[9月の日記]

9月6日[産卵後5ヶ月]

若魚達は、春の気候を感じるのだろうか、雄雌関係なく互いに追い合う。交尾期のさまを呈している。又じゃれ合う感じもする。発育の良いものは胸鰭に「追星」が現れている。

本格的な成長時期に入り、その成長ぶりは目を見張るものが有る。
食欲は益々旺盛で、池の水がすぐ緑に成ってしまう。できるだけ水替えを押さえ、5日以上もたせる事が良魚作出のポイント。

魚は鶏卵の大きさに成長。池当たりの飼育数を減らし8〜10匹とする。
水深15〜20センチ。割り水:洗面器1〜2杯。

この時期の魚は、与えられた餌を全て食べてしまう勢いに食欲を示すが、「腹八分目と心得る」
餌を十分に与えないと、魚の成長に追いつかず「腹が遠く成る」ように思われ、どうしても餌を与え過ぎて後悔する事が多い。

解説

9月になると魚も成長して、群集性(仲間と一緒に行動する習性)が薄らいでくるので、一池の数をかなり減らしても問題は有りません。尾の張り具合を見て飼育数を決めるのが良いでしょう。一般的に魚を少なくすると尾が張ってきます。ただしその逆も有ります。泳ぎ過ぎると尾を絞るので注意深く観察して下さい。

金魚を初めて飼育する人は、魚の群集性が薄らいだ9月以降に買い求めると失敗が有りません。

写真説明

大会に出品した後や、水替えの失敗からこの時期は、エラ病になり易い。9月のエラ病は、水温が高い事もあって比較的簡単に治ります。早く、確実に治す為には洗面器に取り上げ、塩治療するのが一番。洗面器が無い場合はプラスチックのタライ、発泡スチロールの箱などを使うと良いでしょう。
塩を使った治療は
「診療所」参照

体調を崩した魚は、洗面器で塩治療

 

9月15日

魚は鶏卵の大きさに成長。池当たりの飼育数8〜10匹。
水深15〜20センチ。割り水:洗面器1〜2杯。
水替え6〜7日。水替えを押さえないと魚がくずれるので注意が必要。
青水を使い、朝冷え込んだ日は給餌に注意し、調子が悪い時は餌止めをする。
注意を怠るとエラ病になる。

水温の低下と共に魚の動きが少しずつ弱まってくる。
この頃から「尾の張り戻し」が始まる。尾皿が大きく、付けが良い魚でありながら
尾の開きが少し足りなく見えた魚が、次第に元の姿に戻ってくる。
そして、この頃から尾の前掛かりが次第に付いてくると共に尾芯もいくぶん立ってくる。
魚が変わるこの時期の飼育管理は大変重要で、飼育者の腕の見せ所でもある。