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常念岳を望む安曇野の家

敷地は安曇野の田園地帯のまっただ中、田園風景の先には、西山の麓の里山から遠く白馬まで北アルプスが一望でき、とりわけ常念岳が美しく見える、安曇野を代表するような環境です。
ここに、安曇野に魅せられた夫婦が、都市と安曇野を往き来して暮らす二地域居住の理想を実現した住まいです。

西側の前面道路に広い間口で接道している敷地の特徴を生かし、南北に気持ちよく広がる伸びやかな構成にしました。

深い軒で覆ったデッキと植栽帯が内と外との中間領域となり、解放性とプライバシーに折り合いを付けます。ほとんど人通りが無い前面道路を越して、ずーっと先まで自分の家の庭のような感じです。
深い軒はまた、西日の影響を緩和する役割もあります。

水平感を強調した外観は、上品に、爽やかに、田園風景と呼応し、調和します。

室内のどこからも西に広がる安曇野の景観を感じられるように、1〜2階とも全ての居室を西側に並べて配置しました。

オリジナルのアイランドキッチン。
制作は松本市のオーダーキッチンタクトです。

5ミリ厚のステンレスの無垢板に機能的なシンクをはめ込んだワークトップ。
調理器は背面の壁に家具風に納めました。
脇の引戸を開くと、引出し式の調味料収納と家電品の棚が現れます。

90歳を越えて元気なお母さんの寝室。
専用のトイレを設けました。
デッキから直接アクセスでき、散歩やデイサービスの送迎にも便利です。
左手の障子を引き込むと南面する縁側で、日当たりも良好です。

専用トイレの隣は専用の洗面所。簡易キッチンとしても利用します。

室内の出入口は全て引戸です。
必要に応じて、閉じたり開けはなったりしながら暮らします。

手前のダイニングと、ピアノとオーディオを楽しむリビングとのつながり。
遮音仕様の木製建具で仕切ることができます。

空調はピーエス放射冷暖房システムHR-Cを導入しました。
一年を通して心地よい温熱環境をつくります。

リビングは、吹抜のボリュームのある空間です。
ピアノやオーディオの音が気持ちよく広がります。
外部への音洩れに配慮して、外壁は遮音仕様のつくりにし、開口部はトリプルガラスや二重に構成した防音性の高い構成にしました。

室内の主な仕上は、天井は杉板、壁は珪藻土入りの左官仕上げ、床は赤松の床板です。
赤松の床板は、安曇野市に広がるマツクイムシ被害の対策で伐採された赤松を製材して作りました。

大工の技が光る階段や吹抜の手摺り。素足で暮らす日本の住まいには、触感が優しい木製の手摺りが似合います。

2階からの西北方向の眺めは抜群です。
ここに、アルプスを見ながらパソコン仕事をしたいというご主人のデスクを配置しました。

寝室は就寝前の読書の灯りがお互いに邪魔にならない程度の仕切と読みかけの本を置く小棚を設けました。
ベッドの正面には四角い窓を設け、北アルプスを背景にした安曇野の田園風景を額縁で切り取りました。

独立した子供家族や親しい友人など大勢のゲストを迎えるためのゲストルーム。
安曇野の風景を切り取る四角い窓の額縁が、リズミカルに並びます。

ベット×2+ソファーベット+畳小上りで大人6人がゆったり寝られます。

ゲストルームに隣接した2階の洗面コーナー。
東向きで爽やかな朝の光を取りこみます。
洗面器と一体のコーリアンのカウンター。
スライドする鏡の中が収納になっています。

同じく東向きの1階の洗面コーナー。
右手の引戸が浴室の脱衣所です。

浴室は桧板の壁と天井。床は十和田石です。

>>  計画案




施工・(有)建築工房時遊館
竣工・2014年6月
場所・安曇野市三郷
掲載・KURA2014.11

カーポートの増築
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ブログ・安曇野建築日誌
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