北信流の作法

 

   北信流とは、北信濃の地方に今もなお残っている、宴会などの酒の席で行われる一種の儀式です。

  北信地方では、披露宴や祝賀会などのおめでたい宴席では勿論のこと、送別会やちょっとした会合の酒の席で も、時には、お葬式や法事の席でも、謡を伴う盃ごとが行われます。 この時謡われる謡を「お肴」と呼びます。

 北信流は、北信地方一帯で行われており、松代町が発祥の地と言われています。真田十万石の城下町であった松代は、江戸時代に能楽が盛んに行われ、謡曲の愛好者が広がりました。 武士階級のみならずあらゆる階層に広まった謡曲は、宴席で主催側、あるいは、その日のために尽力した人に対する感謝と、祝福や繁栄の意味を込めた「お肴」(小謡)という形で、お盃を差し上げる慣習の中に定着したと言われています。

   現在、この北信流は、宴席に節目をつけるために行われますが、謡自体を楽しみにしている人も少なくありません。 標準的な小謡は、別に示します。

北信流の一般的な進行は次のとおりです。

1.お開きに近づいた頃、参会者のうちの一人が、主賓に盃を差し上げる旨の動議を出します。

2.動議を出した人は、みんなの賛同を得た後、盃を差し上げる人、お肴(小謡)を出す人を指名します。

3.盃を差し上げるよう指名された人は、自分の盃を持って、それぞれの主賓の前に進み出て、盃を渡し酒を注ぎます。

4.お肴を出す人は、酒が注ぎ終わったのを確認したら、お肴(小謡)を出します。

小謡は、その場の雰囲気に合ったものとします。

5.お肴が終わったら、主賓は、酒を飲み干します。

6.接待者は、もう一度盃に酒を注ぎます。(これを「お加え」と言います。)

7.主賓は、盃ごとのお礼を言い、逆の対応をします。 (主賓の立場から、2 から6 を繰り返します。)


小謡

観世流謡曲

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