テレフンケン E92CC を使ったEQアンプの製作


真空管アンプの製作の参考にと雑誌を購入した。その1冊に「作りやすい自作アンプ16選 真空管オーディオアンプ製作
 誠文堂新光社」がある。

EQアンプをいろいろ作っている過程で、気になる回路があった。佐藤進さんの記事のなかにある「テレフンケンE92CC」を
つかったCR型EQアンプだ。

回路は次のようになっている。
           
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E92CCはあまり聞いたことのない真空管だ。それに、記事にも入手が困難とあり、12AT7のSRPPでその代用として使
っての製作記事だった。気にはなっても、本家本元の真空管が入手できなければ元も子もない。あきらめていた。もっとも、
アムトランスのネット上ではヒットすることがあったが・・・


ところが、20th真空管オーディオフェアに出かけた際、偶然にも見つけることができた!!
初日当日、恒例の入場前の行列に加わり入場時間を待つこと30分以上・・・、いざ会場となったが2Fのフリーマーケットに
は目もくれず一目散に4Fへ。サン・オーディオさんのブースで開催される佐久間さんのアンプ発表の入場整理券を入手す
るためだ。幸い、初回のクラシックのコーナーの24番目の入場券をゲット!
気をよくして、2Fにもどってみるとまさに人の海、それぞれの出展ブースを覗こうとしても、とても無理だった。まぁ、毎年恒
例になっていることでもあり、特に目当てのものがあるわけではなかったので他のブースを見学したりしていた。
秋葉の街へ出てパーツを購入したりして、そっちこっちを覗いたりして午後になってくるとさすがに2Fのフリーマーケットにも
人がまばらになってきた。そして、何気に覗いたアムトランスのブースでE92CCを発見!!

「たしか、あのE92CCだよな。」半ば半信半疑でいたが,2000円(本)なので、もし違ってもダメ元で2本をゲット。

これが、E92CCのゲットの顛末でした。

実は、CR型イコライザーアンプを製作してみようと思い、いろいろ回路を検討してみたが最終的にE92CCの規格に近い
5965Aを使って製作してみた(製作記#37のCR型EQアンプ)。音はまぁまぁだったがハウリングが起きてしまい、使うに
はちょっと気を遣うEQアンプの印象がある。

さて、E92CCが手に入ったのでこの製作記#37の真空管を換装しようと作業をはじめた。が、なんとMT7ピンなのだっ
た。つまり、そのままでは配線し直し程度の作業では換装することができないことが判明。改めてネットでE92CCを調べ
てみると、MT7ピンの双3極管であること、いわゆるSQ管としてコンピュータ管であること、そして何よりもカソードが共通
であることが分かってきた。

折しも、QaudUの改造(詳しくはこちら)をすることにしたので、そのケースが浮いてきたので同じく20th真空管オーディオフェ
アで東栄変圧さんから買い求めてきたP-260Bというトランスを使って電源部をつくり、同じ大きさのケースを新たに作製し
てE92CCをつかったCR型EQアンプユニットを製作することにした。

               
   E92CCをつかったCR型EQアンプのユニット(左)と電源ユニット(右)     背面(コネクターは汎用EQアンプ用電源と共通仕様とした)


製作し終わって、音を聴いてみる。レベルも結構高い。また、気にしていたハウリングもあまり気にならない。何よりもテレフン
ケン推奨のEQアンプという点でちょっとご満悦の気分になれた。別電源も結果的にはよかったようだ。
特に調整したわけではないしRIAAカーブとの偏差も測定したわけではないが、CRの値はCRテスターで一応当たってから組み
上げただけなのだが、聴感上は問題ないレベルだと思う。

これから、聞き込んでこのEQアンプをチョイスするようならもう少し追い込みをしてみたいと思っている。