5998PPの製作記録       
                                              form 2013.0927 

                                         

浅野さんの記事を見る前に、シングルでの製作記事があった。いつか5998を使ってみたいと思い5998(Tung-sol)

と5998A(GE)を購入してあった。そこへ浅野さんの記事である。できるだけ当時のパーツを使いたいが、無理だろ

うとあきらめていた。ところが、アムトランスダイレクトでなんとCOH-35-5があるではないか!! リスクを承知で、とに

かく入手、アムトランスなので信用できるだろう。ペアで18000円。これが高いか安いか・・・ そんなことより、とにかく

当時の音を手に入れる事の方が大事だった。

OCH-35-5入手!!

 当時の古びた段ボールの箱そのままに、品物が届いた。開けて、まず品物を確認

    
      トップのようす            底のようす 

    半田付けの跡もあるし、やはりかなり汚れている・・・ テスターで導通をみるも、問題なさそうだ。

とりあえず、汚れを拭き取り、シャーシに取り付けてみる
      

穴開け当時はTANGOのFX-45-5を載せる予定で穴開けしておいたので、多少追加の穴開けで取り付けられた。

           
  実際に取り付けて見ると傷が気になり磨くと地肌が!        ・・・つや消しの黒で再塗装することにした。

    
           エージング中

 OPTまでの配線は完了していたので、OPTを取り付けて残された配線だけで配線完了。チェックをしてから 火入れ式。
 いつもこの瞬間は緊張するものだ。
 特に大きな問題もなく、起動。最初の音は、ざらついたひどい音だった。先に6CA7(T)PPの音を聞いていたので、余計
 そう思ったのかも知れない。5998Aに差し替えても見たが、どうも5998の方がソフトな感じがする。そういえ
 ば、購入するときにクラッシックコンポ−ネンツのお店の人も(5998の方が)「音が柔らかいですよ。」と言って
 いたのを思い出した。
 しばし、聴いているもだめかぁ・・・という感じだった。が、ものの30分位すると、なんと音に艶が出てきた。先の
 6CA7(T)PPの音と遜色ないのである。定位感もバッチリ!! さすが「浅野さん!!!」 一人悦に入っていたのを覚え
 ている。そして、MJ誌の付録についていたオーディオチェック用のCDを一通り聴いた頃、何気にPTに触ると熱い。CHに
 至っては、さらに熱い。電気的な定格からするとOKなはずなのに・・・ しばし考えてしまった。 とりあえず、他の
 問題は無いので、このままいくかとも考えた。と、6CA7(T)PPの熱遮蔽板の効果を思い出した。早速CHと5U4BGとの間に
 立てかけてみた。 実は、これがとんでもないことに・・・


 次の日、電源を投入するも音が出ない。ヒーターはついているのに・・・。ふと見ると5U4GBのヒーターが付いてない。
 他は 特に変わった様子は無い。引き抜いてみても、変わったところは無い・・・が、次の瞬間 ゲッ、ゲ ゲッター
 が飛んでいる!! 注意してみるも特に変わってはいない。PhillipsECGさん、どうしたの?



                
       よく見ると中央あたりにキズが          そして、管壁やトップのゲッターが飛んでいる

 でも、でも。やはり、変わっていた。ガラス管壁にひび割れの傷跡が・・・ これで真空状態が崩れ、ゲッターを飛ばした
 のだと気づくのに さほど時間がかからなかった。それまで、何ともなく動いていたのに。なぜ急に???

 しばし考えてみると、5U4GBのヒーター容量は5.0V、3A 15Wなのだ。ちょっとした半田ごて並み。熱くなって当然。そ
 して、シャーシのスペースが小さいため、CHとの距離は2cm程度、PTでも3cm程度しかない。おまけにCHとの間にアル
 ミ板を立てかけた状態。何かの拍子にアルミ板が動いたら、熱くなっている管壁に歪みができるのも当然。
 PhillipsECGさんが悪いのでは無く、わたしが悪いのだ!!

 原因がわかったところで、手持ちの東芝の5U4GBを差して、スイッチオン。こともなげに、昨日の音がよみがえった。

 艶っぽい音を聴いていると、もうリメイクを決心していた。 すぐに作業にとりかかった。



 段々とアンプ作りをしていると、細かな作業にも慣れて相当細かな配線も可能になった。

       


 でも、改めて放熱という問題、そして、配置という問題を思い知らされた。余裕とはそれほど大きな問題なのだ。
 特に真空管アンプでは。そして、大型管の場合は・・・