みぞおちの部分が食後や空腹時にシクシク痛くなるのは、時として胃や十二指腸に潰瘍ができている場合です。⇒胃十二指腸潰瘍

激しい痛みが急に始まり、緊急の治療を必要とするのが汎発性腹膜炎と言われるものです。これは腹部全体に激しい痛みがあります。おなかは硬くなって、押さえると激しく痛がり、ほとんど歩くことが出来ません。これは腹腔内全体に強い炎症が広がったもので、緊急の手術が必要なものです。原因としては胃十二指腸潰瘍の穿孔、大腸癌や腸閉塞による消化管穿孔などがあげられます。

消化管のどこかに食べ物が通りにくい所が出来て、おなかが痛くなるのが腸閉塞と言われるものです。多くの場合吐き気や、嘔吐を伴います。また以前におなかの手術を受けている場合が多いです。便が出ていなかったり、おならが出ていない状態に引き続いて、おなかの痛みが出現します。お年寄りで足の付け根がぷっくりと腫れる鼠頚ヘルニヤがあり、それに引き続いて腸閉塞が起こる場合もあります。絶食にする必要もありますし、緊急の手術を必要とすることもありますので、すぐ受診して下さい。

最も多く一般的なのが、いわゆるはらいた、急性の腸炎です。徐々に腹痛は強くなりますが、痛みは間欠的でぎゅーっと強くなったり、軽くなったりを繰り返します。多くの場合下痢を伴います。腹痛はおなか全体のこともありますが、押さえた時の痛みはそれほど強いものではありません。

みぞおちを中心とした背部痛を伴う突発的な鋭利な激痛は腹部動脈瘤の破裂のことがあります。以前腹部大動脈瘤と言われたことがあり、冷や汗などショックを伴った腹痛は破裂と考えていいです。緊急手術が必要ですので急いで受診する必要があります。

みぞおちの部分に突発的に起こる痛みで比較的短時間に増強し、背部痛を伴う場合、急性膵炎のことがあります。腹部大動脈瘤の破裂と異なり、大食やアルコール飲酒後に起こり、発熱や嘔吐を伴い、背中を丸めた姿勢が痛みを和らげるようです。

比較的下の方、下腹部の痛みで激しい疝痛の場合、腎臓や尿管の結石のことがあります。尿が赤くなっていればほぼ間違い有りません。背部痛を伴うこともあります。⇒尿管結石

下腹部痛で女性の場合は婦人科的な疾患から来る腹痛を疑います。卵巣嚢腫などが卵巣にできそれがねじれると激しい腹痛が起きます。また妊娠可能な女性の場合子宮外妊娠のこともあります。⇒婦人科的疾患

一般的に盲腸と言われる病気は、正式には急性虫垂炎と言います。これは始めみぞおちの痛みや嘔吐など急性胃腸炎のように出現することがありますが、次第に右の下腹部に痛みが限局していきます。おなかの右下を押さえると痛みがあります。歩くと右下に響いたり、おなかをのばすと右下に痛みがある場合は強く疑います。

食後数時間や夜間に右のみぞおちに痛みが始まるのは、胆嚢から来ることがあります。右の背部にも痛みがあったり、右のみぞおちを押さえると痛い場合は胆石症、胆嚢炎を疑います。

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