| ホーム | 業務内容 | 実例集 | 問合せ | ブログ |




安曇野市庁舎
質実剛健で、市民に喜ばれ、次世代へ引き継がれる市庁舎。

シンプルな形状でコストに配慮し、長寿命の建物にしました。
外周にバルコニーを巡らし、建物の耐久性を飛躍的に高めました。バルコニーは、日射を調整したり、メンテナンス通路、避難通路の役割もあります。

近隣の景観に配慮した地上4階建ての低層の建物です。4階部分の構成を変えて、3階建てのようにいっそう低く見せています。

市民に親しまれ、長く愛される庁舎を目指し、内外装には多くの木材を使用しています。

外装材は市有林を間伐して製材したヒノキ材が使用されています。183立米の木材から、長さ1メートル、幅5センチ、厚さ15ミリの板46,500枚を作り、これをパネル状にして1階から3階の外壁に張りました。

内装には県産のカラマツ材を使用しました。

内外装に木材をふんだんに用いることで、温かく親しみやすく、年と共に味わいが生まれてくるような表情をもたせました。

市民サービスに関する窓口を1階に集約しました。ほとんんどの用事が1階で行えます。左右対称の単純な平面プランにして、分かりやすく利用しやすい庁舎にしました。

広々した執務空間を実現するために、高品質のコンクリートの柱と梁を工場で作って現場で組み立てるプレキャストコンクリート構法を採用しました。

建物の中央に大きな吹抜の来庁者用の階段室を2つ配置しました。
吹抜にはトップライトを設けて、大きな平面に自然光を導き入れます。トップライトは、電動で開閉することで、夏の夜間には自然換気を利用して熱を排出し冷気を取り入れるナイトパージに利用します。消費電力と空調負荷を軽減します。

議場は半円形の高い天井の、木に包まれた空間です。県産材のカラマツで仕上げました。頂部にはトップライトを設け、自然光を取り入れています。議場の机、椅子、傍聴席の一部は旧庁舎の家具を再利用したものです。
長きにわたって安曇野市の大切なことがらを決めるための議論がなされる場となることを願います。

4階にある北アルプスが望めるパノラマラウンジと眺望デッキは、閉庁日にも市民に開放しています。隣接の豊科近代美術館などを訪れた観光客や、市内外の多くの皆さんが利用できます。

災害発生時の司令塔として大地震にも対応できるよう、現在考えられる最善の構造方式の免震構造を採用しました。柱の上に免震装置を設置する柱頭免震とすることで、108台の地下駐車場を確保するとともに、免震装置のメンテナンスをしやすくしています。

□設計監理/内藤・小川原・尾日向設計共同企業体
内藤廣さん(建築家、東大名誉教授)との協働です。
施工・前田・岡谷特定建設工事共同企業体
竣工・2015年1月
場所・安曇野市
掲載・新建築2015年9月号
掲載・ディテール206、2015年秋号
掲載・建築技術2015年10月号
掲載・日経アーキテクチュア2015年7-25号、8-25号
掲載・建築ジャーナル2015年9月号
掲載・建築画報2015年6月号
掲載・内藤 廣の建築 2005-2013(TOTO出版)
受賞・第13回長野県建築文化賞優秀賞
掲載・ウッドデザイン賞2016入賞

ブログ・安曇野建築日誌
 >> 市庁舎