頭を作る

良く発達した獅子頭が蘭鋳の特長。びん張り(鬢張り)の良く出た角頭の蘭鋳は何と言っても見ごたえが有る。頭には色々な形が有り、主に系統的に形成される要素が大きいようである。この系統的なものは別に述べるとして、頭は大きければ良いと言うものではない。鰓に乗った肉溜は、やぼで品が無いと言われ敬遠される。ここでは見栄えのする頭に育てるためには、どうしたら良いか考えて行きます。

「頭は黒子のうちに」と言われ、その形を決定付けるのは色変わり前の飼い方による。色変わり後も頭は大きくなるが、形は色変わりするまでに決定付けられてしまう。鰓に肉溜が乗ってしまうのも、黒子の頃の飼い方次第である。

逆立ちして、池底の藻を食べる当才魚

 



 

魚を創る

「成長促進法」「頭を創る」では、魚を大きくする方法、頭を出す方法に付いて個々に述べてきました。しかし魚を創ると言うことになると、これらの基礎知識を基に、総合的な飼育技術が求められます。
ここでは飼育に際し、具体的にどうしたら良いのか「Q&A」
(質問、応答形式)で解説します。


:当才魚はどのくらいの大きさにしたら良いのですか?

:当才魚の大きさの基準は、秋に鶏卵の大きさで約60グラムです。最近は80グラム以上のものが珍しくなくなりました。


:1日の給餌回数を増やして沢山餌を食べさせると言うことですが、朝1日分の餌を1度に与えては、いけませんか?

:1度に沢山餌を与えても、魚は餌を多く食べてくれません。
目の前に有り余るほどの餌が有ると、いつでも食べられると言う安心感が出るのです。これは全ての動物に共通しているようです。


:大きくすると腹掛かりが遠くなる。尾味が出来ないと言うことですが、
大きくて形の良い魚にする方法はないのですか?


:飼育にメリハリを付けることです。魚は満腹になれば動かなくなる、腹が空くと餌を求めて泳ぎ回るのです。
泳ぐと尾を使うので軟らかな尾になります。
更に腹の創りは、栄養価の割に「かさ」(量)の有るミジンコや赤虫を一度にそして多量に食べさせると腹が大きくなります。
相反することを行うのですから、飼い方にメリハリを付けて「腹を創る」時、「尾を創る」時を明確にすることです。


:もっと具体的に、どうしたら良いか教えて下さい。


:方法論となると、人それぞれで「この飼い方でなければいけない」と言うことは有りません。結果は大会が明らかにしてくれます。従って代表的なものを紹介します。


飼い方の具体例

  1. 餌は、午前に与え午後は一切与えないで泳がせる。
    その代わり午前中は魚の腹が裂けてしまうくらい「目いっぱい」与える。
  2. 水替えを行った日は一切餌を与えないで泳がせる。
  3. 水替えは1週間に1度と決めて水が緑水になってもローテーションを守る。
    水が新しいうちは十分餌を与え、緑水になったら餌を止めるが水替えスケジュールは変えない。
  4. 魚の数を標準の3〜5倍に増やし十分に餌を与える。
    常に「さら水」とし、3日おきに水替えを行う。
    (肥大化は魚の数を多くして防ぎ、さら水で「あおって」泳がせる)
:色々な飼い方が有りますね!これらを組み合わせて行けば良いのですね?

:統一の取れた考え方が必要です。先輩諸氏は経験に基づき一貫した飼い方をしています。
(それぞれの飼い方は各部の発達を総合的に考えて組み立てられている)
あの飼い方、この飼い方と浮気心を起こすと魚は出来ません。
上達の早道は、良い師匠を探して学事です。