あさひの舎／尾日向辰文建築設計事務所の実例集

あさひの舎

夫婦と育ち盛りの3人の子供の5人家族の住まいです。
田の字型の間取りの四角い総2階、そこに緩い勾配の切妻屋根を架け、単純で合理的な形にまとめました。
暮らしの機能をコンパクトにまとめながら、回遊性や奥行きをつくり、伸びやかに感じる住まいです。

敷地は、松本平の西山の麓の古くからの集落にあり、奥さんの実家の一角です。西側はほとんどクルマの通らない県道に面し、南隣りには従兄弟の営む石材店の加工場があります。

建築前の敷地の様子。

総2階の四角い箱に切妻屋根を架けた単純な形。
希望された木造校舎のようなイメージを重ねました。
四角い形状は、近くの養鶏場から飛んでくる大量のハエが溜まる凹みが無い形状でもあります。

通りに面した玄関の正面は縦格子のポーチで視線を遮ります。
南側は目隠しを兼ねた薪小屋を日曜大工でつくりました。

室内も木造校舎のイメージを重ねました。
内装は、柱を現しにした真壁造りです。
2階の床梁も現しにした素朴で骨太な造りの空間は、生活の品々が溢れても、魅力が褪せません。

キッチンと対面する勉強コーナー。
左手はホワイトボードの壁。

家の中央に据えた薪ストーブで家全体を暖房します。
薪ストーブの上部は吹抜で、2階へ暖気を通わせます。

1階の掃き出しの開口部には引き込みの障子戸を備えました。
2階の床が1階の天井を兼ねます。一部分は、電気の配線などのために天井を張ってあります。

キッチン。
大工工事で制作した台の上に既製品のステンレスワークトップを載せた流し台。

勝手口と洗面所。
大きな実験用流しを埋め込んだ洗面台。

2階廊下。吹抜にはルーバーを設置して転落防止と室内干し用のスペースにしました。寝室と子供室がこの廊下に面して並びます。

寝室にはウォークインの納戸兼ご主人の書斎が隣接します。
室内の出入口は全て引戸です。必要に応じて閉じたり開けはなったりして暮らします。

子供室は12帖の広さと3カ所の押入を備えました。

子供達の成長に合わせて、間仕切りながら使う計画です。

のどかな環境にとけ込みながらも存在感のある佇まいです。

>>　計画案

施工・（有）江川建設
竣工・2013年12月
場所・東筑摩郡朝日村

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