孵化日数と水温

水温と孵化日数

水温(℃)

14

17

19

21

24

25

孵化日数

10

3.5

3.0

表は水温と孵化日数の実験データです。卵は水温が高いと早く、低いと孵化は遅くなる。高い水温で短時間に孵化させた場合は奇形が出やすく、10日以上時間をかけると一斉に孵化しない。(孵化日が不揃いに成る)結果として育った稚魚に大小の不揃いが生じる事になる。水温が17℃〜21℃の範囲で、6〜7日で孵化させた時が一番良い結果が得られる。又水温を一定にしておくよりも、温度変化があったほうが孵化は早くなる傾向が見られる。孵化するまでは低い水温になっても、大きな影響は無いが、孵化した後に13℃以下になると死んでしまう事があるので水温管理には十分な注意が必要。

孵化までの卵の養生

  1. 産卵当日の卵は日覆いをして、直射日光を避け紫外線から守る。
  2. 産卵後3日目とも成ると受精卵、無精卵の区別が出来るようになる。受精したものはそろそろ卵の真ん中に、かすかに黒い目が見えるようになる。卵は澄んだ水飴のような色である。
  3. 受精しなかったものは、水生菌が付いて牛乳のような白色になり次第に、いが栗のトゲの様に菌糸が放射状に伸びてくる。(まるで太陽のマークに見える)
  4. 産卵時の水は見た目よりも相当汚れているので、孵化する前に水替えを行う。孵化したばかりの稚魚池は約10日間水替えできない。そのままにしておくと10日後には、魚が見えないほど青水が進んでしまう。
  5. 卵は一池に千〜2千粒の見当で各池に分散して孵化を行う。飼育容器に合った魚の数になるように、卵の段階で分散する。
  6. 産卵3日後の時期は安定期で、移動はこの時期に行う。宅配便での輸送が可能なのもこの時期である。荷造りの方法は、ビニール袋に濡らした新聞紙を引き、卵の付いた魚巣を入れる。空気か酸素を入れて密閉する。これを箱詰めにして発送。水の中に入れて移動したほうが良い様に思うが逆で、水があると輸送中に水が激しくゆれて卵を傷めてしまうので要注意。
  7. 4〜5日すると二つの目玉がはっきりと確認できるようになる。
  8. 卵も酸素を必要とする。無精卵が腐って水を悪くしないためにもエアーを軽く入れておくと良いでしょう。
  9. 孵化時の水温についてはあまり気にする必要はないが、過度な低温、高温を避けるために必要であればヒーターは15℃ぐらいに温度をセットして設置します。又高温になりすぎない様日中は水温を見ながら日覆いを行い、理想とする6〜7日で孵化するように心がける。
  10. こうして孵化した稚魚は魚巣に卵の殻を残して、魚巣の陰や池の底に身を寄せるので人目につかなくなる。稚魚が見えなくなるので心配になるが、元気な稚魚ほど隠れるのがうまい。空になった卵の殻で稚魚の数を推定すると良い。
  11. 魚巣は孵化した稚魚の隠れ家になるので、そのままにしておくことが大切。2〜3日後「さいのう」の栄養を使い果たした稚魚が、餌を求めて一斉に泳ぎ出して来ます。この時魚巣を取り除いて、一回目の餌付けを行う。