らんちゅうの飼育容器
らんちゅうを飼育する容器として「池」「舟」「水槽」が用いられており、それぞれに利点欠点が有ります。らんちゅうはタタキでないと、と言う人もいますが、はたしてそうでしょうか。使い方しだいだと思います。それぞれの特徴と問題点について考えてみましょう。
色々な大きさの水槽が有り種類も豊富で目的に合った物が入手できます。それぞれの環境に合った場所に設置する事が出来るので多くの人が利用しています。ヒーターを使って温度管理がし易いのも水槽の特徴と言えるでしょう。らんちゅう専用の高さを低く押えたものも有ります。又ろ過装置の使用は稚魚を育てるには少し無理が有ります。成長して形が定まった魚であれば当才魚にも十分使えます。
注意する事は、鑑賞目的を重視するあまり、金魚にとって迷惑な飼い方をしない様にする事が大切です。又水替えのし易い場所、水が漏れても心配の無い場所に設置する事も重要。欠点は青苔が付きにくい事。冬は水温が逃げやすいので、周りに断熱材を巻くと電気代が安く済みます。
「ふね」聞きなれない言葉と思いますが、移動可能な池の事を昔から「舟」と呼んでいます。プラスチックやFRP、木枠にビニールを張ったものなど様々なものが有ります。移動できるので大変便利で、ベランダや、玄関脇など自由に置く事が出来るし、土の中に埋めて使う事も可能です。小さいものは市販の衣装ケース、塩化ビニールで出来た左官用の練り箱は小さい物から畳み1枚分の大きい物まで色々な大きさの物が有ります。日曜大工センターなどで販売されており、価格は2千円くらいから、特大でも1万5千円くらいと比較的安価で入手する事が出来ます。コンクリートの練り箱ですから丈夫で、縁が変形する心配も有りません。深さも20から25cmと適当な深さです。
私も稚魚の飼育池として数年前からFRPの舟と左官の舟を10面使用しております。舟はコンクリートのタタキ池に勝とも劣らない魚を作る事が出来、特に尾張りの良い魚が出来るようです。
左官用の舟を使った池 |
FRPの舟を使った池 |
設置場所に合わせた工夫
池の脇に設置された「溜めます」 |
プラスチックの舟をうまく使うには
プラスチック製の舟は表面がつるつるで、そのままでは苔が付きにくいので、使用する前に台所用の柔らかい「金たわし」で良く洗います。ほとんど見た目には判りませんが細かい傷が付いて、苔の付きが格段に良くなります。コンクリート池の場合は苔の根がコンクリートの内部まで入り込み、苔を落とそうとしても、なかなか取れないで苦労します。苔を剥がし易いのもプラスチック製の利点です。
台所用「金タワシ」は池掃除に便利 |
コンクリート池
(タタキ池)タタキは昔からランチュウ愛好家が好んで使用してきた飼育池で、標準の大きさは「6・6」の池
(縦横6尺すなわち1、8メートル角の池)とされています。実際には「4・6」の池や「5・6」の池のほうが管理もし易く、多く使われているようです。魚溜りや排水栓が有ると水替え作業が楽になります。
「5・6のタタキ池」−左奥に貯水槽 (給水は水位検知機で自動的に止まる) |
貯水槽
良魚作出のために、水替え用に是非用意したいのが貯水槽です。水道水に含まれる消毒用のカルキは1日汲み置きにすると消えます。貯水槽は、水温の調整、水を枯らして新水刺激を和らげるためにも必要です。漬物桶や、いらなくなった風呂桶、口の広い容器なら何でも使えます。日の良くあたる場所に置く事がポイントです。