CR-NF型EQアンプの制作


私のバイブルに、上杉佳カさんの「上杉佳郎 設計・製作アンプ集2」が加わりました。何回か読み返しているうちに先の「管球アンプ
製作集」のように、ぼろぼろになりそうです。

そんな折り、CR-NF型EQアンプの制作記事が気になりました。
今までEQアンプはNF型、CR型、そしてCR-NF型といろいろなタイプのEQアンプを制作してきました。それぞれ特徴があってそれぞれの
良さがあると思います。その中で、一番のお気に入りはMac C-22タイプのNF型のEQアンプです。

が、なかなか捨てがたいものがある6967を使ったQuadUタイプのEQアンプCR_NF型EQアンプあります。 このEQアンプのタイプは、
CR-NF型EQの範疇として含めていいと思いますが、難点として出力の小ささがずっと気になっていて、6922の単段アンプを追加していました。
そこで、新しく加わった「私のバイブル」を参考にして、本格的なCR-NF型EQアンプを制作することにしました。

幸いPTとしてISOのGS-35Dは6414SEPPラインアンプに使ってありまたが、ラインアンプは最近、トランス出力にはまっていますのでこれからも使用することはないだろうという判断で、それを解体して使うことにしました。ほかのパーツも手持ちで何とかそろえられそうです。そうなると早速、制作開始です。

【ケース作り】

                
   仮組のケース                         底板                  金属スペーサーで浮かせて取り付け
    今回は箱形のケース             今回はすべてがこの底版に取り付け
  大きさはW300*D200*H100でちょっと小さめ    

                      
   電源トランスも浮かせて取り付け                           ケースを組み上げながら配線の完了
   GS-35Dは6414SEPPラインアンプから取り外したもの
   ケースが小さいのでこのように先に組み上げた

上杉さんのオリジナルの工法jを尊重して箱形のケースに収めるのでアンプ段はサブシャーを使って組み上げる。この工法は上杉さんの常用手法だが、今回の製作でその手法の意味合いを確かめることにした。

    
       完了した内部         使用した真空管はNECの12AX7信号用       電源部                   レベルセット部
                          最終的にはSovtec 12AX7LPS
          

とりあえず組み上げて、音出し。ハムもなく特に破綻も感じられなかった。このまま組み上げたままでもいいのかと思ったくらいだ。電源部にはチョークは使っておらず、また電解コンデンサーもオリジナルでは33μFだ(手持ちの関係で、実機では47μF)。それなのにハムも無い! そういえば、必要以上の容量は意味が無いことをさる製作記事で読んだことがあるが、実感である。


【RIAA特性測定】

ところが、RIAA特性を測定してみると、何とも暴れている。低域は100Hzからだらり下がりだし、高域は1〜2dBほど低い。これはアカンと追い込みをして調整をした。
具体的には、ロールオフおよびターンオーバーのコンデンサーの容量の確認だ。LCR計で実測してみると、少し容量が足りないようだ。
それぞれほぼロールオフ1500PF、ターンオーバー3900PFになるように必要な容量のコンデンサーを並列に付け足した。

   
           調整後のRIAA特性  ・・・右チャンネルもほぼ同じ

20Hz〜20KHzまでほぼ±0.5dBに収まっている。驚くことは20KHz以降急激に減衰していることだ。
ぼぼ、これでOKだろう。気になっていた出力レベルも300V超のB電圧のせいか十分なレベルだ。