産卵と親合わせ

産卵日の見極め(産卵日を決める)

  1. 産卵前の親はオスとメスを別の池で飼育する。飼い主が希望するカップルで産卵させるため勝手に産卵されては困るからだ。
  2. メス親は産卵日が近づくと食欲が落ち、池の縁で産卵場所を求めて泳ぐようになる。
  3. 産卵日が近づくとメスの腹が膨らみ、産卵の直前になると腹に手を触れると、つきたての餅のような柔らかさになるのが普通。しかし魚によっては顕著に柔らかくならないものが有る。生殖口近くに触って見るのがコツ。
  4. 産卵間近のメスを網ですくい上げるのは禁物!成熟したメスは乱暴に扱うと卵をこぼしてしまう。タモで近くに寄せてから、容器に水ごとすくう気遣いが必要。
  5. メスは成熟しているのにオスがまだと言う失敗が多いので、まずオスを早めに成熟させておくことが重要。

親合わせと産卵

  1. 産卵予定日の前日に、産卵用の魚巣をセットした池にメス親、オス親の順に移してやる。これを親合わせと言い、これをうまくやらないと池に移したとたん産卵を始めてしまうことがある。この様な場合は無精卵となり採卵は失敗です。
  2. まずメス親を先に移して新しい環境に十分慣らしてからオスを入れてやる。
  3. 産卵日の読みが正しければ翌朝、日の出前から産卵が始まり、遅い場合でも10時頃には産卵を終わるのが普通。
  4. 午後になっての産卵はほとんどが無精卵となる。
  5. 予定の日に産卵しない場合はそのままにして翌日の産卵に期待しますが。3日経っても産卵しない場合は元の池に戻して仕切り直した方が近道。
  6. 産卵は新水の刺激が大きく影響するので産まなかった池の水は新しい水と替えて、次の機会に備える。

産卵の介助(人工授精)

産卵行為は大変激しいもので、雄雌伴に大変疲労する。そして尾が裂けたり、体の粘膜が剥離するなど魚体に傷がついてしまう。従って最近では産卵を助けてやる人が多くなった。普通言われる人工授精、人工採卵がこれである。

人工授精の仕方

  1. 親合わせから産卵開始までは自然産卵と同じ手順ですが、産卵が始まったことを確認してから人間が介在して採卵を行う。
  2. まずオスのお腹を親指と人差し指で軽く絞るようにして精子を出す。
  3. 次にメスのお腹から卵をオス同様に絞り出してやります。
  4. 生殖口から出てくる卵は、つながった状態で出てくるので水を静かに攪拌して散らしてやります。
  5. この作業をゆっくりと時間をかけて繰り返す。
  6. 作業は全て水の中で行い、金魚に恐怖感を与えないことが大切。
  7. 生殖口から出てきた卵の色が黄色で、バラバラに散らばることがある。これは成熟し過ぎの場合が多く、又逆に水を攪拌しても散らばらない場合は、未成熟卵。いずれも受精することは期待薄。