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2001/11/01
4万キロを越えて



9月の東北ツーリングの折り4万キロを越えた。現在42600Km。冬季(12月〜3月)の4ヶ月間乗れないにしては随分走ったものだと思う。
でも毎日MCで遊んでいるわけではなく、一回の走行距離が長い(400〜1000Km/日)だけなので乗る回数としては少ない方かもしれない。

この間Sは些細な問題はあったにしても、重大なトラブルも無く快適にツーリングをこなしてきた・・・・・・。と思っていたところ、リヤホイールハブシャフトのガタが随分大きくなってしまっていた。
これはいきなり発生した訳ではなく、1万キロを越えたあたりから気付いてはいた。
気にする程大きいものでは無く、この程度は構造上仕方ないものだと思っていたが、それが距離を重ねて少しずつ大きくなってきたものと思う。

他のページでさんざんタイヤやハンドリングのゴタクを並べていたのに、ハブシャフト(アクスルシャフト)のガタを見落していたのは実に情けないし、間抜けだと思う。
ハンドリングの違和感(パイロットスポーツの小さな段差乗り越え時の振られや、マカダムのオーバーステア傾向)だって今思うとタイヤのせいではないよーな気がする。

ガタ(スラスト方向で約0.5mm)が発生してから注意深く走行状態をチェックしてみたところ、挙動不審なのはやはり直進状態から倒し込みを始める部分と、スロットルの僅かな開閉の時。
スロットルの開閉が大きい時は縦置きクランクとシャフトドライブの癖が前面に出てしまうので、深いバンク角の時と同様ガタによる影響は感じられない。

気になることその1
左右共倒し込み初期でリヤタイヤが逃げる感じが気持ち悪い。

気になることその2
直進状態(速度60〜80Km/h)で僅かスロットルを開けた時リヤは右に流れ、閉じた時は左に流れる。
要するにスロットルの開閉で車体がローリング方向ではなく、大きくはないが左右に揺さぶられるということ。
当然とはいえCBR250RRやRC30ではスロットルの開閉によるこういった挙動は皆無。

ハブシャフトは進行方向右側がファイナルギヤケースに収まっているテーパーローラーベアリング、ホイール側がギヤケースカバーに収まっている大径ボールベアリングで支持されており、今回は このどちらかか又は両方共減ってガタが出たものと思いう。
カバーをとりつける時点でテーパーローラーベアリングにガタが出ない様に、ボール ベアリングのアウターレースにスペーサーリング(シム)を介して0.05〜0.1 mmのプリロードを掛けるように指示されているのだが、スラスト方向の支持はボールベアリングだけなので、構造的に厳しいのかもしれない。
両方4輪車のようにテーパーローラーベアリングだったらマシなのでは?と素人は思ってしまう。
いずれにしても耐久性を謳い文句にしているBMWが、タッタ4万キロ走行程度でハンドリングに影響するほどガタがでるものだろうか?

ファイナルギアケースのピボットも不安材料。
ピボットスパンが短く、かつピボットピンが細く、かつ軸受けは小さなテーパーニードルベアリ ングで、なおかつピボットピンが付くスイングアームエンドは当然ながら紙コップのように開放している訳で、力が掛かると変形してもおかしくない。

片持ちスイングアームでもRC30やドカの様にホイールのオフセットが大きく、スイングアームが大きく湾曲してベアリングがホイールセンターの両側に位置していると、ベアリングに掛かるストレスは少なくてすみそう。
スイングアームにネジレが発生することに変わりはないのだが、RC30の場合BMWよりゴツイスイングアームで、構造は日の字断面、端面は閉ざされているので 剛性は外観からもBMWに較べて圧倒的に大きいと思う。
でもBMWは同じ構造でK1200LTは車重300Kg近く、ペイロード170K gを保証しているので問題は無いのだろうが、まれであっても私のSにガタが 発生したことから、この構造は精神衛生上もあまり良いとは思えない。

当然とはいえ荷重が掛かる走行状態ではスイングアームが捩れ、リヤホイールは右に傾いてしまうので、ガタが無くても手放し走行でMCが右に曲がって行く。

とにかくこれ以外は問題無くツーリングを楽しめた訳で、R1100Sが優れたMCであることに変わりは無い。
修理から帰ったら又この先十数万キロは楽しませてくれることだろう。


Sが入院してから今日で11目 2001/11/11

ちょっと心配になったのでディーラーに電話してみた。
メカニックの話では案の定両方のベアリングが逝っていたのに加え、インプットシャフトのベアリングも同様。それとやはりピボットピンのベアリングも減っていたとのこと。
走り方はおとなしい方なので「おいおいマジかよー」という感じ。購入当初BMWは10万キロは問題ないと言われたのを信じていたので、かなりショック。駆動系は3万キロでチェーンの交換以外費用の掛からないRC30に較べると、もしまた4万キロ程度でガタが出るようだとメインテナンス費用はかなりの額になりそうで「話がちがうじゃーん」というところ。

イニシャルコストが多少高くても、ランニングコストが少なければ結果的にリーズナブルにMCライフを過ごせると思ったのは間違いだったかもしれない。

もう雪がすぐそこまで来ているのに、ベアリングプーラーが無いので修理が終わるまで一ヶ月以上掛かるらしい。月末の四国ツーリングはCBR250で行くことになりそうだ。

続 編 2001/11/18

またディーラーに修理の進行状況を見に行った。
リヤホイールドライブは分解され、ハブシャフトには新しいボールベアリングが組み込まれていた。ベアリングプーラーがなかなか間に合わないので、ベアリングをグラインダーで
「ぶった切って!」外したとのこと。
インナーレースの収まるシャフト部分が無傷で済む訳が無いのは容易に想像できる。
正規ディーラーがこういう荒っぽい作業をするなんてにわかには信じられなかった。
見に行かなければ「知らぬが仏」で済んだのにと後悔しきり。シクシク

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