[4月の予定]

4月、5月は産卵シーズン

産卵風景人工水草はポリテープ、敷巣は産卵用特製タワシ

    1. 餌は「腹八分目と心得」給餌をひかえる。餌を多く与えても卵の形成に役立たない。むしろ体に脂肪が付いて繁殖意欲を失い産卵時期が遅れる。
    2. 卵が十分成熟するように、適度な水替えを行い青水を上手く利用して産卵時期を抑える。
    3. 産卵前日は餌切り又は給餌を抑える。
    4. オスをメスより先に成熟させておく。
    5. 池の中に「わらくず」「落ち葉」などが入らないようにする。産卵間近のメス親は産卵巣と間違えて群がり、無用な疲労をさせてしまうことがある。
    6. 金魚を毎日良く観察し産卵の兆候を的確につかむ。
    7. せっかく産卵しても育たなければ何にも成らない。天候を見定めて(天気予報等)産卵日を決める。
    8. 「餌」と「水替え」の調整を行い予定日に産卵するよう心がける。
    9. 産卵は日の出の頃か始まり、10時ごろには終わるようにする。
    10. 産卵は多くても3番腹程度とする。

    1. 本命の産卵予定日は4月20日
    2. 2才−試し引きは4月10日前後
    3. 本命2番腹は4月30日
    4. 採卵は例年通り10腹を取って5腹程度を残す予定。

4月1日

昨日までの暖かい陽気と打って変わって冬に後戻りの天気。昼ごろから降り始めた雪は夜遅くまで続いた。
先週28日頃から20℃あった水温も、今朝は13℃まで下がった。
3月28、29日(土、日)に親魚を起こして北側ビニールハウスに移動した。その魚も水温が低いわりには元気に泳いでいる。ひとまず安心!
先日風邪をひいたメス親も腰の白いカビがすっかり取れて、風邪が治った!
2才は春の病気予防対策を終了。今度は最低水温が15℃をキープ出来るようになったらマゾテン(デプテレックス)で害虫駆除(予防駆除)を予定。
メスの腹が出来て来ている。腹を重そうにして泳ぐ姿は産卵間近であることを告げている。

種ミジンコが孵化した:卵をセットしてから、まる3日後である。鶏糞の溶かし汁をミジンコの餌として少量与える。この時期はまだミジンコ養殖池の水温が低いのでミジンコは、わかない。1日も早くミジンコを確保するために、去年採取しておいたミジンコの卵を、ガラス水槽を使って孵化。これを種にして養殖池で増殖するのです。(このガラス水槽は、この後ヒーターの温度を上げてブラインシュリンプの孵化に使う)

4月2日

昨日から降った雪も今朝は雨に変っているがとても寒い朝だ。
北側ハウスの朝6時の水温は10℃。
この辺で一休み!1日餌を止めることにした。

4月5日

今日は午後から「くもり」の予報だが、暖かい日になりそうだ。

朝の水温16℃ 2才魚のオスに「追星」が現れ、池のあちこちで戯れるようにメスを追いかけている。
まだ産卵には少し早い。無用な行動で疲労しないように、オスと、メスを分けて「別飼い」することにした。

追星:発情したオスの前鰭に現れる

種親の仕上がりは順調に行っている。産卵に備え「予防薬欲」を行う。

大会用の親魚が「背干し」を始めた。
去年の秋、大会で活躍した魚たちは1池にまとめて飼育しているが、水温の上昇と伴に去年の疲れが出てきたようだ。
11月3日の「全国大会」そして11月9日の「金城会」
長野ではこの頃、霜が降りる。大会出品は、終わってからの養生に苦労する。
(大会には、各地から魚が集まって来る。集まった魚その物は元気であるが、無菌とは限らない。各地方で流行した病原菌を持ち込む場合が有る。これらの病原菌は、冬の訪れと伴に活動を休止して、春を待つのだ。)
魚の状態から判断して、まずはエルバージュで24Hの薬浴することにした。

4月10日

ほとんどの2才のメスが腹に卵を抱え、たいぎそうにヨタヨタした感じで泳いでいる。明日土曜日に「試し引き」をする事にした。
系統の異なる2組を選ぶ。メス1匹に対しオス2匹の1:2ペアーを選ぶ。
朝、産卵用の池に新水を深さ15cmとなるように入れて、オスを放す。メスは完全に成熟しているので朝オスと一緒にすると、すぐに産み始める危険が有るので、魚巣と一緒に夕方移す事にした。

4月11日

朝6時前、池に行くと、日の出前から産み始めたのだろうか!一組は既に産み終わっている。
卵がいつもと比べて小さい。数はまずまず、3000粒ぐらいは有る。しばらく様子を見て各々別の養生池に戻す事にした。
産卵で傷ついた魚体をいやすため、今日と明日は絶食して静養!
養生池は適度の緑水を使うか、新水に0.5%の食塩を入れると大変効果的。
(らんちゅう広場・診療所参照)


他の一組は盛んにオスがメスを追いかけている最中。産み始めたばかりのようだ。オスを捕まえて、腹を押すとすじ状に出た精子がしばらくすると雲のように広がって行く。良い状態だ!産卵で親魚が傷つかないように又受精率を良くするために、早速人工授精を行う。
(詳細:らんちゅう1年・繁殖参照)


産み終えた卵には、今日一日、日覆いを行う。紫外線を避け受精率を良くするためだ。

4月12日

昨日産んだ卵の受精率が気になる。朝起きて早速卵が付いた魚巣を観察。
人工受精したものは受精率、80%以上期待できる。早速、孵化池に移す事にした。
注1:産卵した池で卵をそのまま孵化させる事を「居引き」といいます。この場合、金魚が孵化して最初の水替えをするのは15日後、水が大変いたんでしまうのです。普通は卵の受精した事を確認したら水替えを行います。
注2:卵は産まれてから1日経つと無精卵は白く変色し、受精したものは透明のままで居ます。従って1日経つと、卵の色で受精しているか否かが判断できるのです。
最初に産んだ卵の受精率はかなり悪い。自然産卵のため、うまく受精しなったようだ。卵も小さいのでこれは孵化を断念!魚巣を洗って次の産卵のため池を空ける事にした。

2日目:受精率80%受精卵は透明で見えにくい

 

4月14日

産卵後3日、卵に二つの目がはっきり見えるようになった。無精卵は水生菌が付いて白い「いがぐり」のようだ。

卵に2個の目が付いた

産卵3日目

孵化直後の稚魚

(円の中にいます)

いがぐり状の無精卵

 

朝、餌を与えようとしても四才のメスが群れから離れて、盛んに池の壁をつついている。産卵予定はまだ少し先。しかし、どう見ても卵の産み場を探しているようだ!幸い産卵用の池が空いている。掛け合わせようとしたオスも出来ているので思い切ってこれから卵を産ませる事にした。
産卵用タワシ、種オス、メス親の順に産卵池に移す。
メスは乱暴に扱うとその刺激で卵をこぼしてしまう。池に洗面器を入れて、そっとタモで洗面器の中に追い込んでから救い上げる。
タモで追い込み、洗面器の中に入ろうとした時、バシャバシャと金魚が暴れた。その瞬間周囲に卵が飛び散った。間一髪である。見逃していれば、夕方までに、メスだけの池で自然産卵、他のメスが産んだ卵を食べて体調を崩す、水が汚れる。といった悪循環になるとこだった。
産まれた卵は、粒が大きく3〜4000個はある。希望した掛け合わせの卵が、先ず1腹採れた!

4月16日

11日に生まれた卵が一斉に孵化した。昨日は雨があがり、午後から太陽が顔を出したので、池の水温が上昇したからだろう。産卵タワシには、稚魚が抜け出た殻が残っている。しかし肝心の稚魚はほとんど見当たらない。
稚魚たちはタワシの間に身を隠し、じっと静かに「さいのう」から栄養を得て体力が付くのを待ている。
稚魚が見当たらないのは元気な証拠!・・・・
そうわ言っても気になりますよね!・・・
タワシを上げてみたい気持ちを我慢して・・・・
2日もすれば元気に泳ぎ出してくるその時まで!・我慢・我慢・我慢・・・我慢

注:孵化直後に稚魚が見えなくなるのは、「産卵たわし」を使った孵化の特長といえます。

4月17日

孵化2日目の飼育容器を覗き込むと容器の底に何匹かの稚魚が横になって沈んでいる。おそらく孵化した稚魚の約1%。体力が無くてタワシに付く力が無いからだろう。中には体の曲がったものもいる。タワシをじっと目をこらして見ると、
いたいた!
稚魚の小さな目だけがキラキラ光って見える。まるで気泡のような小さな粒がタワシの毛の間で光っている。稚魚はみんな上を向いて立ったようにしているから、体は見えない。今日の午後くらいには、容器の壁に移動するものも出てくるはず。(小さ過ぎて写真に撮れないので紹介できないのが残念!)

2才のメスが池のあちこちでバシャバシャと卵を産んでいる。発見次第洗面器に取り上げて卵を絞り出してやる。そのまま放置しておくと、水がいたむし産んだ卵を食べて調子を崩す魚が出てくるからだ。もったいない気もするがこれも金魚の健康のため!