佐々木 通信  第4号 

発行日2011年4月09日

vol.02
佐々木は北相木村でこう考えます。

 情報について:

ご存知の通り、日本は太平洋戦争で敗戦しました。 開戦とその敗北は当時の国際状況と絶対的な国力差が原因として容認できるとしても、その負け方は外交上の失敗だったと考えます。それは『情報』軽視による、能力と意欲の欠如によるもので、私たちはその失敗から学びこの国を根本から再建させるべきだったと考えます。 ところが今回の震災後の原発事故対応を見る限り、この国は先の大戦から何を学習し、蘇ったのか? その復興したという姿の本質に疑問の念を抱かずにはおれません。 『情報』は直接手にとって見れないため、日本ではその本質、重要性が軽視される傾向にありますが、今の国内の電力供給、補給物資と義援金の適正配布、放射能汚染に対する国民や国際社会の不安等を解決するためには情報による適正処理が欠かせません。

今必要なのは対話の場:

 この佐々木通信も情報の一つの形ですが、その流れは一方通行です。 より多様で高度な情報にするためには双方向の情報交換(コミュニケーション)が必要です。 例えば今、この通信を書いている『佐々木』と、読んでいる『あなた』は佐々木の意見を一方的に受けとるだけで、同感できる点は納得できても、同感できない点があると単純に拒絶してしまうかもしれません。 そこで『他の場合はどうなんだ』とか『それは、私の経験ではあり得ない』など、あなたが自分の意見を佐々木に伝えることが出来れば、より高度な情報に成長していくことになります。 しかも、不特定多数を対象としたこの通信のような一方通行の情報では上からの目線になり易く、双方向の直接対話が出来るなら、そこに集う様々な目線から話が出来るはずです。だからこそ、情報交換、対話の場が必要と考えます。

過去こそが未来の為に必要:

  六年ほど前の信濃毎日新聞での『哲学の構想力−仕事をめぐって』(後に『戦争という仕事』名で単行本出版)という連載を覚えておられる方も多いかと思います。その執筆者である内山節先生から先日、電子メールが届きました。 今回の震災に関して『内山節からの呼びかけ:東日本大震災で亡くなった人々を、みんなで供養しよう』(別紙参照)という表題ですが、私には『亡くなられた方々を十分に追悼することなく、未来を語ることに私はためらいを感じます。ここからはじめませんか』という言葉が印象的でした。
  佐々木にとって内山節先生といえば『100年計画』です。 【木を見て根を思え】の言葉の通り、未来は過去から現在に続く延長線上にあり、100年先を見抜く洞察力には、100年以前を知る必要があると考えます。 過去の十分な検証によってのみ、未来を自信をもって迎えることが出来ると考えます。

歴史を伝承することが私たちの務め:

  歴史を知るには、文献を調べるのが手っ取り早い。 戦争体験については多くの戦記物やNHKの証言記録シリーズの他、川上村等での「聴く会」、「戦争体験を語る会」など直接的な取り組みもありますが、本当に必要なのは有事である戦争のことよりもそれに至るまでの平時の過程だと考えます。  北相木村近隣の場合、北相木村考古博物館の他、私の知り得る文献としては縄文、戦国、江戸時代、明治の秩父事件、昭和の写真集他、武蔵大学の調査資料などわずかで、他は現物や口承によることになります。 先人から引き継いで、現存している古民具や民家、田畑や山林、水路などを通じて、集落のお祭りや寄り合い、様々な普請などの機会に労働や会話を通して過去を感じることは出来ますが、現実は厳しい。 しかしそれでも伝え、伝えられなければならない、重要なことだと考えています。
更に情報や知識はそれ単独ではなく、体験や行動を伴った方がより共感し体得できると言われています。 【農の心、人を育てる】、【苗作りは子育てと同じ】等の言葉は、実践した者のみが共感できる言葉だと考えます。

情報なしには何も出来ない:

 佐々木通信には抽象的な記述が多く具体的でないという指摘があることは承知しています。 それは、私の手元に届く村の情報が十分でなく、様々なアイディアの検証が出来ないからだと考えています。だからこそ、議会の報告会などを通じた双方向の情報交換の必要性を感じ、強調するわけです。挨拶文でも述べたように過疎化計画審議会員に選んで頂いたことで、村の多くの情報に触れることが出来、この佐々木通信も創刊されるに至りました。 今回のような大震災を想定すれば、スマートグリッドのシステムで水力や太陽光などの自然エネルギーを利用した脱原発のモデル(希望)を北相木村は世界に示せるかもしれないし、平時には大規模農業には不向きとされる中山間農地が、逆に水源や植物交配(採種)、山林資源の利用など、小さな地域としての自主独立性(自給自足)を武器に出来るかもしれない。 更にそういう視点から見た時の北相木村の生きた教育力こそが、これからの日本を支えて立つ人材に必要な基準になり得ると考えます。 が、その実現の可能性模索には法律や技術面など様々な情報収集と情報処理、検証が必要になります。

北相木村は見かけより若い:

身体的には人は毎年歳をとりますが、精神年齢はその実年齢とは無関係です。新しい情報や価値観を受け入れられる人はいつまでも若いし、そうでない人はその外観とは関係なく老化が進んでいる。 限界集落という言葉もありますが、実際この佐々木通信を読んでいただけている人がたくさんいる以上、私は諦めないし、対話を通じて、結果に繋げていきたいと考えています。 現在の北相木村はまだ数字上で言われているほど『限界』ではないけれど、もうすぐそこまでその時は迫っていて、ここ数年が正念場だと佐々木は考えています。後悔先に立たず。今こそが行動しなければいけない時です。

佐々木通信は簡単です:

  佐々木通信は抽象的で難しいとかの声も聞きます。 確かにそうかもしれませんが、難しいとすれば、それは先に述べたような情報の方向性や理屈っぽい言いまわしであって、その内容ではありません。 ここに書いてある事は以前の私では至らなかった考えで、ここ北相木村に来て、多くの村の方々と接する過程で、畑に立ち、山に入り、子供が出来、育て、昔話や環境に耳を傾けながら、そして気付いた事だからです。 そして、私と同じ以上の体験を北相木村の皆さんはされているはずです。 たとえ読んで難しくても、直接聞いて話してみれば単純で簡単なことがほとんどです。 佐々木を見かけたら、是非、お声をおかけ下さい。

佐々木通信をホームページ上で見られます。 
http://www.janis.or.jp/users/v-crafts/2011sasaki.html
E-mail:vvcrafts@hotmail.com
無料配布場所提供者募集中:配布ご希望の方はご連絡下さい。お届けします。
佐々木認(ささき みとむ):北相木村栃原235      電話:0267-77-2012


     これからの『北相木村』の話をしよう
お電話下さい。お声をおかけ下さい。 栃原、観音前の家にお立ち寄り下さい。一人がちょっと変わるだけで、村がもっと良くなると思いませんか? 私は思います、信じています。村内どこでもお話に伺います。
佐々木認(みとむ):北相木村栃原235  電話:ファックス:0267-77-2012