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須坂の曲り家
須坂市の市街地に建つガレージハウスです。
敷地は表通りから奥に入った四方を住宅に囲まれた立地で、南西の隅が旗竿状に接道しています。
建物は、希望された平屋を基本にした住居を敷地の奥の北側に寄せて配置し、クルマ2台分の車庫を南側に張り出して配置しました。そこに大きな一枚の切妻屋根を架けて、全体を包みました。そして、屋根裏に生まれた空間に子供のスペースを挿入しました。
曲り家とは、住居と馬屋がL字形につながり、住人と馬がひとつ屋根の下に暮らした古民家の形式です。馬をクルマに置き換えたL字形の住まいは、現代の曲り家といった感じです。
施主のMさんは、希望に適うガレージハウスの情報を探し求める中で、当事務所の
実例集で紹介しているH邸
の写真に目を止められ、問い合せをいただきました。(ホームページの限られた写真から、よくぞ発見して下さいました!)
ガレージには自動車整備用のリフトを設置したいので、入口の扉はオーバースライダーはNG、でもシャッターはイヤ、ということで大型の引戸で構成しました。
室内に現しの梁は、ヒノキの信州型接着重ね梁(角材の上下に厚板を接着して作った成の大きな梁)を採用しました。
住居は、普段の居場所である広間の廻りを、暮らしのスペースが取り囲みます。
写真の左手には玄関と客間のパブリックな空間。右手には寝室や水廻りなどプライベートな空間がつながります。
正面の背丈ほどの収納家具で仕切られた向こうは、ご主人の書斎です。
広間から玄関方向を見たところ。
広間の暖房は、希望された床暖房を採用しました。
玄関方向からの見返し。
内装仕上は、天井は節のある普及品の杉板張り。
白壁は木片チップ入りの塗装下地壁紙に漆喰塗装で仕上げました。
床は床暖房対応のメープルフローリング自然塗料塗装品です。
玄関に隣接して客間として設えた和室。
奥の天井いっぱいまで開けた窓からは、隣家の隙間に飯縄山を望むことができます。
壁には土佐和紙を採用しました。天井は無節の杉板で上品にまとめました。
個室の暖房は、床暖房と同じ熱源を利用した温水パネルヒーターです。
広間の北側に配置した書斎。
広間と付かづ離れずの、ちょうどよいこもり感があります。
正面の壁はマグネットがくっつく壁です。
台所には、希望されたポータブルの食洗機を工夫して納めました。
食卓の照明機具、ルイスポールセンPH5ペンダントを吊るアームは、ホームセンターで仕入れた部品で製作しました。テーブルの位置に合わせて自由に位置決めできます。
吹抜に突き出たバルコニーは、屋外のバルコニーへ出入りするためのスペースです。
洗面所は、プライベート部分の中央の廊下を利用して設けました。
室内の出入り口は全て引戸です。必要に応じて閉めたり開け放ったりして暮らします。
2階の子供のスペース。
小さな個室とオープンなワークスペースとで構成しました。
奥はたっぷり容量の小屋裏収納です。
ワークスペースは、勾配天井が広間の吹抜からひとつながりに続いています。
建築前の敷地の様子。
奥側の高い場所には住宅が建ち、手前の低い部分には庭木が植わっていましたが、いったん更地にしてリセットしました。60センチほどあった高低差は、外構の構成で巧みに処理しました。
U
A
値0.39と、ZEH 基準(3地域 U
A
値0.50)を余裕で達成する高い断熱性能で快適な室内環境をつくり、明るく健康的な暮らしを実現しました。
ナチュナルモダンな空間に、以前から使っていた愛着があるレトロな雰囲気の家具が、ぴったり馴染んでいます。
敷地には、車の回転スペースと趣味の家庭菜園を確保しました。
須坂は製糸業で栄えた街で、近隣には当時の繁栄を伝える蔵が数多く残ります。そこで、うだつ壁がある漆喰と土壁の蔵から着想を得た外観にまとめ、須坂の街に敬意を表し、街に馴染む外観をつくりました。
2シーズン暮らした頃にいただいたメッセージを紹介します。
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こちら
施工・松代建設工業
竣工・2020年8月
場所・須坂市
掲載・信州の建築家とつくる家 17集
掲載・
ブログ・安曇野建築日誌
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須坂の曲り家