鳥海山 2005、8、8

鳥海山は大火山だということが、行ってみて初めてわかりました。しかも花の多さに驚きました。登山ルートもたくさんあるし、森、沢、岩、池、湿原、雪渓、と多様な変化が楽しめる山です。たった1回登っただけでこの山を語ることは到底できません。山岳写真家がこの山だけで写真集を出している理由がわかった気がしました。


(クリックで拡大)
まず、鳥海山の大きさを身近な中アと比較してみました。

溶岩が流れた範囲は、木曽の上松町から駒ヶ根市までがすっぽりと納まる範囲でした。

しかも鳥海山は標高1200mぐらいから上は森林限界を越えていますので、山頂の2236mまでずっと視界が開けています。

眼下に広がる日本海や庄内平野を眺めながら、涼風の中登る一歩一歩は最高の気分でしょう。

でも、私は最低の雷雨の中を登りました。ガクッ!

管理人はもっともポピュラーな登山口、鉾立(ほこだて)から登り、先にお鉢めぐりをしてから山頂。下りは千蛇谷の雪渓沿いを行き、またもとの道に戻るというルートでした。








(この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号:平16総複、第286号) なお、地図の彩色等はカシミール3Dを借用しました。)
鳥海ブルーラインの最高所がここ。
はるか向こうに日本海が見えるでしょうか。天気が良ければ夜景もきれいだとか。

管理人は長野から車で丸1日かけてここまできました。ホテル自家用車で泊。荷台を平にすると伸び伸び寝れます。私と同じような車が10台ぐらいいました。
登りはじめてわずか5分。ここが鉾立展望台。
左奥のピークが山頂です。画面の右側から大きく巻いて登っていくようです。

崖はドーンと眼下に切れ落ちて、底にはきれいな川が流れていました。沢登りも楽しめそうに見えました。
カメラを望遠にして山頂部を見ると、結構岩ゴツな感じです。管理人はなぜか鳥海山の山頂は平頂丘をイメージしていましたが、間違っていました。

誰かが山頂まで4時間はかかると言っていましたので目測と照らしてそんなものかなと思いました。
実は天気予報は雷雨を告げていましたし、登り始めの上の2カットも一時的な晴れ間だということはわかっていました。大きな雷雲が日本海から近づいていることも。

でも初日から沈殿するのもしゃくなので、無理やり出発してしまいました。無謀です。こういう登山が往々にして悲劇を招くのです。

この写真は鳥海湖。昔の火口です。
鳥海湖を過ぎたあたりで雨がポツポツ降り出しました。その後、分岐から右のルートをとってお鉢めぐりへ。
そこから雷も鳴り出して状況はさらに悪化。雷光と雷鳴の間隔が8秒になった時点でついに岩陰にひそみました。約30分間、じっとして雷をやり過ごしました。これが無謀登山の結末です。
写真は山頂。傘をさしてなんとか撮った証拠写真です。黄色はよその人です。撮ってあげましょうかと言われましたが断わりました。この雨の中ではカメラが壊れます。
山頂直下の神社。後ろの岩山が新山と呼ばれる山頂部です。いわゆる溶岩ドームになっているんですね。

どしゃ降りの中、皆さん小屋で休憩しようと急いでいます。鳥海山も信仰の山でした。
神社からはなだらかな草地をのんびりと下ります。千蛇谷と呼ばれる雪渓の残る窪地です。
風が霧を吹き飛ばした一瞬に谷を振り返って撮りました。この谷の奥に神社があるわけです。

雪渓を横切ってひと息登るとお鉢めぐりのコースと合流します。
あとは来た道を下るだけです。最後まで小雨は降っていまいた。
コースタイムは登り4時間。下り2時間30分でした。登りの途中、30分の雷停滞を含めています。
ミヤマツボスミレ マルバシモツケ
イワブクロ チョウカイフスマ
オクキタアザミ トウゲブキとハクサンシャジン
ホソバイワベンケイ ウソ(オス)


Copyright © 2004-2005 yoichi-k. All rights reserved.