権現山(1749m) 2006,2,11踏査
伊那スキーリゾートというスキー場の後ろにそびえる三角形の山である。
高遠藩の坂本天山ウェストンらが通ったとされる権現つるね登山道の途中にある山で、展望はすこぶるいい。往年の名コースとはまさにこのことだ。

山頂では、眼下に広がる伊那谷の大展望や南アルプスの山座同定を楽しんでいると、すぐに時間が過ぎるので注意しよう。ダケカンバの巨木を構図に入れて作品写真が撮れそうだが、それだけの腕が管理人にはない。でもちょっと挑戦してみた。(下に掲載)

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道しるべ
こんな感じの看板が要所に立っているので、登山口まで安心の林道である。でも舗装はされてないし、ガードレールもないので、わきみ運転は禁物。
伊那いいとこ百選って、どこなんだ?100個も本当にあるとは信じがたい気もする・・・。
管理人お得意のショートカット
林道のいよいよ最後は山の北斜面を切っていたので、雪が深くて終点まで行けなかった。
ならば仕方がないと、地図を読んで近道を登った。でも熊笹の急斜面なので、無積雪期は勧められない。
稜線に出た
わっせわっせと斜面を登りつめたら、こんなカラマツの稜線に出た。木の向こうにめざす権現山の影が見えている。靴だけではちょっともぐる。
競馬場
ええっ? 競馬場? うそでしょう。
いやいやどうもほんとらしい。看板の説明には、山作業の合間に、連れてきた馬にまたがって、はっしどうどうはいどうどうをしたらしい。
そんな広いところが山の上にあるの?という疑問をお持ちの方は、ここにいらして見て下さい。なぞが解けますぞ。ヒントは二重山稜。
昔の女性は(も)強かった
昭和18年に、伊那高等女学校の学校林になったという場所。今のように林道があるでなし、里から集団で登ってきたんだろうが、昔の女の子は足が丈夫だったんだね。
現弥生が丘高校の女子生徒に、学校からここまで登らせてみたいもんだ。足より口の方が達者だろうと思う。
山が好きなお侍
いつの時代にもちょっと変った人がいるもので、坂本さん親子は砲術指南役のお侍だったのに、西駒が相当好きだったようだ。
山の検分の仕事と山登り趣味が一致したというのは大変喜ばしい。
管理人にもそういうお仕事がまわってこないかなあ。「では拙者は山の検分に行ってくるぞ」なんていって花でも愛でていたい。
そんな仕事あるわけないか。
スキー場コースと合流
写真左の尾根からスノーシューで登ってきた私。右のトレースはスキー場コースを早朝登ってきたパーティーのものだった。山頂まで残り15分の登りはこのトレースをお借りした。
あー楽チン楽チン。
ウェストンが下った道
この権現つるねの登山道は、かつてウェストンが木曽側から西駒に登ったあと、下りに使った道だと思う。「日本アルプス」の訳本を開いても、明瞭な証拠になる記述はみあたらないが、前後の関係から推測して、きっとそうなのだろう。
ウェストンの健脚は相当なもので、一日で横断している。


作品を意識して撮った一枚。里がもう少しきれいなら良かった。

スキー場コースの登山口
スキー場に車を置いて30分ほど林道を登ると、この入口に着く。
ここから権現山までの約2時間ちょっとの登りはかなりの急登だ。覚悟しよう。
この日車を置いたところまでは、横道の林道をトボトボ歩くだけ。
伊那の権現山は天気のいい日を選んで何度でも登っていい山だった。


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