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能面について

 能では、鬼神や怨霊あるいは美しさを表現するため、面を着けます。「めん」または「おもて」と言い、種類は二百数十種あると言われています。各種の能面を、大きく分類すると、翁系の面、老人の面、鬼神の面、女面、怨霊の面、男面などになります。また、これは面ではありませんが、能面をつけずに素顔のまま演ずる場合、直面(ひためん)と言います。

  • 翁系面(おきなけいめん)

  発生が面の中では最も古いと言われ、翁(おきな)、三番叟(さんばそう)、父尉(ちちのじょう)、延命冠者(えんめいかじゃ)の四 種類があります。いずれも神の面と考えられ、面の中では、最も神聖視されています。翁系と言っても、延命冠者だけは、皺もなく 両頬にえくぼがあり若作りで、父尉の子供と考えられています。ただし、翁、三番叟、父尉、延命冠者とも、式三番面であり、式三番のみに用いられ、能に用いることはありません。

  • 尉面(じょうめん)

  老人の面のことを言います。小牛尉(こうしじょう)、阿古父尉(あこぶじょう)、三光尉(さんこうじょう)、朝倉尉(あさくらじょう)、笑尉(わらいじょう)、舞尉(まいじょう)、石王尉(いしおうじょう)などがあります。

  • 鬼神面(きじんめん)

  造形的には、鬼神の形式をとり、顔は荒々しく、老人を意味しているためか白い植毛髭を鼻下・顎につけています。鬼というと角を連想しますが、能面の鬼神には角はありません。べし見(べしは、やまいだれの中に悪と書きます)、飛出(とびで)、天神(てんじん)悪尉(あくじょう)、顰(しかみ)、黒髭(くろひげ)、雷(いかづち)、獅子口(ししぐち)などがあります。

  • 怨霊の面(おんりょうのめん)

  戦で無念の最期を遂げたり、嫉妬に狂う女性が死んで、霊となって祟るといった種類の面で、男の霊を表す面に、怪士(あやかし)三日月(みかづき)、阿波男(あわおとこ)、蛙(かわず)、鷹(たか)、痩男(やせおとこ)、真角(しんかく)、筋男(すじおとこ)、神体(しんたい)、一角仙人(いっかくせんにん)などがあり、女の霊を表す面に、霊女(りょうのおんな)、橋姫(はしひめ)、般若(はんにゃ) 山姥(やまんば)、泥眼(でいがん)などがあります。中でも、般若は有名です。

  • 女面(おんなめん)

  無表情のことをよく「能面のようだ」と言いますが、能面は、喜怒哀楽の表情がはっきりせず、中間的表情に作られています。けれども、面を仰向けたり(照らすと言います)、うつむけたり(くもらすと言います)することによって、明るさ・嬉しさや、寂しさ・悲しさを表現できるように、作られています。女面を見る機会があったら、いちど、上から見た表情と下から見た表情を、くらべてみてください。

 女面は演出上、年齢の別、品格の別の必要から、各種のものがあり、年齢の最も若い小面(こおもて)から、孫次郎(まごじろう)、若女(わかおんな)、増(ぞう)、曲見(しゃくみ)、深井(ふかい)、姥(うば)、老女(ろうじょ)など、年齢に応じた面があり、純真さを表す小面、艶っぽい万眉(まんび)の面、神聖さを表す増、神懸かり的な異様さを見せる増髪(ますかみ)、人生経験を重ねた深井・曲見など、造形に工夫が凝らされています。

  • 男面(おとこめん)

  武将を表す平太(へいた)、公達を表す中将(ちゅうじょう)・今若(いまわか)・十六(じゅうろく)、人生を悩む邯鄲(かんたん)、遊芸をよくする喝食(かつしき)、少年を表す童子(どうじ)・猩々(しょうじょう)、盲目の弱法師(よろぼし)・蝉丸(せみまる)など、いろいろあります。在原業平(ありわらのなりひら)をモデルにしたという中将は、気品と柔らかさを表現して、眉墨をつけ、口・顎のあたりに女面の形を取り入れています。邯鄲は、眉間に八字型の皺を描いて、思索に耽る哲学青年を表し、弱法師は頭髪の乱れを強調し、蝉丸は頭部を冠型に作り、同じ盲目でも品位の別を明らかにしています。

  • 特殊面

  能面には、以上のような各種の面のほかに、きまった曲だけに使用される面があります。景清(かげきよ)という面は、「景清」の曲だけに使用され、俊寛(しゅんかん)は「俊寛」、一角仙人は「一角仙人」、釈迦(しゃか)は「大会(だいえ)」という曲だけに使用されます


(このページは三省堂発行の「能の事典」を参考にしました。)

noh.htmmen.htm

能面についてもっと詳しく知りたい人のために