5998/5998A ParaSEの製作

以前浅野さんの記事に触発されて5998PPは製作してある。そして、当時の音を確かめるべく偶然入手できたCOH-35-5
というLUXのOPTを使って、ほぼ当時のそのままに再現できたのはないかと思っていた。

ただ、この5998という球、真空管アンプの製作シングルアンプ編の最後に6AU6+5998SEというラインナップで紹介され
ていた記事をみるにつけ、その内部抵抗の低さに惹かれて、いつかは作ってみたいと思ってい管であった。

そうこうしているうちに、柳沢さんの「真空管アンプ製作24選」に5998のParaSEの製作記事が載っていた。そこで、紹介
されていたOPTの一つに東栄変圧のOPT-23Sがあった。また、MJ誌に落合萌さんの製作記事があり、そこでもこの東栄
変圧のOPTがおすすめとある。加えて東栄変圧のサイトをのぞくと、これらの評判からかこのOPTが個数限定の特別価格
で売り出されていたことが分かった。こうして製作への意志が固まった。

こうなると、後はパーツの調達だけである。
まずは、昨年の真空管オーディオフェアで上京した折に個数限定に促されてOPTをゲットしてきた。それから柳沢の記事を
参考にして回路の検討をしてみた。

この5998という管、レギュレータ管だけに低圧・高電流タイプだ。パラSEということで都合4本分(双極管なので実際は2本)
なので、PTはいろいろ迷ったが結局のところノグチのPT−283(280V280mA)、それに併せてチョークは同じくノグチのPMC
−2810(8H280MA)をチョイス。

ここで、一つおごることにした。それはOPT-23Sという東栄変圧のOPTがバンド型であり、なおかつ端子型の故に事故が心配
と柳沢さんの記事にある。ならば、ケースをかぶせてあげようと考えた。どうせなら、PTもCHもケースに納めて見た目もそろえ
ようと思った。20回の妙高オーディオクラブの発表会でもケースに入ったアンプがあったっけ・・・
ケースの候補はサムテックから売り出されている、検討した結果大きさ的に
PT・・・・ PMC−283M
CH・・・・ PMC−0826H
OPT・・・ OPT-22SZ(オリエントコアー)
でいけることが判明、早速サムテックに発注、通販でゲット。
(実は、PT用の についてはサイトで売り切れとあったが、問い合わせてみると一つなら何とか用意してくれた経緯があった)

トランスケースに入れる

まずは本命のOPT-22SZ(オリエントコア)だ。ケースに入れるためには、足をトランスに合わせて折り戻した。こうすることで補助具
を使ってケースに収めることができることを確認。
             

ただ、シャーシに取り付けるには、最初にケースの足の部分を先に取り付け、後からかぶせる必要があった。
           

次はCH。これもOPT同様に足を折り戻すことで補助具と併せてケースに納めることができた。

            


最後はPTだ。実はこれが何台だった。大きさ的にもぎりぎりだったし、何せ重い!! 単体で扱うにも苦労した。
      

 PTの下のカバーは使わずケースの足に直接取り付けた。それでもぎりぎりの大きさだったので、PTの足と上のカバーは
 このようにわずかにやすりで削り何とか納めることできた。

また、「見た目」ということからCHと高さをそろえるために、少しケースをカットすることにした。

       
       役15mmほどカット              まずコーナーをカット               ジグソーで全体をカット

                   

こうして、CHと高さをそろえた。 ただ、このPTのケースについては問題が・・・  (後述)

                   

軽いパーツを取り付けてからケースの納めたトランス類を取り付け、パーツの取り付けは完了。後は内部配線を残すのみ。
ちなみにPTの横の煙突は100μFのフィルムコンデンサーだ、直径65mmφの125mmの高さの大物なので煙突のよう
ではあるが、大型のトランス類なのでさほど煙突のようには見えない。

回路図は柳沢さんの記事を参考にして、以下のようにした。
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配線そのものはさほど大変ではなかったが、とにかく重いのでひっくり返すにも大変だった。
                    

とりあえず、5998(Tung−sol)で完成させた。
リフレクタの5RA4に比べて大きな5998も、さほどその大きさを感じさせない全体像だ。まして初段の6AU6は小さい!!
この小さな球でドライブできているのだから、改めて6AU6の優れものを感じた。


音については、当初のもくろみ通り中低音がしっかりと出る私好みの音だ。マルチウェイの低域に使えるだろうが、先に製作
した10EW7SEPPも捨てがたい、悩むところだ。もう少しエージングとかで判断していきたいと思っている。

しばらく音出しをしてみて、ハム音のようなノイズが気に成りだした。原因はPTのケースの鳴りであった。PTの下のカバーを取
り付けなかったことが原因だろうか? 気になり出すと何とかしたくなる。最後にはPTのケースは諦めることもあるのかなぁ・・・


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