をしていなかったので、とても楽しい時間をすごせた。声を掛けて頂いたことに感謝。
今日の夕食はバイキング、昨日とは大違いで大正解だった。

Rプリロードを8回転締めから4回転締めに戻す。

三日目

天気は曇りで昼前から雨の予報。今日は小阪ICから東北自動車道に乗りひたすら帰るだけ。二日間とても楽しく走れたので今日は例え雨でも全然OKと思ったが、少な くとも小阪ICまでのワインディングは路面が乾いていて欲しいと思った。
ところが宿を出てすぐに雨が降り始め、十和田湖畔に出た時はすでに本降り。カッパを着てゆっくり走る。高速に乗ったとたんに雨は止んだのだのだが、いつ又降り出すか分らないのでカッパは着たまま走る。 ところが磐越自動車道に入るまで結局雨は降らず、このぶんだとR252のワインディングを楽しんで、十日町/長野ルートで帰れると思ったのが大きな間違い。 磐梯SAでカッパを脱ぎ、会津板下ICで降りて只見町にさしかかる頃雨が降り始めた。田子倉ダム周辺の美味しいワインディングが目前だっただけに「ガックリ」。おまけに田子倉ダム周辺の道は工事中でMCはドロまみれ。
走行ペースが落ち、結局夜間の雨天走行になって対向車が連続する長野周辺では路面が見えずとても恐ろしい思いをしながら何とか帰宅できた。夜間の雨天走行は神経も体力も極端に消耗することを改めて実感した次第。

高速域でのオーリンズサスは中低速の時に感じたのと同様明らかに走行安定が向上しており、路面にシットリ張り付く感じは純正では体感できなかったもの。
補修のパッチワークや一般道のマンホールがあるところを通過する時など、以前は出来る限りそれらを避けていたのに今では殆ど意識しなくなった。
一日500Km以上の一般道走行でも腕から上半身にかけての疲労は激減した。それが証拠に2時間程度の走行では休憩する気にもならない。
コーナーや高速走行での安心感の増大も勿論だが、3日連続での長距離走行で嫌な疲労が皆無だったのがこの「R1100S+オーリンズサス」最大の美点だろう。
高速コーナー(180以上)でのハンドリングは未だ試してないが、純正よりはるかに良好だと想像できる。

サスとは関係ないが、R1100Sの唯一の欠点はスロットルのリターンスプリングが強めでスロットル保持力がけっこう大きく、長時間では右手首が痛くなること。

今回のツーリングの帰路東北道岩手山SAあたりでR1100Sは4万キロを越えました。

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