RCAピンケーブルの自作と聞き比べ

はじめに

いろいろなところで、ケーブルの比較や検討がなされていることは承知していましたので、ケーブルにより音が変わることは
たぶん有りだと思っています。
何台か真空管アンプを製作し、QWT_FE166eEnスピーカーシステムの自作と進んできて、一段階上がったと思うようになってく
ると、いままで市販のRCAピンケーブルを無造作に使ってきたのが気になり出し始めました。

そんな折、ソフトンのHPに紹介されている「善本さんのページ」のRCAピンケーブルの自作」を拝見したのがきっかけと
なりした。それまで、何回かお邪魔しているページですが、何気にたどり着いたのです。 やはり、必要感がそうさせたので
しょうか。

このページで、まずピンときたことは・・・同軸のインピーダンスという事です。

以前、HAM(アマチュア無線)をやっていたときに、いろいろ製作したのですが、そうした中で、なかなかSWR(うんと飛躍し
た意味でいうと電波の通り具合を表す言葉)が良くならなくて苦労したときに、ひょんなことから解決したという経験があり
ます。それは、よく使われるM型コネクター結線の事でした。

          
    最初の状態・・・SWRが良くない      指でひょい!!・・・SWRが良くなった!!!

つまり、M型コネクターの心線とグランドとの距離をM型コネクターに合わせた事だと思います。こんな事で、SWRが改善された
のです。(ベテランのOMさんならとうにご承知のことなのかも知れません・・・・)


このことの記憶がよみがえりました。ですから、善本さんのRCAピンケーブルの製作はとても説得力がありました。


まず、同軸で従来のRCAプラグでインピーダンスに気を付けて

手元にあった5D-FVという同軸メーブル(50cm)と従来のRCAプラグを使って試しに作ってみました。
            
     同軸ケーブル使用RCAピンケーブル      一応、インピーダンスには気を付けて結線したつもりです

しかし、これはだめです。高域だけのかさついた音にしかなりません。安物のRCAピンケーブルの方がよほどいい音がします。


秋月のRCAプラグとカナレの同軸・オーディオケーブルで試してみよう


とにかく、結果はともかくケーブルで音が変わることは実証できました。それなら、善本さんの言うようにいろいろ試して見る
価値はありそうです。ネットで見ると、5D-FV(マスプロ)を推薦する方もありましたが、他にもフジクラのオーディオケーブル
やベルデンのケーブルで試されている方はいるようです。


とにかく、秋月のRCAプラグの入手です。通販を利用して手に入れました。
   
    荷物が届きました        梱包材を取り出して中身の確認

実は、今回他にもACコードとRCAジャックを注文しました。
          
   3Pインレット用ACコード     プラグ足に保護がしてあります      RCAジャック     ちゃんとした絶縁タイプ
           これで280円                               これで1個150円  
             ・・・これって、安くありません!?・・・・絶対お買い得ですよね

さて、問題のRCAジャックです
   
    今回は40個ずつ手に入れました 20組のケーブルが出来ます。 50個入りのケースから10個取り出して送ってもらいました。


     
     外 観              前と後ろのようす        中身・・・パーツ         芯線はこの穴から半田付け

金属製なので結構重量感はあります。ちょっと納得。

いよいよ、善本さんのHPにあるように九州電気さんからケーブルを代引きで入手。

ケーブルの結線の説明は善本さんのHPをご覧頂いた方がわかりやすいと思います。

結果は・・・

とりあえず、53cmのケーブルで、5C-FVとカナレのオーディオケーブル、そして同じくカナレの75Ω同軸ケーブルの3種類で
試してみました。その結果はというと、

    
    5C-FVでインピーダンスに配慮してケーブルを作ってみました  早速、試聴・・・・結果は
    とんでもない音、歪みっぽいしガザガサあれた音でした。

  
   
   と、いうわけで5C-FV、GS-6(カナレオーディオケーブル)、L-3C2V-S(青色)とスイッチで切り替えるようにして試聴。


 その結果は


 5D-FV  可もなく不可もなく
 GS-6   落ち着いた音、L-3C2V-Sより音圧が上がる、ちょっと後ろ感のある音
 L-3C2V-S クリアな音、高域にシフトした音、はれやかな音

 と、いった感じでした。意外と5D-FVがダイレクトの時よりいい音がして意外でした。

 ただ、L-3C2V-Sの名誉のために、ちょっと付け加えたいことは、芯線の太さです。


    5C−FV      GS-6     L-3C2V-S
 ごらんのように、L-3C2V-Sの芯線は0.5mmφしかありません。それに対してGS-6のそれは、1.2mmφもあります。・・・いずれも簡易実測値
 これで差が出ることは当然考えられますよね。

そこで、この結果から5m長のカナレのオーディオケーブル・L-3C2V-Sケーブルと市販のRCAピンケーブルの組み合わせで比べてみました。

     

結果は

 市販のRCAピンケーブル  意外といい音、でも歪み感も残る
 GS-6               53cmの時と同じ傾向 落ち着きのある音、華やかさは無い
 LCREQトランス        53cmの時と同じ傾向、クリアな華やかさのある音、全体的に広がった感じの音

スイッチが悪さをしているのではと思い、ダイレクト接続で再び試聴してみた。

その結果は、スイッチのある・なしで大きな変化は無いことがわかった。

そうすると、結論は、

 私的には、高音のぎらぎらする音は好みでないのでGS-6と秋月のRCAプラグという結果になると思います。

 ただ、L-3C2V-Sの晴れやかな軽快な音も捨てがたいので、その時の状況に合わせて使いたいと思います。

 ということになりそうです。この組み合わせで自分のシステムのRCAピンケーブルを作ります。

 ちょっとの試聴で結論を出すのは危険なのかも知れません。

 最終的な結論は本格的なシステム全体で試すまで持ち越しです。

 ただ、わずかな出費(RCAプラグ150円、GS-6 263円/m L-3C2V-S 105円/m)でケーブルができることは今回の

 試行の大きな成果でした。ソフトンの善本さんにはこうした情報の提供をしていただき、改めて感謝です。

 なお、L-3C2V-Sを使ったケーブルは、オーディオケーブルとしてだけでなく、その75Ωというインピーダンス特性か

 ら、アンプの特性の測定のケーブルとしての使い道もあるのではないかと思っています。


ちなみに、【秋月電子通商さんののRCAプラグ】 ・・・・トップページです。RCAプラグは、<パーツ一般>にあります
      【ケーブル入手先の九州電気さん...トップページです。カナレ電気社製ケーブルの項をご覧ください
      【善本さんのRCAケーブルの製作
にはそれぞれリンクを張らせて頂きました。参考にされてください。