突発性の痛みで、頭全体が割れるような痛みを訴えるのがくも膜下出血です。何時何分に始まったと覚えているほど突発的です。嘔吐を伴うことも多いです。軽症の場合は後頭部に限局した痛みだったり、歩けたりすることもあります。
 また老人に多く、頭痛、嘔吐、意識障害、知能障害、麻痺などが種々の組み合わせで見られるのが慢性硬膜下血腫です。比較的軽度の頭部外傷の既往が多いですが、記憶に残らない程度の外傷のこともあります。
 頭全体の痛みで、特に朝方がもっとも痛く、嘔気を伴う場合が多いのが脳腫瘍の頭痛です。
  
 その他の頭痛は機能性頭痛と言われるものです。片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛などがあります。

くも膜下出血:
脳動脈瘤の破裂や脳動静脈奇形からの出血、頭部外傷の時に見られます。頻度としては脳動脈瘤の破裂が最も多いようです。脳動脈瘤は脳の血管の壁に弱いところが、先天的に、あるいは後天的にでき、ふくらんでくるものです。それが突然、破裂して大出血を起こすとくも膜下腔に出血が広がり、頭痛を起こしたり、意識障害が進みます。50才代に多く、死亡する危険性が高く脳神経外科医による治療が必要です。夜間でも受診し、急いで治療を開始する必要があります。脳動脈瘤が再破裂する危険があり、手術が必要です。


慢性硬膜下血腫: 
中年以降のお酒を飲む男性に多い病気です。軽い頭の外傷後に
1?2ヵ月して、頭痛や軽い麻痺の症状が出てくるものです。硬膜下腔に徐々に出血し、血液が貯まり脳を圧迫するために症状が出るのです。お年寄りなどでは痴呆の症状が中心になることがありますので、注意が必要です。この血の固まりを除去することで症状は軽減できます。
脳腫瘍:
 頭の中の組織からでてきた腫瘍を全てひっくるめて、脳腫瘍と言います。悪性のものや良性のものがあります。大きくなってくると脳を圧迫するようになりますので、頭痛や嘔吐が始まります。場所によって様々な症状が出ますが、めまいやてんかんを伴う場合もあり、要注意です。
■その他の頭痛
その他の頭痛として、機能性頭痛と言われるものがあります。

 脈打つように拍動性の片頭痛は、女性に多く片側のことが多いです。
 鈍く圧迫されるような緊張性頭痛もやや女性に多く、両側に来ることが多いです。
 激しく刺すような痛みの群発性頭痛は、男性に多く片側の目の周囲に起こることが多いです。
 しかしこれは慢性的に経過する頭痛です。昼間に受診し、専門医から診断を受け治療してください。

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