第1号 2000年9月発行

目次 ご挨拶

    竹トンボ

   種のこと

   最近作ったもの 箱メガネ、猪ワナのパンフレット、レクスタ通信

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 山間をわたる秋風、畑には赤とんぼ、黄金色になった田んぼには稲刈りをする人の姿が見えはじめました。 皆様いかがお過ごしですか。

 やっと「よろず通信第1号」をお届けできるようになりました。2人でこの和合の地に住み始めたころから、いつか通信のようなものを発行したい、と話しあってきました。私たち自身、理想と現実のはざまでこれからどういう暮らしを成り立たせてゆけるのかさっぱりわかりませんが、和合のこと、山の中での暮らしを通して想ったことなど綴ってゆきたいと思います。

 今年は夏が暑かったおかげで、稲はどこも豊作のようです。うちの田んぼも田植えが遅かったわりには順調に育っていました。がしかし、たかが1年くらいの経験でうまく行くはずないのが農。どうもウンカにやられたらしく、穂が垂れる今ころになって、ぽつぽつ黒い穂が目立つようになりました。農薬は撒かないつもりなので、指をくわえて見ているより他にありません。穂が黄金色に変わってくると虫がいなくなるというので、早く青から黄に変わらないか、気をもんでいるところです。

 畑では、そばがまっ白い花をさかせてくれました。今年は手打ちそばが食べられるかと楽しみです。

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 6月ごろ隣の売木村のオートキャンプ場で小学生を相手に木工教室をやってくれないか、という話しが人づてにありました。以前からそういうことがやりたいと思っていたので、渡りに舟と二つ返事で引き受けました。時間は2時間、プログラムは2種類で、どんなものでも自由にやってくれという条件でした。せっかくキャンプ場に来たのだから、外で遊べるおもちゃを作って一緒に遊ぶ、ということと、材料としてはすぐ手に入る竹を使うことを決め、竹トンボと空気鉄砲を作ることにしました。

 しかし、竹トンボを実際に自分で作ってみて解ることですが、切り出し小刀を使い慣れていても一つ作るのに30分近くかかってしまいます。普段ナイフを使ったことがない子どもたちには、ナイフの練習だけで2時間は終わってしまうでしょう。あきらめようかと思いつつインターネットを検索していると、名古屋の小学校の先生が子ども達のたボの作り方”を紹介しているホームページを見つけました。このやり方だと、子どもでも1時間程度で竹トンボを作ることができます。

 この竹トンボはまず幅3センチ、長さ15センチ、厚さ2ミリ程度の竹の薄板を用意して、これをプロペラのような羽根の形にハサミを使って切り抜きます。その羽根型をローソクなどの火で加熱してねじり、角度をつけます。初めの薄板だけこちらで用意しておけば、後は刃物を全く使わずに作ることができます。

 もうひとつの空気鉄砲は直径20ミリ程度の竹を使って銃身を作り、その竹筒の中を通るような細い竹をピストンにし、弾は水で濡らして丸めた新聞紙を使います。この弾をまず一つ、銃身の元からピストンで押し込み銃身の先端近くにセットします。もう一つ弾を作り、同じように銃身の元からピストンで勢いよく押し込みます。すると2つの弾の間の空気が圧縮され、その空気の勢いで先端の弾がはじかれます。うまくいくとポンッ!と大きな音をたてて飛び出して行きます。

 竹トンボも空気鉄砲も作るだけで終わりではなく、その遊び方のコツをつかむまでちょっと練習が必要で、ここのところも僕の木工教室の一部になっています。広場へ出てみんなでやってみます。飛ばし方のコツを教えるのですが、初めはなかなかうまくいきません。そのうちに「先生、私の飛ばないから先生のと取り替えて。」と言ってくる子が必ずいます。そんなとき、「ちょっと貸してみて。」と、その子の作ったモノを手に取り、僕が飛ばすとみごとに飛びます。そんなことを繰り返していると、そのうち少しづつうまくできるようになります。

 子ども達の中には、落ち着きなく騒がしい子や、生意気な口を聞く子など、まあちょっと相手にしにくい子も少なくありません。しかし、工作を始める前にこちらが竹トンボを飛ばしてみせたり、空気鉄砲で大きな音を出してみせた時は、皆が皆一様に「おー、すげえー」と目を輝かせます。あるいは最後に自分で作った竹トンボを飛ばせるようになったり、鉄砲で音を出せるようになったときに見せる顔。

 最近のメディアが子どもたちに関して伝えることはどうも非観的なことが多いんですが、こんなちっぽけなモノに子どもたちが活き活きとした顔を見せるとき、あーまだまだそう非観的になることもないんだ、と明るい気持ちになります。

 この竹トンボの作り方は以下のホームページで紹介されています。

http://www2m.biglobe.ne.jp/~t-yamaki

 このホームページは秋岡芳夫著「竹とんぼからの発想」(講談社ブルーバックス)という本を元ネタにして作られているそうです。実はこの本は私がもう何年も前から探しているものです。絶版になって久しい本ですが、もし古本屋などで見かけることがありましたら、ぜひ御連絡ください。[修]

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規模の大小は様々ながら、私の古い知り合いでも野菜をつくる人が増えつつあり、びっくりします。私も日々実感しているんですが、やっぱり「自分でつくる野菜が一番おいしい!」ですね。

 ところで、「ウチの畑で採った野菜の実を残し、そのタネを来年も播こう」と思ったことありませんか。種(シュ)の存続のために残されるタネだもの、自然な発想ですよね。和合でも今70歳以上の人に訪ねると大概「わしらのじいさんの代まではウチでタネを採っとたよ」という答えが返ってきますが、今そうしている人はほとんどいません。

タネを真剣に採ろうと思うと、異種類のものと交配しないように気を使ったりするのもやっかいだし、寒い春から苗を育てるのも大変です。手軽にタネや苗が買えるようになれば当然買うようになるのも、うなずけます。

 けれど、ウチの畑で元気に育つもの、ウチの嗜好や台所事情に適った種類を育てようと考えると別の楽しさが生まれます。「なるほど、種(タネ)をなぐことは種(シュ)を育てることなんだ。」と。

 このようにはりきったところで、なかなか思うようにならない野菜づくり一年生ですが、信じられる技術をなんとか身につけたいものです。どうぞ皆さん、色々教えてください。

種どりレポート

 野菜をつくっているなかで「このタネはつなぎたい」と、気持ちをそそるのは先ず発芽の姿。りりしく、愛らしい芽。そして作物の出来具合と味。

 この夏「ムム」と思ったものをちょっとご紹介します。

 昨年から苗を作り、種をとり、今年も作ったもののうち、まぁ良かったものは小布施の丸ナスとキュウリです。いずれも昨年よりは上出来。姿も実のつき具合も味もなかなか良いです。去年より今年、ウチの畑に種が慣れてきたのだと吹聴したいところですが、今年は暑さが厳しい分、夏野菜は総じて良いということを聞きます。昨年は本当にヘタクソだったので、「腕があがった!」と信じたいところですが…。

 去年、大きくて緑がかった奇妙なナスをいただいて、半信半疑で食べたらおいしくてびっくり。春を待つ間に和合地区の最果て、鈴ヶ沢という部落にそのナスの種をいただきに行きました。国道から奥まった山の中の和合地区の中でもさらなる山の中。かつては木地師が木を伐り、お椀や盆を挽いていたところだそうです。この地で代々継がれてきたナス。きめが細かくてポックリしていて味が濃い。アクが強いのです。 長さが20cm近くにもなってしまったオクラがなんともやわらかい。食べてみたら、とても甘くて、オクラの香りが濃く、ボリューム満点。これは是非つなぎたい逸品です。すっぱくて味の濃いトマトは無いかと『ふくたね』のカタログから探して買ったポンテローザという種類。期待に十分応えてくれました。今年は渇きすぎでカルシウム不足から尻腐れが出たほどで、幸い9月までは木には病気も出ませんでした。来年はちゃんと雨よけをつけてみようと思ってます。

売っているタネ

 色や形の良いもの、やわらかくて食べやすいもの、多収のもの、病気に強いものなどを求めてタネ屋が交配したものはタネの袋に「◯◯交配」と記してあります。そうでないものと比べて値段も高いです。これらのタネは翌年につないでも同じようには育たないものが多いと聞きます。

タネ屋のカタログ

 福井県の福種株式会社は、交配させていない種を多く扱っています。市場ではお目にかからないようなものもたくさんあっておもしろい。それと、定評のある京都のタキイ種苗株式会社の2社からカタログを取り寄せました。コタツにもぐってこれらを眺めるのはなんともイイ時間です。(カタログ請求先 福種:0776-52-1100 タキイ:075-365-0123)

「タネがほしい」とか「こんなタネあるよ」とか失敗談、成功談など是非教えてください。

畑の仕事をしながら考える色々なことを分かちあえる仲間がたくさん欲しくって書きました。タネどり以外の話、野菜はつくってないけど興味のあることなど、どんなことでもお返事いただけたら嬉しいです。[弓]

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箱メガネ     巾×奥行×高さ(@)300×300×210

 百姓仕事が忙しくて、木工のほうはまだ軌道に乗っていないのですが、近所の人から頼まれて箱メガネを作りました。

 和合のまん中を流れている川(和知野川)はほんとうに澄んでいて、そのことは僕がここに住もうと思った理由の一つでもあります。川にはアマゴ、イワナ、アユなどがいますが、和合の人はみな子どものときから(大人になった今も!)、釣り、投網などでこの川で遊んできました。

 夏になると決まって話しに出るのが、カジカ突きです。体長が数センチくらいのハゼのような魚です。日中が焼けつくように暑い日の夜、箱メガネとヘッドランプとヤスを持って川に入り、浅瀬で疲れて眠っているカジカを突くんだそうです。去年はおとなりの広田君が捕ったカジカを10尾くらいもらったので、すぐに腹から石や砂を出して空揚げにして食べました。昔は太い竹を二つに割ってその中に松の老木を挟み、一人がこれに火をつけて(まさに松明 -たいまつ- ですね。)かざし、もう一人が箱メガネで川の底を覗きながら突いたそうです。

 僕らが見るとすごくきれいに見える川でも、昔に比べるとずーっと汚れていると、ここの人は言います。昔はすぐに100や200のカジカは捕れたけれど、今ではその十分の一近くがせいぜいだそうです。[修]


猪ワナのパンフレット  

 猪猟なんて、全く別世界の話だったのに、和合へ来てからはすっかり暮らしの一部になりました。Iターンで我々より先に和合に入植した隣人の広田くんが狩猟の免許を持っているのですが、今年1月には立て続けにイノシシをワナで5頭も捕りました。お陰様で、その度に呼んでもらい、鉄砲で打つところから立ち合ったり、解体作業を一緒にやらせてもらったり、肉付きのアバラ骨の煮込みを囲んで猟師さんたちと一杯やりながら猟話しを聞けることが嬉しくて仕方ありませんでした。

 その広田くんの師匠様であり、よく捕れるワナの考案者である伐採師(山の木を伐り倒して売る人)の村仲さんから頼まれて、ワナのパンフレットと取り扱い説明書を作りました。

 昭和20年代前後にぱったりと姿を消した猪が、再び姿を見せるようになってから、また急激にその数が増えているようです。去年は和合だけでも40頭以上捕れたと聞いてびっくりし、そんなに捕っていいのだろうかと危惧していましたが無用でした。今年は、去年にも増して田畑の被害が続出しているようです。猟師さんたちには、もっとがんばって捕ってもらわねば。

 私は、また冬にシシ肉が食べられるかな、と期待してしまいます。

 全国的に同じような状況だと聞きますが、いかがでしょうか。設置簡単!捕獲率抜群!繰り返し使用可能!という画期的なくくり式のこのワナにご関心のある方、少々余部がありますので、ご要り用の際はご一報ください。[弓]


レクスタ通信

 自然エネルギー事業協同組合、通称レクスタの発行するレクスタ通信の編集をしています。

 環境問題が声高に語られるようになり、太陽光や風力など自然エネルギーによる発電がどんどん市民権を得ています。けれど、実は環境問題もひとつの現象にすぎないのではないでしょうか。

 一人ひとりが必要なエネルギーをどのように得て、使うかを丁寧に考えること、エネルギーだけではなく暮らしの成り立ちを自分の責任で賄ってゆこうとすることが、きっと社会の在り方を変えてゆくことだと思います。

 そんなことを一緒に考えていただける方、是非モニターになってください。見本紙をお送りします。[弓] 

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